2021年08月30日

マンスリー報告 ともに行なう家事(調理・買い物)


ともに行う訪問介護事業所の介護福祉士・作業療法士・調理師いとうです。


身体介護の見守り的援助"共に行なう家事"です。
リハビリテーション・ケア研究大会2019金沢
での報告はこちら↓

右手首骨折による手指の拘縮と古い既往歴として頭部外傷による記憶障害などの高次脳機能障害も残存されています。

身体介護の見守り的援助"共に行なう家事"では、訪問リハビリテーションと連携し、安全に包丁使用しての料理や肉類や野菜などの生鮮食料品の買い物、賞味期限の管理、小分け冷凍保管などをサポートしています。

今月もあり合わせの材料で旨いもんを作りました。


第1週目!

きゅうりと塩昆布の和え物
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アスパラガスと椎茸のカット。
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椎茸&アスパラガス、ウインナーの炒めもの
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冷凍庫内に肉やキノコ類の小分け保管も行なっています。
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第2週目!

豆苗のツナサラダ。

すっかり得意メニューになった煮卵づくりも。
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今では利用者さまご自身で2回、3回と作り置きされています。

冷蔵庫に長らく眠っていたしめじをバター醤油でソテーしました。
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第3週目!

冷蔵庫の奥に眠っていた糸こんにゃくを使わせていただきました。
ハサミで細かくします。
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豚肉のすき焼き風。
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「糸こんにゃく、こんな使い方もあるんだねェ」
と、感心顔の利用者さま。

冷蔵庫に大量にあったちくわを16本カット!
醤油、みりん、炒りごまで炒めもの。
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ご希望があり、レシピをメモ書きして冷蔵庫に貼っておきました。


第4週目!

八百屋で大量に買ってこられた青ネギをカット。
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カットした青ネギは冷凍庫にも保管しました。

小麦粉が無くなったので、片栗粉も加えて、ほんだしで味を整えます。
冷凍庫に小分け保管していたウインナーを加えて…
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混ぜ合わせます。

「うまいこと行くかなぁ…楽しみだなァ」
と、利用者さま笑顔です。
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そして、焼きます!

ネギ焼き!
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「この緑がキレイで旨そうだねェ、写真撮ってみたら?」
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と、利用者様から提案され撮った一枚。

そして、もう一枚。
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味見すると、
「こりゃ旨いねェ〜」
「晩御飯が楽しみだわァ」
と、破顔一笑の利用者さま。

八百屋さんで買ってこられた三つ葉にちくわを加えたすまし汁にしました。
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冷凍うどんを入れても旨そうです。

この写真を見せると利用者さまは、
「いいなァ〜」
と、嬉しそうです。

料理は、毎回写真に撮って作業中に確認してもらっています。

これは盛り付けで見た目をキレイにすることにこだわることで、よりワクワク感や楽しさを感じてもらうことを意図しています。


「暮らしの料理学」(NHK出版)の著者で料理家の土井善晴さんによると、
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"料理は暮らしをつくる"

"味覚のおいしさは思いがけないご褒美"

さらに…

"食べるという行為は、視覚、聴覚、触覚、嗅覚によって予測し、結果を見極める味覚によって、その予測と結果の誤差に、楽しみや幸福感を味わうもの"

"予想以上のおいしさに出会った時、私たちは喜びを感じ、その喜びは経験に蓄積され、別の機会でおいしさに再会した時に大きな喜びとして蘇る"

としています。

土井善晴さんが綴ったこの文を読んで、利用者さまと行なっている料理は、単なる訪問介護というより、ほんとに良い記憶や感情面、QOLへのリハビリテーションにもなっているなぁと、料理の持つチカラを実感します。

記憶障がいをも打ち消してくれそうです。

人の"おいしい''から始まる意欲、動機、モチベーションは、人の行動の大きな源泉になるなぁ…とあらためて思います。

▼「考える食」↓
野崎洋光さんの著書 
「美味しい法則」より
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今日使って無くなってしまった小麦粉を、次回までに利用者さまはスーパーへ行かれた時に忘れずに思い出して、買い求めることができそうな気がしています。これは来週も楽しみになってきました。


ともに行う訪問介護事業所は、なめだリハビリテーションクリニックの訪問リハビリテーションや他訪問介護事業所と連携し、身体介護による見守り的援助"ともに行う"で利用者様の重度化予防、QOL向上、自立生活支援をサポートします。

2021年08月27日

(2年目療法士向け)新人研修プログラムzoom講義「循環器」


人材開発室のPT軽部、OT伊藤です。

8/27は新人研修プログラムzoom講義「循環器」担当はPT軽部です。


実際にあったケースを通して学びます。

今回ケースとして挙げさせていただいたのはデイサービス利用者様。
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事前にケースのアセスメントを参加者各自にしてもらい、発表してもらいました。


心不全の症状などを確認しました。
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最後に今回のケースとなったデイサービス利用者様の血液検査から読み取りながら、リスク管理を含めたケースへの対応を振り返りました。
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今回のようなケースカンファレンスは、自分だけでは捉えきれなかった疾患や障害特性への視点や解釈、そして対応を他のスタッフから学ぶことができる貴重な機会となります。

ご協力いただいた利用者様、ありがとうございます。


当日参加できなかった方々には、録画資料を閲覧できるように録画URL、YouTubeの動画URLを各事業所メールへの送付に加えて、Googleドライブで共有しています。
ともに社外秘、限定公開のため取り扱いには留意していただきご活用ください。


When one person teaches.
Two person learn.
"独りが教えると、両方学ぶ"

教える人が学ぶ姿勢を見せ続けることで一緒に変われる。

教える側が学び、ともに成長するという関係性へ。

"よき臨床から、よき教育と研究が生まれる"
"よき研究から、よき臨床や教育も生まれる"
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【堺利用者様】兄ちゃんのブログ No.3

No.2も読んでいただきありがとうございました!
前回は真面目な内容だったので、
今回は柔らかい内容でいきたいと思います。
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No.3は私も大好きな、和菓子の話です。
地元堺のおすすめの和菓子を3つ紹介します。

@古墳焼(1個175円)
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粒あんと抹茶あんの2種類があります。
ほどよい甘さで美味しいです。
饅頭ではなく、手のひらサイズのあん巻きです。

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お茶のおともにいいですね。
御陵の焼印がかわいいです。お土産にもどうぞ!

詳細↓

Aけし餅とニッキ餅
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お餅が美味しいです。
古墳焼きより少し甘いかな?
もちろん嫌みの無い甘さです。
無添加で、1つ135円。

創業470年のお店は昔のままの雰囲気で、
包装紙は『吾輩は猫である』の表紙を描かれた方がデザインしています。

ニッキは好き嫌いがあるでしょうが、私は大好きです!

詳細↓

B大鏡
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知られた堺の銘菓です!
しろあんであっさり味です。

大鏡の形状は三種の神器の1つである
八咫鏡(やたのかがみ)から来ているそうです。

詳細↓

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【番外編】昆虫自販機
詳細↓

綾ノ町にある食べられる昆虫が買える自販機です。
ゲンゴロウ、タランチュラ、カブトムシ等があります。

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以上、おすすめの和菓子でした!

