2021年08月20日

キャリア・インタビュー「かかわりはいつも柔軟に。試行錯誤の日々の仕事のなかに大きな満足感を感じています。いい職場なんです。」後編 OT早津 湧(ゆう)さん(今里事業所)

前編より↓



11.親しい人に職場を勧めたくなりますか

「訪問リハのいい職場ですよ」。と病院勤務の友人数名に声かけしたこともあります。でも就職は実現していないですが…(苦笑)

働きやすさだけでいうと満点、10/10点です!!

“近すぎ遠すぎず”という訪問看護リハ事業所ならではの距離感がいいのかもしれません。


12.療法士人生を左右したもしくは、影響を与えた運命の人、言葉、一冊、出来事

はじめて担当していた訪問利用者様です。その方が亡くなられた時に、その人の人生の中で自分の関わり方、リハビリでのアプローチがよかったのか…とても考えさせていただく機会がありました。そのことがあって、より一層、初回から真剣に考えて利用者様に関わっていこうと思うきっかけになりました。


13.これがなければ生きていけない

忘年会で当てた廃人クッションの上です。何もしたくなくなってリラックスできます。

家族と電子書籍です。
家族は自分の支えで、電子書籍はどこでも読める最高の暇つぶしです。

もともとRPGなどのゲームが好きだったので、RPGの世界に転生して第2の人生を始めるといった非現実的な漫画が好きです。暇があれば読んでしまいます。


14.マイブームは?趣味、関心ごとなど

筋トレとカラオケのアプリです。両方とも身体に良くてストレスが溜まりにくくなります。
腰も痛めにくくなるので長く仕事ができると思います。


15.ご自身のことで、ここ最近で起こった大きなことは?

家族が増えた事です。去年の1029日に女の子が産まれました。
只々、可愛いです。大変ですけど、可愛いです。


“仕事のことを妻に話す派or話さない派、どっち?”

事の内容は妻に話す派です。面白い出来事があればすぐに話します。療法士との関わりもデイであるので

大体の内容は理解してくれるので話しやすいです。


“愛妻のあすかさんはどんな存在ですか?”

妻は人生の中での大きな支えです。いなかったら自分があっという間に崩れてしまう気がします。今の仕事生活が続けられるのも妻のおかげです。本当に感謝です。


光るハート妻のあすかさんから愛夫の湧さんへサプライズQ&A!!光るハート

Q1.夫の湧さんはどんな存在ですか?

「一緒にいて安心する人」

「毎日ずっと一緒にいたいとかはないですけど、いないと困る存在です(笑)」

  Q2.夫の湧さんのどんなところに惹かれたのですか?

   「利用者さんに向ける笑顔」

「いつも優しくて聞き上手で大事にしてくれるところです」

「まぁ、今となれば聞き流し上手だったと気づきました(笑)」

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実務者研修2019/20で発表するあすかさん(左端の机)。介護福祉士資格取得にもチャレンジされる予定です。


16.家庭、育児と仕事の両立の秘訣は?

                                     

職場でも家庭でも怒らないことです。怒っても良いことは何もないので、穏やかに過ごすことが平和的に両立できると思っています。


 早津 湧(はやつ ゆう) さん 略歴 

新潟県妙高市出身の29

20133月 大阪保健医療大学 作業療法学専攻 卒業 (大阪府) 8年目

 同期入社で東大阪市出身の介護福祉士のあすかさんと2019年に結婚。202010月に元気な女の子を授かられ、公私ともに充実。“生え抜き組”OT8年目を迎えてバイザーとして、自身と同じ境遇の新卒採用者“生え抜き組”の後輩育成にも力を注ぎながら、弊社のデイ、訪問リハ業務の支柱として精勤されています。利用者様やスタッフ、上司からの信頼も厚い早津さん。さらなる地域での活躍が期待されます!!


■キャリアインタビューを終えて(早津さんより)■

頭の片隅にあることを、インタビューを通して再認識することができました。働く年数が経つにつれて入職当初のような緊張感などが緩んで自分の経験ばかりを頼るようになっていたり、傲りが生じているな…と感じました。初心を大事にしながら家族のために仕事を頑張ろうとより一層思えました!



