2018年12月06日

高次脳機能障害との線引き

貴ノ岩はいったい何をやってるんだ!
ST水野です。

軽度の高次脳機能障害(失語症、注意障害)の女性利用者さん。
発症から3年が経過し、喚語困難、注意障害(配分低下)が残っています。
病前より生活範囲が少し狭くなっているものの、おだやかな生活を送られています。

今、利用者さんのしたいことの1つがお金の管理(家計管理)。
病前は家計全体をご本人が行い、夫におこづかいとして渡していたそう。
今はそれが逆転し、買い物前など必要なときに夫から、お金をもらう形に。


訪問を開始して数カ月間、ご家族が買い物練習に同行されました。
事前に買う物リストを作り、リスト通りに買う練習です。

利用者さんは、その日の特売のものや、ハムやパスタソースなど日持ちのする食品など、予定していた以外のものを買おうとして、ご家族から注意をされていました。
また、肉なども、棚に並ぶなかから、比較的高価なものを選ぶ傾向にありました。
ご家族は「金銭感覚がゆるくなっている」と心配されました。

私もそのときは、その可能性があると思っていたのですが…、月日が流れ今になって思うのは、利用者さんの買い物の傾向や金銭感覚は病前から変わっていないだろうということ。

主婦がその日だけでなく数日先の分を想定して買うのは普通。私自身もこれを買おうとスーパーに行っても目についたものを色々と買ってしまうことがよくあります。
買ったものを無駄にしてしまわなければ、何ら問題ではないと思います。
肉については、国産のものしか買わないと決めている利用者さんのこだわりでした。

高次脳機能障害で利用者さんの金銭感覚がゆるくなったというより、利用者さんの知らなかった一面をご家族が知っただけではと思えてきました。病前は利用者さんが家事を一人で担い、ご家族が一緒に買い物に行ったことがあまりなかったのかもしれません。

性格や感覚、行動の傾向と、高次脳機能障害の線引きは本当に難しい!

病前のその方を知らないで評価すると、障害と決めつけてしまうことになりかねません。
そして、詳しく知るにはやはり時間がかかります。


病前からのものだとしても金銭感覚がゆるいとご家族に思われてしまった以上は、問題がクリアされないと家計管理を任せてもらうことは難しいでしょう。
何らかの解決策を講じなければなりません。

ご家族は「家計簿をつけてみては」と言われ、私も「今はスマホのアプリでも簡単にできるんです。家計簿でご家族の信用を得られれば、また家計管理を任せてもらえるかもしれませんよ」と応戦しましたが、利用者さんは「そんな面倒なことをしてまではいいわ。家計簿は今までもやったことがないから」と断られてしまいました。

利用者さんにとっては、家計管理はそこまでしてやりたいことではないのでしょうか。
私、まだまだその方をわかっていませんね。
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