2021年06月28日

マンスリー報告 ともに行う家事(調理・買い物)


ともに行う訪問介護事業所の介護福祉士・作業療法士・調理師いとうです。


身体介護の見守り的援助"共に行なう家事"です。
リハビリテーション・ケア研究大会2019金沢
での報告はこちら↓

右手首骨折による手指の拘縮と古い既往歴として頭部外傷による記憶障害などの高次脳機能障害も残存されています。

身体介護の見守り的援助"共に行なう家事"では、訪問リハビリテーションと連携し、安全に包丁使用しての料理や肉類や野菜などの生鮮食料品の買い物、賞味期限の管理、小分け冷凍保管などをサポートしています。


今月もあり合わせの材料で旨いもんを作りました。

1週目!
白菜とウインナーの酒蒸し
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大根とツナの炒め物
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2週目!
ブロッコリーとウインナー炒め
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3週目は腰痛のためお休み

4週目!
肉類の買い物の見守り的援助後に煮卵づくり。

この日に買ってきた鶏の胸肉をカットしてからラップで小分け冷凍保管にします。
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後日の親子丼や炒め物に。


煮卵の黄金比率の自家製タレをつくります。
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ゆで卵の皮むき。
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ゆで卵を自家製タレに漬け込みます。
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先月も煮卵作りました。

とても美味しかったそうで、その後に2回ゆで卵を残ったタレに漬け込んだそうです。

「でもねェ…タレをどうやって作ってたのかをどうしても思い出せなくてさァ…」
と、利用者さまが話してくれました。

冷蔵庫にタレの黄金比率レシピを赤ペンで書いて掲示してみました。

「いいねェ」
と、嬉しそうな表情の利用者さまでした。

利用開始当初からメモするのをとても嫌っておられ、メモも書いたのをすぐに忘れるくらいです。

なので、こちらからメモを書くことを記憶の代償手段として提案したことがこれまで一度もありません。

今回初めてレシピのメモを書いて冷蔵庫に掲示させていただきました。

そんな利用者さまの唯一の記憶の代償手段は、ケータイのスケジュール帳でした。

「一度書いてみようと思ってさ」
と、最近はご自分でカレンダーに月のスケジュールを自ら書き込んでおられます。

買い物の際には、陳列棚にあるトイレットペーパーを見て、補充の購入を思い出すことができておられました。

生活場面の中で自立生活支援に関わらせていただくと、記憶障害へのリハビリテーションに直接的につながることがたくさん確認することができます。

そして、人の"美味しい''から始まる意欲、動機、モチベーションは、人の行動の大きな源泉になるなぁ…とあらためて思います。
▼「考える食」↓

来月には利用者さまご自身で黄金比率のレシピメモを見ながら、煮卵の自家製タレを作って、ゆで卵を漬け込むことができていそうな気がしています。


追記)
☆自家製タレの黄金比率
醤油大さじ4、水大さじ3、みりん大さじ2、砂糖大さじ1(卵6個分)
☆ゆで卵は沸騰した湯に7分
ぜひお試しを!


ともに行う訪問介護事業所は、なめだリハビリテーションクリニックの訪問リハビリテーションや他訪問介護事業所と連携し、身体介護による見守り的援助"ともに行う"で利用者様の重度化予防、QOL向上、自立生活支援をサポートします。

出張寄せ植え・テラリウム。〜四年越し編、その後の経過〜


心意気実践チームのOTいとうです。

左片麻痺の利用者さまへの訪問看護リハで、利用者さまの発症前の趣味だったプリザーブドフラワーアレンジメントではありませんが、それに少し近しいテラリウムに2年半ほど前にチャレンジしました。

多趣味だった利用者さまの趣味活動の支援、働きかけは、6年前の利用開始当初より進めてきました。

テラリウムにチャレンジできたのは利用開始から4年越しのことでした。

▼2018年12月18日のブログより↓

今も元気に育っています。
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訪問時に週1回の水やりを一緒に行なっています。

「かわいいわ〜」

と、利用者さまはいつもアイビーやフィカスプミラなどの成長を、我が子を見守るかのように楽しみにしておられます。

園芸療法のチカラを感じずにはいられません。

まだ、次のテラリウム制作までには至っていませんが、6年近く続けている屋外歩行練習の合間に新作の制作に向けた働きかけを続けていきます。



アクティブ心意気実践チームは、利用者さまの自立支援、重度化防止、QOL向上に資するご自分の価値やあり方を見い出すお手伝いを微力ながら出来ればと考えています。
その先にある”自分らしさ”を一緒に追求します。
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2021年06月26日

2年目療法士向けzoom講義「パーキンソン病 服薬とリハビリテーション ケーススタディ」


人材開発室PT軽部、OT伊藤です。

講師はPT軽部。
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OT柳原さん、PT奥藤さん(大正)、OT冨吉さん(堺)、OT我如古さん(吹田)の2年目療法士の4名が参加してくれました。PT藤島さん(松原)は実習生の症例報告会のため不参加でした。


服薬のことについて、Q&A形式で知識を補充して整理します。
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自分ならどのようなリハビリテーションを展開するのか?

参加者の各自に問いかけます。
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参加ありがとうございます。
もちろん2年目療法士以外のみなさんの参加もお待ちしてます。よろしくお願いします。


追記)
ボクササイズでのリハビリテーションの様子も紹介がありました。

パーキンソン病の方々のパンチを打ったり、かわしたりする際の左右前後の脚のステップや上体の自然な身のこなしには感動です。

パーキンソン病の病態や薬剤の理解に、個々の心身機能、生活課題、目標とのすり合わせをしながら、その方の潜在的なパフォーマンスを引き出すに適したリハビリテーションの方法を考えること。

その意味でも今回学んだ服薬と運動、リハビリテーションとは切っても切り離せない関係にあるように思いました。

それにしてもリハビリテーションのアイディアは果てしないなぁ…とあらためて感じました。

利用者さまの生活の場では、障がいによる生活課題を"ありあわせのモノで何とかする"というブリコラージュ力、即興力が、生活期リハの療法士個々には試されているのでしょう。
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参考)
アイディア電球のだし方の7つと9つの視点
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2021年06月25日

