2022年12月22日

とろけるゼリー ピーチ&マスカット味


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大根もちを作りました。

つなぎは片栗粉と小麦粉を半々に。

甘辛もちもちでおいしくできました。

 ST水野です。



先日訪問先で「これはレアなやつ!」とひとりで興奮してしまったのがこれ。

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嚥下練習のため利用者さん宅で用意してくださったゼリーが中部以東でしか売られていないはずのピーチ&マスカット味だったからです。

1年前この記事(http://active-nopsj.sblo.jp/s/article/189205689.html)で書いた、嚥下練習に最適な「とろけるゼリー」の別の味。



どこで買ったんですか?とたずねましたが、買われたご家族が不在でわかりませんでした。


中部や関東資本のスーパーが関西にも進出してきているので、場所によっては手に入るのかもしれませんね。


スーパーでゼリーコーナーをチェックするようにしていますが、私の行動範囲内ではまだ見かけたことはありません。


マスカット味おいしかったようで、いつもは3口程度の利用者さんが5口召し上がりました。

選択肢が増えるのはうれしいですね。

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2022年11月29日

読解課題の反応が浮動的な理由

帰り支度をしていると、利用者さんに「あんたよー、いっぺんこれ取ってくれ」と言われ、見るとマスクを外すジェスチャーをされました。マスクを外すと利用者さんはあからさまにがっかりした顔。




想像していた美人さんではなかったんですね

素直な反応すぎて、笑ってしまいました。

マスク生活も長くなりましたね。

ST水野です。



前回書いた続きです。


http://active-nopsj.sblo.jp/s/article/189826147.html


失語症に注意障害や失行などを合併している利用者さん。


前回聴理解に比べ読解が浮動的と書きました。

宿題を出すために読解課題を少しずつ進めています。


名詞絵1枚に対し文字単語の選択肢が2つ。

正しい方を選んで線で結ぶ、あるいは丸をつけるシンプルな課題です。


やっていただくと、できるときとできないときがある。

その差が大きい。


本来の理解力が発揮できれば、問題なくできるはずの課題なのに。


できないときは「わからへんな」と止まってしまう。

問題の解き方がわからない、どうしていいかわからない様子で、たんなる誤答とは異なるように見えました。


何が影響しているか。

1問ずつの提示、絵や字の大きさ、文字と絵の配置、縦書き横書き、変えてみたがわからず。


あるとき、ふと気づきました。

利用者さんが黙って考えているときと、選択肢の文字を読もうとされているときがある。


黙って考えているときは、「これや」と指す。

音読しているときは音韻性錯読、語性錯読が頻発してうまく読めず、「あかんわ」


ようやく、ふりがなの有無が影響している可能性に思い当たりました。


ふりがながあるとそれを読まねばならない状態になる。

うまく読めずに何度も読み直す。

選択することに意識が向かなくなってしまう。

結果、混乱し、どうしてよいかわからなくなる。


全ての課題でふりがなを消すと正答率がグッと上がりました。



学生時代の実習で見学させていただいた患者さんを思い出しました。

SLTAの「書字命令に従う」の文字を音読して、誤り、誤りに気づいて修正を繰り返し、物品にさわる前に時間切れ。


担当していた他の実習生は「読まなくてもいいですよ」と声をかけましたが、患者さんさ読むことをやめられなかった。


伝導失語と診断されていた患者さんでした。


ふりがなが音読の助けになり、音読が理解の助けになる場合もあれば、反対に邪魔になる場合もある。

刺激の量や種類への細やかな配慮を忘れないようにしないといけないなあと思いました。

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2022年09月22日

拒否されない、関わり続ける

利用者さんに「おかわかめ」を分けていただきました。
初めて聞く名前の植物だったのですが、「わかめ」という名だけあって、食べられる葉っぱだそうです。

ST水野です。


脳卒中後の新規利用者さん、常に貧乏ゆすりでイライラ、もうええやろ!が口ぐせ。とにかくしんどい、何もしたくない。担当 Nsと相談した裏目標。ST「拒否されない、関わり続ける」、Ns「仲良くなる」まずはここから。

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20日に配信されたメルマガの編集後記の方の経過報告です。

開始して約2ヶ月が経過。
非常に落ち着かれました。

訪問開始時は端座位で待っておられたのでそのまま練習をしていましたが、車いすに座るようにしたところ、貧乏ゆすりは少し改善。

今月の2回の訪問では「もうええやろ!」と一度も言われていません。
時計を気にしてチラチラ見ることもなくなりました。
間違えたときなどに「ちゃうな!」と声を出して笑う様子も。

「ああ、どうも。こんちは」と迎え、練習が終わると頭を下げ「ありがとう」「さいなら」と送って下さいます。

裏目標の「拒否されない」はクリアできたように思います。



失語症を中心とした高次脳機能障害に対しての練習をしています。

@会話練習
A母音(身体リズム運動)+となえうた
B(宿題にむけた)読解練習
の流れができました。

@の会話練習では毎回少しずつ、長い長い自己紹介をしていただいている感じで、これまでの人生のこと、家族のこと、仕事のこと、趣味や生活のことなどを聞き取って、書き留めています。
問いの答えを何度も言い直しながら、伝えてくださるようになりました。

A母音ははじめから出しわけられました。
身体リズム運動は、左右の動きが得意で、前後の動きが苦手。
目を閉じ、集中して行なっている様子なので、現状あまり正確さは求めていません。

B聴理解に比べ、読解は浮動的。
またリハ病院では非利き手の左手で書くことを全くしていなかった、最初は鉛筆を持つことも嫌だったのが、字まではいかなくとも、線で結んだり、丸をつけたりはできてきました。
自分で確実にできるレベル設定ができれば、選択式の読解宿題が出せそうなところまで来ました。