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↑誕生日にデイでもらったプレゼントです。
「釣りに行きたい」と大きく目標を書いてもらいました!

次回は私のリハビリについてお話したいと思います。
続きを読む
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2021年08月23日

第6回オンラインらふとーく


8月20日(金)失語症友の会『オンラインらふとーく』を開催しました。



早いものでオンライン化してもう6回目!

今回はスペシャルゲストで、
大正の元主任の村上STが参加されました。


はるばる北海道から。
しかも、バックにはオホーツク海!



参加者様からも「おおーーー!」と声が上がっていました。
ちょっと北海道旅行気分です。


【近況報告】
接続の待ち時間と近況報告ではワクチン接種が話題に。
みなさん2回目も接種され、腕が痛かったり、熱が出たり・・・

終わればこれも話のネタという感じで、
みなさん笑いながらお話されていました。

さらに年に1度の贅沢、
土用の丑の日に鰻を食べに行った話や・・・

和歌山の中華料理屋さんの話や・・・


森さんからはリハビリモデルのお話が。
他の参加者様も森さんの活動に興味津々で、質問が飛んでいました。



【海外旅行クイズ】

今回は、動画を使って海外旅行クイズを行いました。


外国の映像を見ながら、どちらの国か当てます。

中には行ったことのある国もあったようです。
みなさんよくご存知で正解の連続でした。

コロナが収まったら海外旅行にも行きたいですね。
最近はオンラインツアーもあるそうで、
伊藤さんから紹介がありました。

利用者様揃ってデイから参加できたら楽しそうですね。

偶然にも、今回ご参加の村上STは世界一周の経験あり!
今回のクイズで出た国はほとんど行ったことがあるとのこと。
参加者様も驚いておられました。

【まとめ】
みなさんの楽しそうな様子を見ることが出来てほっとしました。
緊急事態宣言の解除も見えない中、
オンライン環境を整えておいてよかったと思うばかりです。

今回は村上STが北海道から参加してくださり、
オンラインだからこそできる出会いや交流の機会になったと感じました。

2021年08月22日

新人研修プログラムzoom講義「セルフアウェアネス、EQ、感情マネジメントなど」


人材開発室のPT軽部、OT伊藤です。

8/20は新人研修プログラムzoom講義「セルフアウェアネス、EQ、感情マネジメントなど」担当はOT伊藤です。


はじめに参加者の皆さんで、今の気分をムードメーターを使って、可視化-言語化してもらいました。
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「感情マネジメント」池照佳代著、ダイヤモンド社より

▼関連記事

この時のわたし自身の気分は、ムードメーターで表すと、3-6の"リラックスしている"か5-6の"気楽"。

いつものようにギリギリまで研修の用意をしていて、ある程度まで(なかなか満足することができない症です)完成したところでした…やっと少しはエエ話しができそうやなぁ…という心持ちでいました。

研修中は参加者の皆さんのご協力があり、6-7の"楽しい"や6-9の"遊び心のある"という結果でした。

このように自分の感情を知って、周りの人に伝える機会はなかなかないでしょう。

職場では感情を表に出さないことが当たり前のこと、もう少しいえば、何があっても冷静でいるのが美徳のような感じでとらえられているかと思います。

ムードメーターを活用している方々でも、本人や周りの人たちが慣れないうちや心理的安全性がなければ、左下部分の5-5以下の"落ち込む"や"不機嫌"などで表すことはなかなか難しいようです。

自分のなかで押し殺していた感情を表に出して、話すこと、文字にすることで、自分の状態がわかるようになるだけでなく、周りの人もわかってくれるようになるということです。

また、相手の感情にも共感できる力も発揮できるようになり、寄り添い、心理的安全性のある人間関係を築けるようになるということです。

企業や組織、職場、家族のなかでも活かせそうです。もちろん利用者様支援や関わりのなかでも。

そのキーになるといわれているのがEQ(Emotion intelligence Quotient、感情知性、こころの知能指数、共感能力)。

※欧米ではEI(Emotion Intelligence)が一般的呼称

前著ではEQとは、自分や他者の感情を理解したり、適切に表現したりするスキル。他人や周囲の感情を適切に理解し、働きかける能力。とした。

1990年代にEQという概念を考案したエール大学のピーター・サロヴェイとニューハンプシャー大学のジョン・メイヤーが"IQ(Intelligence Quotient、知能指数)が高くてもビジネスで成功していないのはなぜか?"という問いを立てて調査研究を開始。
"社会で成功している人は、セルフコントロールや対人関係能力に優れている"という理論を提唱した。

EQの5大要素は以下の通り。

1.自分の感情を正確に知る
2.自分の感情をコントロールできる
3.楽観的にものごとを考える
4.相手の感情を知る(いわゆる共感能力である)
5.社交能力(これを身につけるためには、上記4つの要素を満たす必要がある)

▼関連記事

共感とは…
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セルフアウェアネス、自己認識について。
"自分を知ること"をいくつかのワークを通して学びます。
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参加者のみなさんにも傾向をお聞きしました。


自己認識の4つのタイプ。
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参加者のみなさんにも自分のタイプを考えてもらいました。
これはその時々の状況に合わせて変わることもあると思います。その時々の相手や状況によって使い分けるというか…

利用者さまを知ることは、自分を知ることにもつながる。
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生活期リハの利用者さまへの関わりで大きなヒントになると思います。


なぜ自己理解と他者理解が必要なのか。
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深く傾聴するための題材にもなりそうです。


16personalitiesの個人ワークで自分の性格を知ります。
▼こちらから
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参加者のみなさんとやってみました。

アニメ版のタイプ表は参考になります。
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ドラゴンボール版とスポーツのピクトグラム版はようわかりませんよね…
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わたし、参加者のみなさんのそれぞれのタイプを発表し合いました。

自分のことを知れただけでなく、参加してくれた新人のみなさんのこともたくさん知ることができました。

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あっという間の楽しいプレイフルな時間で、ついつい写真を撮り忘れてしまいました…すでに退出してしまった方々もいます。お休みのなか参加してくれた方もいました。いつも参加ありがとうございます。


セルフアウェアネス(自己認識)で自分を知ることは、感情マネジメント、聞くこと=傾聴、他者理解につながるということがよくわかりました。

これらは生活期リハでの関わり、職場づくりにも大切な視点で、良い影響を与えるということをあらためて感じました。


当日参加できなかった方々には、録画資料を閲覧できるように録画URL、YouTubeの動画URLを各事業所メールへの送付に加えて、Googleドライブでの共有も始めました。
ともに社外秘、限定公開のため取り扱いには留意していただきご活用ください。


When one person teaches.
Two person learn.
"独りが教えると、両方学ぶ"

教える人が学ぶ姿勢を見せ続けることで一緒に変われる。

教える側が学び、ともに成長するという関係性へ。

"よき臨床から、よき教育と研究が生まれる"
"よき研究から、よき臨床や教育も生まれる"
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2021年08月20日

社内メールマガジン"アクティブ流"2021年10月号 巻頭言「コロナ禍、自分たちが出来ることは何でしょうか?」PT中原英雄さん(大阪法人統括・取締役)


皆様、日々の感染対策に加えこの暑さ気候変動の中での業務お疲れ様です。


コロナ、コロナ、コロナの毎日でリモートなど新しいことに慣れながら過ごさないといけなくなっています。


否が応でも変化に対応しなくてはならなくなっているので、ストレスも溜まり続けていることと思います。


コロナ禍の中で私たちの仕事は生活に欠かすことができないこととして位置づけられているので、出来る事、しないといけないことをきっちりとしていきましょう。



では…


"自分たちが出来ることは何でしょうか?"



