2020年03月20日

キャリアインタビュー「苦手なものもあるけど楽しめる、楽しめそうやと思っています」作業療法士の蠟野(ロウノ)祐真さん

CIMG2675.JPG
料理イベントにて。(左端が蠟野さん)


社内メールマガジン〜アクティブ流〜20204月号のキャリアインタビューでは、作業療法士養成校から卒業後すぐに弊社に入職し、作業療法士として奮闘中の蠟野(ロウノ)祐真さん(3年目、入職年月:20174月、所属:堺)からお話をうかがいました。


1.今の仕事に至ったきっかけ、経緯


看護師の母の影響もあり、看護師を志望していました。高校卒業(機械材料創造科)後、すぐに看護助手として1年間働きました。少しずつ仕事に慣れ始めた頃、輪番制の現場のリーダー業務に追われていました。そんなある日、患者様を転倒させてしまう事故を経験しました。幸い患者様は大事には至りませんでしたが、そこで初めて高卒後すぐに無知のまま医療介護の現場で働く状況がとても怖くなりました。その頃に勤務していた病院のリハビリテーション室で、作業療法士さんが患者様と卓球をしているのを見て、”楽しそう”、”病院の中でもこんな仕事があるんだ”と思ったことが、看護師志望からOT志望に変わった理由です。1年で看護助手の仕事を退職し、OT養成校へ入学しました。通学しながら別の病院での介護職の仕事を2年間経験しました。

アクティブを就職先として選んだ理由は、アクティブデイサービス堺での実習生時代にお世話になったOT井上さん(堺デイ主任)の考え方に、自分自身が思う療法士像が少し見えてきたと思ったためです。それは既に行かせて頂いた病院等での実習先では感じなかったことで、実習を修了しても将来的な療法士像が見えないままでした。OT井上さんの訪問やデイでのお仕事ぶりは、利用者様その人の生活の中での活動面に焦点化されていました。そのなかでも訪問利用者様への畑での農作業を取り入れた関わりを通し、楽しみを提供できたことで、利用者様も楽しそうに活き活きとした表情をされていました。


2.今の仕事、働き方


デイサービス:水曜日PM、金曜日PM、土曜日

訪問:月〜金曜日AM

休み:火、日曜日


3.仕事の魅力、やりがい、苦労


仕事の魅力としては、自分自身が担当として関わらせてもらったことで、利用者様の生活に活気が出た時だと思っています。

訪問看護・リハ利用者で股関節の人工関節置換術の方は、術後長距離歩行が難しくなり自宅内の役割でもあった買い物に行く事が困難になりました。そこでカゴに杖を入れ自転車を押しての歩行訓練を提案し実施しました。生活場面においても、お一人で自転車を押して買い物に行けるようになられました。徐々に行動範囲が広がり、少し遠くの方のスーパーまで買い物に行かれるなどの報告を嬉々として話される姿を見るととても嬉しい気持ちになります。現在はリハビリの担当として携わらなくなりましたが、時折お話しする機会があり、現在では行きの荷物のない時だけ、自転車に乗って買い物に出かけているとのことで、転倒のリスクは理解した上で実施されているとのことです。

デイサービス利用者様で圧迫骨折後の坐骨神経痛により、長距離歩行が困難になっていた方です。リハの初期では円背姿勢で買い物用のキャリーバッグを引いて移動され、長時間の移動は困難でした。そのため、眼科などの通院ができなくなっていました。歩行器の使用を促すも「無理無理」など否定的な発言が多く聞かれました。しかしながら施設内での歩行練習から始めて、徐々に短距離の屋外歩行へ移行したことで、移動における労力が少ないことを理解されました。そのこともあり、ご自身でCMに相談して歩行器をレンタルされました。歩行器のレンタル後は、以前からの趣味であった絵を描くことに着目し、歩行距離の拡大、趣味活動の再開を図りました。リハビリの時間では緑道まで一緒に歩行で移動してもらい、絵を描いたりして関わりました。百舌鳥古墳群をみなさんで巡った昨年のアクティブクラブは、長距離歩行での移動を実践する場になりました。事前に当日の計画を話し合い、日本庭園に咲いている花の写真を撮り、後日にそれらの絵を描くなど実施にまで至りました。長距離移動への自信が得られ眼科受診にも定期的に通われるようになりました。現在では同じマンションの方と一緒に受診へ行かれるなど生活においても変化が見られておりとても嬉しく思います。この仕事にやりがいを感じることができる経験となっています。

利用者様が求められる理想像がとても高いものの、ご自身の自主性が低いためか、自分の力不足のためか、自主トレ等の実施が進まないケースに難渋しています。限られた訪問時間のなかで成果を上げていくことの難しさを感じています。もっと自分の引き出しを増やすなど、自分のほうでも何とか工夫できないものかといつも悩んでいます。


4.仕事をしていくうえで大切にしていること、心がけていること


よい関係を築いていけるように、会話は特に大事にしています。リハビリが辛いものにならないようユーモアも大切にしていきたいです。


5.入職前にイメージしていたやりたかった仕事はできているか?


