2020年08月28日

夏バテに負けるな!手軽にカロリーをアップする方法

夏らしいことをほとんどしないまま、夏が終わっていきます。
花火も夏祭りも中止、帰省もできず。
こんな夏は今年で終わりにしたいものです。
ST水野です。


ある利用者さんが言われました。
「あと3s太りたい。もっとたくさん食べられるようになりたいです」
お風呂に入るときに鏡で自分の体を見るとあまりに痩せていて驚いてしまうそうです。

この夏「夏バテで食欲が落ちて困っている」という相談を3件続けて受けました。

3名の利用者さんは年齢も疾患もバラバラですが、嚥下障害があり、もともと食べられる量が少なかったところへ暑さの影響で、より食べられなくなっている点が共通しています。

利用者さんはそろって「食事が疲れる」と訴えます。
スプーンを口に持っていくのに時間がかかってしんどいわ。食べているあいだにお腹がいっぱいになってしまうし。
食べることに疲れて、ごはんの時間が全く楽しくない。
食べろ、食べろとあんまり言われたらつらくなるよ。

食事をするにも体力が必要ですもんね。
そして、食べることに義務感を持ち始めたらしんどくなります。

みなさんに提案したのは「食べる量にこだわらず、効率よくカロリーを摂ることを考えましょう」ということ。

おひとりの利用者さんは朝バターをつけたトーストを食べるのが習慣だと聞き、そこにさらにジャムを加えることを提案しました。
「ちょっと足すだけね。これならできるかも」とおっしゃってくださいました。
ジャムをヨーグルトに加えてもいいですね。

コーヒーを1日2杯は飲む習慣がある利用者さんには、コーヒーに牛乳とお砂糖を足すことを提案しました。

カロリーアップできるのはわずかでも毎日の積み重ねが大事です。

地域で活動されている管理栄養士さんと訪問同席する機会があり、「MCTオイル」などの嚥下調整食を使うことの効果をあらためて教えていただきました。

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MCTオイルを他の利用者さんにも紹介しました。

MCTオイルのよさは、おかゆでも、おかずでも、飲み物でもただオイルを加えるだけの手軽さです。
消化吸収がよく、食形態も変える必要もなく、食べる量を増やさずに、カロリーをアップできます。
最近では日清のものなどが普通にスーパーに並んでいるのを目にするようになりました。
手に入りやすいのもポイントですね。

そして、この暑い時期、甘いものがお好きな方には、間食をアイスクリームに。
アイスクリームで特にオススメは「ハーゲンダッツ」です。
たんぱく質、脂肪の含有量が多く、量に対して大きいカロリーが摂取できます。
ただ値段は高いですけどね…。

食生活を大きく変えて、「もっと食べないと!」と量を増やそうとしても、なかなか続きません。
今、食べているものに少し工夫をするだけなら、無理がありません。

みなさんの視点を「食べる量を増やす」から「効率よく栄養をとる」に変えていけたらいいなあと思います。
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2020年07月31日

信頼してもらえるとき

Googleフォトが1年前の写真を見せてくれました。
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昨年の今頃は岐阜の実家に滞在していたようです。
母の五平餅がめっちゃ食べたくなりましたが、まだしばらく帰れそうにありません。
コロナめ!!
ST水野です。


7月はコロナが少し落ちついたように見えたせいか、(月末になってまた違ってきていますが)新規の利用者さんを立て続けに担当させていただきました。
さまざまな社会的背景やキャラクターの利用者さんやご家族と、どのようにして距離をつめて関係を作っていこうかあらためて考えて過ごしました。

「私たちが利用者さんやご家族から信頼してもらえるのはどんなときだろう」

いちばん、わかりやすいのは、利用者さんの状態がよくなって、ご自身やご家族がそれを感じたとき。
リハビリの効果を感じることができれば、「この人の言うことを信じてこれからもやってみよう」と思ってくださると思います。

しかし、リハビリをしてもよくなっていく方ばかりではありません。
進行していく病気であったり、原因が加齢であったりする場合、今の状態を維持していくことが精いっぱいで、改善を目指すことが難しい現実があります。