予想外に早く軌道に乗りました。

ご家族に話をうかがうと、リハ病院では拒否が強く、練習らしい練習はほぼできていなかったのではないかということでした。

たしかにリハ病院からのサマリーには、利用者さんの状態は書かれていましたが、どんな練習をしてどんな変化があったかの情報がゼロでした。

突然の発症。
気づいたら病院にいて、コロナの影響でご家族と面会もできない。
利用者さんは大混乱で、おそらく家に帰りたくて仕方がなかったのではないでしょうか。

家での生活に戻り、精神的に安定されたことで、ようやくリハビリができる態勢になられたのだろうと感じます。

まだまだこれからよくなります。
「関わり続ける」の目標を胸に留め、少しずつ進めていきたいと思います。

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2022年07月12日

投票したいけとできない

暑い日が続いています。
ST
水野です。


参議院議員選挙が終わりました。
先週今週の訪問では「選挙は行きましたか?」とたずね、話題にしています。

「病気してから行ってない」

「息子に車に乗せて行ってもらって、行ってきた」

「生まれてこのかた、選挙には1回も行ったことがないです」

いろいろな返答が聞かれました。


そのなかで気になったのは

「投票する人のメモを娘が書いてくれました。メモを持って行ったら、よかったら代筆しましょうかと声をかけてもらい、お願いしました」

と答えた方がいらしたこと。

代筆してもらえるんですね!


7
8年前に訪問していた失語症の利用者さんを思い出しました。
選挙前になると候補者の名前を書く練習をされていました、とても熱心に。

投票所では書いているときに家族であっても声をかけると選挙のスタッフにやめてくださいと叱られます。
だから自力で書けるようにしないといけないんですとご家族が言われていました。


代筆できるように仕組みが変わったのかな?と気になり、少し調べてみました。


2013
5月に公職選挙法が改正。
それまでは家族やヘルパーさんらが補助・代筆できていたのが「代筆などを担う者は選管職員に限る」と改められたようです。

なるほど。
先ほどの利用者さんにご家族が声をかけるのを止められたのは改正後のことだったんですね。


それなら代筆を頼めばいいように思うのですが、そう単純な話でもないようです。


投票の代筆を頼めるのを投票所の事務員に限定しているのは投票の秘密を保障した憲法に違反していると訴えを起こした方がいます。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210830/k10013232081000.html

公職選挙法改正までは家族や信頼できるヘルパーに代筆を頼めていたのに、投票所事務員に投票先を知られるのは納得できないという思いだそう。

そのお気持ちわかります。

選挙に行ったかどうかは気軽にたずねられても、誰にどの政党に投票したかは、触れてはいけない感覚が私にはあります。
自分も触れられたくないからでしょう。


代筆は自分が投票したい候補者を知られてもよい場合しか、使えないことになります。

代筆を依頼する場合、候補者名のメモを持って行ったり、選挙公報に丸をつけて行ったり、職員に明確に指示をする必要があるようです。


「市役所の期日前投票に行きました。近所の投票所は駐車場から遠い。市役所ならエレベーターで上がるだけだから」
と話された方もいらっしゃいました。

投票所へのアクセスの問題もありますね。

投票したい意思はあっても投票できない人がいなくなることを目指して、変えなければいけないことがまだまだあるなあと思いました。

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2022年05月18日

スマホでカラオケ

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担当利用者さんおすすめの上本町ハイハイタウン「南海飯店」のやわらかい焼きそば。

やっと食べに行くことができました。

おいしかったです。

「あのな あれ いってきてん じてんしゃで」と失語症の利用者さんが話し始めました。

なぜか右手の指を2本立てています。

「どこに行ったんですか?」

「これや」

マイクを持つジェスチャーをされました。

「カラオケですか?」

「そうや」

「行ったんですね!お店やってました?」

「いや」

利用者さんは胸の前で両手の人さし指をクロスしました。

「こうやってな、聞いてみた」耳を突き出すような動きをされました。

「お店から音がするか聞いてみたんですか?」

「そう」

「で、聞こえなかったんですね」

「うん。これな」

利用者さんはまた指を2本立てました。

「何ですか?2?」

「これ 行ってん」

2回行ったんです?」

「そうや」

2回とも音が聞こえなかった」

「だから もう だめやな」

「お店、閉めてしまったんですかね」

「やろうな」

「残念ですね。さっき自転車と言われましたね?大丈夫でした?」

「まあまあ。踏切は あの…」

ハンドルを持ち前に出すジェスチャーをされました。

「踏切は押して通ったんですね」

「うん」


失語症の利用者さんは以前にもブログに書いたことがある方です。

http://active-nopsj.sblo.jp/article/175196392.html

http://active-nopsj.sblo.jp/article/185517520.html


スナックでカラオケをするのが好き、ママさんや他のお客さんと関われるこのスナックを居場所としていた方でした。

コロナ禍に入って、この2年間、カラオケに行けなくなり、自転車で外出することも全くなくなっていました。

その利用者さんがまたカラオケに行こうと思ったんだ!自転車で出かけようという気になったんだ!とうれしくなったのですが、お店はコロナの影響を免れなかったようです、本当に残念でなりません。



3ヵ月ほど前、利用者さんとカラオケの話をしていて、私のスマホでyoutubeのカラオケ動画をお見せしたことがありました。

利用者さんは目をキラキラさせて「これ いいやん。でも 俺は これやから」と自分のガラケーを見て、「家内に言ってみるわ」と言われていました。


2週間後の訪問では、利用者さんの願いかなってスマホに機種変更されていました。

そして、今週、訪問したときに見せて下さったのがこれ。


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十八番にしていた10曲をご家族がリストにしてくださったとのこと。

