2020年02月23日

「障害受容」から考える研究会。

人材開発室・心意気実践チームのいとうです。


厳重な感染予防対策のなか、札幌で行われた「障害受容」から考える研究会に参加してきました。
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手洗いとアルコール消毒しまくりで手がカサカサです…


リハビリテーション医の岡本五十雄先生と田島明子先生による講座でした。
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▼岡本先生、田島先生お二人のご縁は昨年のリハビリテーション医学会学術集会から↓
▼岡本先生の著書多数ですが、そのうちでも必読書「復活の朝 札幌発リハビリテーション物語」はこちら↓


心意気的備忘録)

○障害受容の過程、段階説は、第三者的にみての判断、解釈にとどまっている

○第三者的な視点だけではなく、より患者さんに近い同じ目線で、患者さんのこころのうちに近づくことが大切ではないか
→日本人ならではの受け止め方、過程があるのではないか
→日本人はこころのうちを人になかなか話さないから分かりにくい
→日本人特有の感情表現がもたらす苦悩や希死念慮とその実態
→日本人のねぎらい、いたわり、優しさ、思いやり、そして励まし
→医療人としては、第三者的な障害受容の段階説とも患者さんの状況を鑑みながら、患者さんのこころのうちにより注視し力点をおくことが肝要ではないか

○障害受容は…
「患者さんに強いるものでもないし、受容しないといけないものでもない」
「それぞれ違う過程をたどるのをその都度よく話しを聴く」
「医療者が患者さんを説得するなんてありえない」
「受容は説得して認めさせるものではないことと入院中はリハビリテーションのチームの真摯な努力が患者さんの受容に大きな力になる」
「頑張るという言葉は、使い方と人による使い分けで十分に生きてくる」

○障害受容の患者さんの調査での質問内容
「現在の障がいのある状態、これが自分であると認められること」を障がい受容と定義して、人生の満足(受容)、経済状況や心理症状、ADLなどとの関連を調べている

○障害を受け止めて、人生に満足感を感じるには、家族のチカラが果たすところは極めて大きい

○近親者の死の受けとめの経過
→わかっているけど、どこかにまだいるように思ってしまう。でも亡くなっていることは認めていて受け止めている

○良くなりたいと思っているのだから受容はないという方について
→良くなる、良くならないが判断の基準になっている、この場合は受容は関係ない

○元に戻りたい、良くなるのであればどんなことでもするという気持ち、強い願望を持ち続ける。それでいて障害を認めている、受け止めている。
→近親者の死や失恋と比較するとよくわかる。


その他)

○いじめること、差別することについて
「自分自身がいじめられる立場、差別される立場になった時に、いじめてくれ、差別してくれと言ってるのと同じです」
研究会の冒頭で岡本先生が話されました。
"そんな社会でいいのですか?!"と問われた気がして、ハッとしました。"すぐに子ども達にも伝えないと"と、思いました。

○療法士による "介入"という用語の使用方法への問題提起
→問題、事件、紛争などに本来の当事者出ない者が強引にかかわること(岩波書店、広辞苑)
→"支援・援助"、"働きかけ"等が適切ではないか?

○「柳田国男さんの2.5人称の医療の視点」やわらかな視点についてはこちら↓

○研究会の参加者の脳性麻痺患者さんでもある学生さん
→ご自身の障害を文章にしたいと研究している方
→障害受容というものをしないといけないと思いこんでいて、それを文章にしようと研究中だったが、先生の「患者さんに強いるものでもないし、受容しないといけないものでもない」との、目から鱗が落ちるようなお話しを聴いて、これから研究をどう進めて行こうかと…(苦笑)話されていました。


日本特有の風土や文化、家族関係、対人関係、歴史、宗教、文学、芸術、美意識等からもわかることがあるのではないかと、会うたびに視座を深遠なものにされておられます。
その視座の大切さに少し触れることができたように思いますが、まだまだ勉強です。

「ハートの持ち方だよねェ」
岡本先生が医師として、患者さんに接する際の基本姿勢は、ナラティブ・ベースド・メディスン、クライアント・センタード・アプローチによるところが大きいのではないかとあらためて感じました。

「こんな歳(76歳)だけどしゃがんで患者さんの話しを聴くようにしたら、80歳代の女性からエラいモテちゃってねェ」(爆笑)
「カルテがえらく分厚くなっちゃうんだよねェ」
「もうちょっとうまく話せたはずなのになァ〜まだまだ勉強だねェ」
「学んだことの付け足し付け足しだからねェ」

相変わらず高くて深みのある知的探究心と人間的な魅力の塊のような岡本先生です。

会うたびに痛感させられ、自分ももっともっと勉強せんとアカンわ…と意識をブラッシュアップさせていただきました。
ありがとうございます。

次の再会をお約束しました。これからもご指導よろしくお願いします。
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田島先生をはじめ事務局の方々、研究会の企画ありがとうございます。


恒例になっている出張先での朝ランニングにて。
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posted by Active at 15:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 人材開発室
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