■キャリアインタビュー記事編集担当より■

入社当初より物静かなイメージのあった早津さん。同期の“生え抜き組”PTOTの仲間は、弊社でデイサービスや訪問リハの現場で生活期リハの経験を重ねて力を蓄えてから退職され、他施設へと活躍の場を移していきました。そういう同期の状況変化にも大きく動じることもなかった早津さんでした。新卒採用者の“生え抜き組”として、利用者様、ご家族だけでなくスタッフ、上司からも信頼の厚い働きぶりを続けることができる理由をお聴きしたいなぁと数年前から考えていました。そろそろキャリアインタビューの依頼をしたいなぁと思っていたところに、配属先の今里事業所でばったりと早津さんに会い、その場で思い切って協力をお願いすると快諾してくれました。ありがとうございます。

久しぶりに会った早津さんは入社当初の物静かな印象とはうって変わっていました。慣れないはずのオンラインインタビューでも凛々しい表情でハキハキと話す自信に満ちた姿がそこにはありました。バイザーや職場の方々の支えを存分に活かし、心身面の安定とOTとしての自己成長を地道に続けておれたようです。充実したOT8年目、本インタビューを通して地に足をつけた仕事ぶりとその充実の理由の一端を知れたような気がしました。

早津さんから「ほんとに働きやすい職場なんです」、「働きがいを感じています」と何度も聞かれました。“今里事業所愛”“仕事愛”がつまったインタビューとなりました。

前記の11.“親しい人に職場を勧めたくなりますか?”はeNPSの問いをほぼそのまま用いました。eemployee:従業員)NNet:正味)PPromoter:推奨者)SScore:値)=eNPSは、従業員エンゲージメント(会社への愛着や貢献欲)や職員のロイヤルティ(会社に対する忠誠心や帰属意識)を可視化する指標といわれ、仕事のやりがいや職場の定着率、生産性の高さなどと高い相関があるとされています。早津さんは「訪問リハのいい職場ですよ」。と、病院に勤務している知人の療法士数名に求人情報の案内をしたこともあったそうです。「働きやすさだけでいうと満点の10点です!!(笑)」ということから、eNPSでも10点の満点、“推奨者”という判定でした。

 早津さんのお話しをお聴きして思い出した書籍が「働くことのパーパス」(ハーバード・ビジネス・レビュー編集部編、ダイヤモンド社、2021年)。そのなかで、ある統計によると“生きがいを感じる人は76%近く、今の仕事に働きがいを感じている人は30%”、“生きがいを感じて生きている人は多い。しかしそれが仕事のやりがいや自分自身の生きがいとつながっていない人が多いことがわかった“とあった。

生きがいを感じることはできるのに、仕事に働きがいを感じている人が40%以上も激減してしまう…人生の大部分の時間を占めるはずの仕事がそうであることは、結果的に仕事の成果が上がらず生きがいや幸福感にも大きく影響するのは明白でしょう。そこで大事になってくるのがパーパス。

前著にて“パーパスpurposeとは、目的や意義、存在目的。Pur(前に)pose(置く)が語源で、外に開かれた人生の目的という意味。個人の人生の目的と、会社における仕事の目的を、会社という場でいかにすり合わせるかという問いは、働き方の変化が起こる中で大きなトピックになっている”とした。

これは弊社でいう“らしく生きるを応援する”会社の理念やパーパスを社員のみなさまとも共有・共感してもらい、現場での関わりや支援で体現すること、そのためのサポートと環境調整することと、考えられるのではないでしょうか。

さらにある大規模な調査で85%が仕事や会社に愛着を感じていない。50%が仕事に意義や重要性を感じていない、どうすれば感じられるかわかっている人は少ない。意義を感じている人は満足度1.7倍、愛着は1.4倍、会社への定着は3倍以上”とあった。