そういう場合でも信頼してもらえるきっかけってなんだろう。

最近の利用者さんとのいろいろを思い返してみて、気づいたこと。
利用者さんやご家族の「困りごと」を解決できるように動くことかも。

先日、利用者さんが「美人画のぬり絵のデザインを探している」と言われました。通われているデイサービスでの作品作りに必要なのだそうです。
スマホで検索した画像を見せて、これと決めていただき、印刷したものを翌週、お持ちしました。

ある利用者さんのご家族
「お母さんのデイサービスでの様子がわからへん。連絡ノートはあっても、ごはんを食べたのが8割とか10割とか、そんなことしか書いてない」
担当のケアマネージャーさんに報告し、デイサービスにもう少しご家族に様子がわかるように対応してほしいと伝えました。

今は定期訪問をしておらず、久しぶりに会った利用者さんに言われました。
「家にある伝の心のスイッチは使えているけど、病院のナースコールがうまく押せない。どうにかならない?」
病院のナースコールの状態を担当OTと見に行かせていただき、入力の運動方向を変えることを提案し、調整してもらいました。今のところ、うまく入力できているようです。

ひとつひとつはささいなことかもしれません。
でも、そのささいなことが、利用者さんやご家族の心の多くを占めている場合があります。

STの仕事の範疇を超えている自覚は……あります。
本来ならケアマネージャーさんの仕事の領域でしょうか。
でも、毎週会っているからこそ、タイムリーにひろえる「困りごと」があるんですよね。
その場で、自分で解決できることは少なく、この件はこの人に、この件はこの人にと、ふるい分けてふさわしい方にお願いすることしかできないことの方が多いですけど。

そういう解決が積み重なって、利用者さんやご家族が「この人になら話してもいいな」と本音を話してくださるようになったら、うれしいことです。

特にコミュニケーションに手間と時間がかかる利用者さんの場合、ゆっくり話を聞いて、解決にむけて動こうとしてくれる存在が一人でもいることは安心感につながるのではないかと思います。

社内の療法士や看護師を見ていても、利用者さんやご家族との距離感はそれぞれ。
困りごとに自然に手を差し伸べているスタッフをたくさん知っています。

利用者さんとの関係に迷うとき、この方に信頼してもらうにはどうしたらよいだろうと悩んだとき、まずは利用者さんの目の前にある小さなことに目を向けることから始めてみてもいいかもしれません。
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2020年06月22日

iPhoneのアクセシビリティをちょっとだけ紹介

雨音にエアコンや扇風機の音が加わると利用者さんの発話が聴き取れません。
近づかないと聴こえないのでソーシャルディスタンスを保つことができなくて困ります。
コロナ対策のために窓を開けて換気してくださっているからもあるんですけどね。

コロナの影響をあちこちで感じます。
ST水野です。


スマホが使いにくくなった、機種変更したら使えなくなったなどの相談を利用者さんからよく受けます。
iphoneのアクセシビリティについて調べたので覚え書きします。

アクセシビリティとは視覚、身体と動き、聴覚および学習上のニーズに配慮した機能、つまり、見る・聴く・運動が難しい方が使いやすいように操作方法などを変更できる機能のこと。


便利そうな機能を3つ書き残したいと思います。


設定
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アクセシビリティと進みます。
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1つめは、目が不自由な方に便利な機能です。
視覚サポートから「拡大鏡」を選びます。
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その名の通り、カメラを使って撮影したものを拡大することができます。
拡大鏡で本のページを撮りました。
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拡大していくと
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さらに拡大すると
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中間くらいでここまで大きくなりました。
iphoneが拡大鏡の代わりをしてくれます。
普通に写真を撮って、ピンチアウト(2本の指で拡げるように動かす)すれば拡大できますが、ピンチアウトは難しい動きなので、拡大鏡を使えばその動きができなくても大丈夫です。



2つめは、身体が不自由で目的とする画面の部分の細かなタップがうまくいかない場合に使える機能。
スマホの画面全体がひとつのスイッチとして働いてくれるようにできます。

身体および動作から「スイッチコントロール」を選びます。
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スイッチを選びます。
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新しいスイッチを追加を選びます。
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画面を選びます。
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フルスクリーンを選びます。
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項目を選択を選び、スイッチコントロールの画面に戻ります。
スイッチコントロールをオンにします。
このとき、アクセシビリティ→タッチ→AssistiveTouchがオンになっているとスイッチコントロールがオンにできないので、AssistiveTouchをオフにしておきます。
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画面のハイライト(スキャン)が始まります。
ホーム画面だとこのような感じ。
枠の大きさや色なども選択できます。
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選びたい項目が枠で囲われたときに、画面をタッチすると選択されます。
このときに枠内に触れる必要はなく、画面内であればどこでも反応してくれます

