2019年06月14日

詩吟教室に行ってきました!!

今里ST堀内です。

令和元年525日、利用者様の詩吟教室に見学に行かせて頂いた

ので、その様子を報告させて頂きます。


今回の主役は80代男性のI様です。デイサービスで週に一度こと

ばのリハビリを担当せて頂いています。I 様は、病前、詩吟の師範

をされていました。若い頃から詩吟が大好きで毎週の楽しみにさ

れていました。そんな中、脳梗塞により、中等度〜重度の言葉の

障害が残存しました。


今回趣味の詩吟に着目し、以前はどんな詩吟を吟じていたのか、

吟じていた時の様子はどのようなものだったのかを知り、詩吟教

室の方へ失語症に対する理解を深める手助けをすること、詩吟を

訓練に生かし、見学する側ではなく、もう一度参加する側(吟ず

る側)になって頂くこと、本人の意欲向上に繋げることでご家族

や身近な人やデイの職員とのコミュニケーションが少しでも円滑

になることを目的とし今回見学に行かせて頂くことになりました。


〜見学当日〜

写真1.jpg

I 様のご自宅に古くからの友人のA様がお迎えに来られました。

最寄り駅まで一緒に向かいます。病前と病後で一番変わった事は

何か聞いてみました。A様「言葉ですね、他はそんなに変わって

ないと思います。詩吟には段位があってね、I さんは7段の師範、

私は3段です。よく話す人で厳しい人でした、今は口数が減りま

したよ。そのせいか性格が少し大人しくなったような気がしま

すね。昔は海釣りようしとったんです、港から船出して40

かけて、皆で太刀魚を釣ったり、夜中まで楽しんでたんです。

卓球やカラオケも行ってたんです。」


〜詩吟教室(深江橋にある福祉会館)に到着〜

上師範のT先生と生徒さんが来られていました。まずは皆さん

にご挨拶です。「I 様の言葉のリハビリの担当してます、堀内で

す。今日は詩吟について学ばせて頂きます。良かったら今日の

活動を社内で報告させてもらってもいいですか?」と聞くと、

T先生「もっと早く言ってくれたらお化粧ばっちりしたのに。」

生徒のB様「前科者で良ければどうぞ笑」と冗談を交えながら、

皆さん温かく迎えて下さいました。


T先生からのお話〜

T先生(80代の女性)はI 様が病気で倒れられた時、毎日お見

舞いに通われていたそうです。T先生「I さんはね、病気になる

前は段取りから全てやってくれてました。I さんがこのままで終

わってはいけないと思ってね、初めは嫌がってましたけどね、

見学においでって誘ったんです。初めは途中で帰ってたんですけ

ど、最近ね少し変わりましたよ。歌えないけど、この間詩吟の大

会があったんです。うちの生徒さんも5人出たんですけど最後ま

でしっかり見てましたよ。」


〜発声練習〜

まずは発声練習です。「あ〜〜い〜〜う〜〜え〜〜お〜〜」

声が部屋中に響いて圧倒されました。

写真2.jpg

〜詩吟〜

皆さん、そもそも詩吟ってどんなものかご存じですか?私は全

然知らなくて、I 様の事をきっかけに調べました。漢詩や和歌

等を独特の節回しで吟ずる(歌う)芸能だそうです。詩吟には

意味が込められております。I様の好きな西道山の「城山」を

ご紹介させて頂きます。


<詩の意味>


孤立無援の軍勢で奮い闘って、官軍の重囲を突破し、故郷の

城山に帰りつくことができた。百里もあろうかと思える道の

りを敵の砦(とりで)の間を抜いて脱出して来た。しかし、

たび重なる戦いでわが剣はすでに折れ、わが馬も倒れて死ん

でしまった。もはやこれまでである。今は秋風の中、懐かし

い故郷の城山でわが骨を埋める身となった。


歌詞の意味を知った上で聞いてみると奥が深いなと感じまし

た。有名な上杉謙信や李白などの名詩もありますよ。


T先生と生徒の皆さん「せっかくだからI さんも一曲歌いな

さいよ〜」恥ずかしそうにされています。I 様「情けない、

申し訳ない。先生(堀内)聞いてくれんの?」と言いながら

生徒さん達と一緒に吟じられました。

写真3.jpg

C様「今までで一番声出てるんじゃない?I さん、言葉全然

わからんけど、今日は分かる言葉があるわ。」ここで皆さん

に失語症について理解を深めて頂こうと話をしました。する

と、D様「初めて知ったわ。今までそんなん教えてくれる人

いなかった。それ聞いたら、自分の周りのあの人もきっと失

語症やと思うわ。」と興味津々の様子。続けて、「自分とI

んは何十年の付き合いでね、I さんの熱心な誘いで始めたん

やんやで。初めてまだ2年やけど楽しいな。」と言われまし

た。そんな中でE様は大相撲の朝之山の結果が気になると詩

吟の合間にずっとラジオを聞いてらっしゃいました。優勝が

決まると「やったわ!!自分と一緒の富山県出身です。」と

興奮して話されました。I 様も他の生徒さんも皆で拍手しまし

た。皆でコーヒーを飲みながら、「詩吟はついでですねん。こ

うやってね、皆と顔合わせてわいわい話すのが何よりの楽しみ

なんですよ。」と言われました。続けて、「男3人揃ったら病気

の話、5人揃ったらお寺の話(笑)」と笑いがおきました、そ

の流れで誤嚥性肺炎の話題になりお話するとまたまた興味津々

の様子で聞いて下さいました。I 様「じゃ、もう一回(やりま

しょう。)」と声かけで再び一人ずつ吟じられました。私もT先

生からのお誘いで大変恐縮ながら、I 様と一緒に詩吟を歌い、

楽しませて頂きました。

〜親睦会〜

最後は皆さんと一緒にお食事、T先生「今日は来てくれて本当

にありがとう。またぜひ来て下さい。」I 様「ほんとに、ありが

とう。」と言って下さり、無事終了しました。

写真4.jpg


〜見学を振り返って〜

I様は失語症により「話す、見る、書く、読む」の4つのモダリ

ティーのうち唯一少しだけ「読むこと」(漢字>仮名)ができま

す。詩吟は、漢字でほとんど表記されています。歌う事が大好

きなI様にとって詩吟ほど良いものはないんじゃないだろうか

と感じました。今後は詩吟を取り入れ楽しみながら訓練ができ

たらと考えています。


I 様、今日は本当にお疲れさまでした。また見学を快く引き受け

て下さいましたご家族を初めに、T先生、生徒の皆様、本当にあ

りがとうございました。


posted by Active at 09:39| Comment(2) | TrackBack(0) | oosaka
この記事へのコメント
堀内さんらしい良い関わりされてますね。
次の報告も楽しみにしています。
Posted by 北の国から at 2019年06月14日 16:09
その方がこれまで何に価値を置いて生きてこられたかを知り、その上でリハビリテーションを展開していく。言語療法の奥深さを学ばせていただきました。

いつも勉強になるブログを投稿していただき、ありがとうございます。
Posted by 泉北むろのぞの at 2019年06月20日 14:41
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