新人オンライン・ダイアログ


人材開発室のいとうです。

6/24の第4木曜日17時15分〜は新人さんのオンライン・ダイアログです。

この日はPT松原さん、水上さん(松原)、OT好見さん(吹田)が参加してくれました。

仮のテーマを「困りごと」としました。

口火を切ってくれたのは松原さん。

「学び方がわからないです」

「そうですよねー」
と、共感する水上さん、好見さん。

お二人も同じことを感じていたそうです。

「これでいいのかなあ…」
と、みなさん試行錯誤しながらも、デイサービスでの業務に取り組んでいることが伝わってきました。

参加者3人がそれぞれ話す言葉を画面共有のホワイトボードに書き込みながら進めました。
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互いの意見やお話しがたくさんでてきました。

課題感がみなさん同じところにあることがわかってきました。

"教科書と実際の利用者さまの個別リハで接する際にどのようにそれをつなげていけばいいのか?"

"学び方にはそれぞれに合ったやり方がありそうだが、それがみんなまだ確立していなさそうかな…トライアル&エラーの途中かな…"

最後に松原さんから、
「文献の一字一句を追っていて、インプット、インプットだけになってしまっていたように思いました。頭に入っていない」
「そのインプットもやり切れていないところもあるし、インプットしていることもそれがいいことなのか、現場で試すことができていない」
と、話しがありました。

大変大きな気付きです!スゴい…

「アウトプットをがんばってみます」
と、松原さん。



「わかるということは、それによって自分が変わることでしょう」
歴史学者 阿部謹也著
『自分のなかに歴史をよむ』より

"わかるということは変わること"
なのでしょう。

▼読書について

あっという間の45分。
次回も楽しみになってきました。
参加ありがとうございます。



When one person teaches.
Two person learn.
"独りが教えると、両方学ぶ"

教える人が学ぶ姿勢を見せ続けることで一緒に変われる。

教える側が学び、ともに成長するという関係性へ。

"よき臨床から、よき教育と研究が生まれる"
"よき研究から、よき臨床や教育も生まれる"
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2021年06月23日

アクティブスマイル6月(ボウリング)村田

こんにちは。大正の介護職の村田です。
6月のアクティブスマイルのイベントは、6月22日がボウリングの日という事でボウリングのイベントを行いました。
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ペットボトルをピンに見立てて、ボールは軽いボールで行ってもらいました。
周りの職員の助言もあり、ペットボトルに水を入れたりボールを少し重めのボールにしていたのですが、利用者さんによって身体状況に違いがあるのであまり力がいらない空のペットボトルに軽いボールで統一しました。
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立位のまま行うと転倒のリスクがある方には、座って行って頂きました。
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ルールは2セット投げてもらい、ストライクなら+5点、スペアなら+2点の倒した本数で最高得点が30点になるように設定しました。
利用者さんからは、「ボウリング昔よくやったわぁ」や「初めてやるわぁ」等様々な声がありました。
中には練習で10回以上投げて頂けた利用者さんもいました。
スペアは出る方はいたのですが、ストライクはなかなか出ず1人の利用者さんのみという結果になりました。
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今回のイベントを通じて僕が一番嬉しかったのが、利用者さんに全員参加して頂けた事です。
前僕が担当したアクティブスマイルでは、参加率が100%ではなかった為以前から目標にしていました。満足度は分からないですが反応を見る限り良い反応だったと思います。
このご時世なので利用者さんでワイワイ盛り上がってするイベントは行えないですが、少しでも楽しんで頂けたら嬉しい限りです。引き続き全員が楽しめるイベントを考えていきたいと思います!

大正事業所
村田
posted by Active at 15:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 大正(報告)

研修【マイルール】開始! 担当:飛永 ワクワクとドーパミン

大正事業所・運営責任者・理学療法士の飛永です。
令和3年度も大正事業所では継続して研修を行っていきます。
実施方法は感染拡大予防の観点より、資料作成と音声録音を行い、受講後の感想発信という手段で実行していきます。
受講時間や場所に制限がないことで、各職員が担っている様々な業務の隙間時間を使用できております。

過去の研修テーマの流れ
チャレンジ→プレゼント→アップデート→【マイルール】

初回は、私が担当させて頂きました。
タイトルは、【ワクワクとドーパミン】です。
私は、「やる気」を信じていません。
それは【向き合い方次第でどうにでもなる】と信じているからです。


研修資料を作成していく中で
「まだまだ自分のことを知らないな。」
「もっと自分のワクワクを追及したいな。」
と感じるようになりました。

まだまだ知らないことばかりですが、
ドーパミンだけでなく、セロトニンやノルアドレナリン、オキシトシンとの関係性や
運動学習、動機づけ、課題志向型アプローチなどなど

上記内容を学ぶことで、活かせるイメージが出来ています。
臨床においては、ご利用者さんや同僚、もちろん自分自身も。
私生活では、家族や友人も。
これが報酬予測による行動変容なんでしょうね。
今後も、ワクワクしながら学びを続けていこうと思います。


アクティブ大正
運営責任者
理学療法士
飛永直樹
posted by Active at 09:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 大正(報告)

2021年06月22日

『色で答えましょう!』

こんにちは。松原事業所の山野です。 

アクティブデイサービス松原で行われている『アクティブオリンピック』の報告をさせていただきす。

今月は、6/ 12 6/18にかけて、アクティブオリンピックを開催しました。

今回のゲームは、『色で答えましょう』。

今回は介護士のSさんに企画をしていただきました。12個のマス目に書かれた文字があります。

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今回のゲームはその文字の色を答えるゲームです。


例えば下の画像の一番上の列ですが。

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『青・黄・青・赤』と答えるのではなく・・・。

』と答えます。

簡単そうに見えて、結構頭の中がこんがらがりますね。


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『えーとこれは、ですね。』

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『これは、みどり・・・、いや・・、違った! 黒ですわ・・。』

時間制限内でどれだけ答えられるかが勝負です。

早い人で8秒で全てを答えられました。すごい!