入職当初は、デイサービスのリハ内容はADLQOL向上への関わりが多いと思っていました。しかし実際はROMやストレッチ等の身体的な関わりの方が利用者様からのリハ需要として高かったことには少し驚きました。現状に満足している利用者様も多いと感じますが、自分もデイでリハを担当するようになり、利用者様側だけでなくリハ担当者がADLQOLに向けた具体的な目標や目的を見えていないことにも起因するのではと考えるようになりました。

1〜2年目はイベント企画(認知症カフェの”あれそれカフェ”、アクティブクラブ、調理イベントなど)を通して、利用者様のADLQOL向上にむけた個別的なニーズに働きかけることができたかと思います。

3年目になり訪問に行く機会が増え始めています。入職前にイメージしていたやりたかった仕事ができているか今はまだよく分かりませんが、自分なりに頑張っているところです。


6.アクティブで働いて成長実感、成長予感を感じることができているか?


成長実感は自分自身でははっきりとは分かりませんが、デイサービスに自分の後輩となる新人療法士も加わり、訪問に行く事も増えてきています。継続して訪問リハビリに入らせていただけているということから、利用者様やケアマネージャーさん、職場の皆さんから少しずつ信頼されてきているのではと考えています。このことから信頼を得るといった点においては成長を実感しています。成長予感については、療法士を続けていくうちはゆっくりでもいいので確実に成長していければと思います。その点は1年目と今も変わらない思いを続けています。


7.これからの仕事でチャレンジしたいこと


作業療法士としてのスキルアップはもちろんです。ぼくは昔から”パン屋をしたい”、”看護師になりたい”等、興味あることや好きなことが尽きない方です。ロールアートでぼくが絵を下書きして、利用者様と様々な作品を作っているところです。少しずつ色々なこと(好きなことや経験してきた絵、アロマ、溶接…)にチャレンジしていけたらと思います。「たいていのことは何とかなる」を座右の銘にしてチャレンジしていきます。


8.わたしの堺事業所自慢


 突拍子もないこともOT塚本さん(堺事業所運営責任者)とOT井上さんがフォローして下さるのでいつも助けられています。ありがとうございます。


9.インタビューを受けてみて


 仕事のなかで色々と大変なことはありますが、自分自身の原点を忘れずに今日を頑張っていきたいと思います。まだまだ分からないことが多く迷惑をかけすることがあるかと思いますが、これからもよろしくお願いします。


作業療法士 蠟野 祐真さん 略歴

大阪府出身。20173月大阪医専OT学科卒業。

自らの得技を活かした蠟野さんならではの関わりで、地域の利用者さまやご家族さま、ケアマネジャーさん、職場の仲間からも常に高い評価を得ている生活期・在宅OT。利用者さまの生活課題の改善に向けたより個別的な関わりを果たすことができたケースについて、今年11月のリハケア合同研究大会in大阪での報告を予定しています。



先輩OT井上さん(堺デイ主任)からのひと言☆


 学生時代は多くの学生は利用者様をみるリハ視点において、心身機能に偏りがちになるなか、蠟野さんは少しの声かけや配慮で活動と参加にもバランスよく意識できる学生でした。また、当時から利用者様やスタッフに慕われていたように記憶しています。私も学生さんの指導に多く関わってきましたが、一緒に仕事をしたいと思える一人でした。入職後は時折忘れ事や腰が重いようなことがあります(笑)が、周りからも好かれ、時には頼りになる堺事業所には欠かせない人材です。今後も訪問リハはもちろん地域活動での活躍も期待しています。


キャリアインタビュー取材・編集担当より 伊藤健次郎(人材開発室・心意気実践チーム)☆


「何でも興味あります」と屈託なく笑顔で話してくれた蠟野さんです。今回のインタビューを通して、蠟野さんの”何でも楽しめる力”を感じました。それは生活期・訪問リハ人材としても大きな才能と感じました。「苦手なものもあるけど楽しめる、楽しめそうやと思っています」と力強い言葉がありました。

サッカー選手の遠藤保仁さん(ガンバ大阪)は、”何でも楽しむ技術”を提唱しています。遠藤さんの信念は、”いつでもどんな状況でも楽しむこと。”楽しい”という気持ちがなければ、サッカーはいいプレーができないし、成長もしません。もし、サッカーを楽しくないと感じたら、サッカー選手としてはやっていけないでしょう。何事も楽しみを取り入れることが物事を続ける秘訣です。いつでも、どんな状況でも楽しむためには”やりたくないときにはやらない”というのも考え方のひとつです。また”将来の自分は今の自分の積み重ね”とも...著書やインタビュー記事のなかで書かれています。