もちろん目標設定を行い利用者様に向き合っていることは変わりないと思いますが、確実に今までより活動量が減っている方がほとんどです。


おそらく同じ運動をしても維持できないでしょう。


また目標設定も変わっていると思います。



コロナが騒がれだした時にケアマネ連絡会からリハビリ連絡会に自粛中に何か自宅で出来ることはないですか?と言われ、生活応援知恵袋というものを、データで配布しました。


これはコロナ前に東成区内のリハビリ専門職で作成したものです。


過去に作成したものが大活躍しました。



リハビリが関わっているケースは日頃自主トレ指導なんかしているから大丈夫かと思っていましたが、ケアマネさんに現状をおうかがいすると…


「何も教えてもらってない」

などと、回答される利用者様が多いのが実状のようです。


しかしこんな声も聞かれました。


「なかなか自主トレなんかしなかったけど、前にリハビリの人にもらった自主トレメニューをしてみた」


「体の調子よくなったわ」


などと、言われている方もいるようです。



後になって役に立つこともあるので、今できる事を考え、目の前の利用者様のことに集中することが大切と思います。


またコロナが怖いから訪問自粛するという声も多くきかれました。


仕方ないか…で終わってしまうのかでも変わってきます。


今はそういうことも想定した在宅介入が必要になってきています。


あらゆることを想定していかないといけなくなってきています。



今回はなんとなく思ったことを書きましたが、やはり毎日の積み重ねが重要です。


日々の業務を今一度見直し、まずはちゃんと挨拶するなど当たり前のことから見直していきましょう。


"利用者様の前ちゃんとする!"、そうそう簡単に出来ることではありません。


まずは日頃から各々が自分にできる事を考える機会にしましょう。

キャリア・インタビュー「かかわりはいつも柔軟に。試行錯誤の日々の仕事のなかに大きな満足感を感じています。いい職場なんです。」前編 OT早津 湧(ゆう)さん(今里事業所)


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1.今の仕事に至ったきっかけ、経緯、転職のこと、転機のこと、キャリアを振り返ると…


今の仕事に至った大きなきっかけはありません。父と母が社会福祉士として老健で働いていたことが影響しているかもしれません。小学生の頃、父母に仕事場へ一緒に連れて行かれて、高齢者や発達障害のある方々との接点がありました。高校においてあるパンフレットで初めて知った作業療法士という仕事に自分でも珍しく興味が湧いたからです。体を治す医者とは違う医療系の仕事に、“こんな仕事もあるんだ”と、興味をひかれた覚えがあります。

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人暮らしもしたかったので何気なく大阪で大学を探して大阪保健医療大学に入学しました。
何故かパソコンの検索画面の1番上にあったので受験してみました。


在学中の運動器メインの病院での臨床実習に経験した1単位20分のリハの仕事に面白さを見い出せませんでした。別の実習先で訪問リハの現場を体験することができ、様々な人の様々な生活が見ることができて面白いと感じました。卒業後に病院には絶対就職しないと決めました。新卒者“生え抜き組”でも働ける訪看ステーションを探していました。

アクティブで働こうと思ったきっかけは大学で求人を探しているときに、これも不思議とパソコン画面の検索結果の一番上に出てきたからです。今は一番上に出てきません。検索結果の1番上には何かと縁があるように感じました(笑)


バイザーの3年ほど前に退職したOTさんに3年間師事しました。ほんとに大変お世話になりました。退職された後も連絡していましたが、ここ最近はできていません…


 入社した時は今里事業所が開設2年目だったこともあり、OT2年目に入ってすぐの時期からたくさんの訪問リハ担当をさせていただきました。その頃の訪問リハでは、利用者さまにどのように関わっていくかを考え過ぎてしまうこともあって、緊張と不安がいっぱいで…(汗)でも思ったより早く順応できたと思います。訪問当初は“生え抜き組”の先輩OT武さんに、仕事帰りに話しを聴いてもらって試行錯誤を繰り返してきました。



2.今の仕事、働き方


火曜日AMがデイで残りは訪問に出ています。移動が遠いところもありますが意外と気分転換になります。
バイザーとして後輩指導の仕事もあります。自分の知識の振り返りにもなって自分自身にとても役立っています。



3.仕事での苦労、醍醐味


1番苦労していることは自分の体温が高い事です。冬はホットパックみたいと喜ばれますが、夏は汗だくでリハビリに集中できません。
醍醐味は訪問時に「待ってたよ」「また宜しく」と言ってもらえた時です。必要に思ってもらえるのは嬉しいですね(笑)



4.仕事の魅力、やりがい


魅力、やりがいは上記と同じで必要と思ってもらえることが1番大きいです。あとは、できることが増えて利用者さんの生活が少しでも豊かになると仕事している甲斐があるなと思います。


☆ベストセルフなエピソード、瞬間は?

パーキンソン病の訪問利用者さまとのかかわりで、表情が硬くなっていても、会話のやりとりでほぐせた瞬間。自分が訪問に入ったことで生活を変えることができた瞬間。


☆利用者さま自慢

アクティブ将棋大会にも参加していただいた頚髄損傷の利用者様。

「歩けなくなってきているところを見せたくない」。と、デイサービスから訪問リハに移行希望がありました。訪問リハ移行の際に「訪問は早津さんやないとアカン、他の人やったらやらへん」。と、言ってもらい訪問リハの担当開始。「触ってもらってよかった」。と、お言葉もいただきました。現在は訪問リハで室内歩行練習、座位練習で将棋大会を継続中で、歳を重ねながらも歩行レベルを維持されています。デイサービスからの関わりから8年目。訪問は3年目を迎えています。

数々の病院で様々な療法士によるリハを経験されておられる利用者さまからは、その経験をもとに体の触り方を教えてもらいました。

そして、大阪の利用者さまならではの積極的なコミュニケーションに助けられ、自分自身のコミュニケーション力も成長できたように思います。



5.仕事をしていくうえで大切にしていること、心がけていること、座右の銘やモットーなど


心がけていること・大切にしていることは話を傾聴する事と、訪問する時は自分の体調がどれだけしんどくても明るく楽しく振る舞う事です。(精神疾患の方は除く)
その代わりに事務所に戻ってきたらスイッチをoffにしています。



6.わたしの事業所自慢


事業所の自慢は3つあります。
1
つ目は、PT中原さん、OT河井さん、PT眞鍋さんたちの管理職のみなさんや同期入社で”生え抜き組”でもあるリーダーST山川さん、事務の佐々木さんがとても頼りになるところです。アクティブ全事業所内で1番だと思っています!!