今回は月曜日の午前チームが優勝しました。

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なんと令和元年の10月以来、約18ヶ月ぶりの優勝ですね。涙、涙。

優勝の景品は、「パンケーキです!」。美味しいそうですね。

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(※コロナ感染予防の為、ご自宅に持ち帰って、お召し上がりいただきました。)


最近は体を使うゲームが続いていましたが、時には頭を使うゲームも楽しいですね。

posted by Active at 13:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 松原

2021年06月21日

"介入"という言葉。医療の分野で使っていいのだろうか。


人材開発室のいとうです。



"介入"という言葉。


私たちはリハビリテーションの現場で何気なく使っていないでしょうか。



この記事はリハビリテーション専門医岡本五十雄先生からの問題提起です。


いま一度、自分たちが使っている言葉を考え直す機会になればと思います。




「医療の分野で使っていいのだろうか」

 


1,介入 

問題・事件‣紛争などに本来の当事者でない者が強引にかかわること(広辞苑)

事件や争いなどに割り込むこと(三章堂 大辞林)

当事者以外の者が入り込むこと。争いやもめごとなどの間に入って干渉すること(goo辞書)


 

@ 臨床現場で使われる介入

私たちの仕事の分野でこの言葉に違和感を覚えたのは15〜16年前くらいからでしたそれが時と共に、頻繁に使われはじめ、使わなくてもいいのに、使っているのに心が痛んでいました。

どんな使われ方をしているかというと、理学療法介入の結果作業療法介入の結果言語療法介入の結果治療介入やリハビリテーション介入など、全国学会でも地方会でも此見よがしに使われているので

これらは、介入を入れないで理学療法、作業療法、言語療法、治療やリハビリテーション治療の結果で十分なのに、介入という言葉を入れて、勝手に入り込む療法という意味にしています。医療は患者さんとの協力、協同で行われます。この言葉は使ってはいけない言葉なのです。カンファレンスの時に多くの療法士がこの言葉を使います。私はその都度諭します。

以前に日本リハビリテーション医学会にもこの問題についての意見をあげたことがあります。


 

A医療・福祉関係ではInterventionの適訳は国語力が問われる 

このように介入は医療現場では使うべきでないと考え続けてきましたが、日本福祉大学名誉教授二木立先生の「二木立の医療経済・政策学関連ニュースレター」(通巻184号、17ページ(2019年11月)にInterventionを日本語に訳するときに介入という言葉を使うべきでないこと、訳すときの状況に応じた適訳が必要であることが紹介されており、これには大いに感動しました。二木立先生の文章をそのまま紹介します。


○渡部律子(日本女子大学教授)「援助・支援 ソーシャルワーカーとクライエント…が出会い、そこで展開されていく問題解決・軽減のための活動をソーシャルワーク援助と呼ぶ。英語圏では、日本語に訳すと『介入』となる『Intervention』という用語が使用されることもあるが、この日本語は両者の関係が対等ではないという誤解を招くこともあるので本書では使用しない。本書では主に援助を使うが、時に支援という用語も同様の意味で用いる」(『福祉専門職のための統合的・多面的アセスメント−相互作用を深め最適な支援を導くための基礎』ミネルヴァ書房,2019,20頁「用語の定義」)。

二木コメント−私も以前から「介入」という日本語表現が気になり、大学院生や若手研究者が社会福祉・ソーシャルワーク分野の研究計画等で「介入」を使った時には、「支援・援助が適切ではないか?」とコメントしていたので、多いに共感しました。今回Googleで調べたところ、interventionの動詞interveneの本来の意味は「間に入る」「介在する」(inter=間・中+vene=来る)という中立的意味であり、日常用語として干渉、押しつけ等のマイナスイメージがある「介入」は、専門用語としても使うべきではないと改めて思いました。医学論文のinterventionは、なかなか良い訳語が思いつきませんでしたが、本「ニューズレター」183号の英語論文抄訳欄の冒頭で紹介した論文では、試みに「働きかけ」と訳してみました。また、以前から、"treatment intervention" "intervention group"はそれぞれ、「治療介入」ではなく「治療」、「介入群」ではなく「治療群」と訳しています。


さすが二木先生です。ここまでの英語力と国語力なのです。



B 翻訳は国語力

翻訳には国語力が問われるといいます。いくら英語が上手でも、日本語を駆使できる能力を持っていなければ、とんでもない間違いを起こします。英語を本当に理解するためには、日本語力を身につけなければなりません。それは、幼少の頃から必要なことです。いくら幼少期から英語だけを学んでもよい日本語は身につきません。

余談ですが、若いときに、ベトナムの傷痍軍人大臣から頂いたベトナムのリハビリテーションを訳したとき「ベトナムは飛行機による激しい爆撃を受けた」と翻訳ました。先輩に、それは「空爆」だよと指摘され、己の国語力の低さを痛感したことを覚えています。

 


,用語の変遷


@めくら将棋→目隠し将棋に

 以前には「めくら将棋」と言われました。めくらという表現が差別用語とされてから、目隠し将棋となったのです。目を被うように鉢巻きをして、将棋を指すのです。当然、将棋盤や将棋の駒は全く見えません。駒の位置を言葉で対戦相手に伝えて指すのです。ほとんどのプロの棋士は可能です。しかし、多少弱くなります。よく間違えるのが、歩の数です。そのため、指を折って、歩の数を確認しているといいます。一歩でも間違えると詰ますことができなかったり、また余分に使ったりして、負けとなります。

 ついでですが、このように目隠しでも将棋の駒の配置は記憶を頼りにできるのですが、それをゴボウ、ニンジン、大根などの形をした駒をおいて、その駒を前に進めてもすぐ記憶は途切れてしまいます。

 なれたものの記憶は難しくても残り、不慣れなものは単純なものでも記憶に残りにくい。不思議ですね。

 

 

Aつんぼ桟敷 

江戸時代の劇場で、正面2階桟敷の最後方の席。現在の3階および立見席に当たる所で、役者のせりふがよく聞こえない観客席。見巧者が多く集まるので俳優には重視され、「大向う」といわれる。A転じて、いろいろな事情を知らされない状態(広辞苑)。