「よかったですね!これでいつでもカラオケできますね」

「やけどな…」

聞くと、どうやら利用者さんはスマホのロックを解除して、youtubeにいくまでの操作が難しい様子。


「覚えたら簡単ですよ。またいっしょに練習しましょう」

「そやな」

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2022年04月19日

自然に言える「おはよう」

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先週蒔いたベビーリーフの種。
すぐに芽が出てプランターの中がみっちりになりました。
そろそろ間引きをした方が良いかもしれません。
ST
水野です。


とある失語症の利用者さん。
訪問が始まったときには発症から10年近くが経過していました。

開始時から発話はありますが、

ほんまになあ
まったくもう
これがなあ、これやから(のどや口をさわって、しゃべれないという意味)

などの決まった言い回しのみ。
この決まった言い回しは流暢ですが、これ以外は復唱でもなかなか言えませんでした。


身体リズム運動をつけた母音から始め、2行を正確にとなえる練習へ。

http://active-nopsj.sblo.jp/s/article/188839058.html

このときに書いたように、しっかり「聴く」ことに意識を向けて、くり返し練習しました。


・母音の強化
聞き返しの「え?」は自然に出るのに意図的には出せなかった「え」が数ヶ月で出せるようになり母音が安定。

・同じとなえうたを毎回
だんだん余裕の表情で1回目に正確にとなえられる割合が増加。

・となえうたのバリエーション、一回に行うとなえうたの量を徐々に増やす
集中して聴ける時間が延長。

・月ごとに集中的に取り組む行を決める
目的の音が語頭より語中や語尾にあると正確性が上がる。


1年半をざっとまとめるとこんな経過。
途中コロナ感染で1ヶ月位お休みになったりもありました。


ただ練習でよい変化がたくさんあり、それをお伝えしても、ご本人は自覚できません。
ご本人が確実に「ここが変わった!」とわかる何かを作りたいと思いました。


ここ数ヶ月の短期目標は

「おはよう、ありがとうが自分から言える」

としました。


利用者さんはどちらも復唱はできます。
おはようと言われれば、おはようと返せます。

ポイントは「自分から」

訪問してお会いしたときに「おはよう」
では今日はこれで終わりましょうで「ありがとう」

タイミングよく自分から言えるかどうか。


訪問して無言で利用者さんの顔を見て、(ちょっと目で圧をかけて)何でしたっけ?と促す日がしばらく続きました。

利用者さんは真剣に

「なんやなんや、お、お、おはよう。おはようか?おはようか?」

という自然とは言いがたい反応が多くありました。



今週、訪問したとき、私の顔を見た瞬間に

「おはよ」

出ました!

言い方が何だか渋くて、きっと本来の利用者さんの言い方なんだろうなと感じる、自然さがありました。

「おはよ」までの道のりは長かった。


これからもできたり、できなかったり、そのときどきによってあるでしょう。

利用者さんご自身も前へ進んでいると感じながら、少しずついけたらいいなと思います。


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2022年03月17日

長期で関わると

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昨春、利用者さん宅に咲いていた花にあこがれ、植えたミモザが花をつけました。

利用者さんから「花が咲くまで3年くらいはかかるかもね」と言われていました。

1年で咲くとは!とてもうれしいです。

ST水野です。




訪問看護での訪問するメリットのひとつに利用者さんに長期に関われることがあると思います。

入社したときに引き継いだ利用者さんとは10年来のお付き合い。

長期に訪問している方は、発症から時間がたっていますので、生活はある程度安定していることが多いです。

しかし、ここ数年、もともとお持ちであった疾患に加え、新たな病気を発症されるケースを続けて経験しました。

脳卒中にがん
神経難病にがん
脳卒中にアルツハイマー型認知症

状態は安定していたはずなのに、急に体調が悪くなったり、体力・認知機能がだんだん低下してきたり、加齢だけではなさそうな様々な変化があらわれます。
おかしいなと感じて受診を勧め、病気が見つかったケース、もっと早く受診を勧めていたらと悔しい思いをしたケースも。

ご本人もご家族もほんの少しずつ変わっていることには気づきにくい。
数週間、数ヶ月経って、あれ?やりにくいな、何だか前と違う気がするぞと気づいたときにはだいぶ症状は進んでいる。

いち早く変化に気づくには、冷静な第三者の視点が必要だなと感じます。


また介護するご家族の高齢化による変化もあります。

70
代の利用者さんを80代のご家族が介護(夫婦)
50
代の利用者さんを80代のご家族が介護(親子)