2つ目は、武さんや金井さんを筆頭にお酒好きな人が多い事です。飲み会がありえないくらい面白いです。コロナ禍で全くいくことができていません(泣)…

3つ目は、色々な病院出身の方がいる事です。アプローチ方法や関わり方が勉強になります。

働きやすくて利用者さまのこともどなたでも相談しやすい職場です。同じ“生え抜き組”でもあるOT武さんにはよく相談しています。



7.わたしの療法士像


療法士像を持たないようにしています。これ!と決めてしまうとそれを維持しないといけないのが疲れてしまうのと考え方がそれだけに偏ってしまうからです。かかわりはいつも柔軟にするように心がけていて、新しいものを良いものを取り入れるようにしています。ダメだったらまた戻して…。マンネリ化しないように少し変わったことをしていきたいといつも試行錯誤しています。



8.入職前にイメージしていたやりたかった仕事はできているか


訪問リハビリの仕事がしたかったので、今は満足しています。

訪問リハに行かせていただいた当初は、考えていた以上に地理的に遠い方が多かったです。療法士が少なかったこともあるかもしれませんが、利用者様から来てほしいと言われると喜んで訪問していました(笑)

その人の気持ちや生活の変化、信頼関係を含めてもっと早く達成できるように支援できれば…と思っています。それができた時に仕事のやりがいを強く感じるところかもしれません。



9.これから仕事でチャレンジしたいこと


何か興味が持てることが見つかったらチャレンジしてみようかなと思います。

しばらくは訪問リハでしっかりとやっていきたいです。今までのとおり現場で試行錯誤しながらやっていきたいです。そのような試行錯誤の日々の仕事のなかに大きな満足感を感じているように思います。



10.わたしのアクティブ自慢


アクティブ自慢は、職員11人が個性的・独特で自分を持っているところです。見ているだけで面白いです。他の会社では味わえないと思います。

とにかく一人ひとりの性格が違う、そして個性・我が強い、意見も違う、でもそれぞれが面白い。そこがいいです。



後編につづく
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社内メールマガジン"アクティブ流"2021年10月号 巻頭言「コロナ禍、自分たちが出来ることは何でしょうか?」PT中原英雄さん(大阪法人統括・取締役)


皆様、日々の感染対策に加えこの暑さ気候変動の中での業務お疲れ様です。


コロナ、コロナ、コロナの毎日でリモートなど新しいことに慣れながら過ごさないといけなくなっています。


否が応でも変化に対応しなくてはならなくなっているので、ストレスも溜まり続けていることと思います。


コロナ禍の中で私たちの仕事は生活に欠かすことができないこととして位置づけられているので、出来る事、しないといけないことをきっちりとしていきましょう。



では…


"自分たちが出来ることは何でしょうか?"



もちろん目標設定を行い利用者様に向き合っていることは変わりないと思いますが、確実に今までより活動量が減っている方がほとんどです。


おそらく同じ運動をしても維持できないでしょう。


また目標設定も変わっていると思います。



コロナが騒がれだした時にケアマネ連絡会からリハビリ連絡会に自粛中に何か自宅で出来ることはないですか?と言われ、生活応援知恵袋というものを、データで配布しました。


これはコロナ前に東成区内のリハビリ専門職で作成したものです。


過去に作成したものが大活躍しました。



リハビリが関わっているケースは日頃自主トレ指導なんかしているから大丈夫かと思っていましたが、ケアマネさんに現状をおうかがいすると…


「何も教えてもらってない」

などと、回答される利用者様が多いのが実状のようです。


しかしこんな声も聞かれました。


「なかなか自主トレなんかしなかったけど、前にリハビリの人にもらった自主トレメニューをしてみた」


「体の調子よくなったわ」


などと、言われている方もいるようです。



後になって役に立つこともあるので、今できる事を考え、目の前の利用者様のことに集中することが大切と思います。


またコロナが怖いから訪問自粛するという声も多くきかれました。


仕方ないか…で終わってしまうのかでも変わってきます。


今はそういうことも想定した在宅介入が必要になってきています。


あらゆることを想定していかないといけなくなってきています。



今回はなんとなく思ったことを書きましたが、やはり毎日の積み重ねが重要です。


日々の業務を今一度見直し、まずはちゃんと挨拶するなど当たり前のことから見直していきましょう。


"利用者様の前ちゃんとする!"、そうそう簡単に出来ることではありません。


まずは日頃から各々が自分にできる事を考える機会にしましょう。

キャリア・インタビュー「かかわりはいつも柔軟に。試行錯誤の日々の仕事のなかに大きな満足感を感じています。いい職場なんです。」後編 OT早津 湧(ゆう)さん(今里事業所)

前編より↓



11.親しい人に職場を勧めたくなりますか

「訪問リハのいい職場ですよ」。と病院勤務の友人数名に声かけしたこともあります。でも就職は実現していないですが…(苦笑)

働きやすさだけでいうと満点、10/10点です!!

“近すぎ遠すぎず”という訪問看護リハ事業所ならではの距離感がいいのかもしれません。


12.療法士人生を左右したもしくは、影響を与えた運命の人、言葉、一冊、出来事

はじめて担当していた訪問利用者様です。その方が亡くなられた時に、その人の人生の中で自分の関わり方、リハビリでのアプローチがよかったのか…とても考えさせていただく機会がありました。そのことがあって、より一層、初回から真剣に考えて利用者様に関わっていこうと思うきっかけになりました。


13.これがなければ生きていけない

忘年会で当てた廃人クッションの上です。何もしたくなくなってリラックスできます。

家族と電子書籍です。
家族は自分の支えで、電子書籍はどこでも読める最高の暇つぶしです。

もともとRPGなどのゲームが好きだったので、RPGの世界に転生して第2の人生を始めるといった非現実的な漫画が好きです。暇があれば読んでしまいます。


14.マイブームは?趣味、関心ごとなど

筋トレとカラオケのアプリです。両方とも身体に良くてストレスが溜まりにくくなります。
腰も痛めにくくなるので長く仕事ができると思います。


15.ご自身のことで、ここ最近で起こった大きなことは?

家族が増えた事です。去年の1029日に女の子が産まれました。
只々、可愛いです。大変ですけど、可愛いです。


“仕事のことを妻に話す派or話さない派、どっち?”

事の内容は妻に話す派です。面白い出来事があればすぐに話します。療法士との関わりもデイであるので

大体の内容は理解してくれるので話しやすいです。


“愛妻のあすかさんはどんな存在ですか?”

妻は人生の中での大きな支えです。いなかったら自分があっという間に崩れてしまう気がします。今の仕事生活が続けられるのも妻のおかげです。本当に感謝です。


光るハート妻のあすかさんから愛夫の湧さんへサプライズQ&A!!光るハート

Q1.夫の湧さんはどんな存在ですか?

「一緒にいて安心する人」

「毎日ずっと一緒にいたいとかはないですけど、いないと困る存在です(笑)」

  Q2.夫の湧さんのどんなところに惹かれたのですか?

   「利用者さんに向ける笑顔」

「いつも優しくて聞き上手で大事にしてくれるところです」

「まぁ、今となれば聞き流し上手だったと気づきました(笑)」

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実務者研修2019/20で発表するあすかさん(左端の机)。介護福祉士資格取得にもチャレンジされる予定です。


16.家庭、育児と仕事の両立の秘訣は?