 つんぼという言葉が差別用語となり、耳の日自由な人となりました。 

つんぼ桟敷の言い換えや類語には中間はずれ、かやの外、つまはじき、村八分、疎外などがあります。これらの言葉を使っても、言葉の響きはいまいちです。この言葉は、「声の聞こえない桟敷」から「つんぼ桟敷」になったといわれ、これからは「声の聞こえない桟敷」という表現になるのでしょうか。すきっときませんね。だからといってつんぼ座敷が

よいわけではないのですが。




この記事は、リハビリテーション専門医の岡本五十雄先生(北海道のクラーク記念病院)のメールマガジン『リハビリテーション、医のこころ』より、岡本先生から許可を得て原文のまま転載させていただきました。


岡本先生、ご厚意ありがとうございます。

▼岡本先生の関連のブログ記事↓

http://active-nopsj.sblo.jp/s/article/187192547.html

posted by Active at 18:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 人材開発室

"介入"という言葉。医療の分野で使っていいのだろうか。


人材開発室のいとうです。



"介入"という言葉。


私たちはリハビリテーションの現場で何気なく使っていないでしょうか。



この記事はリハビリテーション専門医岡本五十雄先生からの問題提起です。


いま一度、自分たちが使っている言葉を考え直す機会になればと思います。




「医療の分野で使っていいのだろうか」

 


1,介入 

問題・事件‣紛争などに本来の当事者でない者が強引にかかわること(広辞苑)

事件や争いなどに割り込むこと(三章堂 大辞林)

当事者以外の者が入り込むこと。争いやもめごとなどの間に入って干渉すること(goo辞書)


 

@ 臨床現場で使われる介入

私たちの仕事の分野でこの言葉に違和感を覚えたのは15〜16年前くらいからでしたそれが時と共に、頻繁に使われはじめ、使わなくてもいいのに、使っているのに心が痛んでいました。

どんな使われ方をしているかというと、理学療法介入の結果作業療法介入の結果言語療法介入の結果治療介入やリハビリテーション介入など、全国学会でも地方会でも此見よがしに使われているので

これらは、介入を入れないで理学療法、作業療法、言語療法、治療やリハビリテーション治療の結果で十分なのに、介入という言葉を入れて、勝手に入り込む療法という意味にしています。医療は患者さんとの協力、協同で行われます。この言葉は使ってはいけない言葉なのです。カンファレンスの時に多くの療法士がこの言葉を使います。私はその都度諭します。

以前に日本リハビリテーション医学会にもこの問題についての意見をあげたことがあります。


 

A医療・福祉関係ではInterventionの適訳は国語力が問われる 

このように介入は医療現場では使うべきでないと考え続けてきましたが、日本福祉大学名誉教授二木立先生の「二木立の医療経済・政策学関連ニュースレター」(通巻184号、17ページ(2019年11月)にInterventionを日本語に訳するときに介入という言葉を使うべきでないこと、訳すときの状況に応じた適訳が必要であることが紹介されており、これには大いに感動しました。二木立先生の文章をそのまま紹介します。


○渡部律子(日本女子大学教授)「援助・支援 ソーシャルワーカーとクライエント…が出会い、そこで展開されていく問題解決・軽減のための活動をソーシャルワーク援助と呼ぶ。英語圏では、日本語に訳すと『介入』となる『Intervention』という用語が使用されることもあるが、この日本語は両者の関係が対等ではないという誤解を招くこともあるので本書では使用しない。本書では主に援助を使うが、時に支援という用語も同様の意味で用いる」(『福祉専門職のための統合的・多面的アセスメント−相互作用を深め最適な支援を導くための基礎』ミネルヴァ書房,2019,20頁「用語の定義」)。

二木コメント−私も以前から「介入」という日本語表現が気になり、大学院生や若手研究者が社会福祉・ソーシャルワーク分野の研究計画等で「介入」を使った時には、「支援・援助が適切ではないか?」とコメントしていたので、多いに共感しました。今回Googleで調べたところ、interventionの動詞interveneの本来の意味は「間に入る」「介在する」(inter=間・中+vene=来る)という中立的意味であり、日常用語として干渉、押しつけ等のマイナスイメージがある「介入」は、専門用語としても使うべきではないと改めて思いました。医学論文のinterventionは、なかなか良い訳語が思いつきませんでしたが、本「ニューズレター」183号の英語論文抄訳欄の冒頭で紹介した論文では、試みに「働きかけ」と訳してみました。また、以前から、"treatment intervention" "intervention group"はそれぞれ、「治療介入」ではなく「治療」、「介入群」ではなく「治療群」と訳しています。


さすが二木先生です。ここまでの英語力と国語力なのです。



B 翻訳は国語力

翻訳には国語力が問われるといいます。いくら英語が上手でも、日本語を駆使できる能力を持っていなければ、とんでもない間違いを起こします。英語を本当に理解するためには、日本語力を身につけなければなりません。それは、幼少の頃から必要なことです。いくら幼少期から英語だけを学んでもよい日本語は身につきません。

余談ですが、若いときに、ベトナムの傷痍軍人大臣から頂いたベトナムのリハビリテーションを訳したとき「ベトナムは飛行機による激しい爆撃を受けた」と翻訳ました。先輩に、それは「空爆」だよと指摘され、己の国語力の低さを痛感したことを覚えています。

 


,用語の変遷


@めくら将棋→目隠し将棋に

 以前には「めくら将棋」と言われました。めくらという表現が差別用語とされてから、目隠し将棋となったのです。目を被うように鉢巻きをして、将棋を指すのです。当然、将棋盤や将棋の駒は全く見えません。駒の位置を言葉で対戦相手に伝えて指すのです。ほとんどのプロの棋士は可能です。しかし、多少弱くなります。よく間違えるのが、歩の数です。そのため、指を折って、歩の数を確認しているといいます。一歩でも間違えると詰ますことができなかったり、また余分に使ったりして、負けとなります。

