どうも。
泉北のむろのぞのです。
EBM/EBPという言葉は医療関係者の方は既に周知していると思います。
今回はこのエビデンスって必要なのかどうか、
というテーマについて考えてみます。
結論からいうと私はエビデンスは必要だと思っています。
しかし、そう言いきるには少し説明をしないといけないと感じています。
Evidence Based Medicine/Evidence Based Practice
日本語では「根拠に基づいた医療/根拠に基づいた練習」と
いった訳され方をしていると思います。
しかし、この「根拠」という日本語訳が少しEBM/EBPを誤って理解してしまうことが多いそうです。
偉そうに書いていますが私も以前まではEBM/EBPという言葉に対してアレルギー反応を示していました。
ですがそれをとてもわかりやすく説明してくれる方がいました。
その人は作業療法士の竹林崇先生という方です。
竹林先生といえば脳卒中リハビリテーションにおけるCI療法でとても有名な方です。
そんな竹林先生ですが、セミナーや著書執筆活動以外にも、
SNS(Twitter、YouTube、noteなど)を通して様々な形で最新の情報をわかりやすく発信してくれています。
今回はそのSNSのなかからYouTubeにアップされた内容を紹介したいと思います。
↓
詳細は↑のYouTubeを視聴していただければ問題ないのですが、少しだけ自分なりに説明したいと思います。
日本語はEvidence=「根拠」といわれることが多いですが、先生は「証拠」「実証」という
言葉を使用する方が理解しやすいのではないかと説明しています。
またEBMと聞くと、
「エビデンスのあることしかやっちゃダメなんでしょ?目の前の利用者さんに何でもかんでもエビデンスをあてはめようとする考えってどうなの??」
という批判も少なからずありそうな気がします。
自分もそんな考えを持っていました。
でもEBMはそんな偏った考えではなく、眼前の利用者さんにとって究極のオーダーメードである、
と先生は話しています。
それを実践していくためには5つのステップが大切だといわれています。
この内容に関しても違う動画で丁寧に説明してくださっています
↓
Step1:眼前の対象者についての問題の定式化
Step2:定式化した問題を解決する情報の検索
Step3:検索して得られた情報の批判的吟味
Step4:批判的吟味の患者への適応
Step5:1〜4の再評価
さらにその5つのステップをPICOという4つの視点を使って考えていくと理解しやすいといわれています。
Patients:どんな患者(対象者/利用者)さんで
Intervention:どんな介入があるのか
Comparison:他の介入と比較して
Outcom:介入の結果どうなるのか
Step1:眼前の対象者についての問題の定式化
目の前の対象者さんは一体どういった方なのか?
ここにはどういった疾患をお持ちで、どのような人物の方なのか、といった内容が含まれます。
Step2:定式化した問題を解決する情報の検索
Step1から、その疾患や性別、年齢などに当てはまるとされる有益な情報を検索する
恐らくEBMのイメージはここが特に強いのではないかと感じます。
Step3:検索して得られた情報の批判的吟味
検索して得た情報が果たして本当に目の前の対象者さんのリハビリテーションに適応できるものなのか。
この点がとても大切で一つ間違ってしまうと、
目の前の方を無視してエビデンスのみを優先させてしまう危険性があると、
感じています。
Step4:批判的吟味の患者への適応
たとえ高いエビデンスがあるといわれている内容であったとしても、
対象者さんがその治療方法を本当に望んでいるのか?
リハビリテーションは療法士のためにあるものではなく、
それを受ける対象者さんのためのものです。
なので対象者さんが望んでいなければ、
高いエビデンスであっても使用するべきではないと考えます。
Step5:1〜4の再評価
以上のことを繰り返し評価しながら、
必要に応じて新たなプログラムを立案していくことが必要だと話しています。
ここでは本当に簡単な説明しかできていません。
なのできちんと理解するためには、
やはり一次情報(原著論文)から情報収集していくことが大切だと思われます。
EBM/EBPの理解にはこの他にもクリニカルリーズニングや、
OTでは近年『作業療法リーズニング』といった考え方も大変重要になっています。
今回はリーズニングに関しては割愛させていただきます。
以上、今回はEBM/EBPについて書いてみました。
自分がOT1年目の頃にこれらの情報を得ていたら、
ちょっと未来は変わっていたのかなぁと思わなくない気がします。
でも今からでも遅くないと思っていますし、
昔も今も変わらず、目の前の対象者さんのために、
とにかく必死のパッチで動いて考えて動いていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。