これが「画面全体がスイッチになる」という意味です。
指先で細かく触れなくてもいいので手を握った状態などで触れて操作ができますね。
スキャンは枠で囲むタイプと十字で絞り込んでいくタイプなども選べます。

もちろん、外部スイッチ(外付けスイッチ)をつなげば、ワンスイッチで操作もできます。
外部スイッチを直接つなぐことはできないので、あいだにスイッチインターフェイスを使用する必要があります。
「なんでもワイヤレス」「「できマウスS2。」などです。


できマウスS2。


また、iphoneのフロントカメラをスイッチとして使う方法もあります。
頭を左に動かしたときに1つのスイッチ、右に動かしたときに1つのスイッチと2つのスイッチとして使えるそうです。




3つめは、耳が不自由な方のための字幕機能です。
テレビ番組の見逃し放送などが楽しめる、「TVer」というアプリが一部番組で字幕対応を始めたので試してみました。

聴覚サポートから「標準字幕とバリアフリー字幕」を選びます。
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クローズドキャプション+SDHをオンにします。
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設定はこれだけです。

字幕対応の番組に字幕がつきました。
クローズアップ現代です。

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数番組ですがドラマにも対応しています。
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字幕は失語症など文字が理解の助けになる方にも使える機能ですね。


iphoneにはこれらの機能が全てが標準なところがすばらしい!!

スイッチコントロールのカメラでのスイッチは、20年前なら最先端な技術で大掛かりな装置を使わないとできませんでした。
今は標準装備されているところまで来ているから驚きです。

androidスマホの場合は設定→ユーザー補助から同じような設定変更ができます。
androidの場合は、メーカー(機種)によって対応が異なるのが少し大変そうではあります。

利用者さんに使ってみる機会がありましたら、また報告したいと思います。


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2020年06月05日

柿の種は食べられるのに

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ステイホーム期間にホットケーキミックスでスコーンを作りました。
さくさくおいしくできました。
忘れないうちにもう一度作りたいと思っていますが、ホットケーキミックスがなかなか手に入りませんね。
ST水野です。


ある難病の利用者さん。
病気が進行してきて、自然な笑い声はときどき出るものの、日常ではほとんど発話が聞かれない状態です。

意図的に声を出すことはわずかにできますが、のどを詰めたような力んだ声になってしまいます。
舌や口唇の動く範囲に制限があり、口唇を閉鎖したり、舌を口蓋(上あご)につけたりすることは十分にはできません。そのため発音はかなり不明瞭です。
意思疎通は問いかけへのうなずきや首ふり、具体的な表出は50音表の指さしを用いています。

ごはんは食べられていますかとたずねると、50音表で「飲み込むだけ」と伝えてくださいました。
食事の様子を見せていただくことにしました。

スプーンで介助してもらい、少しとろみのついたきざみ食を食べておられました。
咀嚼を必要としない食形態で咀嚼の動きは少なく、下顎が下がると口唇もいっしょに下がり、わずかに開口しながら送り込んでいる様子を見ると舌の上下・前後運動がありました。
そして、飲み込む瞬間は口唇閉鎖できている!

食べているときと話しているときの口唇や舌の動きがあまりに違うので驚きました。
運動範囲に制限があるという評価が間違っていたことに気づきました。運動範囲ではなく、別の問題のようです。

利用者さんは食事の他におやつを食べる習慣があると聞き、いつも食べているものを見せてもらうと、なんと!柿の種でした。
咀嚼が必要で、口のなかでばらばらになりまとまりにくいため、おやつのなかでもかなり食べにくい、難易度が高い形態といえます。

それらを食べる様子も見せていただくと、ポリポリといい音をさせながら咀嚼しキュウッと飲み込んでいました。
口腔内にも思ったほど、柿の種は残っていません。
送り込みの舌の動きもさほど悪くない。

食べた直後に、口唇や舌の運動を行ったり、発音をしたりしましたが、やはり舌は口蓋に届かず、口唇は相当に努力してようやく閉鎖できるかできないかの状態。閉鎖した状態を1秒維持することもできません。

