2020年05月22日

リーズニングとは何か

どうも。
泉北のむろのぞのです。

前回、EBM/EBPに関する記事を投稿しました。


そのなかで少しふれた『リーズニング』について、

今回考えてみたいと思います。

参考にしたのはコレです


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『note』という、文章や動画など様々なコンテンツを投稿できるプラットフォームです。

そこでいくつもの記事を投稿されている作業療法士の寺岡睦先生の記事です。





寺岡先生は身体障害領域の臨床経験をもち、現在は吉備国際大学で講師を務めておられる方です。

noteのような誰でも気軽に投稿できるものだけでなく、

作業療法に関する様々な研究論文も執筆されており、

記載内容の信頼性も高いかと思います。


ここでは簡単な説明しかできないと思いますので、詳しい内容は寺岡先生のnoteを参照ください。





●リーズニングとは何か

リーズニングとは「思考の道筋」といわれています。

思考の道筋は療法士がクライエントへの介入を計画し、方向づけ、実行し、

結果を内省する過程を意味します。

またリーズニングは様々な呼称があり、

クリニカルリーズニング

専門職リーズニング

治療的リーズニング

作業的リーズニング

といったものがありますが、基本的には意味はどれも同じだといわれています。

ここでは一般的によく使われているクリニカルリーズニングで説明していきたいと思います。





●クリニカルリーズニングの種類の例

リーズニングには5種類あるといわれており、

@科学的リーズニング

A物語的リーズニング

B相互交流的リーズニング

C実際的リーズニング

D倫理的リーズニング

があります。





@科学的リーズニング
これは前回ブログに投稿したEBM/EBPの内容を確認してもらえたらわかるかと思います。






A物語的リーズニング
対象者の語りから置かれている状況を理解するときに使用します。

その方がこれまでどんな生活を送ってきたのか。

これから何をしたいと思っているのか。

どんな行為に意味を感じているのか。

などを構成的、あるいは非構成的評価によって確認していきます。





B相互交流的リーズニング
療法士が一方的にプログラムを立案していくのではなく、

対象者と共に考えるなかで最善のプログラムを考えていきます。

いわゆる協業というやつでしょうか。





C実際的リーズニング
現実的制約を踏まえた上で臨機応変に判断するときに使用します。

たとえば脳卒中片麻痺の方に対する歩行機能の改善を目的に、

ロボットスーツ(HALなど)を用いることは有名です。

しかしこのアプローチは誰でもどこでもできるものではありません。

今ある物理的、人的環境のなかで提供できる、

最善のリハビリテーションを考えていく必要があります。





D倫理的リーズニング
医療専門職という認識をもち、

実践中に行ってよいことなのか、

それとも悪いことなのかを判断する際に活用します。

対象者の方が望むものが、

家族、社会的に望ましくない内容であった場合、

療法士はどう判断するのか、

こういったことも倫理的リーズニングに含まれます。



以上がクリニカルリーズニングの大まかな概要です。

療法士はこれら5つのリーズニングを常に繰り返し、

状況に応じて順不同的に考えていく必要があると述べています。



またこれらは療法士と対象者が変わるとまた新たなリーズニングが始まり、

その視点や深化は経験とともに変化していくとも述べています。



いま新卒療法士の皆さんは

デイでの個別リハビリの引き継ぎをしてもらっている最中だと思います。

利用者さんお一人お一人のことを全て完璧に理解し、

リハビリプログラムを立案していくことなどは

なかなかできるものではありません。

(私なんか毎日テンパってました…)

毎日の忙しさのなかに少しでも考える時間を見つけ、

これら思考の道筋をうまく活用していけたらと思います。

偉そうなことを言ってる私もまだまだ全然できていないので、

一緒に勉強させてください。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
posted by Active at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 泉北(室之園の)日記
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