心意気実践チームの室之園(主任講師)、伊藤、日野上です。
今年度のアクティブリハビリ介護福祉士実務者研修は7月16日に開講しました。
本研修もオンラインでの講義やワークが圧倒的に多くなりました。
しかしながら、この日のテーマは、対人援助職であるわたしたちの仕事では、大切な"傾聴"ということで、リアルでのワーク主体の研修とさせていただきました。








換気、休憩、離席も多めに挟みながら…
傾聴、聞き方、聴き方、訊き方、きき方…
ワークの中で、傾聴への捉え方や日頃みなさんが現場でしていることも振り返りながら、個々の認識や行動もシェアすることができました。
やはり、傾聴は大切だという共通理解をたしかめることができました。
今回の講義中に紹介されたYouTube講師の方のような聞き方も含めて、人によってもいろんな"聞き方"があります。
基本的なことはもちろんのこと、それらを知ることもとても大切だと思いました。
でもなかなかYouTube講師の方のようにうまくはいかないでしょう。
参考にしながらも、聞く側にとって、その人ならではの、その人にあった聞き方があるとも思いました。
これからの本研修のスクーリングや現場の中でトライ&エラー、振り返りを繰り返していきましょう。
また、聞くことと切り離すことができない対話についても少しだけお話ししました。
話す側は、"何を話すかより、どう話すか"を考えながら話し、
聞く側は、"この人はこんなふうに考えるのか、こういうとらえかたもあるのか"と聞き、
お互いの話しや想いを聴き合うこと。
講義の中ではうまくお話しできなかったこと、話しきれなかったことを、書籍の中から参考に記します。
「マインドフル・リスニング」ハーバード・ビジネス・レビュー編、ダイヤモンド社、2020年より
"人の話しを聞くとは、注意を払うこと。
話しを聞くとは、いったん自らの関心ごとから離れて、より多くを知ろうとおもうこと。
他人の関心ごとがどんなものかにおもいをはせること。
研究によると、聞く人の感情がフィルターとなり、話しを聞く能力を左右する"
としている。
対人援助職であるわたしたちが日々傾聴する際、感情に大きく影響されないためにも、EQ:感情知性ともいわれる感情マネジメントをするという発想を持ち、耳を傾ける余裕ややさしさを保つための何らかの仕掛けや工夫が必要なのではないでしょうか。
▼EQ、感情マネジメントなど↓
▼やさしさのしかけ
「しあわせの哲学」西研著、NHK出版、2021年より
"自分の感情がわかることは、とても大切です。なぜなら「自分はこうしたい」という自発性は、好き・嫌いがわかることで可能になるからです。"
自分の好き嫌いをもとにして、その人の動機や行動が始まるということです。
これは、傾聴、対話関係のなかで生み出されることでしょう。
「14歳の教室」若松英輔著、NHK出版、2020年より
"いかに深くコトバを分かち合うことができるか、それが対話の条件。
聞くとは、究極的には聞こえないものを聞くこと。
人は本当のことは口に出さない。むしろ本当のことは言葉にならない。
相手の沈黙をまるごと受け取るほかない。
相手への思い込みを捨て去り、沈黙によってつながる。
沈黙も対話。
沈黙でその場をつくる。
沈黙は言葉を超えた意味がある。
聞くとは、もともと人間を超えたものの声に耳をすませるという営みで、沈黙を聞くという行為を指している。
聞くとは、人の心、さらにいえば、その人の「いのち」を愛しむことに直結する。"
「問いの立て方」宮野公樹著、ちくま新書、2021年より
"他人との対話にこそ自分のものの見方を客観視するきっかけが存在し、特に安心して自分をさらけ出せる相手、愛情をこめて真摯に意見をくれる相手との対話には何に置いても代えがたい価値があるのは言うまでもありません。このような対話により、いつでも自分を変えられることでしょう。"
以上
沈黙も含めた聞くことのチカラは、果てしないものがあります。
傾聴は、対人援助職であるわたしたちの仕事では、欠かせないことで、個々が自身で常に高め続けていくべきことと、参加者の皆さんでたしかめることができました。
2017年に開講した本研修で、実務研修修了者(見込みを含む)計18名、本研修を経ての介護福祉士取得者は13名になりました。
自立生活支援の担い手育成を続けています。