こんにちは、心意気実践チームのヒノガミ、いとうです。
8月9日(金)に松原オーディナリーにて実務者研修を行いました。
講義は「コミュニケーション技術」について、心意気実践チームのいとうOTが担当しました。
今回は8名の参加者であり、多くのスタッフに聞いてもらうことができました。
まず初めに、「自分はそれなりに聞き上手であると思っている?」と質問を行うと、なんと8人中7人のスタッフが挙手をしました。そして「一般的にも聞き上手だと思って生活している人が多い傾向にある。でも、意外と人は思うほど聞き上手ではないということも言われている。そういう経験を今回の研修でしてもらえれば」との説明がありスタートしました。
お題は、「優れた聞き手はどう振る舞うか」「良い傾聴とは」「良い傾聴はスポンジ?それともトランポリン?」です。
お互い二人一組になりディスカッションを行っています。
普段、何気なく行っているコミュニケーションについて、いざ考えてみると意外と難しい物です。
出てきた結果をホワイトボードにまとめました。
様々な意見が出てきました。
特に「良い傾聴はスポンジ?それともトランポリン?」を考えていた時には「スポンジの方が聞いてくれてそうでいいのでは?」と考えていたのが「スポンジだと、ずっと続くと反応がなくて聞いてくれているかわかりにくいのでは?」との意見がありました。
いとうOTより「共感力という本の中では、最も優れた傾聴とはトランポリンのような役割を話し手に対して果たすこと。トランポリンはエネルギー、勢い、高さ、広がりをもたらす、とされていて、皆さんの意見にもあったように、傾聴するには、ずっと聞いているだけの反応よりも、意見に対して返答があるような反応の方が好ましいと思う。」と説明がありました。
僕は直感で「スポンジがいいだろう」と思っていたのですが、話を聞いていて「確かに、受け止めてくれるだけの反応よりも、何かしらの意見を交互にかわすような反応の方が話しやすいだろうなぁ」と皆さんの意見を聞いていく中で考えが変わっていき、勉強になりました。
そして、ストロークのお話です。
「他の人を認めるための行動や働きかけ」「ほめること」といった定義です。
再度二人一組になり、握手と自己紹介をして、相手をほめちぎる2分間を過ごします。
そして、誉めたことをメモに書いていきます。
いいところを3つに絞り、向かい合って発表をします。
これが意外と恥ずかしいです。
しかしこの過程を通じて、
「意外と自分は相手のいい所を探すの苦手だということが分かりました。」「改めて、相手とユニケーションをとるということを考えながら行うと難しかったです。」
といった話が感想として聞かれていました。
最後にいとうOTから、
「皆さん、日々の業務の中で人と接する仕事をしているからコミュニケーションの上手なスタッフばかりでしたが、時には自分のコミュニケーションはこれでいいのかと考えることも振り返りとしてしてください。」
との言葉が有りました。
普段何気なく行っているコミュニケーションですが、思っているほど「聞き上手ではない」という経験をさせて頂いた勉強会でした。
続いて、心意気実践チームの説明をヒノガミから行いました。
唐突ですが、一日(24時間)の中で、食事・更衣・トイレ・入浴などのADL動作は何時間くらい行っているでしょうか?睡眠時間は何時間くらいでしょうか?
実はこの質問、僕が1年目の時(約9年前)に先輩OTから投げかけられた質問です。一日の3分の1(8時間程度)は睡眠時間であり、個人差はもちろんありますがADLの占める時間は大体2時間〜3時間程度。では、残りの13時間くらいは何をしているのか?働く世代では多くの時間を仕事で消費しますが、リハビリを受ける世代の多くの方は定年を迎えています。機能訓練をしてADLの向上を目指すことは非常に大切なことではありますが、そこが最終ゴールになると1日の多くの時間が何もせずに過ごす時間になってしまう。そのため、ADL以外の活動や参加といった部分にもアプローチをすることは大切だと教えられた記憶があります。
心意気実践チームの役割というのは活動・参加の部分の現場フォロー(支援の仕方が分からない、支援するための時間がない、など)や仕組み作り(ともに行う訪問介護事業所、てくてぃぶなど)などに取り組むことだと思っています。日常生活の一部に、睡眠やADL以外の時間の「やってみたい」を支援できるように、必要な時には心意気実践チームのスタッフを活用(心意気サポート)してください、と説明しました。
これからも実務者研修は続きます。興味のある方はぜひご参加下さい。
参加者の感想)
○話の聞き方・話し方一つでその人の印象が違う事を改めて実感しました。
○自分は聞き上手だと思っていました。以前はスポンジ型で聞く方であり自分の意見は言わないことが多かったです。今回の講義でトランポリン型の方が安心感を与える事が出来ると分かったので、業務の中でも意識していきたいと思います。
○傾聴という言葉の意味を今回の講義ではっきり学べたと思います。実際、デイサービスの業務では傾聴を出来ていないと改めて感じました。ストロークは各事業所で行えればいい事だなと感じました。職員同士が、ほめて・ほめられる関係もなかなかないと思うので、働く上で必要な事だと思いました。