 ついでですが、このように目隠しでも将棋の駒の配置は記憶を頼りにできるのですが、それをゴボウ、ニンジン、大根などの形をした駒をおいて、その駒を前に進めてもすぐ記憶は途切れてしまいます。

 なれたものの記憶は難しくても残り、不慣れなものは単純なものでも記憶に残りにくい。不思議ですね。

 

 

Aつんぼ桟敷 

江戸時代の劇場で、正面2階桟敷の最後方の席。現在の3階および立見席に当たる所で、役者のせりふがよく聞こえない観客席。見巧者が多く集まるので俳優には重視され、「大向う」といわれる。A転じて、いろいろな事情を知らされない状態(広辞苑)。

 つんぼという言葉が差別用語となり、耳の日自由な人となりました。 

つんぼ桟敷の言い換えや類語には中間はずれ、かやの外、つまはじき、村八分、疎外などがあります。これらの言葉を使っても、言葉の響きはいまいちです。この言葉は、「声の聞こえない桟敷」から「つんぼ桟敷」になったといわれ、これからは「声の聞こえない桟敷」という表現になるのでしょうか。すきっときませんね。だからといってつんぼ座敷が

よいわけではないのですが。




この記事は、リハビリテーション専門医の岡本五十雄先生(北海道のクラーク記念病院)のメールマガジン『リハビリテーション、医のこころ』より、岡本先生から許可を得て原文のまま転載させていただきました。


岡本先生、ご厚意ありがとうございます。

▼岡本先生の関連のブログ記事↓

http://active-nopsj.sblo.jp/s/article/187192547.html

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2021年06月19日

新人教育プログラムzoom講義「エンパワメントアプローチ、ストレングスモデル」


人材開発室の軽部、伊藤です。

この日のテーマは、前回のポジティブアプローチに続き、エンパワメントアプローチとストレングスモデル。

担当は伊藤です。

訪問リハ事例の実際場面での関わりも交えて、お話しさせていただきました。

みなさん参加ありがとうございます!
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なぜエンパワメント・アプローチ?
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みんなで考えてみました。


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お互いに学びながら、元気づけ合いながら共に成長できる双方向のエンパワメントが形成されるのではないかと考えています。



互いに成長しあえる関係性とは…

みんなで考えてみました。
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これは、わたし自身が患者さま、利用者さまと接する現場のなかで、たびたび感じてきたことです。

患者さま、利用者さまとの関わりのなかから…
"よう勉強させてもらったなぁ"
"ありがたいなぁ"
"めちゃくちゃがんばってはるなぁ"
という具合に。

今までも患者さま、利用者さま、ご家族から、元気やチカラをたくさんもらってきました。

ご自分の人生や生活を自分自身でコントロールするために…
リハビリテーションの仕事を介して、互いに成長しあえる関係性というものを感じることがありました。

それは実際の経験のなかを通してでしか、感じ得ない、なかなか知り得ないことなのかもしれません。


今回、新人の方々向けにお話しする機会をいただき、みなさんにわかりやすくお伝えしようと、講義開始時間10分前のギリギリまで話しのながれを考え、資料作成を続けました。

開始してからも話しながら別のことを思いついて中身を変えたりもしました。


エンパワメント・アプローチは、目に見えるようなものではなく、支援者、ケア者としての心構えや心がけなど、概念的かつ少し哲学的で目には見えにくい、新人さんたちにとってはとてもわかりにくかったかもしれません。


次回にお話しすることになっているナラティブ・アプローチやナラティブ・ベースド・メディスン、クライアント・センタード・アプローチのことにもふれました。
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"医療者側の行動変容"
『共に変わろう』


"無知の知"
『もう知ってると思った瞬間に停滞する』

患者−治療・支援者の関係性だけでなく、学生−教師の関係性や新人−バイザーの関係性でも同じことなのではないでしょうか。
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エンパワメント・アプローチ。
双方向のエンパワメントを形成しながらお互いに学びながら、元気づけ合いながら共に成長できる関係性のこと、関わり方のこと。

まだまだうまくまとまりません…また勉強します。

今回もみなさんの参加とオンラインのなかで自分の考えを言葉にしての発信ありがとうございます。



当日参加できなかった方々には、録画資料を閲覧できるように録画URL、YouTubeの動画URLを各事業所メールへの送付に加えて、Googleドライブでの共有も始めました。
ともに社外秘、限定公開のため取り扱いには留意していただきご活用ください。



When one person teaches.
Two person learn.
"独りが教えると、両方学ぶ"

教える人が学ぶ姿勢を見せ続けることで一緒に変われる。

教える側が学び、ともに成長するという関係性へ。

"よき臨床から、よき教育と研究が生まれる"
"よき研究から、よき臨床や教育も生まれる"
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2021年06月18日

6/17オンライン体操 キックオフ!

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発掘あるある広報室ST東田(堺)、PT大家(泉北)です。

6月17日、弊社総合事業部のPT谷村さんとコラボし、
オンライン体操を行いました。
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アクティブデイサービスの全事業所とご希望の利用者様を
リモートでつなぐ初の試みです!

訪問リハ利用者様(吹田のOT内島さん担当)も
ご自宅から2名参加してくださいました!
そのお一人はご自身でzoomに接続されました!スゴい…


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@吹田
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@松原
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@堺
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@泉北


今回は、PT谷村さんが『いきいき百歳体操』を
デイ向けにアレンジしてくださいました。
(外部リンク)
いきいき百歳体操の取り組み-厚生労働省

椅子に座りながらゆっくりと行える体操ですが、
全身にアプローチできる内容で、
「結構効いた!」とのことです。

今後も、リモートを活かし大阪府下各事業所をつなぎ、
体操はもちろん、レクリエーションなど
幅広い活動に発展できたらと思います。

オンラインでデイサービスの各事業所を
繋ぐという新たな取り組みでした。
とてもワクワクしました!

