家中の窓を開け放って、風が吹きぬけるのを感じるとき、いい季節だなと思います。
ST水野です。
ある難病の利用者さん。
数ヶ月前にガラケーからスマホに換えました。スマホにしてやってみたいことをうかがうと「写真を撮ることとLINEをすること」と言われました。
タップして写真を撮る操作はすぐにできていました。アウトカメラとインカメラの切り換えをするのが新しく覚えるべき点。
LINEはねらった場所から指先がずれてしまい、的確にさわって入力することが難しい様子でした。
音声入力を提案し、発音練習も兼ねて試してみることになりました。
何週間か挑戦してみた結果、難しいポイントが2つ。
@座った姿勢がくずれやすく、スマホを口元に近づけた状態を保てない
A発話スピードが速く、正確に入力できない
@の座った姿勢が保ちにくいのは普段の生活からもいえることです。
身体が横に倒れる
頭が下がってうつむいた姿勢になる
唾液が口腔内にたまる
唾液を飲まずに話そうとして不明瞭になる
流涎!
スマホを持っていると、より姿勢がくずれやすくなることがわかりました。
声量が低下しているため、口元からスマホを離すと、より正確に入力がしづらくなることもわかりました。
音声入力の感じをつかんでいただきたかったので、スマホは私が利用者さんの鼻先に固定して持ちました。
口元だと視線が下がってしまうので、少し高い鼻先くらいが入力された文字を確認するのにもちょうどいい高さです。
あとはいきなりマイクをオンにしないこと。
あらかじめ入力したいフレーズを考えていただき、文節ごとに区切ることを意識して練習します。
そして
顔上がりましたね。
唾液飲みましたね。
オン。
この流れにするとかなり正確性が上がりました。
利用者さんはスマホの画面を注視して、正確に入力できているかを確認しながら、かなり意識して話されるようになりました。
この練習のメリットは「自分の発話を客観的に見ることができる」点にあると思います。
利用者さんに最も意識していただきたい発話スピード(が明瞭に大きく影響していること)に意識がむきやくすなります。
実際にご友人から来たLINEに返信する練習もしました。
いちばん入力が難しかったのが「人名」です。
勝浦さん→梶田さん
石田さん→木田さん
のように音は近いがモーラ数(かなで数えられる文字数)が少ない苗字に誤入力されてしまいました。
私の耳ではそう聞こえなくはない程度の明瞭度なのですが、やはり一音ずつの正確性に欠けるため、音同士がくっついてつながって認識されてしまうのだと思います。
利用者さんが1人で入力をしてLINEできるようになるにはまだまだ工夫と練習が必要ですが、少しずつ進めていきたいです。
LINEでご友人らとの関係が深まることも同時に願っています。
パキラがいい感じに枝を伸ばしていました。
アボカドも!