食べているときはできるのになんでしょうかとご本人に確認してみると、「食べているときは考えずにやっているからわからへん」

なるほど。
無意識に行う食べる運動(利用者さんは食べることが運動だとは思っていない)と意識しないとできない発音での運動の差。
意識して行おうとするほど、力んでしまい、難しくなるのかもしれません。特に首のうしろや肩周辺に力が入ってあごがあがる姿勢になりがちで口唇や舌が使いづらそうです。

おそらく、もっと話せていたときは話すことも無意識だったはずが、話せなくなり話す機会も少なくなり、意識しないとできなくなってしまっているのではないかと考えました。

柿の種を口唇に触れさせながら、閉鎖をうながしてみました。
口唇を少しとがらせて、柿の種をはさむように口唇が閉鎖してきました。
感覚を使うとちょっとよさそうだな。

翌週、訪問したときは、ひき笑い(吸気しながら笑う)様子が強くあり、息を吐いて声を出すことがよりしづらくなっていました。

呼吸する、発声する、発音する、なんて複雑で難しいんだろう。

試行錯誤はまだまだ続いています。
ほんの短い発語であっても、利用者さんの口から聞けるようになることを目指していこうと思っています。
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2020年05月29日

スマホの音声入力で構音練習

家中の窓を開け放って、風が吹きぬけるのを感じるとき、いい季節だなと思います。

ST水野です。


ある難病の利用者さん。

数ヶ月前にガラケーからスマホに換えました。スマホにしてやってみたいことをうかがうと「写真を撮ることとLINEをすること」と言われました。


タップして写真を撮る操作はすぐにできていました。アウトカメラとインカメラの切り換えをするのが新しく覚えるべき点。
LINEはねらった場所から指先がずれてしまい、的確にさわって入力することが難しい様子でした。

音声入力を提案し、発音練習も兼ねて試してみることになりました。

何週間か挑戦してみた結果、難しいポイントが2つ。

@座った姿勢がくずれやすく、スマホを口元に近づけた状態を保てない

A発話スピードが速く、正確に入力できない


@の座った姿勢が保ちにくいのは普段の生活からもいえることです。


身体が横に倒れる

頭が下がってうつむいた姿勢になる

唾液が口腔内にたまる

唾液を飲まずに話そうとして不明瞭になる

流涎!


スマホを持っていると、より姿勢がくずれやすくなることがわかりました。

声量が低下しているため、口元からスマホを離すと、より正確に入力がしづらくなることもわかりました。

音声入力の感じをつかんでいただきたかったので、スマホは私が利用者さんの鼻先に固定して持ちました。

口元だと視線が下がってしまうので、少し高い鼻先くらいが入力された文字を確認するのにもちょうどいい高さです。

あとはいきなりマイクをオンにしないこと。

あらかじめ入力したいフレーズを考えていただき、文節ごとに区切ることを意識して練習します。


そして

顔上がりましたね。

唾液飲みましたね。

オン。


この流れにするとかなり正確性が上がりました。

利用者さんはスマホの画面を注視して、正確に入力できているかを確認しながら、かなり意識して話されるようになりました。
この練習のメリットは「自分の発話を客観的に見ることができる」点にあると思います。
利用者さんに最も意識していただきたい発話スピード(が明瞭に大きく影響していること)に意識がむきやくすなります。

実際にご友人から来たLINEに返信する練習もしました。


いちばん入力が難しかったのが「人名」です。


勝浦さん梶田さん

石田さん木田さん


のように音は近いがモーラ数(かなで数えられる文字数)が少ない苗字に誤入力されてしまいました。

私の耳ではそう聞こえなくはない程度の明瞭度なのですが、やはり一音ずつの正確性に欠けるため、音同士がくっついてつながって認識されてしまうのだと思います。

利用者さんが1人で入力をしてLINEできるようになるにはまだまだ工夫と練習が必要ですが、少しずつ進めていきたいです。

LINEでご友人らとの関係が深まることも同時に願っています。


パキラがいい感じに枝を伸ばしていました。

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アボカドも!
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2020年05月12日