                                     

職場でも家庭でも怒らないことです。怒っても良いことは何もないので、穏やかに過ごすことが平和的に両立できると思っています。


 早津 湧(はやつ ゆう) さん 略歴 

新潟県妙高市出身の29

20133月 大阪保健医療大学 作業療法学専攻 卒業 (大阪府) 8年目

 同期入社で東大阪市出身の介護福祉士のあすかさんと2019年に結婚。202010月に元気な女の子を授かられ、公私ともに充実。“生え抜き組”OT8年目を迎えてバイザーとして、自身と同じ境遇の新卒採用者“生え抜き組”の後輩育成にも力を注ぎながら、弊社のデイ、訪問リハ業務の支柱として精勤されています。利用者様やスタッフ、上司からの信頼も厚い早津さん。さらなる地域での活躍が期待されます!!


■キャリアインタビューを終えて(早津さんより)■

頭の片隅にあることを、インタビューを通して再認識することができました。働く年数が経つにつれて入職当初のような緊張感などが緩んで自分の経験ばかりを頼るようになっていたり、傲りが生じているな…と感じました。初心を大事にしながら家族のために仕事を頑張ろうとより一層思えました!



■キャリアインタビュー記事編集担当より■

入社当初より物静かなイメージのあった早津さん。同期の“生え抜き組”PTOTの仲間は、弊社でデイサービスや訪問リハの現場で生活期リハの経験を重ねて力を蓄えてから退職され、他施設へと活躍の場を移していきました。そういう同期の状況変化にも大きく動じることもなかった早津さんでした。新卒採用者の“生え抜き組”として、利用者様、ご家族だけでなくスタッフ、上司からも信頼の厚い働きぶりを続けることができる理由をお聴きしたいなぁと数年前から考えていました。そろそろキャリアインタビューの依頼をしたいなぁと思っていたところに、配属先の今里事業所でばったりと早津さんに会い、その場で思い切って協力をお願いすると快諾してくれました。ありがとうございます。

久しぶりに会った早津さんは入社当初の物静かな印象とはうって変わっていました。慣れないはずのオンラインインタビューでも凛々しい表情でハキハキと話す自信に満ちた姿がそこにはありました。バイザーや職場の方々の支えを存分に活かし、心身面の安定とOTとしての自己成長を地道に続けておれたようです。充実したOT8年目、本インタビューを通して地に足をつけた仕事ぶりとその充実の理由の一端を知れたような気がしました。

早津さんから「ほんとに働きやすい職場なんです」、「働きがいを感じています」と何度も聞かれました。“今里事業所愛”“仕事愛”がつまったインタビューとなりました。

前記の11.“親しい人に職場を勧めたくなりますか?”はeNPSの問いをほぼそのまま用いました。eemployee:従業員)NNet:正味)PPromoter:推奨者)SScore:値)=eNPSは、従業員エンゲージメント(会社への愛着や貢献欲)や職員のロイヤルティ(会社に対する忠誠心や帰属意識)を可視化する指標といわれ、仕事のやりがいや職場の定着率、生産性の高さなどと高い相関があるとされています。早津さんは「訪問リハのいい職場ですよ」。と、病院に勤務している知人の療法士数名に求人情報の案内をしたこともあったそうです。「働きやすさだけでいうと満点の10点です!!(笑)」ということから、eNPSでも10点の満点、“推奨者”という判定でした。

 早津さんのお話しをお聴きして思い出した書籍が「働くことのパーパス」(ハーバード・ビジネス・レビュー編集部編、ダイヤモンド社、2021年)。そのなかで、ある統計によると“生きがいを感じる人は76%近く、今の仕事に働きがいを感じている人は30%”、“生きがいを感じて生きている人は多い。しかしそれが仕事のやりがいや自分自身の生きがいとつながっていない人が多いことがわかった“とあった。

生きがいを感じることはできるのに、仕事に働きがいを感じている人が40%以上も激減してしまう…人生の大部分の時間を占めるはずの仕事がそうであることは、結果的に仕事の成果が上がらず生きがいや幸福感にも大きく影響するのは明白でしょう。そこで大事になってくるのがパーパス。

前著にて“パーパスpurposeとは、目的や意義、存在目的。Pur(前に)pose(置く)が語源で、外に開かれた人生の目的という意味。個人の人生の目的と、会社における仕事の目的を、会社という場でいかにすり合わせるかという問いは、働き方の変化が起こる中で大きなトピックになっている”とした。

これは弊社でいう“らしく生きるを応援する”会社の理念やパーパスを社員のみなさまとも共有・共感してもらい、現場での関わりや支援で体現すること、そのためのサポートと環境調整することと、考えられるのではないでしょうか。

さらにある大規模な調査で85%が仕事や会社に愛着を感じていない。50%が仕事に意義や重要性を感じていない、どうすれば感じられるかわかっている人は少ない。意義を感じている人は満足度1.7倍、愛着は1.4倍、会社への定着は3倍以上”とあった。

 “人を助けることは生きる意味に通じ、人から助けられることは幸福につながる”といわれています。わたしたちの仕事はケアすること自体が仕事だからこそ、それが直に感じられやすい環境でしょう。そのなかでも、生きる意味とは?仕事にパーパス(意義や目的)をどうすれば感じることができるのか?意義や目的とは何か?仕事とは何か?どんな仕事がしたいのか?おもろい仕事とは?自分は何が好きか?何をかっこいいと思えるのか?どんなことでお役に立てていると思えるのか?…等々、このようなことを自問自答しながら仕事ができているでしょうか。これは忙しく過ぎていく毎日のなかではなかなか難しいことかもしれません。弊社では社員のみなさま個々に仕事の意義をどのようにして考え感じてもらうのか、社員のみなさまにとって意味あることに思いやりをもってサポートし環境づくりをすることに、社長、副社長、取締役をはじめ各事業所の責任者やリーダーが中心となって、人材開発室、広報室と連携しながら取り組んでいるところです。

戦略デザイナーとして企業のビジョンやミッションをつくっている佐宗邦威さん(BIOTOPE代表)は、企業と個人のパーパスをつなぐためのキーとなるのがナラティブ(パーパスの語り)としている。“対話のなかで、企業と社員個々と社会のそれぞれの動きやエピソードを描きだす”年表ワーク“で、過去の歴史が捉え直され、そして未来に向けた新たなナラティブが生まれる。時間軸をイメージしてナラティブ化(=ストーリー化)された未来はかなりの確率で行動に移されることが多い”としている。

ナラティブと聞けば頭に浮かぶ生活期の看護・リハビリテーションのなかで、大切な視点になるナラティブ・ベースド・メディスン、ナラティブ・アプローチ。このなかでのナラティブは利用者様の語り、人生における価値観やストーリー、エピソードを指しています。在宅生活者でもある利用者様のパーパスをナラティブから知り、日頃の関わりや支援の足がかりにしています。