ギリギリでバランスを保っている家庭はたくさん。

ご家族が高齢になったり、病気になったり、体のあちこちに痛みや辛さを感じるようになったり、寝不足が堪えるようになったり。

ご本人だけでなくご家族の生活を変えないと近々共倒れしてしまうと思いますとケアマネに相談したこともありました。

ご家族の努力でどうにか支えてきた生活が維持できなくなり、利用者さんが入院されたり施設に入所されたりするようなケースも見てきました。

ご家族が元気でいらっしゃらないと在宅生活が続けられない、公的な介護サービスが使えるとはいえ、まだまだ家族頼みな状態。

今後、働き手が不足し、介護サービスは限られた人しか使えないようになれば、家族頼みがますます強くなる未来が待っているかもと思ったりしています。

私は実家を出て長いので、利用者さんと過ごしてきた時間を積み重ねると、近年自分の両親との時間よりずっと長いなとしみじみすることもあります。

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2022年01月20日

失語症者の描画能力

御嶽海関、大事な場所で91敗と好成績。

このまま進んで、照ノ富士関に勝って、優勝してほしい、私の願望です。

ST水野です。



失語症の利用者さん宅に訪問したときのこと。



利用者さんの住むマンションの二軒隣、空き地だった場所に大きな鉄筋の建物が建設中。
「何ができるか知っていますか?」

利用者さんはおおっとうなずき、言おうとしたけど無理でした。

書いてみます?と紙とペンを渡すと、ペンを握ったまま首をひねって止まってしまいました。


「字で難しいなら絵で描いてみます?」利用者さんに言いました。

そこで、絵を描いてみたらと提案。

そのとき描いてくださったのは


〇がふたつとそれをつなぐ線に…。(画像がなくてすみません)

「あっ、自転車?自転車屋さんですか?」

利用者さんは、そうや!とうなずきました。


非常にことばが出づらく、意図的に「おはよう」「ありがとう」がようやく安定して言えてきた方で、ことばで伝えられた経験はあまりありません。

このときは、伝わったのがわかってとてもうれしそうでした。


また別の利用者さんの話。

訪問するとご家族にある絵を見せられました。

メガネのようなものに左右を結ぶ線に…。(画像が無くてすみません)

先週から何かを買ってきてほしいとご家族に訴えていたがわからず、私が来るのを待っていたとのこと。



眼鏡のように見えましたが、眼鏡は複数お持ちで違うようでした。

顔の周辺をさわっておられ、眼鏡に関する何かであることはわかりました。

眼鏡拭き、眼鏡台も違うと。

眼鏡のストラップ?と思いつき、スマホで画像を見せました。

近いけどちょっと違う、感じの反応。

関連する商品が表示されたなかに、もしかして?がありました。
眼鏡を固定するベルトのようなもの、後頭部で留めるものです。

これですか?と利用者さんに見せると、そうそう!とパッと笑顔に。
当たりでした。


ご家族は「そういえば、元気な頃にこんな感じの使っていましたね、思い出しました」


後日、ご家族がその品を買ってきてくださり、利用者さんは愛用中です。




失語症の方が周囲の方に「言えないなら書いてみてよ」と言われるのはあるあるです。

失語症は「聴く(聴いて理解する)」「読む(読んで理解する)」「話す」」「書く」の全てが程度の差はあれ、難しくなります。

中には言えないけど書けるという方もいますが、ごく少数派。

字は無理だけど絵なら少し描ける方もいます。


どんな方法でも伝わることが大事ですよね。

利用者さんが持っておられるものを大切に活かしていけたらいいなあと思う、できごとでした。

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2021年10月14日

STの基盤

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利用者さんと外を歩いていて見かけた、ご近所さんの庭先のゴージャスなお花。
「たぶん、ふようだと思うよ」と利用者さん。
調べると、大正解。
「芙蓉」でした。
ST水野です。


約20年前、私がSTの卵だったころの話です。

臨床実習で出会った失語症の患者さん。
自分の担当ではなく、バイザーの先生が実習中に私が失語症の方との関わりが少なかったことを気にかけて、実習最後に話す機会を設けてくださいました。

運動性失語症があり、半分以上が白髪の男性。
ことばはほんの少し出る程度、こちらの質問に対してよく反応してくださり、男性の表情・うなずきや・首を傾げたりする様子から意思を読み取ろうとしていました。

どういう流れだったかは覚えていませんが、男性のご家族の話題になりました。
男性は何かをいっしょうけんめいに訴えました。
ことばにならない声が男性の口から出ていました。
質問への反応でわかったのは「息子さんがいること」。

紙に息子と書き、その紙と鉛筆を男性に渡すと、男性は息子の隣に「6」を書きました。
「6…6歳ですか?」男性はうなずきました。
「息子さん、6歳なんですか?」男性はうなずきます。
「息子さんですよね?お孫さんではなくて」男性はまたうなずきました。

それからも男性の訴えは続きました。
息子さんのことを伝えたかったようです。
文字で選択肢を示しますが、首をふられ続けました。
私は言いました。「ごめんなさい、ちょっとわからないですね」

男性とのやりとりを見ていたバイザーの先生から後ほどフィードバックをいただきました。

「文字を示したり、書いていただくよう促したりしたのはよかったと思います。でも、簡単に『わかりません』とあきらめてしまいましたね。もっと他の方法を探って、できる限りの努力をしてほしかった」

バイザーの先生はコミュニケーションノートを使う方法など助言してくださいました。

利用者さんの伝えたいことを理解するために最大限の努力をすること。
このとき学んだことが、私のSTとしての姿勢の基盤です。

できることを尽くして「そういうことですね。わかって、よかった」までたどり着けたら、安堵します。

どうしてもわからないときでも
「ここまではわかりましたよ、がんばりましたね」
「伝えようとしてくださって、うれしかったです」
というメッセージは必ず伝えるようにしています。

利用者さんに思ってもらえたらうれいしいこと。
「この人と話したい」
「この人ならわかってもらえそう」
「この人は自分をわかろうとしてくれているな」

以前も書いたことがありますが、大事にしたいのは「利用者さんが話したい気持ちを持ち続ける」こと。
話せるようになっても、伝えたいことがなかったり、話したい相手がいなかったりしたら、何にもなりません。

今回でST水野(松原)の日記、150記事です。
お読みくださり、ありがとうございました。
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2021年09月29日