話したい意欲を持ち続けること

ふとしたときに、本来ならもう5月場所が始まっていたはずなのになと切ない気持ちになることがあります。
ST水野です。

感覚性失語症の利用者さん、およそ1年ぶりにお会いしました。
私が休んでいたあいだは、他のSTが訪問をしてくれていた利用者さんです。

再開を喜び、近況を聞かせていただきました。

こちらの質問に対し、一生懸命に答えようとされます。
聴き取れない発話のなかに混ざる有意味語、表情・うなずき・首振り・首かしげ・指さし・ジェスチャーなど総動員。
途中、がんばっても伝わらないときは、奥様の顔を見てあごをしゃくり「ちょっと代わりに頼む」と自ら助けを求めることも。

「伝えたい」意欲が高まっているなあ、いいなあと思いました。
失語症の方のなかには、伝えたいけど伝わらない経験を重ねていくなかで、伝えようという気持ちまで失ってしまわれる方がいます。
ことばを待ってくれる人、促してくれる人、確認してくれる人、伝わったよと返してくれる人、周りにそういう存在がいないと、話そうという意欲を保つことは容易ではないのです。

利用者さんの場合は、いちばんの理解者である奥様をはじめご家族のみなさん、デイサービスのスタッフさんや他の利用者さん、訪問看護師さんなど、大変恵まれているのだと思います。

「コロナの影響で娘や息子、孫たちと会えないのが少しさびしい。けど、デイサービスには行けているし、あなたのように訪問して来てくれる人もいる。変わらず自分なりに楽しくやっているよ」(意訳)という内容を伝えてくださいました。

練習で言語機能を上げることはもちろん大切ですが、この人に伝えたい、この人ならわかってくれるという存在をたくさん作っていけるように努めることもとても大切だと思いました。
1年間代行をし、話したい意欲を高める存在の1人であり続けてくれた、後輩STに感謝します。
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2020年04月24日

フリージング嚥下食

マスクをしてもめがねが曇らないようにするにはどうしたらよいのか。
マスクとめがねと両方をしても耳が痛くならないようにはできないものか。
日々、悩んでいます。
ST水野です。

昨年2月以来のブログ投稿になります。
約1年間、育児休業を取得し、4月より復帰しました。
この1年間に得た気づきの一つをご紹介したいと思います。

経験できてよかったことが離乳食作り。
嚥下食と離乳食には共通点が多いことはみなさんイメージがしやすいと思います。

毎日離乳食を作っていくなかで、いかに効率よく作れるか調べていくうちに「フリージング離乳食」に出会いました。
今まで嚥下食を単発で作ったことはありましたが、毎日継続して作ったことはなかったんですよね。
より「無理なく」「無駄なく」「楽に」作れることを目指すようになりました。

「フリージング離乳食」自体はたくさのん書籍も出ており、さほどマイナーな方法ではありません。
でも、考えてみたら「フリージング嚥下食」は聞いたことはない、フリージング離乳食の手法を嚥下食に応用できないかと思った次第です。
(調べた限りでは、嚥下食の作り方の本にフリージングの技法を使うものもありましたが、フリージングに特化した本は見つかりませんでした)

フリージングの方法は、食材を加熱し、刻み、凍らせる。
使うときには凍ったまま調理する。

簡単に言うとそれだけです。

食材ごとに加熱の方法が異なり、もちろん冷凍にむかない食材もあります。
凍らしてから切った方が扱いやすかったりする場合もあります。

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わが家の冷凍庫から出してきた野菜たちです。
上から、じゃがいも、小松菜、しめじ、かぼちゃ、にんじんです。
それぞれ、火を通したあと、製氷皿に入れて凍らせ、素材ごとに保存しています。

これはなんでしょう?

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納豆です。
引きわり納豆を卒業して、小粒納豆を食べています。
納豆も冷凍できるんですね。(残念ながら同じ大豆食品でも豆腐は無理です)

昨日、仕込んだものも。

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釜揚げしらすと合いびき肉の粗びきです。
釜揚げしらすはさっと湯通しして塩気を除き、粗びき肉は片栗粉と水を加えて電子レンジで加熱してから冷凍しています。