 “人を助けることは生きる意味に通じ、人から助けられることは幸福につながる”といわれています。わたしたちの仕事はケアすること自体が仕事だからこそ、それが直に感じられやすい環境でしょう。そのなかでも、生きる意味とは?仕事にパーパス(意義や目的)をどうすれば感じることができるのか?意義や目的とは何か?仕事とは何か?どんな仕事がしたいのか?おもろい仕事とは?自分は何が好きか?何をかっこいいと思えるのか?どんなことでお役に立てていると思えるのか?…等々、このようなことを自問自答しながら仕事ができているでしょうか。これは忙しく過ぎていく毎日のなかではなかなか難しいことかもしれません。弊社では社員のみなさま個々に仕事の意義をどのようにして考え感じてもらうのか、社員のみなさまにとって意味あることに思いやりをもってサポートし環境づくりをすることに、社長、副社長、取締役をはじめ各事業所の責任者やリーダーが中心となって、人材開発室、広報室と連携しながら取り組んでいるところです。

戦略デザイナーとして企業のビジョンやミッションをつくっている佐宗邦威さん(BIOTOPE代表)は、企業と個人のパーパスをつなぐためのキーとなるのがナラティブ(パーパスの語り)としている。“対話のなかで、企業と社員個々と社会のそれぞれの動きやエピソードを描きだす”年表ワーク“で、過去の歴史が捉え直され、そして未来に向けた新たなナラティブが生まれる。時間軸をイメージしてナラティブ化(=ストーリー化)された未来はかなりの確率で行動に移されることが多い”としている。

ナラティブと聞けば頭に浮かぶ生活期の看護・リハビリテーションのなかで、大切な視点になるナラティブ・ベースド・メディスン、ナラティブ・アプローチ。このなかでのナラティブは利用者様の語り、人生における価値観やストーリー、エピソードを指しています。在宅生活者でもある利用者様のパーパスをナラティブから知り、日頃の関わりや支援の足がかりにしています。

有意義な仕事をしていると感じている人は、健康、幸福感、チームワーク、エンゲージメント(会社への愛着や貢献欲)が高く、挫折しても立ち直りが早くて、失敗してもそれを学びの機会ととらえる傾向が強いことも、研究によって明らかになっている。企業においても過去・現在・未来のナラティブを社員間で共有できれば、仕事・人生のなかで互いの共通の意味を見い出せ、企業と個人のパーパスをつなぐことにも寄与するでしょう。生活期の看護・リハビリテーションにおける利用者様への関わりと様々な人たちが織り成すなかでつくられる組織づくりの2つの間に、ナラティブとパーパスの共通項があることを今回のキャリアインタビューにて再確認することができました。

早津さんの地に足をつけた仕事ぶりは、周囲の支えを生かしつつ柔軟に変化できるしなやかさと早津さん自身で見い出した仕事のやりがいに加えて、職場の働きやすさにあることがわかりました。

早津さん、ご家族、職場のみなさん、キャリアインタビューへのご協力ありがとうございます。


追記)

以下のワークなどを抜粋して紹介します。常に変化するであろうパーパスを見い出すためにも活用してもらえたら幸いです。


仕事から得たいものは何か?3つのタイプ

@    仕事をキャリアと考えるタイプ

A    仕事を単なる仕事と考えるタイプ

B    仕事を天職と考えるタイプ

B    は相対的に高いパフォーマンスを見せ仕事により大きな満足感を抱いている

内なる目的、仕事への意味(パーパス)への5つの問い

@    得意なことは何か?

A    何をしている時が楽しいか?

B    自分の何が一番役に立っていると感じるか

C    何をしている時に前進し、成長していると感じるか?

D    他の人とどんな関係を築いているか?


部下に目的意識をもたせられるリーダーの4つの条件

@    好奇心と探求心が旺盛

A    チャレンジ精神が旺盛であきらめない

B    個人の価値観や文化に配慮する

C    部下を信頼し仕事を任せる


. 年表ワーク

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. 「問いの立て方」より

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図 eNPS

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eNPSを向上させる3つの問い

@    「仕事は順調か?」(学びや変化はあったか)⇒週1回

A    「人生は順調か?」⇒半年に1回

B    「家族は幸せか?」⇒1年に1回


参考文献)

「働くことのパーパス」ハーバード・ビジネス・レビュー編集部編、ダイヤモンド社

「問いの立て方」宮野公樹著、ちくま新書

「フルライフ〜今日の仕事と10年先の目標と100年の人生をつなぐ時間戦略〜」石川善樹著、NEWS PICKS


キャリアインタビュー記事編集担当:

材開発室・心意気実践チーム 伊藤健次郎

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