参加してくださった利用者の皆様、各事業所のスタッフのみなさん、そして体操指導してくれたPT谷村さん、ありがとうございます。



追記)
オンライン体操の当初イメージ(今年2月頃から企画検討中、広報室より)
◉対象(To whom:誰のためにするのか)
→デイサービスの空き時間(11時〜や15時半〜、始まりの会など)
→コロナ休止中の方々(要オンライン環境の整備)
→広報室や他スタッフ作成動画を録画することで後日配信、視聴も可能
→訪問利用者様(要オンライン環境の整備)

◉+アルファ
→金曜日午後の1〜2年目の方々の仕事、オンライン指導経験にもなれば…
→新規事業化
☞外部の入居施設や企業向けの営業活動へ(介護予防だけでなく産業リハ分野へのアウトリーチ)

◉オンライン動画ネタ(案)

1.起立着座オンライン自主トレ☞ST碓井さん起案
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2.口腔・食前嚥下体操オンライン自主トレST松本さん起案

3.転倒予防体操オンライン自主トレ、ライフキネティック(PT馬場さん)☞いとう起案

4.失禁予防・骨盤底筋群体操オンライン自主トレ☞ST松本さん起案

5.屋外歩行VR(坂道、海外旅行等の画面共有)の歩行訓練オンライン自主トレ☞ST東田さん起案

6.各事業所デイの体操をシェア、オンライン化、朝の会のシェア(月1回)☞PT大家さん起案


☆他事業所間とのオンライン体操&各事業所オリジナルのレクで交流会&コグニサイズ&口腔体操&リハ栄養講話などを検討中、アイディア電球募集中です!


☆PT谷村さんによるテレ体操も募集中!
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2021年度 求人情報&オンライン就職説明会・見学会のご案内


看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、それぞれ若干名の2021年度の求人募集を開始しました。
※看護師は経験者に限る(臨床経験3年以上)

▼求人情報はこちら↓

オンライン就職説明会・見学会も随時募集中(完全予約制、日程は応相談)です。
▼概要はこちら↓

▼参加申し込みフォーマットはこちら↓

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▼昨年度の様子はこちら↓

▼アクティブ訪問看護ステーション・デイサービス公式YouTubeチャンネル

2021年06月09日

2年目療法士オンライン・ダイアログ。


人材開発室のいとうです。


第二火曜日17時15分〜18時頃まで、2年目療法士の方々とのオンラインダイアログです。
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この日は、PT2年目のPT藤島さん(松原、写真左)と、どんな場なのか見てみたいとのことで、1年目PT水上さん(松原)も参加してくれました。

藤島さんが、活動サポートを続けているリハビリモデル森さんの営業チラシ。
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森さんの息子さんが作成してくれたそうです。スゴい…


今回のダイアログも仮テーマは「困りごと」としました。

前回ダイアログのテーマのひとつとしてあがっていた新人さんの育成やサポートは、継続的に対応していくことを確認しました。

2年目のPT藤島さんは、デイサービスでの業務をこなしながら、訪問リハ件数を順調に伸ばしているようです。

自主トレの定着に向けた働きかけの方法について、話しが及びました。
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▼詳細はこちら↓

利用者さまの強みや関心を活かしたICF上の活動、参加の拡張と心身機能の向上を結びつけるアクティブらしい利用者支援の話しもありました。

そのような関わりに共感できるお二人で心強く思いました。

PT藤島さん(松原)、PT水上さん(松原)、忙しいなか時間をつくっての参加とお話しありがとうございます。

みなさんも次回7/13参加をお待ちしてます!


オンラインでの対話、ダイアログの場で、一緒に知恵を絞って、ある問いを探究し、理解を深める試みは、まさに"三人寄れば文殊の知恵"。

その場にいる方々で、ある問いについて考えて、対話を重ねて意味づけをしていく社会構成主義。

毎回新たな気づきを得て、今まで学んだことを解きほぐし(unlearnアンラーン)、さらなる学び直しができる場です。

1年目、2年目の初の合同ダイアログの場もいいですね〜

引き続きよろしくお願いします。



When one person teaches.
Two person learn.
"独りが教えると、両方学ぶ"

教える人が学ぶ姿勢を見せ続けることで一緒に変われる。

教える側が学び、ともに成長するという関係性へ。

"よき臨床から、よき教育と研究が生まれる"
"よき研究から、よき臨床や教育も生まれる"
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2021年06月02日

学生さんとオンライン失語症対話会


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518〜21日の4日間、

大阪医療福祉専門学校の言語聴覚士学科の学生さんと、

失語症の利用者様とで、

オンライン失語症対話会を行いました。


学校の先生より、緊急事態宣言の延長で実習が中止になり、

ぜひ、オンラインでとご要望がありました。


失語症の利用者様たちも、

活動・参加の場が減っていたので、お受けする事になりました。




1日目:S

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失語症の方との会話になれておらず、

学生さんからの会話が止まってしまうと、

S様自ら話を振る場面もあり、

いつも以上に言葉の力を発揮されていました。


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また、学生さんがコロナの影響で学校や実習に行けていない事を知って、

「大丈夫なの?」と心配する場面も!

学生さんとても喜んでおられたようで、

後日学校の先生より学生さんが

「気にかけてくれて泣きそうになった」と話していたとお聞きしました。



2日目・4日目:森様

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他の利用者様が緊張していたり、当日の様子を気にかけたりしていた中、

森さんはどっしり構えていました。経験が違います!


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「化野念仏寺(あだのねんぶつじ)」「サニーレタス」etc…

京都のお寺の名前、物の名前、人の名前など、

普段の会話の中ではなかなか出づらい名前もどんどん出ていました。

やはり、学生さんの前に立つとスイッチが入るようです。



3日目:K

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訪問すると、発症当時の日記や、伝えたい言語症状について

まとめた紙を準備してくださっていました!