病気が奪っていったもの

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テレビで見たおいしそうなタコスに影響されて、家でタコスパーティーをしました。
ひき肉とミックスビーンズをトマト缶で煮込んだもの、レタス、チーズ、アボカドを乗せて。
業務スーパーで買った生地はパリパリ系でした。
ST水野です。


ある失語症のAさんのご家族とお話をして知りました。

Aさんは工場を自営、ご家族といっしょに働いていました。
脱サラをして始め、20年以上続いた工場です。

Aさんは病気を発症し、長期入院。
仕事ができなくなりました。
ご家族は人を雇って、どうにか工場を続けました。
Aさんは退院してきましたが、車いす生活で工場に行くことはできません。
Aさんの面倒を他の家族がみていましたが、その方が仕事に就くことになり、Aさんを昼間みる人がいなくなりました。
ついに工場は閉めてしまったそうです。
利用者さんは病気にならなければ、まだまだ続けるつもりでいたようでした。
工場について語るときのAさんはエネルギーにあふれていて、仕事に誇りを持っていらしたのだなと感じました。


他のある失語症のBさんのご家族からもうかがいました。

Bさんは仕事をそろそろ引退し、これからは自由な時間を楽しもうと準備していました。

実家の農園、畑を引き継ぎました。
夫婦で果樹を育てたり、畑で野菜を作ったりしたいなあ。
そこでできた果物や野菜を子どもたちに送ってやれたらいいなあ。
そんな風に老後の生活をイメージしていたようです。

そんな矢先にBさんは病気を発症。
障害を負い、ご家族はその介護が中心の生活になってしまいました。

農園や畑には草が生い茂り、管理することも難しくなってしまいました。
Bさんが運転していた車を手放したので、様子を見に行くことも簡単にはできません。
Bさんもですが、ご家族がとても残念そうにされていたのが印象的でした。


病気で失ったものは、身体の機能や言語だけではありません。
人生をかけて行ってきた仕事、老後の楽しみ、ご家族の自由な生活まで奪っていきました。

失ったものの大きさに触れると、「しゃべれるようになる」ことを目標に練習をしていていいのか疑心がどんどん大きくなっていきます。

利用者さんやご家族が、新たな何かを見つけられないか、その手助けが何かできないかと思うのです。
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2021年08月18日

手紙でのやりとりで


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ベランダであれだけうるさく鳴いていた蝉の声が一気に弱まりました。

季節の移り変わりがはやいですね。

ST水野です。


ある難病の利用者さん。

暑さが苦手で、夏になると食べられなくなり、体重が減ってしまいます。

例年、夏が過ぎれば食欲が回復、体重も増えることが多いのですが、昨年の夏に減った2sが戻る前にまた夏が来てしまいました。


最近は病状が進んできたこともあり、食事に1時間以上かかり、後半はご家族の介助が必要。

ご本人いわく、

「食べる気持ちはあるけど疲れる」

「時間がかかるとだんだんお腹がいっぱいになってしまう気がする」

とのこと。


食事に限らず、他のADLもどうにか自分でできるものの、動きが止まってしまったり、とても時間がかかったりします。

介助をされる高齢のご家族の負担も少しずつ少しずつ増えてきました。


ケアマネージャーに報告。

受診時、主治医に手紙を持参していただくことにしました。


毎月の報告書では伝わりにくい、日々の生活の詳細、薬の効き方などをご本人・ご家族から聞き取って書き、家で過ごされている姿勢の写真もつけました。



受診時、主治医が薬量を変更し、エンシュア(総合栄養剤)を処方してくださいました。


エンシュアは1日1本の処方ですが、必ず飲むのではなく、食事が摂れなかったときに栄養を補助する形でよいとの指示。



利用者さんは以前にもエンシュアを飲んでいた期間があり、抵抗なく、飲み始められたようでした。



飲み始めて、数週間後の訪問日、エンシュアは飲めていますかとたずねると、首をふる利用者さん。


「エンシュア飲んでないんですか?」


「げり」


「飲むとお腹を下します?」


「いつもじゃないけど、ゆるくなる」


「そうなんですね。確かお通じの薬、飲まれていましたよね?」


「うん、のんでる」


トイレ!と思ってもすぐにトイレに行くことが難しい利用者さん。

お腹がゆるくなることが不安なのはよくわかります。



薬については、次の受診予定までまだ日があったので、訪問している看護師(他の訪問看護ステーションから)に相談の手紙を残しました。



翌週、訪問すると、看護師さんからお返事がありました。


薬は一包化されていて、便の薬だけスキップすることは現状難しいです。次の受診でその薬だけ別にしてもらうようにお願いするつもりです。


お礼の返事を書き残しました。




主治医や他の事業所の方とのやりとりは緊急の要件を除き、連絡ノートや手紙が中心です。



今度病院に行ったら、先生に相談してみてくださいねと利用者さんに言うだけでは不十分なこと、多いですよね。

受診時伝えようと思っていたのにああ先生に言えなかったという経験は自分にもあります。



長雨で気温が下がり、過ごしやすくなり、利用者さんの食欲は回復しつつあるようです。

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2021年07月28日

横書き 縦書き


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アボカドの種から、次々と発根、発芽しました。
寒い時期から、半年近く、水に浸けていたものが、ここにきてようやくです。
何事も適した時期がありますね。
ST水野です。

ある失語症の利用者さんは、言語以外も注意・記憶・視覚とさまざまな面に難しさが見られます。

失語症へのアプローチが中心ですが、複数の高次脳機能障害の影響がからみ合い、言語のねらった部分にうまく届いていないように感じ、悩んできました。

この利用者さんの場合、特に視覚。
どれくらい保たれていて、どのように見えづらいのか、失語症のため、眼科でも正確な検査ができず、日常生活を観察しつつ、言語課題を通して、見極めているところです。

