…見守りたいです。
ST水野です。
利用者さんが初めてのショートステイから戻ってこられて、再開になった訪問時のこと。
利用者さん、眉間にしわをギューッと寄せて、話されました。
ショートステイ先の不満がたっぷりです。
「ナースコールを押してもなかなか来てくれへん」
「来てもゆっくり自分の話を聞いてくれへん」
「看護師さんたちかて忙しいんやから、しょうがないわ」そばで聞いていた奥様が言われました。
利用者さんが言われました。
「わかった。やっぱり家はいい。呼んだら、いつでも、何でもしてもらえる」
そりゃあ、奥様がつきっきりで介護されていますからね!私の心のなかだけのつぶやきです。
利用者さんは「いつでも何でもしてもらえる」状態が当たり前になっていました。
70代の利用者さんたちの世代は、病前から、お世話をする妻、お世話をされる夫の関係が長く続いてきていることがほとんどです。
夫が病気になったとき、それまでの関係のままで介護生活に突入すると、妻に介護してもらうことも当然になりがち。
利用者さんはショートステイ先で、自分の思い通りにいかなかった経験からようやく「いつでも何でも介護」が当然ではないことに気付いたのではないかと思います。
さしでがましいとは思いましたが、チャンスだと感じたので、少し橋渡しすることにしました。
「奥さんを労わらないといけないですね。奥さんに『ありがとう』言ってますか?」
私が言うと、利用者さんは照れくさそうな顔で言いました。
「世話になる。ありがとう」
奥様の顔を見て言わなかったのがちょっと残念でしたが…、まあよしとしましょう。
奥様は1日おきには病院に行っていたそうですが、少しゆっくりできたそうです。
もし奥様が倒れてしまうようなことになったら、利用者さんが家で生活することはできなくなります。
介護される人、介護する人、双方が安定していないと、療養生活は続きません。
もうショートステイには行きたくないというのが利用者さんの本音だと思うのですが、奥様が体と心を休めるために、定期的なショートステイは今後も必要。
長く在宅で療養生活を送るためには、介護をしてくれる人への感謝と労りは不可欠です。
そして、思っているだけではだめ、ことばで言わないと伝わりません。

どんぐりツリー。
前回のブログ(http://active-nopsj.sblo.jp/article/184776186.html)の利用者さんが作られたそうです。
ステキですね!