▼「何でも楽しむという技術」(プレジデント)はこちら↓

https://president.jp/articles/-/24055


非常に有能な職業人を調べた膨大な数の調査により、与えられた任務に強い信念を持って臨み、仕事を楽しんでいることと、仕事で高い能力を発揮することの間には強い相関関係があることが明らかになっています。米の経営管理が専門のロバート・スティーブン・カプラン(ダラス連邦準備銀行頭取兼CEO)は著書「ハーバードの自分を知る技術」(CCメディアハウス)と共著「セルフ・アウェアネス」(ダイヤモンド社)“仕事にしたい好きなことを見つける二つの方法”にて、最終的に成功する人は自分が好きで情熱を注げることを仕事に結び付けている。知的能力とスキルだけではある程度までは成長できても、頭打ちになる。そこを乗り越えるには”好き”という気持ちが欠かせず、それが進み続けるためのガソリンだ、としている。さらに、そこで重要なのは自己を認識すること、セルフ・アウェアネスである、それを深めることで自分が好きなことがもっとわかるようになる可能性がある、としている。


蠟野さん自身が、実習生時代に作業療法士としてのキャリアをイメージした時に、ベンチマークとなったのがOT井上さん(堺デイ主任)でした。蠟野さんの仕事ぶりに大きな影響を及ぼしていることがインタビューを通して感じ取れました。入社当初はもちろん新人療法士だった蠟野さんには、リハ専門職として、OTとしてのキャリアの目標となるベンチマークだった井上さんの存在は、仕事を進める上で心の拠りどころにもなっていたのではないしょうか。

それに蠟野さん自身が持つ大きな才能でもある”何でも楽しめる力”がプラスに働いたことが、弊社のイベントで特技のアロマセラピーや絵画を用いる等、1年目から自分の”好きなこと”を仕事に結び付けることができた大きな要因と感じました。蠟野さんは、自己認識する力、セルフ・アウェアネスを深めつつ無意識にというよりは、むしろ有意識で意図的に利用者様への関わりにつなげているように思いました。


☆蠟野さんの働きぶりはこちら↓

▼「あれそれカフェ 〜アロマ教室〜」

http://active-nopsj.sblo.jp/article/182333195.html


▼「アクティブクラブ 〜日本庭園と大仙公園で花見と散策〜」

http://active-nopsj.sblo.jp/article/185908740.html


▼「自主グループ“釣り部”」

http://active-nopsj.sblo.jp/article/186628280.html


弊社デイサービスでの個別機能訓練では、療法士が担当し30分の心身機能、活動、参加へ働きかけています。心身機能への関わりにより、痛みを軽減したり姿勢を修整する等、身体や心のメンテナンスを図ります。これらの関わりをベースにし、ご自宅での身の回りのことや家事、趣味等の活動、参加を継続できている利用者様も多くおられ大切な関わりとなっています。このようなことも一因となり、身体的な関わりがデイサービスでのリハ需要として依然と高い現状があるのかもしれません。身体的な関わりも大切にしつつ、利用者様のADLQOL向上への個別的ニーズにお応えしようと、自分の引き出しを増やし専門性を拡げながら作業療法士3年目の今を奮闘している蠟野さんでした。インタビューへのご協力ありがとうございました。


「何でも楽しめる力」、「何でも面白がる力」のある人は、前向きさや転換力、許容力があり、嫌なことも自分の興味・関心の中に持ってくることができ、“個性化”できるといわれています。これらがあれば、つまらないはずだったいつもの“書類作り”が、ひと味違った“書類創り”へと変わりそうです。


ゴルフイベント、ゴルフクラブ”フェニックス”にて
CIMG2452-eade8.JPG

後列の真ん中の黒い服のひとが、蠟野さんのベンチマークとなったゴルフクラブの火付け役でもあるOT井上さん。
▼ゴルフイベントはこちら↓
http://active-nopsj.sblo.jp/s/category/4404545-1.html
▼大阪障がい者ゴルフチームフェニックスの公式HPはこちら↓
https://odgt-phoenix.jimdo.com/


買い物イベントにて。
CIMG2564.JPG
posted by Active at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 人材開発室
この記事へのコメント
水曜日の午後堺デイを利用している「I」です
「蠟野」さんにお世話になって2年になります
また最近自主クラブ「釣り部」でも井上さん、蠟野さんと共に楽しんでいます

蠟野さんに教えていたいた体操を家でもしています

「ゆっくりでもいい確実に!」
これからもよろしくおねがいします
Posted by at 2020年03月14日 10:38
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/187262509

この記事へのトラックバック