日常生活で最も影響が出るのが、食事。
右側に配膳された皿に気づきにくいので、ご家族が声をかけて促しているとのことです。

練習場面では、絵や字を見るときに、目を細めたり、左手で目をこするような仕草をされたりすることがあります。
明らかに能力的に可能な課題が急に難しくなったり、しばらく悩んだ問題で絵カードの位置を入れ替えると即答されたりする様子も。

ただ、一貫して、右側に注意が向きづらいわけでもない。
見えていないからか、理解できていないからか、判断しづらい…。

縦書きの文字カードを用いてみました。
いつもより反応速度が上がり、自信をもって、選択されているようでした。
それまで横書きで難しかった課題を縦書きに変えると、正答率が安定。


宿題で出していた読解課題。
絵は、いらすとやさん https://www.irasutoya.com/、wordで作っています。
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大幅に変更しました。
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・書式全体を縦書きに
・設問数を減らし、動作絵・文字をサイズアップ
・選択肢を枠で囲む
・用紙を半分に折って、設問を独立して見られるように


まだはっきりとはわかりませんが、この変更で視覚の影響をおよそ除外できるのではないかと踏んでいます。

工夫をして、利用者さんの反応を見て、また細かな変更を加える。
自作しているから、できることですね。
課題が利用者さんにぴたっとはまると、よしっとガッツポーズが出ます。

アボカドは大きな葉をつけました。
通常はここまで育てば土に植え付けています。
今回はこのまま水栽培でいってみようかなと思っています。
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2021年07月14日

目に光が灯るとき

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台湾産のパイナップル、今季3個目にしてとっても甘いものに巡り会えました。
芯まで食べられるのはいいですよね。
台湾には行けないので、せめて気分だけはと積極的に購入しています。
ST水野です。



失語症の利用者さん、練習を始めて、半年ほどになります。

身体を動かして(身体リズム運動をつけて)、母音を出し分けたり、イントネーションを変化させたりする練習やとなえうた練習を続けてきました。

練習をしていくなかで、やりにくいと感じている点がありました。

私のことばを最後まで聞いて、利用者さんにマネして言ってほしいのですが、待てずに私と同時に言ってしまったり、かぶせて言ってしまったりすることがたびたび。



なぜ、待つことが難しいのか。

せっかちな性格だから、つられて反射的にことばが出てしまうから、言われたことばを忘れるのが怖くて焦るから、理由はいくつか考えられます。

私のことばと利用者さんのことばが重なってしまい、私のことばを正確に聞くことができず、利用者さん自身のことばの誤りに気づきにくくなってしまいます。



このところ、練習の進度が少し停滞気味に感じたので、自然にまかせるのはやめて、少し状況を変えてみようと思い立ちました。

となえうたの練習中に利用者さんに手のひらを向けて注意をひき言ってみました。
「言わないで。まず聴いてください」

利用者さんは動かそうとしていた手を下ろしました。
そして、少しうつむいて目を閉じました。
真剣に聴き入っている様子です。

3回4回と聴き続けるうち、利用者さんの口がわずかに動きつぶやき始めます。

しばらくするとハッとした表情で顔を上げ、うなずきました。
目が輝き、光が灯ったようでした。

ことばにはなりませんでしたが利用者さんの様子が「今わかったで!!」と語っていました。


その後、マネをしてとなえていただくと、音が正確でした。

やはり、今まできちんと聴けていなかったのだ。

聴くことに集中する時間を設けるようになり、変わりました。
この半年間、単独で出せずにいた「え」の音が正しく出せ、他にも苦手としていた、いくつかのフレーズが楽に出せるように。


つっかえていたものがポンと外れて、一気に流れ出した感覚です。

利用者さんの自然な反応をできるだけ生かしたいと考え、聴く姿勢に対してアプローチしてこなかったことを反省しました。


どのような練習でも同様ですが、表立つわかりやすい反応(今回の場合なら「話す」)に意識がむきやすくなり、目に見えない反応(「聴く」)は置き去りにされがち。
立ち止まって、見直す機会が必要だなと思いました。

利用者さんの目に光が灯る瞬間に立ち会える、やっぱりいいですね。
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2021年05月12日

マスクで言語練習

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トマトに自家製のパクチーを乗せ、塩少々とオリーブオイルをかけたら、それなりの一品になりました。
パクチーが大好きです。
ST水野です。

大阪のコロナ感染は大変厳しい状態が続いています。
医療従事者ですがワクチン接種の予定はまだありません。
今週に入って、高齢の利用者さんから「ワクチン接種の予約ができたよ」と次々に聞き、少しホッとしています。


コロナ禍での生活も1年を過ぎ、すっかりマスクの習慣がつきました。

マスクをして言語練習をするときに困るのが、こちらの口型(口の形)を見せることができないことです。

失語症があり、特に発語失行や口腔顔面失行を含む場合、母音の口型を手がかりに練習することがあります。

対面してSTの口を示したり、隣に並んで鏡に写って利用者さんの口とSTの口を比較したりする方法です。

コロナ禍でマスクを外すことができなくなったため、この方法を用いることができなくなりました。

音のイメージを身体で表現したり、口型のイラストを使ったり、いろいろな方法を試してきました。

最近、試みているのは、動画を使う方法です。
やや大げさに口型を示して発声している動画を撮影し、利用者さんに見せます。

どんな導き方が有効かは利用者さんによって異なることがあるので、いくつかのパターンを録画しておいて、使い分けるようになりました。


例えば「う」の音を導きたいとき。
・くちびるをめいっぱいとがらせる
・とがらせて、フーと息を吹く
・口型を「い」→「う」へ変化させる
・口型を「あ」→「う」へ変化させる

