2018年12月17日

今月のオススメの一冊。「つながりと健康格差」

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「"つながり"と健康格差」
〜なぜ夫と別れても妻は変わらず健康なのか〜
村山洋史著 ポプラ新書

■解説■
イギリスでは「孤独担当大臣」が創設され、喫煙、飲みすぎ、肥満よりも、人とのつながりが私たちの健康に影響を与えることが明らかになりました。「つながり」が体、脳、心にどういう影響を与えるのか。また、家族、職場、地域など、毎日の生活でなにを意識していたら、健康で長生きできるのか。最先端の研究を交え、わかりやすく解説します。(ポプラ新書HPより)

■心意気的ナナメ読み■
主題も副題にも興味が惹かれてたまたまこの本を買いました。
本書ではわたしたちの仕事柄、どこかで耳にしたことがあるような、見たことがあるようなことを、公衆衛生学や社会疫学、社会学等の国内外新旧の研究や論文を具体的に紹介しているので理解が深まり、"なるほど〜"の連続です。
利用者さまにも家族にも知ってほしい中身が満載です。


○"つながり"は運動やダイエットの3倍の効果!

○人とのつながりが健康への近道、孤独は命取りになる

○つながりは認知症、心疾患、脳卒中発症のリスクを下げる

○つながりは量より質、質の良いつながりが幸せの鍵

○弱いつながり、ゆるいつながりがより健康に大きな効果

○世界的に観ると日本人はつながりをあまり持たない国民

○ご近所の底力、信頼関係、組織への所属感、規範意識等のソーシャル・キャピタルは地域や職場創りの鍵

○ソーシャル・キャピタル、つながりの強い地域では死亡率や病気の発症率は低い、主観的健康感は高い

○都市部はソーシャル・キャピタルが低い傾向

○ソーシャル・キャピタルが健康寿命を延ばす

○地域に人と交流する仕組みと助け合いや町内会、ボランティア活動等の社会参加の土壌や環境が健康寿命の秘訣か

○ソーシャル・キャピタルと健康のメカニズムとは

○健康づくりに向けて、個人ではなく地域に働きかける地域のソーシャル・キャピタルを切り口にしたやり方とは

○何らかの運動の場に参加し、みんなが運動しているのを見てる人の方が、自宅等で一人で運動する人より要介護度は低かった

○現代の日本人が大切に思っている家族のつながりとは

○妻の幸福度は夫の定年退職で低下する

○同僚があなたの寿命を縮める

○つながりのある職場は働く人を健康にする

○職場の生産性向上の鍵は、チーム内での"心理的安全性の確保"

○年齢とともにつながりは減少する

○つながりが少なくなっても寂しいと感じない、"老年的超越"とは


度々本書のなかに出てくる"ソーシャル・キャピタル"は地域包括ケアシステムの1つのキーワードであり、日頃の地域リハビリテーションや地域創り、職場創り等にも活かせるエッセンスが詰まった好著です。


人材開発室・心意気実践チーム 
OT・介護福祉士 伊藤健次郎
posted by Active at 18:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 人材開発室
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