写真右が谷川さん
社内メールマガジン〜アクティブ流〜2019年4月号のキャリアインタビューでは、養成校卒業後に弊社に入職したOT谷川朋也(たにがわともや)さん(OT3年目、入職年月:平成28年4月、所属:大正)からお話をうかがいました。
1.今の仕事に至ったきっかけ、経緯
高校時代、バスケ部での活動中の怪我(突き指)をした際に整骨院でリハビリをしてもらったことが大きかったです。このときに体の構造を教えてもらい、リハビリテーション全体に興味を持ちました。PT、OT、ST等の違いも全く分からないなか、高校3年時に大学のPT学科を受験したものの不合格となり、スライドでOT学科に合格・入学することになりました。
中学2年生の時に父が55歳で亡くなりました。このときに密な関わりを持ってくれた看護師さんの親身な関わりにより、母親の心理的負担感を軽くしてもらった経験が忘れられません。自分もこの看護師さんのように辛い状況にある当事者の方に手を差し伸べれるような人になりたいと、漠然と思ったのを今回のインタビューのなかで思い出しました。
2.今の仕事、働き方
土、日曜日がお休みで、訪問看護ステーション大正で2.5日/週、デイサービス大正で2.5日/週で働いています。提携医療機関である山ア診療所での外来リハ業務も経験させてもらっています。
3.仕事での苦労、醍醐味、魅力、やりがい
自分が行なっていたリハが正しいかは分かりませんが、利用者さんから「やってよかった」。等とお言葉をもらえると実践してよかったなと思います。
4.仕事をしていくうえで大切にしていること、心がけていること
利用者さんとの距離感を考えることを大切にしています。25歳という若さを活かして、時には利用者さんとお孫さんと接するような近い距離感で意識的に関わることもあります。雑談のなかで相手と状況に応じて、話し口調を丁寧語から親しみやすい口調に変えたりすることもあります。デイのモニタリング訪問の際に、ご家族からのご意向や困っていることを耳を傾けて聴くことも心掛けています。
5.わたしの作業療法士像
○療法士側からだけでなく利用者さん側からも提案が出来て、お互いに切磋琢磨し合える作業療法士
○活動や参加の面だけでなく心身機能への関わりもしっかりできる作業療法士
6.わたしの利用者さん自慢
プロ野球の沖縄キャンプ巡りへのチャレンジを画策中の脊髄小脳変性症の訪問男性利用者Aさんです。前任者からの引継ぎで始まった訪問当初は、ROM訓練、歩行練習等のルーティン的な内容でした。何か今までとは違う取り組みができないかと考え、Aさんが得意なパソコンを使って自主トレメニュー表の作成を提案し、訪問のなかで始めてみました。
そして次に一緒に取り組んだのが谷川自身の営業パンフレットの作成でした。
「ありきたりのものは誰も見ない。先生が今までやったこと、どういう風に考えているか、どんな人なのかということが分かれば興味が湧く」。
とAさんから的確な助言をもらい、利用者目線、当事者視点というのはどういうものなのかを教えて頂きました。営業パンフレットはAさん主導で週1回の訪問のなかで案を出し合い見事完成!今では営業活動に使用し好評を博しています(下の写真)。わたしが苦手なパソコンを“Aさんに教えを請う”というリハビリテーションの形もあっていいのでは…と思い、このような訪問になりました。
今年はAさんと共通の趣味であるプロ野球の沖縄キャンプ巡りに向けて、お互いに刺激し合って課題を明確にし、1つずつクリアしていきたいと思っています。ご支援ご協力よろしくお願い致します!