フーと息を吹くのはマスクを外して鏡をくもらせると本来はわかりやすいです。
単独の口型ではわかりにくい方でも、他の口型から変化させることで認識できるようになる方もいます(音や口型の特徴が際立つからでしょうか)。

利用者さんの反応によって変化させる(微妙に変化の速度を変えるなど)は対応できませんが、それなりに役に立っています。

スマホの画面が小さくて、わかりにくそうにされる方もいらっしゃるので、タブレットも用いてみようと考えています。

安全対策をとりながら、工夫しつつ、試しつつ。
今の環境でできる範囲でやっていくしかありません。

他にこんな風にやっていますというアイデアがあったら、ぜひ教えてください。
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2021年04月16日

唾液の代わりに

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レモングラスが育ってきたので、収穫しました。
お湯を注ぐといい香りが立ちのぼります。
さっぱりとした口当たりのレモングラスティーです。


訪問している利用者さん、唾液分泌が少なくなるご病気を抱えておられます。

「口が乾いて食べづらい」が主訴で、嚥下能力そのものは比較的保たれていますが、唾液が少ないために食べられる食べ物の種類や食形態に制限があります。

また、極端に口が乾いてしまったときにはしゃべりづらくなり、乾いた口での発話はスピードがゆっくりで、やや不明瞭に感じます。唾液はしゃべるための潤滑油としての働きがあることがわかりますね。

唾液の量は日によって差があります。
今日はあまり出ていないかもという日でも、練習で唾液腺マッサージや舌を大きく出したり戻したりなどの運動を行うと、「少し出てきた!」と嚥下できる程度の量の唾液が出てくることもあります。

ご自分で料理するのが難しい利用者さんは、スーパーのお惣菜や市販の嚥下食を利用中。
お惣菜をそのまま食べようとすると、根気よい咀嚼と水分との交互嚥下が必要で、すぐに疲れて食べるのが嫌になってしまうため、食物をはさみで細かく刻み、とろみをかけて、食べやすくしています。

利用者さんにとっては、唾液の代わりが「とろみ」なのです。


訪問時、利用者さんが「ねえ、聞いて!」と報告してくださいました。

リハビリ目的で通っているデイサービスのおやつ時間。
他の利用者の方にはおまんじゅうやカステラ、ドーナツなどが出るのに、「利用者さんは食べやすい物じゃないとだめだよね」と毎回ゼリー、それが以前から残念だったとのこと。

「おまんじゅうやドーナツもとろみをつけたら食べられると思う。自分でとろみ剤を持ってくるから私もみんなと同じものが食べたい」とデイの職員さんに相談しました。

デイで検討してくださり、とろみ剤で作ったとろみをおまんじゅうなどにかけて食べることを何度か試してみた結果、問題なしと結論が出て、みなさんと同じものが食べられることになったそうです。
「デイでの楽しみがひとつ増えてよかったわ」とうれしそうに言われました。

「食べられるものが制限されても、やっぱりおいしいものしか食べたくないし、しんどい思いをして食べるのは嫌、誰だってそうでしょ?」
納得の利用者さんのモットーでした。
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2021年03月17日

2%濃度のとろみ

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利用者さん宅のミモザに惹かれて、苗を植えました。
花が咲くまで3年くらいかかるそうなので、枯らさないように大事にはぐくみたいと思います。
ST水野です。


嚥下評価にうかがいました。

水分やプリンなどの半固形物を摂取されており、飲み込みの評価、介助方法への助言などを行いました。

水分にはごくゆるいとろみがつけてありました。

ご家族に「どうやってとろみをつけていますか?」とたずねると、キッチンでいつもつけている方法を見せて下さいました。

コップに入れた飲料水にスティック状のとろみ剤をごく少量パラパラ。

「病院で2%の濃度のとろみと言われたんですけど、よくわからなくて…」

その説明ではちょっとわかりにくいですよね。
一度、量ってつけてみましょうか。

@計量カップで50cc(=50g)飲料水を量る
A必要なとろみ剤の量を計算(50g×2%=1g)
 →3g入りスティックのとろみ剤のおよそ1/3を使用すればよい
Bコップに先にとろみ剤を入れる
C計量カップから飲料水を一気に注ぐ
Dスプーンで混ぜる

一度に50cc飲みきれない場合は、冷蔵庫で保管しておけばその日のうちは大丈夫ですよ。

お家にある物品やとろみ剤に合わせた楽な方法をお伝えできれば、適切に実践していただける割合が増えると思います。
可能であれば、お伝えした方法が守られているか定期的に確認できるのが理想ですね。
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2021年02月26日

あたらしいしゅみ 2

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利用者さん宅に咲くミモザが美しかったです。
ST水野です。

「あたらしいしゅみ」を教えてくださった利用者さん。
失語症、右片麻痺があります。

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昨日、お会いしたら、耳元で揺れる桜が!

これもステキですね。
レジンでしたっけ?

「うん」

写真撮ってのせてもいいですか?

「うん」

何かコメントください。

「……」(笑顔で無言で首をふる)

作ってみてどうでしたか?