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途中言葉が出ず「何て言うんやろう」と言いつつも、

話は尽きず、お話は盛り上がりっぱなしでした。

趣味のカラオケのこと、家のこと、

そして紙にまとめていた伝えたかったこと。


終了後「また機会あればお願いします。」とお伝えすると

「今日話した子達とまた会えるの?」とおっしゃっていました。

本当に時間さえあればもっとたくさんのお話ができたはず・・・

また機会がいただけたら嬉しいと思うばかりです。




コロナ禍においても、利用者様に活動・参加の機会が生まれ、

オンラインという形で交流の場をいただくことができ、

みなさん大変喜んでおられました。


学生さんとの交流だからこそ出てくる生き生きとした言葉に、

横で見ていて驚かされました。

今回の交流が、利用者様にとって、

新たなリハビリの機会になったのではないかと思います。


またこのような活動ができたらと思います。

posted by Active at 14:15| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記

マンスリー報告。ともに行なう家事(調理・買い物)


ともに行う訪問介護事業所の介護福祉士・作業療法士・調理師いとうです。


身体介護の見守り的援助"共に行なう家事"です。
リハビリテーション・ケア研究大会2019金沢
での報告はこちら↓

右手首骨折による手指の拘縮と古い既往歴として頭部外傷による記憶障害などの高次脳機能障害も残存されています。


1週目はジャーマンポテト。

冷蔵庫の中に一つだけ残っていたじゃがいもを使いました。
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冷蔵庫の中に賞味期限の近い木綿豆腐を見つけたので麻婆豆腐に。
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2週目は煮卵。
賞味期限の近い生卵がたくさんありました。
湯がいて…
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2人で卵の皮むき。
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特製ダレに漬け込みます。
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チンゲン菜とウィンナーのオイスターソース炒め。
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3週目はチゲ鍋。
賞味期限が近くなってきた木綿豆腐を使いました。
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4週目はあったかい蕎麦。
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エリンギを蕎麦出汁に加えて。

チンゲン菜炒めを蕎麦にのせて食べます。
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利用者さま、濃口醤油の買い物を忘れずにできておられました。

スーパーに行くと、
「何か買うモノが無かったかなァ…」
と、頭の中に思いをめぐらせることができるようになっておられます。

そして、買い物を思い出して、自ら買って来ることができるにようになっておられます。

"ともに行う料理"をするなかで、つぎの買い物で買うモノが思いついた時に、
「次にスーパー行った時にもし覚えていたら買って来てくださいね」
と、やんわりと口頭で依頼しています。

「メモしたのも忘れるから」
と、利用者さまがメモを嫌がるのでメモには一切残しません。

それでも、買うモノを思い出して買うことが出来つつあります。スゴい…



ともに行う訪問介護事業所は、なめだリハビリテーションクリニックの訪問リハビリテーションや他訪問介護事業所と連携し、身体介護による見守り的援助"ともに行う"で利用者様の重度化予防、QOL向上、自立生活支援をサポートします。

2021年06月01日

読書感想ブログその6〜臨床実習ガイドブック〜

どうも。
泉北 兼 心意気実践チームのむろのぞのです。

今月の本はこれ

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作業療法士・理学療法士臨床実習ガイドブック




●はじめに

「教育」であるはずの臨床実習が希望を奪うようなものでいいのか。

学生たちが抱くこういった不安や疑問は解決することが求められる課題である。

ときにこれら不安、疑問を原動力に奮起する学生もいます。

ただ、すべての不安、疑問が肯定的に作用するわけではない

不安、疑問にからめとられて臨床実習に全力で取り組めなくなることもある。

場合によってはOT、PTの道を断念する者もいる。

どうして学生の不安や疑問は尽きなくてこんなにも大変なのか。
考えられる理由として学生の立場からすると、どのような困難に直面するのかがよくわからないことが挙げられる。

また臨床実習について熟知している人がなかなか身近にいない、という点も考えられる。

私たち作業・理学療法士は臨床家としてトレーニングは受けているものの、教育者として求められる知識や技術についてはほとんど教育されていないため、学生が抱く不安、疑問に対してどう教育的に応えるべきか、十分に理解していないのが現状である。

本書に書かれてある様々な不安や疑問は実習指導者の耳にはなかなか届くことのない学生の声である



冒頭に書かれてあるこれらの内容から、
この本はスーパーバイザーが読むべき本であると確信しました。

スーパーバイザーは実習生の声なき声に耳を傾けることが大切です。

ただしその全てを聞き取ることが難しいのが現状です。

本書はその聞き漏らしてしまいそうな学生らの声を拾い上げるための一助となるものであると感じました。

これまた長い長いブログですが、関心のある方はご一読ください。





●臨床実習中ー第2節ー臨床実習の実際

・掃除や片付けって学生がやるもの?
【利点】:器具が確認できる。どこに何があるか把握できる。電源を入れたり簡単な操作ができると便利。

これに対してもし疑問があったとしてもまず学生側からは言わないでしょうね…。
だからこそ指導者側は「何で掃除や片付けをした方がいいと思う?」
といったことを聞き、助言してあげることが大切なのかもしれません。





●臨床実習中ー第3節ー利用者(患者)さんとの関わり方

利用者さんとの治療的信頼関係を築くためのコツや留意点は?
1、感謝と誠意@相手の目をしっかり見るA言葉は明確にB相手の話にうなずき共感的にC相手の状況を察するD笑顔を忘れない
2、情報と距離:学生がより同調できるようにアンテナを高くする(共感性をあげる)、物理的距離の考慮
3、自己点検:自分自身(学生)の状態がどのようなものか把握する

インフォームドコンセントの留意点
・告知内容
@今から行う医療行為の名称
A内容
B期待されている効果
Cリスク

リハビリテーションにおいては:
@どのような障害であるか
Aそれに対するリハビリテーション治療(利点、欠点)はどのようなものか
B治療しない場合どのような経過をたどるか

・告知内容の詳細
リハビリテーションを成立させている主たる要因に、利用者さん自らの能動的な運動や作業が含まれているか

・信頼関係を築く
利用者さん自身の能動的なかかわりが必要

・選択権は利用者さんにある
できるだけ専門用語は使わない。利用者さん自身に治療を選択させる

・選択肢を吟味する時間を与える
利用者さんが考える余裕を持てるようにする



僕が学生時代のころ、「とにかく真面目に一生懸命頑張れば大丈夫!」と教員の方に言われたことがあります。

…。

そうなんです。
抽象的過ぎて具体的に何をしたらいいか全くわからなかったんです。

この通りにすれば必ず信頼関係が築ける訳ではありませんが、多少は具体的な行動に移すことはできますね。





●臨床実習中ー第4節ースーパーバイザーとの関わり方

先生によって言うことがまったく違う。
ときに対立するし、どう対応したらいい…?

