どうも。
泉北 兼 心意気実践チームのむろのぞのです。
今月の本はコレ。
幸福の資本論
あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」
橘玲さんの本は何冊か読んでおり、
そのなかでも本書は特に好きな一冊です。
『幸福』という漠然としたものを、
人が生きる上で必要な3つの資本で解説していく、というとてもわかりやすい本になっています。
この本を読んでからは『幸福』というものをより具体的に生々しく考えられるようになりました。
さて、3つの資本と8つの人生パターンとは一体なんぞや?
少し長いですが、興味のある方は是非読んでみてください。
●プロローグ
ひとは幸福になるために生きているけど、幸福になるようにデザインされているわけではない。
ゆたかな日本に住む若者はいまや選択肢が多すぎることに困惑している。
そもそも「幸福」とは何か?
本書では幸福の条件を「設計できるもの」と「設計できないもの(運命)」に分けています。
また本書では幸福を『家』で例えます。
住みたいと思う家は人それぞれ異なる。
どれが良い悪いではなくどれも良い家です。
しかし…どの家にも必ず共通すること
それは
良い家はしっかりとした土台の上に正しい設計で建てられている。
●幸福の3つのインフラ
冒頭で説明した3つの資本がこれです。
@自由:金融資産
A自己実現:人的資本
B共同体=絆:社会資本
各資本の詳細はこのあと説明していきます。
どのような家を建てるか(幸福を実現するか)は人それぞれの価値観で変わってくる。
自分が建てたい(増やしたい)家(資本)を建てれば(増やせば)OK!
●人的資本と社会資本
投資家:
自らの金融資本を金融市場に投資(リスクを取る)→富(リターン)を獲得する
※もちろん損もする
労働者:
自らの労働力(人的資本)を労働市場(会社)に投資→給与や報酬(富)を得る
社会資本:
周りの人たちとの関係性から「富」を得る
人的資本と金融資本との類似性は強いが、人的資本の活用(仕事)から得られるものすべてを富(金銭)に還元できない
なぜ…?
現代社会は仕事を通じた『自己実現』こそが幸福の条件になっているから
金融資産同様「人的資本」「社会資本」も"投資"して「富」すなわち"資産"を手に入れることが幸福になる条件
●人生8つのパターン
本書では人生を大きく8パターンに分けて説明しています。
超充
→3つの資本全てを持っている人
リア充
旦那(パパと呼ばれるような人たち?)
金持ち
→3つの資本のうち2つを持っている人
退職者
ソロ充(独身ライフを満喫している人)
プア充(生活圏が地元の友達らとのコミュニティ)
→ 3つの資本のうち一つしか持っていない人
いま持っている資本(産)が無くなったらどうする…?
貧困
→3つ全ての資本を持っていない人
資本(産)を全く持っていない人が生きていく上でのリスクは非常に高い
●幸福の製造装置
私たちはみな「幸福の製造装置」を持っており、そこになんらかの刺激(インプット)を入れると、あるメカニズムによって「幸福」に変換(アウトプット)されます。
本書ではそのインプットを3つの資本でまとめています。
この製造装置に何をどの割合で入れれば幸福になるのかはわかりません(ブラックボックス)。
ただしひとつだけ言えることは、
インプットするもの(資本)がなければアウトプットするもの(幸福)もない、ということです。
これを踏まえて3つの資本をどのように資産配分していくことが大切かをより深掘りしていきたいと思います。
●誰でも億万長者になれる残酷な時代
「収入の10〜15%を貯蓄に回す倹約を続けていれば誰でも億万長者になれる」
※平均年収の倍の収入が必要だが夫婦共働きをすることで解決できる
↓
億万長者は努力でなれる…ということは貧乏は社会制度等のせいではなく"自己責任"になってしまう…
●お金が増えても幸福になれない?