有意義な仕事をしていると感じている人は、健康、幸福感、チームワーク、エンゲージメント(会社への愛着や貢献欲)が高く、挫折しても立ち直りが早くて、失敗してもそれを学びの機会ととらえる傾向が強いことも、研究によって明らかになっている。企業においても過去・現在・未来のナラティブを社員間で共有できれば、仕事・人生のなかで互いの共通の意味を見い出せ、企業と個人のパーパスをつなぐことにも寄与するでしょう。生活期の看護・リハビリテーションにおける利用者様への関わりと様々な人たちが織り成すなかでつくられる組織づくりの2つの間に、ナラティブとパーパスの共通項があることを今回のキャリアインタビューにて再確認することができました。

早津さんの地に足をつけた仕事ぶりは、周囲の支えを生かしつつ柔軟に変化できるしなやかさと早津さん自身で見い出した仕事のやりがいに加えて、職場の働きやすさにあることがわかりました。

早津さん、ご家族、職場のみなさん、キャリアインタビューへのご協力ありがとうございます。


追記)

以下のワークなどを抜粋して紹介します。常に変化するであろうパーパスを見い出すためにも活用してもらえたら幸いです。


仕事から得たいものは何か?3つのタイプ

@    仕事をキャリアと考えるタイプ

A    仕事を単なる仕事と考えるタイプ

B    仕事を天職と考えるタイプ

B    は相対的に高いパフォーマンスを見せ仕事により大きな満足感を抱いている

内なる目的、仕事への意味(パーパス)への5つの問い

@    得意なことは何か?

A    何をしている時が楽しいか?

B    自分の何が一番役に立っていると感じるか

C    何をしている時に前進し、成長していると感じるか?

D    他の人とどんな関係を築いているか?


部下に目的意識をもたせられるリーダーの4つの条件

@    好奇心と探求心が旺盛

A    チャレンジ精神が旺盛であきらめない

B    個人の価値観や文化に配慮する

C    部下を信頼し仕事を任せる


. 年表ワーク

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. 「問いの立て方」より

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図 eNPS

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eNPSを向上させる3つの問い

@    「仕事は順調か?」(学びや変化はあったか)⇒週1回

A    「人生は順調か?」⇒半年に1回

B    「家族は幸せか?」⇒1年に1回


参考文献)

「働くことのパーパス」ハーバード・ビジネス・レビュー編集部編、ダイヤモンド社

「問いの立て方」宮野公樹著、ちくま新書

「フルライフ〜今日の仕事と10年先の目標と100年の人生をつなぐ時間戦略〜」石川善樹著、NEWS PICKS


キャリアインタビュー記事編集担当:

材開発室・心意気実践チーム 伊藤健次郎

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2021年08月18日

手紙でのやりとりで


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ベランダであれだけうるさく鳴いていた蝉の声が一気に弱まりました。

季節の移り変わりがはやいですね。

ST水野です。


ある難病の利用者さん。

暑さが苦手で、夏になると食べられなくなり、体重が減ってしまいます。

例年、夏が過ぎれば食欲が回復、体重も増えることが多いのですが、昨年の夏に減った2sが戻る前にまた夏が来てしまいました。


最近は病状が進んできたこともあり、食事に1時間以上かかり、後半はご家族の介助が必要。

ご本人いわく、

「食べる気持ちはあるけど疲れる」

「時間がかかるとだんだんお腹がいっぱいになってしまう気がする」

とのこと。


食事に限らず、他のADLもどうにか自分でできるものの、動きが止まってしまったり、とても時間がかかったりします。

介助をされる高齢のご家族の負担も少しずつ少しずつ増えてきました。


ケアマネージャーに報告。

受診時、主治医に手紙を持参していただくことにしました。


毎月の報告書では伝わりにくい、日々の生活の詳細、薬の効き方などをご本人・ご家族から聞き取って書き、家で過ごされている姿勢の写真もつけました。



受診時、主治医が薬量を変更し、エンシュア(総合栄養剤)を処方してくださいました。


エンシュアは1日1本の処方ですが、必ず飲むのではなく、食事が摂れなかったときに栄養を補助する形でよいとの指示。



利用者さんは以前にもエンシュアを飲んでいた期間があり、抵抗なく、飲み始められたようでした。



飲み始めて、数週間後の訪問日、エンシュアは飲めていますかとたずねると、首をふる利用者さん。


「エンシュア飲んでないんですか?」


「げり」


「飲むとお腹を下します?」


「いつもじゃないけど、ゆるくなる」


「そうなんですね。確かお通じの薬、飲まれていましたよね?」


「うん、のんでる」


トイレ!と思ってもすぐにトイレに行くことが難しい利用者さん。

お腹がゆるくなることが不安なのはよくわかります。



薬については、次の受診予定までまだ日があったので、訪問している看護師(他の訪問看護ステーションから)に相談の手紙を残しました。



翌週、訪問すると、看護師さんからお返事がありました。


薬は一包化されていて、便の薬だけスキップすることは現状難しいです。次の受診でその薬だけ別にしてもらうようにお願いするつもりです。


お礼の返事を書き残しました。




主治医や他の事業所の方とのやりとりは緊急の要件を除き、連絡ノートや手紙が中心です。



今度病院に行ったら、先生に相談してみてくださいねと利用者さんに言うだけでは不十分なこと、多いですよね。

受診時伝えようと思っていたのにああ先生に言えなかったという経験は自分にもあります。



長雨で気温が下がり、過ごしやすくなり、利用者さんの食欲は回復しつつあるようです。

posted by Active at 10:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ST水野(松原)の日記

2021年08月13日

2020/21年度 介護計画発表会@zoom


心意気実践チームの室之園、日野上、伊藤です。

この日は弊社の社内キャンパスでもあるアクティブリハビリ介護福祉士実務者研修2020/21の受講生3名による介護計画発表会@zoomです。

2021/22年度の受講生のみなさんも、スクーリングの一環として参加しました。
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計14名の参加。

主任講師でOT・介護福祉士の室之園から、概要を説明します。

練りに練った介護計画を順に発表しました。
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トップバッターは、
PT真謝さん(まじゃ、松原事業所)
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次はデイサービスの生活相談員の池内さん(松原事業所)
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最後はPT大家さん(泉北事業所)
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中途半端なホワイトボードになってしまいました…すいません…

2020年9月25日から始まった2020/21年度生の研修会です。

コロナ禍により、オンラインで研修を行なう難しい状況のなか、いかに学ぶか…受講生も講師側も模索しながらの研修でした。

みなさんのご協力もあり大きな混乱もなく修了を迎えることができたように思います。

2020/21年度の受講生のみなさん、学んだことを現場でやってみましょう。そして検証しましょう。

2021/22年度の受講生のみなさんは、これから一緒に学んで、日々の仕事に活かしましょう。

ありがとうございます。


本研修は社員向けとして2017年に開講し、実務研修修了者(見込みを含む)計18名、本研修を経ての介護福祉士取得者は13名になりました。
自立生活支援の担い手育成を続けています。
posted by Active at 19:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 実務者研修

新人教育プログラムzoom講義『疾患別血液データの見方・リスク管理その2』


人材開発室のPT軽部、OT伊藤です。

講師はPT軽部です。
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実際の利用者さまの検査データを参考にしてみます。
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心不全徴候とBNP、そしてリハにクローズアップ。
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BNPの数値と心疾患。
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運動負荷と心拍数の目安。
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運動療法を行なう際の目安になります。
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検査数値から読み解く疾患、病態の全体像がテーマでした。

