2019年06月15日

(ポスター発表、備忘録A)第56回日本リハビリテーション医学会学術集会

心意気実践チーム・人材開発室OT伊藤です。


6/15(土)は朝早くから会場へ。
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6/13の報告、備忘録@はこちら↓

8時からの教育講演「障害適応へのチームアプローチ 〜障害受容再考〜」に参加しました。

文献で拝読してきた名前を聞いたことがある著名な先生方が、目の前で話されている姿は何か感慨深いものがありました。

とてもまとめきれる中身ではないので、備忘録的なレビューに留めさせていただきます。

備忘録)

▽座長の先崎章先生(埼玉県総合リハビリテーションセンター)より

〇障害受容は疾患、障害を含めたその人、状況、などなどでその時々で変わるものではないか…

〇医療者ではうかがい知れないことがあるのではないか…

〇誰の理論が正しいのかどうかを論証するのではなく、眼前にいるリハ患者の心のあり方を理解するのに最も適した障害受容理論を用いればよい。(渡辺俊之2004)

〇障害の受容とは障害者としての自分を受け入れていくことであり、悲しみや落胆などの否定的感情に向き合っていく心理過程である
〇機能改善への固執と障害受容を分けるべき
〇障害受容の経過は段階的というより行きつ戻りつの連続過程である
〇障害受容にいたるためには”希望”が必要
〇医療者が扱えるのは”障害への適応”で、そのために医療チームを機能させること
(2006年の本会にて)


▽医療社会学の視点から細田満和子先生(星嵯大学)より

〇社会的役割(一般的なこうあるべき論)から役割期待(こうならないといけないという型にはめられてしまう)

〇病人役割(「社会体系論」パーソンズ、1951年)という捉え方
権利(回復すること、その一方で社会的な役割を免除されるという面もある等)と義務(回復すること、通常になるということに縛られる)

〇生活史の書き換えにより、”全く異なる主体に”、”新しい自分へ”、”病人役割”から自由に”、”新しい役割を獲得へ”

▼詳しくは↓
『脳卒中を生きる意味-病いと障害の社会学』青海社 細田満和子著
https:surasshusurasshuwww.seikaisha.bluesurasshuitem-22/


▽元ST教員で脳卒中、高次脳機能障害の当事者でもある関啓子先生(三鷹高次脳機能障害研究所)から

〇リハをする側からされる側となったから分かることがある

〇現実肯定感(なってしまったのは仕方ない)、希望(職場復帰を)、期待感(新しい人生を)、知的好奇心(リハ職として貢献しよう)から、自分にしかできない”語り部”としての高い使命感が生まれた

〇「発症前より幸せ(病気によりたくさん失ったけど、それで生まれた幅広い他者とのつながり、自己効力感、社会参加の実感があるから)」

▼詳しくは↓
三鷹高次脳機能障害研究所
(一社)日本脳損傷者ケアリング・コミュニティ学会


▽OT田島明子先生(聖隷クリストファー大学)から

〇誰もがなにかしらか”障害”があるが、それを内包しながら生きている

〇自分自身のユニークな価値に気付く

〇存在を肯定する

〇障害受容という言葉を避ける療法士

〇参加のはしご

▼詳細は↓
障害受容再考―「障害受容」から「障害との自由」へ』三輪書店 田島 明子著


▽交通事故による下肢障害の当事者でもある公認心理師・臨床心理士 定政由里子先生(神戸学院大学)から

〇感情の爆発を大切に扱う、否定しない、しばらくすると冷静になれる

〇自制→忍耐→希望→感謝
人の意見とやり方に折り合いをつけることで自制となり、自分の想い、希望がある程度できるになれば、感謝が生まれる

〇ヘパイトスのギリシャ神話が心理的課題(心のわだかまり)から解放してくれた

〇アドルフ・グッゲンビュール・クレイグ「あらゆる人間は障害者である」


▽人間味溢れ出す岡本五十雄先生(クラーク病院)

〇高い人生満足度と受容度、低い経済状況と受容度の関係

〇一旦は障害を受け止めたよう(障害受容)でも、10年経過しても「でも治るんだったら何でもする」という人が多い


▽太田喜久夫先生(藤田医科大学)

〇CIQ(客観的QOL)と主観的QOL評価(日本語版制作中)について

参考はこちら↓


機器展示等)

120以上の企業団体展示ブース
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スイーツコーナー
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ポスター発表の会場
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質問する代表の阪東(写真左)です。
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15時過ぎ。いよいよポスター発表の出番です。
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座長のリハビリテーション医学会専門医の先生、他の先生方からは…
○なかなか無い取り組みで、しかもよく就労支援されている
○聴いたことがない報告
○もっと脚光を浴びるべき内容
○心が温まる良い関わりの報告
○これからの一つの形、新しいスタンダードになるかも
○話しを詳しく聴きに行きます
等…の評価をいただきました。

一方で、
○診療はどのようにしているのか
○診療のサポート体制の維持
○収益面はどのような状況なのか
等…の質問もいただきました。
ありがとうございます。


たくさんのリハビリテーション医学会専門医や関連職の先生、当事者の方と発表や各講座、講演後に、質問を兼ねてご挨拶するなかでお話しすることができました。

日頃の現場で取り組んでいて、これでいいのか…と分からないなか考えていることを確認でき、次に進むチカラをいただきました。

インターネットや本、文献で学べることとはひと味もふた味も違う、会場で会えるたくさんの方々からのナマの学び、気付きをもらえるのが、学会・学術集会。

特にリハビリテーション医学会学術集会は、学会規模や多岐にわたる講座内容に加えて、看護師、療法士に指示するリハビリテーション専門医の先生方が主たる参加者です。

そのような場の貴重さ、学会・学術集会に参加することの意義を深く再確認できました。

リハビリテーション評価の大切さを痛感しました。それに加えて、利用者様、ご家族、自分自身のために、何かしようという"心意気"の大切さにあらためて気付かされました。

次回は今年秋の静岡。11/15(金)〜17(日)。
「リハビリテーション医学の”ちから”」

何とか行きたいです。




追記)

前日の6/14(金)午後は、
「がんのリハビリテーション診療ガイドライン&シンポジウム」へ。

今月に発刊された『がんのリハビリテーションガイドライン(第2版)』の解説をされていました。

〇グレード、エビデンスの確実性、推奨別にされている

〇運動における恩恵があること

〇術前のプレハビリテーションの効果あり

〇術後の歩行、ADLの維持は予後に影響あり

〇抗がん剤等の化学療法は入院治療から外来治療へ

〇外来治療で歩行、外出機会の確保も可能

〇フレイルからどのように脱するかが課題

〇CGA7(高齢者総合機能評価簡易版)の活用

参考)
がんのリハビリテーションガイドライン(第1版)は↓
www.jarm.or.jp/wp-content/uploads/file/member/member_publication_isbn9784307750356.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/42/4/42_KJ00010001353/_pdf
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