食材ごとに冷凍しておけば、大変に便利です。
食材にもともと火が取っているので、食べるときには味つけをして温めるだけでOK

例えば、みそ汁を作りたいときはかぼちゃとじゃがいもを器に入れて、だし汁を加え、レンジでチン。
温まったら、みそを加えます。

みそはパウダー状のものが圧倒的におすすめです。
超便利です!!これhttps://www.shinsyuichi.jp/papatto-miso-powder/

うどんです。
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うどん、じゃがいも、ほうれん草、鶏肉は冷凍してあったもの。
うどんつゆを加えてレンチン。
ゆで卵はこのあとキッチンはさみで細かく刻みました。


離乳食の悩みに、ある程度の量をまとめて作ると、同じメニューが続いてしまう点があります。
フリージングしておけば食材は一週間から10日ほど保存できるので、その悩みも解消できました。

食材の加熱も圧力鍋である程度まとめて行います。
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野菜を粗みじん切りやキューブ状に切って、それぞれを圧力鍋に入れ、だし昆布と水で煮ます。
一気に4食材も増やせる!

経験してみて気づくこと、たくさんありますね。
1年で経験したこと、子育てを通じてこれから経験することを今後仕事にも生かしていきたいです。
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2019年02月21日

私の知らない人生

お昼を買おうと立ち寄ったスーパーで、お相撲さん3人とすれ違いました。

鬢付け油のふわっと甘い香りに、春の訪れを感じます。

大阪場所が近づいてきました。

ST水野です。

  


訪問していつものソファに座ると、利用者の〇〇さんに言われました。

「見せたいものがあるの。見てくれる?」


「はい、ぜひ」


「懐かしいものが出てきてん」


「懐かしいもの?何ですか?」


「ビデオ、結婚式の」


「どなたの結婚式ですか?」


「親族の」


「〇〇さんも映ってるんですね」


「そう、着物で」


「着物!見せて下さい」


「水野さん、着物好きやもんね」



数十年前の結婚式の様子が映っていました。


参列者のみなさんの入場シーンから。

次々に正装の方が入って来られます。


「ほら、これ!」


「おー、〇〇さん!」


利用者さんは、深紅色の着物姿でスッスと入って来られました。


「よくお似合いですね。凛々しい雰囲気」


「太ってるね」


「まあ、今よりふっくらされてますね」


「今より20s多かったから」


「この着物は〇〇さんのですか?」


「そう、自分であつらえた着物。とってある。もう着られへんけど」




親族の自己紹介の場面もありました。


利用者さんは、いい声ではっきりと名乗られました。



「ありがとう、つまらないものを見てくれて」


「いえいえ、こちらこそありがとうございます!うれしかったです」




利用者さんの若いころや病前の写真を見せていただく機会はあっても、動画を見たり、音声を聞いたりすることはそうそうありません(世代的に難しいですね)。


今とは別人のように、スッスと歩き、いい声ではっきり話される利用者さんの様子を見られたのは貴重なことでした。


私たちリハビリ職は、利用者さんの病後の状態しか知りません。

利用者さんが病気で動きづらくなったり、話しづらくなったりしてから出会うからです。

当然といえば当然です。


でも、利用者さんの今の状態が、利用者さんのイメージとして固定化されているのは危険だと思いました。

利用者さんも以前は普通の生活を普通に送っていたはずなのに。



ビデオを見せたいと思ってくださったことが、もっと私を知ってという利用者さんからのメッセージに感じられてきました。

利用者さんの過ごされてきた長い人生のごく一部しか知らないことにあらためて気づいて、申し訳ないような、心苦しいような気持ちにもなりました。


利用者さん自身を深く理解するには、その方の人生を知る必要があるのでは。

利用者さんの人生を知るための努力が足りていなかったのでは。


知る努力を続けていこう、そう思いました。

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2019年02月07日

複数の居場所をもつ

2/10の日本大相撲トーナメントで、荒磯親方(元稀勢の里)が解説デビューらしいです。
録画予約しました。
ST水野です。


失語症の利用者さんは、病前からカラオケが趣味。
「しゃべる」ことは苦手でも「歌う」ことは得意です。
近所のカラオケスナックに1人出かけ、歌っています。

風邪で3週間ほどカラオケに行けなかったら、久しぶりのときに声が出なくて、歌詞にもついていけなくなっていて驚いたそうです。
そこから、毎週通い直して、今は「もうもどった」とのこと。
「やっぱり、つづけなあかんな」と言われていました。
練習のときにいい声が出せるのはカラオケの効果もあるかもしれません。