「じかんかかった」

なるほど。


マスクもおしゃれ。

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お顔ものせていいと言われたので。
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「髪の色にもばっちり合ってますよね」
(写真では撮れていませんがアッシュグレーっぽい髪色でした)
「作って売ればいいのにー」
「メルカリに出せば?」

周りの利用者さんやスタッフさんに言われて、苦笑いの利用者さんでした。

次にお会いするのが楽しみです。
posted by Active at 11:33| Comment(1) | TrackBack(0) | ST水野(松原)の日記

2021年02月16日

リハビリへの再挑戦をきっかけに

担当している利用者さんに入院して治療が必要な病気が見つかりました。
しかしコロナの影響でベッドが空いておらず、1か月待ちになってしまいました。
「長い一か月になりそうだな」
不安のなかで過ごす時間はより長く感じますよね。
コロナ憎し!
ST水野です。


数か月前から担当している、おふたりの利用者さん。
AさんもBさんも失語症があり、おふたりとも発症から10年近くが経過しています。
ともに入院、外来で受けていた言語リハビリが発症後1年以内に終了になり、その後リハビリの機会はありませんでした。

発症から長い時間が経っており、それぞれ安定した生活を送られているように見えました。
どうして、またリハビリをしてみようと思われたのでしょうか。

Aさんは、知り合いが訪問でリハビリを受けて、身体もことばもよくなったと勧められて、自分もまたやってみたいと思われたとのこと。

Bさんは、話そうとする意欲が高いのでもう一度リハビリをしてはどうかとケアマネージャーさんが提案してくださったようです。入院・外来では言語練習への意欲があまり見られなかったとのこと。

おふたりとも非常に意欲的に練習に取り組んでおられます。
練習内容は全体構造法で「身体を動かしながら楽に声を出す」ことから始めました。
おふたりとも声を出すことへの抵抗感が強く、身体の動き(身体リズム運動)をつけることがとても難しかったのですが、徐々に慣れ、音の変化を体の動きの変化と合わせて感じられるようになってきました。

Aさんのご家族からは「ここ数年『おーい』と呼ばれていたけど、最近は前のように『おかあさん』と呼んでくれるようになった」
Bさんのご家族からは「ことばにはなってないけど、何か話そうとすることが増えたと思う」

まだ数か月ですが、利用者さんに変化が出てきていると聞いています。

おふたりの生活を知っていくなかで私の心に引っかかったのは、ともに家族以外との関わり、外出の機会が極端に少なく、その生活が普通になってしまっていること。

その生活のなかでリハビリに再挑戦してみようと思われたことはとても意味があるきっかけです。
この大切なきっかけが利用者さん自身の「また誰かに会ってみたい」「何か新しいことをやってみたい」、「どこかに行ってみたい」につながっていくように支援したいなあと思っています。
posted by Active at 12:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ST水野(松原)の日記

2021年01月28日

「あたらしいしゅみ」

暖かい日が続いています。
油断するとまた寒気がやってくるんですよね。
ST水野です。

数年前、訪問していた、利用者さんと久しぶりにデイでお会いしました。

開口一番
「あたらしいしゅみ」

きれい!これは何ですか?

「レジン」

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細かなパーツを組み合わせて、作られるそう。
右片麻痺、ありましたよね?

以前もお菓子作りや木の実のリース作りなどを楽しまれているのを紹介させていただきました。


新しいことに挑戦しようというお気持ち。
挑戦できる行動力。
すばらしいですね。
posted by Active at 11:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ST水野(松原)の日記

2021年01月15日

ブログの入力方法 パソコン編



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ずんだ餅、大好きです。
水に溶かす素でずんだあんを作り、焼いた餅に乗せました。
ST水野です。


パソコンでのブログの入力方法をまとめます。
画像が小さくて見づらい場合は画像をクリックすると大きく表示されます。

スマホで入力した場合はこちら。




@さくらのブログにログイン



ドメイン名(active-nopsj.sakura.ne.jp)とパスワードを入力します。
パスワードはここに書けませんので、各事業所の責任者に確認してください。

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A新規投稿をクリック

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B入力画面へ
タイトルを入力。
カテゴリー選択はチェックしてある部分をクリックします。
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登録されているカテゴリーが表示されるので選択します。
カテゴリーに迷ったら、事業所名を選んでください。
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本文を入力します。


D画像を入れたい場合

参照のボタンをクリックし、画像を選択します。
選択できたら、右のアップロードボタンをクリックします。
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ここに画像が追加されます。
本文中の画像を入れたい場所にカーソルをおいてこの画像をクリックします。
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本文中に画像が挿入されました。
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※画像をアップロードしているときに入力できていたはずの本文が消えてしまうことを数回経験しています。
 画像を入れたい場合は、本文入力の前に画像のアップロードを行っておくことを個人的にはおすすめします。
 そうしておけば本文を入力しながら、場所を考えて画像を挿入できて便利でもあります。

※スマホで撮った画像を使う場合、画像をパソコン経由でアップロードするのは手間がかかります。
 画像はスマホからアップロードして、記事の入力はパソコンで行う方法もあります。


E投稿をクリックすれば完了です。
 投稿するのが不安な場合は、非公開を選択して、保存すれば、一時保存の状態にできます。


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F記事の入力を複数日にわたって行う場合は公開投稿するときに現在の日時を選びます。
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そうすれば、最新の記事(ブログの最上部)に表示されます。



個人情報について再掲します。

個人情報に注意

ブログの内容によっては利用者さんの個人が特定できる場合があります。

・利用者さんやご家族に許可を得てください

・名前・年齢・病名・住んでいる場所 すべてが個人情報です

・画像も同様に許可を得てください(外出時の写真からある程度の住所が特定されることもあります)

・内容の趣旨に影響しない程度にあいまいな表現に変える、事実を変えて書くことも時には必要
(例 パーキンソン病→神経難病 長女さん→ご家族 と表現を変える など)


迷った場合は投稿する前に、各責任者または、発掘あるある広報室までご一報ください。
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