結論
→学生自らが積極的に対立のなかに入らない(関わらない)

なぜなら正しさに絶対はないから!

・長時間続くフィードバック
日本OT協会の「OT教育の最低基準」のなかには実習指導の時間は勤務時間に含まれていないと明記されてあるそうです。

フィードバックが長時間になる要因として・・・

@利用者さんの数が多すぎる
Aスーパーバイザーの指導が熱心すぎる
B学生の力不足

改善されなければ担任の先生に相談

・スーパーバイザーに相談したくても忙しそうで質問できない
デイリーノートを活用!
→質問したいことを記載する

質問は保障を得る手段。
スーパーバイザーから「保証」をもらえれば安心して実習できる

・フィードバックがあいまい
指導された内容は面倒でもデイリーノートに記録しておく

デイリーノートの活用
スーパーバイザーのやり取りを記録しておく(できれば詳細に)

@スーパーバイザーは指導した内容を再確認できる
A誤った認識になっていたら軌道修正できる
B学生がどれくらい理解できているか把握できる



スーパーバイザーの指導が熱心過ぎる、という部分は本当に気をつけないといけないですね…。

これに関しては学生の立場からは絶対言えないでしょうし、周りのスタッフからもなかなか声をかけてもらえない部分だと思います。

「フィードバックの時間は〇時まで!」と決めておくことも重要だと感じます。

また実習では言語でのコミュニケーションが非常に難しくなるため、デイリーノートを交換日記的な位置づけで活用することはとても大切ですね。





●臨床実習中ー第5節ーレポートの書き方

レポートにはどんなことを書けばいいのか?
よくある勘違い
経験したすべての事実をレポートに書かないといけないと思っている学生はいる

・考察が書けない
関心のあることから考えていく
→道筋はしっかりしていなくてOK。
まずは時系列に記述していく

考察を深めるときは文献を活用
→ただし文献を優先すると症例に対する考察ではなくなってしまう

・日々の利用者さんの記録を書くポイント
客観的事実→『現象』
主観的事実→『説明』

・レポートにたいするコメントへの対応
スーパーバイザーのクリニカルリーズニングを学ぶ
クリニカルリーズニングの理由を考える

※クリニカルリーズニングに関して気になった方は以前紹介したブログ(リーズニングとは)を参照ください




●臨床実習中ー第6節ーハラスメントへの対応
パワーハラスメント@:人格攻撃型
スーパーバイザーのへの相談は厳禁!
→養成校の先生or実習施設の責任者

さらなる激励が必要だと判断し、結果的にパワハラが悪化

ハラスメントに関しては他のどの項目よりも実習指導者側強い意識気づきをもつことが必要です。





ここまで実習に関する様々な疑問や課題を紹介させていただきました。
ここからは偉大な教育哲学者たちの話をもとに、臨床実習をより有意義にするうえで役立つ視点を紹介したいと思います。

学生に向けて書いてある内容ではありますが、個人的には実習指導者も十分読む価値のある内容であると感じています。





●コラム1 教育とは何か(総論)


“人間は自由を目がける存在である”(近代哲学者ヘーゲル)

教育の本質は「自由の実質化」
自由になるための営み

欲望をもっている時点で絶対的に自由であるというわけにはいかない
欲望が叶えられない「不自由」を感じている
→必ず何らかの形で「制限」された存在である
右矢印1この制限から「自由」になりたい

自由とは:環境的にも欲望的にも私たちは制限されているけど、それでもこの制限から解放された、または解放されうるときに実感する感度

幸福:何をもって「幸福」とするかは人によって違う→ある「欲望」が達成されたときに感じるもの

教育「自由」を実現させてくれるもの。今の「労働」「努力」によってゆくゆくは「自由」になるんだ、とちゃんと自覚させてくれるもの





●コラム3 ルソー:幸せになるために

“欲望を抑制せよ”(ルソー)

「自由」だからこそ欲望が膨らむ
大きな欲望はなかなか叶わない。だから苦しく思う
→何でも自分で決めなければならない

教育は欲望と能力のギャップを埋めるための役割を担う





●コラム6 デューイ:なすことによって学ぶ

デューイ:『経験主義』
人間は“経験によって学ぶ存在である”

“人類が築き上げてきた膨大な「知識」はすべて人類の「経験」を通して得られたもの”
いろんな学びがその子(人)の生活にとってどんな経験につながるのか、まずそこを伝えられる必要あり

人間の学習はいつでも生活経験に密着している
でも今日の学校での学びはどうか?
→決められた教科、内容を学び、それが生活経験にどう関わるのかわからないまま過ぎていく

最初にあるのは一人ひとりの子供たちの生活経験
生活経験に必要な知識なら子供たちは主体的に学んでいく
右矢印1『なすことによって学ぶ』

“なすことによって学ぶ”の過程
(1)ある困惑や混乱といった問題状況が訪れる
(2)その問題状況がいったいどういうものか見極める
(3)問題状況の要因などについての分析やさまざまな情報を入手する
(4)問題解決のための仮説を立てる
(5)仮説を実行し、問題を解決する

教育者は(1)(2)をいかに問題提起させられるかがカギになる
(1)(2)を問題と捉えられるかどうかで(3)(4)(5)は決まっていく
そのため(1)(2)がスルーされてしまうと何の行動もとれなくなる


問題解決の方法に自覚的であることが「なすことによって学ぶ」際に大切なこと





以上です。
今回もなかなかのボリュームと濃い内容となりました。

(たぶんここまで読んだ人は相当マニアックな方だと思います…)

学生にとって「実習はある程度厳しいものでないといけない」という意見も間違っていないと思います。
ただ、それが学生の学ぶ意欲や希望を失ってでも実践すべきことかどうか、と問われれば多くの疑問点が残ると感じています。

泉北事業所では今月より実習生が来てくれることになっています。

この本を通して学んだことを実践し、学生さんの希望を奪わないための学びを提供していきたいと思います。

最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
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