聞いていると、利用者さんがカラオケに行く目的は「歌う」こと以外にもあるようです。

ママさんとはよく話をする間柄。
自分は病後お酒をやめたのでコーラしか飲まないが、ママさんにビールをおごることもある。
ママさんはゆっくり話を聞いてくれるから話しやすい。

顔見知りの常連さんが何人かいて、行けば誰かは来ている。
体の調子がどうみたいな話をよくしている。
曲名が出ないときに、「次はあれ歌う?」と助けてくれる。

カラオケは「交流」の場でもあります。
いいお仲間をお持ちですよね。
病気の後も変わらない、いい関係を保っておられます。

利用者さんはことばの出づらさが強くあり、会話の流れが停滞してしまうこともたびたび。
当然、うまくしゃべれない自覚が十分にあります。
それでも、人の輪に飛び込んでいけるのは、本当に頼もしい。


実はこの利用者さん、家での会話がないことに悩んできました。
ご家族はみなさん働いていて、日中は一人。
私も長年訪問していますが、ご家族にお会いしたことはほとんどありません。

ことばが出ないときにご家族は「まってくれない」。
「いそがしい!はやくして!」という雰囲気が出ている。
邪魔にされているようで話しかけられなくなる。

ご家族に利用者さんとのコミュニケーション方法の書面をお渡しし、ゆっくり対応していただくようお願いしましたが、対応を変えていただくのは難しいようです。
ご家族に対しては引き続きアプローチしていこうと思います。


利用者さんの生活を知ると、臆さず人と関われる性分でよかった、1人で外出できる体の状態でよかったと思います。

そして、何より、利用者さんの居場所が家だけでなくてよかった!!

高齢になったり病気になったりして、1つの居場所を失っても、別の1つが救ってくれることがあります。

自分の居場所を複数もっておくこと。
その大切さを教えていただいたように思います。
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2018年12月06日

高次脳機能障害との線引き

貴ノ岩はいったい何をやってるんだ!

ST水野です。


軽度の高次脳機能障害(失語症、注意障害)の女性利用者さん。

発症から3年が経過し、失語症状(喚語困難)、注意障害(配分低下)が残っています。

病前より生活範囲が少し狭くなっているものの、おだやかな生活を送られています。


今、利用者さんのしたいことの1つがお金の管理(家計管理)。

病前は家計全体をご本人が行い、夫におこづかいとして渡していたそう。

今はそれが逆転し、買い物前など必要なときに夫から、お金をもらう形に。



訪問を開始して数カ月間、ご家族が買い物練習に同行されました。

事前に買う物リストを作り、リスト通りに買う練習です。


利用者さんは、その日の特売のものや、ハムやパスタソースなど日持ちのする食品など、予定していた以外のものを買おうとして、ご家族から注意をされていました。

また、肉なども、棚に並ぶなかから、比較的高価なものを選ぶ傾向にありました。

ご家族は「金銭感覚がゆるくなっている」と心配されました。


私もそのときは、その可能性があると思っていたのですが…、月日が流れ今になって思うのは、利用者さんの買い物の傾向や金銭感覚は病前から変わっていないだろうということ。


主婦がその日だけでなく数日先の分を想定して買うのは普通。私自身もこれを買おうとスーパーに行っても目についたものを色々と買ってしまうことがよくあります。

買ったものを無駄にしてしまわなければ、何ら問題ではないと思います。

肉については、国産のものしか買わないと決めている利用者さんのこだわりでした。


高次脳機能障害で利用者さんの金銭感覚がゆるくなったというより、利用者さんの知らなかった一面をご家族が知っただけではと思えてきました。病前は利用者さんが家事を一人で担い、ご家族が一緒に買い物に行ったことがあまりなかったのかもしれません。


性格や感覚、行動の傾向と、高次脳機能障害の線引きは本当に難しい!