ビールは1杯目が美味しい。
だけど2〜3杯目になると美味しさが下がっていく。
これを限界効用という。
日本では年収800万を超えると幸福度はほとんど上昇しなくなる。
また金融資産は1億を超えると幸福度はほとんど上昇しない。
お金は幸福度を低下させることがあるが、
お金が「ある」「ない」が問題ではなく、
『お金のことを考え過ぎること』が幸福度を低下させてしまう。
●人的資本は「富の源泉」
金持ちになる3つの方法(これしかない)
@収入を増やす
A支出を減らす
B資産を上手に運用する
●ノーベル賞学者の人的資本理論
ひとはそれぞれ「人的資本(ヒューマンキャピタル)」を持っており、それを労働市場に投資して日々の糧となる収益(給料)を得ている
これは「労働」の意味を大きく書き換えたイノベーション。
●20代で5500万円の人的資本
一般的なサラリーマンが生涯稼ぐことのできるお金を計算すると5500万円になる
現時点で若者がこのお金(金融資産)を持っているわけではないが一つ言えることは
『もっとも重要な「富の源泉」は人的資本』である。
●自己実現という「聖杯」
金融取引のルール→
@利益は大きければ大きいほどいい
A同じ利益ならリスクの小さい方がいい
人的資本の投資に関するルール→
@収入は多ければ多いほどいい
A同じ収入なら安定していた方がいい
B同じ収入なら(あるいは少なくても)自己実現できる仕事がいい
人的資本には金融取引にはない特徴がある。
●かけがえのない自分になること
私たちは働くことに2つの目標を無意識的に設定している。
@人的資本からより多くの富を手に入れる
A人的資本を使って自己実現する
●オンリーワンでナンバーワンの戦略
スペシャリストになるには
→好きなことに人的資本の全てを投入する
好きなことが「得意なこと」になり、それ以外のことは「やってもできない」
●弱者の3つの戦略
@小さな土俵で勝負する:
強者が侵入できない「小ささ」を利用し、大企業にはアクセスできないニッチを見つける
A複雑さを味方につける:
ルールがシンプルなゲームは強者に有利になる
B変化を好む:
変化の激しい環境ほど弱者にはチャンスがある
●「老後問題」とは老後が長すぎること
老後
→人的資本をすべて失った状態
老後の経済的不安を解消する方法
→老後を短くする(働き続ける)こと
生涯現役でいるためには嫌いな仕事、不得意な仕事なんか絶対続けられない
つまり、
「好きを仕事にする」以外に生き延びることができない!
●友だちとはなんだろう?
「幸福」は社会資本からしか生まれない
巨万の富を得てもそれを誰も知らなければ紙幣はただの紙切れ
●3つの世界
@「愛情空間」
A「友情空間」
B「貨幣空間」
@(家族、恋人)+A(友だち)=C「政治空間」(会社の先輩、同僚、SNS上のつながり)
B(他人によって構成され貨幣でつながっている空間)
C(イジメ、パワハラ、過労自殺など敵味方が入り乱れている空間)
●煩悩から自由になった「ソロ充」
人生の問題のほとんどは近しい人とのこじれた関係から生じる
対処法
1、ベタな仲間や家族、親族の共同体のなかで生きる
2、一切の人間関係を断ち切る(ソロ充)→すべての社会資本を政治空間から貨幣空間に置き換える
●「幸福な人生」の最適ポートフォリオ
・弱いつながりで得られるもの
1、社会資本を分散投資するので、リスクに対する耐性が強くなる
2、お互いの価値観が似ているという「認知的共感」によって境界の曖昧な集団を構成するため、異質な存在に対しても寛容でいられる
→信用を「貨幣」に置き換えて「知り合いの輪」を広げていくことができる
・強いつながりで留意すべき問題
1、地元や会社に社会資本を一極集中している
2、メンバーの情緒的共感が幸福感を生む一方で、その一体感が外集団の排除や差別からもたらされること
・組織(強いつながり)を捨てることの
デメリット→生活が不安定になる
メリット→人間関係が選択できる
「強いつながり」を恋人や家族に最小(ミニマル)化して、友情を含めそれ以外の関係はすべて貨幣空間に置き換える
以上です。
前半にでてきた8つの人生パターンで解説していたように、
3つの資本のうち1つしか持っていない(その1つが無くなったら…)、3つ全て持っていない
といった生き方はとても大変になることが想像されます。
かといって3つ全て手に入れることはほぼ無理ゲーです。
と、なると僕のような凡人でも健やかに生きるには3つの資本のバランスを常に保ち、
どれかが欠けても他の2つで補えるようなリスク管理をしていくことが幸福になる道なのかな、と感じました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
例えが分かりやすくて、入りやすい本で幸福学の入門書ですね。橘さん本、知らなかったです。
強くなくていいから、ゆるくて弱いつながり、紐帯が人には欠かせないということですね。利用者さん、わたしたちにとってもコロナ禍のなかで、どのように保っていくのか、どんなカタチがあるのか、何がいいのか…考え動かないとあきませんね。
コメントありがとうございます。
著者の橘さんは強いつながりを最小化せよ、と謳っていますが、
弱いつながりが正解、強いつながりが間違い、という二項対立で考えず、
それぞれのメリット、デメリットをよく理解した上で人生のポートフォリオを設計せよ、
というふうに解釈しました。
また色々とご助言いただければと思います。
いいですね!
自分なりの最適なポートフォリオをライフステージに合わせ1/M〜1/3M程度、振り返り修正を続け、枠組みをメタ認知し各々の幸福を最大化して捉えていきましょ〜。
利用者様もスタッフも同様に。
コメントありがとうございます。
ナイチンゲールの言葉に
「犠牲なき献身こそ真の奉仕」
という言葉があります。
とても好きな言葉でこれを意識しながら日々自分を振り返っています。
月1〜3月に1回程度での振り返り実践していきます!