講義のなかでは、もちろん目の前に利用者さまはいないのですが、検査データから病態を読み解いていくのは、利用者さまの姿が浮かんでくるような感覚になり、EBMのとても良い学びになります。

それを元に、現場で目の前にいる利用者さまに対峙した時には、実際の病態や症状とすり合わせていくと、より一層理解が深まるでしょう。

デイサービスや訪問看護・リハ利用者さまから検査データを、毎月、毎回みせていただき、経過、経時的な変化がないか…

明日もしくは今日からの来所時、訪問時に、それを始めることは、疾患リスクの予見につながっていくはずです。

EBMの視点からまずはリスクを知って、リスクを回避し、それらをリスクマネジメントしながら、NBMの視点で生活場面での自立へ向けた小さなチャレンジをするためのリスクテイキングをサポートできればと思います。

EBMとNBMの往来、行ったり来たりしながら、利用者さま支援に関わっていくことの大切さを再確認できました。
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みなさん参加ありがとうございます。


当日参加できなかった方々には、録画資料を閲覧できるように録画URL、YouTubeの動画URLを各事業所メールへの送付に加えて、Googleドライブでの共有も始めました。
ともに社外秘、限定公開のため取り扱いには留意していただきご活用ください。



When one person teaches.
Two person learn.
"独りが教えると、両方学ぶ"

教える人が学ぶ姿勢を見せ続けることで一緒に変われる。

教える側が学び、ともに成長するという関係性へ。

"よき臨床から、よき教育と研究が生まれる"
"よき研究から、よき臨床や教育も生まれる"
posted by Active at 18:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 人材開発室

【マイルール】ST藤本

大正事業所のST藤本です。
今年の研修内容【マイルール】について発信します。
自分自身を振り返ってみて、「そういえば、今まで自分は無意識にしていたことだけど、これはマイルールにしているな」と思い付くことを挙げてみました。

私の場合、「利用者様とのコミュニケーション、姿勢編」「STとしての対応編」に分け、今回は前者についてまとめました。



学生の頃、言葉遣いや表情・礼節等の対応方法について厳しく指導された経緯があり、特にこういった部分には気を付けています。
ここは言語聴覚士特有の風潮があるのかも知れません。
ですが、こういった部分は、仕事以外の場面でもコミュニケーションに活用できる内容かと思います。

気配り・心配りをされたら誰でも嬉しいです。
今後もこういった部分を大切にしながら、他の方のマイルールも取り入れていけたらと思います。

大正ST 藤本
posted by Active at 12:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 大正(報告)

2021年08月12日

吹田利用者様の嚥下内視鏡検査


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ST東田(堺)です。
玉木ST(吹田)よりお話をいただき、
大学病院での嚥下内視鏡検査の様子を見学させていただきました。

弊社では、嚥下障害のある在宅の訪問リハ利用者様の経口摂取に向けて、大学病院さんや地域の歯科医さんと連携したサポートを地道に続けています。

=================================

見学させていただいたのは、
アクティブ訪問看護ステーション吹田とは8年のおつき合いになる利用者様です。

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プール歩行や、沖縄でのシュノーケリングなど・・・
これまでアクティブとともに様々な活動をされています。


今回は、現在の嚥下状態とお食事形態の確認などのための嚥下内視鏡検査です。
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同席してくださったお母様がプリン、グラタン、コロッケ、ハンバーグ等々、たくさん準備して下さっていました。

また、入居施設の介護職さんも同行され、
現場からの情報提供もいただき、食事介助の方法を検討、確認しました。

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誤嚥予防・咽頭貯留量の増大のため、
経口摂取は側臥位でされています。
内視鏡検査も側臥位で行いました。

検査の結果、
食物の物性によらず喉頭に少量の垂れ込み見られるため、
時間や量を調節して食事を続けてくださいと
Dr.よりお話がありました。

=================================

私は養成校卒業後、訪看・デイに入職したため、
病院で行う摂食嚥下の精密検査に触れる機会がなかなかないため、
大変貴重な機会となりました。

また、利用者様を中心として、
ご家族様、医師、現場の介護職さん、そして訪問リハ担当のSTが連携し、
利用者様のお食事・生活をサポートしている様子を
見学させていただいたことも、よい勉強になりました。

この度は貴重な機会をいただきありがとうございました。
posted by Active at 14:20| Comment(3) | TrackBack(0) | 吹田より

2021年08月06日

新人研修プログラムzoom講義「実際のケースから考えるリスク管理(失神・意識障害)」


人材開発室のPT軽部、OT伊藤です。

新人研修プログラムzoom講義です。

「実際のケースから考えるリスク管理(失神・意識障害)」
担当はPT軽部。

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事前課題で新人のみなさんに各自で検討していただきました。
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オンライン・プレゼンです。
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各々の見方や捉え方、リスクの予見は各自に気づきをもたらしてくれます。

そして復習と振り返り。
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目の前に意識障害の利用者さんが…
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どうする?

各自で考えます。
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各自の見方や捉え方、リスクの予見の深掘りから、互いに気づきの多い勉強会となったのではないでしょうか。

もっと深く知りたいと知的探究心が湧きました。

それとともに最新の医学的な知識の補充や復習が欠かせないことをあらためて確認できました。


当日参加できなかった方々には、録画資料を閲覧できるように録画URL、YouTubeの動画URLを各事業所メールへの送付に加えて、Googleドライブでの共有も始めました。
ともに社外秘、限定公開のため取り扱いには留意していただきご活用ください。



When one person teaches.
Two person learn.
"独りが教えると、両方学ぶ"

教える人が学ぶ姿勢を見せ続けることで一緒に変われる。

教える側が学び、ともに成長するという関係性へ。

"よき臨床から、よき教育と研究が生まれる"
"よき研究から、よき臨床や教育も生まれる"
posted by Active at 18:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 人材開発室

2021年08月02日

読書感想ブログその8〜しょぼい起業で生きていく〜

どうも。
泉北 兼 心意気実践チームのむろのぞのです。

今月の本はこれ。

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しょぼい起業で生きていく


この本の説明の一部にはこのようなことが書かれてあります。


現金だけが儲けではない…

「計画」も「お金」も、「経験」も不要。

多少のコツさえつかめば、わりとふつうにできる、逃げても生きてくための、生存戦略

私は30代前半頃あたりから「逃げる」ことの大切さを実感するようになりました。

20代の頃はとても「逃げる」なんて行動は取れなかったし、恥ずかしいとさえ思っていました。

なぜそこまで変わったのか。
たぶんそれは「勝つ」ことよりも「負けない(生き残る)」人生を送ることの方が自分にとってより幸福感を得られると感じるようになったからだと思います。

なのでいまは自分が弱い部分はさっさと素直に受け入れて、素直に人に頼る(甘える)。

でも「このフィールドでは負けない(生き残ることができる)」という軸はきちんと持つようにする。

そう考えて行動するようになったことでストレスを感じることが驚くほど減ったように思います。

この本はいかにノンストレスな生き方をしていくかが書かれています。

さらにその生き方は自分自身だけでなく、他者に対してもノンストレスな生き方を勧める(誘導する)ことこそが大切である、と著者のえらいてんちょう(えらてん)さんは述べています。