7.わたしのアクティブ大正自慢
○スタッフ間の関係性が良好なところです。そんな声を他の事業所からも聴いて嬉しいです。昼ごはんをみんなで食べています。先輩後輩どうしで冗談を言い合える仲です。
○アクティブクラブをきちんとしているところ。事前の下見や現地での情報収集などの準備を時間うを惜しまずにやっています。
○今年度から大正独自の勉強会企画でやっているチャレンジ報告では、他の療法士や看護師の話を聴けるのはとても勉強になっています。
8.趣味や関心事、休日の過ごし方
〇おススメの観光地は思い当たらないが…愛車での旅行
〇特にひいきチームは無いが…プロ野球観戦
〇地元奈良の大学サークルで作ったチームでの草野球
9.これから仕事でチャレンジしたいこと
今の仕事ではAさん宅、Bさん宅等、それぞれのお宅の訪問利用者と1対1だけの関わりとなっています。これをわたし自身がAさん―Bさんの橋渡し役となり、2対1、3対1など利用者同士のつながりを意図的に作って、活動・参加・心身機能の向上や拡がりに結び付けることができるような仕事がしたいです。具体的には最近移転した大正事業所の外壁や看板を、訪問・デイ利用者様数名の特技を掛け合わせて彩りよく完成させることを妄想しています。
10.これからリハ専門職(PT、OT、ST)を目指す人、新人さんへのひとこと
○お互い成長し合えるよう頑張りましょう
○訪問の仕事のなかでは、利用者様と目標を共有しながらできます。このため在宅でできること、在宅でしかできないことがたくさんあります。病院勤務している大学時代の同級生と仕事の話しをしているとあらためて気づかされます。今も利用者さんからたくさんのことを教えてもらっています。
作業療法士 谷川 朋也さん 略歴
奈良県生駒市出身の25歳。平成27年3月四条畷学園大学卒業。
平成27年4月、新卒で弊社へ入職も国家試験に失敗。その後デイサービスで介護職として、勉強しながら勤務。翌年には無事に合格。デイサービス、訪問リハ業務に従事。現在に至る。人懐っこい明るい笑顔が魅力のいじられキャラ・癒し系ボンバーヘアの谷川さん。リハ・利用者さまへの熱い思いを持ちつつ、利用者さんからの信頼が厚い期待の若手生活期・在宅OTです。将来のパートナー募集中!!
〜キャリアインタビューを終えて…OT谷川さん(大正)からひとこと〜
今回インタビューを受けて、自分自身が何故リハビリ業界に興味を持ち仕事としたのか改めて思い出すきっかけになりました。今後もデイサービス・訪問リハビリ・診療所で様々な環境で初心を忘れず働いていきたいと思います。
■キャリアインタビュー記事編集担当より■
弊社では谷川さんのような新卒採用の方々が配属されるのがデイサービスです。訪問リハビリテーションの仕事の前段階として、デイサービスではゼネラリスト(総合職)的な仕事をこなすことを求められます。
まず誰にでも元気よくしっかり挨拶ができて、リハ業務だけでなく他職種との関わり、書類作成、管理、勉強会の準備、送迎等々…ほんとに大変だと思います。
谷川さんは介護職時代を含めると4年近く、様々な仕事をこなしながらその場その場で生きた経験を積み重ねてこられました。
その中できっとたくさんの困難があったことでしょう。もちろん、今も。
それらをうまく切り抜けてこられたレジリエンス※(打たれ強さ)をインタビューを通して何度も感じました。
「ずっといじられキャラでした(笑)」と谷川さん。そんな自分自身をよく知った上で、それを利用者様の支援方法に反映させたり、周囲のスタッフとの関係性の構築に活かしたり…うまく自分自身の存在を強みへと変換し発揮することができているのはひとつの大きな才能やなぁと感心させられました。
谷川さんを媒介して、利用者様同士の"人とのつながりを作る仕事"にチャレンジしたいという心意気にも頼もしさを感じました。
リーダーシップやレジリエンスは生まれつきだけのものではなく、習得すれば誰でも身につけられると言われています。また京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授の恩師は、レジリエンスは感謝することで養える、感謝する気持ちを持てば、様々な困難に打ち克つことができるのではないか、と話されていたそうです。
谷川さんもきっといつも感謝の気持ちを忘れずに日頃から過ごしているはず。これからのチャレンジにも目が離せません。
※レジリエンスとは…
ペンシルベニア大学ポジティブ心理学センターのカレン・ライビッチ博士は、レジリエンスとは「逆境から素早く立ち直り、成長する能力」と定義しています。日本では、打たれ強いこと、折れない心、心のしなやかさ、といった表現が使われることもあります。
キャリアインタビュー記事編集担当
人材開発室・心意気実践チーム 伊藤健次郎