私はこの本を読んで完全に作業療法だ、と感じました。

と同時に自分が泉北事業所に入職した頃に色々な取り組みをしていたことを思い出しました。

今回は蒸し暑い夏にはぴったりなあっさり読書感想ブログだと思います(あくまで個人の感想です)。

お時間ある方は是非読んでいただけると嬉しいです。





●はじめに

従来の「起業」というイメージとはまったく別の「多額の開業資金」も「特殊な技能」も「綿密な事業計画」もいらない「しょぼい起業」という新しい考え方とその方法





1、「しょぼい起業」をはじめてみよう

・生活の資本化(=コストの資本化)
毎日の通勤、通学(移動)が「輸送」に変わる


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・生きてるだけで絶対にかかるコストが利益になる
もともと自分が食べる食事を多く作る(例:1人分→10人分)
余った分(9人分)を売る
自分の生活をすべて自分の労働で満たし、余ったぶんは売って資本化する(自分のためにしている家事を労働化させる)

・「しょぼい起業」は不況に強く、つぶれにくい
生活のなかでやれること、日常やっていることを事業化する

・持っている資産を使って稼ぐ
ガレージで停まっているだけの車がお金を生み出す



この生活の資本化(=コストの資本化)という言葉を聞いたとき、真っ先に思い浮かんだのは仕事で定期的に行っている居宅事業所等への営業訪問でした。

私の事業所は堺市にありますが、私の家の近く(事業所から20〜30分離れた場所)にも意外とお世話になっている居宅があります。

そういった場所へはなかなか仕事中に伺うのは時間がかかるため、後回しになりがちです。

でもそれを家に帰るついでに訪問する、という発想をもつことで、生活を資本にすることができていました。

当時は特に何も考えずに動いていましたが、この本を読んで点と点が繋がったような気がしました。





2、「協力者」を集めよう
・協力してくれる人が自然と集まる「正しいやりがい搾取」

第一段階→こちら側が何も頼んでいないのに、人が自由意志で何かをしてくれる

第二段階→確かに人に頼んだが、その人はそれをやることが好き(やってあげたい)なので、無料(あるいは格安)で動いてくれる

・「友好関係」が、お金以外の対価を生む
友好関係にある人を増やすためにどうするか
まず店を空けておく
居心地の良い空間を作る
居心地の良い場所にする
挨拶まわりをする
近隣の人の仕事を手伝う

「貸し借り」「信用」→「生活資産の労働力化」

「生活や資産を信用化する」→それを労働力化する→資本になる

第3段階
「相手が別にやりたくないことを(お金も払わずにあるいは格安で)やらせる」×

Twitterで普段イラストを描いている人に無料で絵を描いてもらうことを依頼する(「無料で書きます」なんて一言も言ってないのに)
ただで描く義理がない。
だからやりたくない。
やりたくないことはただのストレス!!

・「ノンストレス」な世界を作れば人は動く
生活・資産の労働力化、正しいやりがい搾取
「ストレス」「ノンストレス」の関係に近い
『ライフワークバランス』とは少し違う

しょぼい起業家の立ち回り→ノンストレスでやってもらえる世界を構築していくこと

気持ちが良い(=ノンストレスな)環境でないと人は働かない時代になった

"やりがい"とは・・・
やるだけの価値(を感じて生まれる心の張り合い)

『ワークライフバランス』ではなく『ストレス、ノンストレスバランス』の時代に入ろうとしている



私がこの本を読んで作業療法だ、と感じたのはこの章です。

この「正しいやりがい搾取」こそ作業療法ではないかと感じました。

私たちの仕事は大きな枠組みでみればサービス業です。

ただし、ファミリーレストランのように上げ膳据え膳を行ったり、ホテルのようなホスピタリティを行うわけでもありません。

私たちが提供するサービスは利用者さんが持っている力を最大限に引き出せる環境を準備したり、身体機能を整えたり、利用者さんにとって大切な作業を利用者さん自身が再び行えるようになるのを支援することです。

したがって喫茶の準備をしていただくこと、食器洗いを行っていただくこと、掃除や洗濯をしていただくこと、等々これら全てがサービスになり得ます。

ただし本書にもあったように、「相手が別にやりたくないことをやらせる」という作業を提供した場合はただのやりがい搾取(私たちの自己満足)でしかなく、利用者さんにとって意味のある作業を十分に評価できていないことになります。

この本を読んで、えらてんさんはきっと良い作業療法士にもなるんじゃないかなと感じました。





3、しょぼい店舗を流行らせよう
・広告宣伝費なんて一切必要ない
お金をかけずに起業し、利益を出すか
→すぐにあるものを資本化し、労働力に変え、利益に替えていくか
→今までお客さんでなかった人をどうやってお客さんにしていくか

・「無料の品」で店の前まで来てもらう
「ゴミではないが値段をつけても誰も買わない」ものを無料で人にあげる



この章を読んで思い出したのは泉北で定期開催していたリハパブ(運営推進会議)でした。

ここでは「流行らせる」という言葉を「泉北事業所を知ってもらう」という言葉に変換します。

初めて私が本格的に運営推進会議に参加したとき、手作りのチラシを作り、ひたすら近所にポスティングして回りました。

ポスティングを通して初めて認知していただいた方、存在は知っていたが何をしている所かご存知なかった方。

当日も手作りの飾り付けをしたり、スタッフそれぞれの強みを活かした取り組みをしたり、とまさにお金をかけない宣伝を行なっていました。

この行動をしたことで実際にご利用へと繋がり、いまでもお元気に通所されている利用者さんがおられます。

リハパブを重ねていくことで強みを活かした取り組みはスタッフだけでなく、利用者さんの強みも活かす取り組みへと発展していきました。

民間のフィットネスジムに通っている利用者さんに体操講師を依頼したり。

植物(土いじり)が好きな利用者さんに当日来られるお客さんへのお土産としてミニ寄せ植えを作っていただいたり。

書道の先生をされていた利用者さんにプチ個展を開くことを提案したり。

まだまだ元気だが自宅での役割が少なくなってきている利用者さんにお客さんへのコーヒーのおもてなし(ウェイトレス)や食器洗いをお願いしたり。

手先が器用でどんな備品も手作りで作成できる凄腕を持った利用者さんにお客さんへのプレゼントを作ってもらったり。

さらに進化(深化)したリハパブに来てくださった方(ケアマネジャーさん)からもお褒めの言葉をいただき、数日後にそのケアマネジャーさんからご依頼をいただくことができました。

この本を読んだとき、自分が今まで泉北事業所で取り組んできたことが、まるで一冊の本になったかのような錯覚を覚えるくらい、実体験と本書の内容がリンクしていました。

なかなか私と全く同じ経験をした人もいないと思いますが、この本が単なる起業したい人向けのものではなく、会社勤めの人間でも起業したような感覚で仕事をすることができることを知ってもらえたらなと思います。





以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうごさいました。
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