病前のその方を知らないで評価すると、障害と決めつけてしまうことになりかねません。

そして、詳しく知るにはやはり時間がかかります。



病前からのものだとしても金銭感覚がゆるいとご家族に思われてしまった以上は、問題がクリアされないと家計管理を任せてもらうことは難しいでしょう。

何らかの解決策を講じなければなりません。


ご家族は「家計簿をつけてみては」と言われ、私も「今はスマホのアプリでも簡単にできるんです。家計簿でご家族の信用を得られれば、また家計管理を任せてもらえるかもしれませんよ」と伝えましたが、利用者さんは「そんな面倒なことをしてまではいいわ。家計簿は今までもやったことがないから」と断られてしまいました。


利用者さんにとっては、家計管理はそこまでしてやりたいことではないのでしょうか。

私、まだまだその方をわかっていませんね。

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2018年11月15日

介護する人へ感謝と労りを

稀勢の里、初日から4連敗、本日より休場。
…見守りたいです。
ST水野です。


利用者さんが初めてのショートステイから戻ってこられて、再開になった訪問時のこと。
利用者さん、眉間にしわをギューッと寄せて、話されました。
ショートステイ先の不満がたっぷりです。

「ナースコールを押してもなかなか来てくれへん」
「来てもゆっくり自分の話を聞いてくれへん」

「看護師さんたちかて忙しいんやから、しょうがないわ」そばで聞いていた奥様が言われました。

利用者さんが言われました。
「わかった。やっぱり家はいい。呼んだら、いつでも、何でもしてもらえる」

そりゃあ、奥様がつきっきりで介護されていますからね!私の心のなかだけのつぶやきです。


利用者さんは「いつでも何でもしてもらえる」状態が当たり前になっていました。
70代の利用者さんたちの世代は、病前から、お世話をする妻、お世話をされる夫の関係が長く続いてきていることがほとんどです。

夫が病気になったとき、それまでの関係のままで介護生活に突入すると、妻に介護してもらうことも当然になりがち。

利用者さんはショートステイ先で、自分の思い通りにいかなかった経験からようやく「いつでも何でも介護」が当然ではないことに気付いたのではないかと思います。

さしでがましいとは思いましたが、チャンスだと感じたので、少し橋渡しすることにしました。
「奥さんを労わらないといけないですね。奥さんに『ありがとう』言ってますか?」
私が言うと、利用者さんは照れくさそうな顔で言いました。
「世話になる。ありがとう」
奥様の顔を見て言わなかったのがちょっと残念でしたが…、まあよしとしましょう。

奥様は1日おきには病院に行っていたそうですが、少しゆっくりできたそうです。

もし奥様が倒れてしまうようなことになったら、利用者さんが家で生活することはできなくなります。
介護される人、介護する人、双方が安定していないと、療養生活は続きません。

もうショートステイには行きたくないというのが利用者さんの本音だと思うのですが、奥様が体と心を休めるために、定期的なショートステイは今後も必要。

長く在宅で療養生活を送るためには、介護をしてくれる人への感謝と労りは不可欠です。
そして、思っているだけではだめ、ことばで言わないと伝わりません。


どんぐりツリー.jpeg
どんぐりツリー。
前回のブログ(http://active-nopsj.sblo.jp/article/184776186.html)の利用者さんが作られたそうです。
ステキですね!
posted by Active at 11:16| Comment(0) | TrackBack(0) | ST水野(松原)の日記

2018年10月26日

多職種での関わりで学ぶこと

以前に担当していた失語症の利用者さんからのメッセージを、スタッフから受け取りました。
「どんぐり!」
伝言してくれたスタッフは、「これでわかりますか?」と不安げでしたが、大丈夫、わかります。
今年もどんぐり採集しています。
donnguri.jpeg
数種類のどんぐりをスタッフに託したいと思います。

http://active-nopsj.sblo.jp/article/181850445.html
このブログの後半に出てくる方のお話しです。
今年は何を作られるのでしょうか、報告が楽しみです。
ST水野です。


ある難病の利用者さん。
リハビリ開始時には、人工呼吸器を装着され、コミュニケーションは口型を読み取る方法と、伝の心を併用していました。

当面の意思疎通は可能と判断し、言語療法では、コミュニケーションをとりつつ、楽しみ程度の経口摂取を中心に行ってきました。

数か月後、一緒に担当している看護師さんより、指摘されました。
「通院時のコミュニケーションに困っているみたいよ」
「本人が短く言おうとせず、文で話すから、口が読み取りづらいね」
他の看護師さんからも
「停電で伝の心が使えなくなった場合に備えて、透明文字盤の練習もしておいた方がいいのではないんじゃない?」と助言いただきました。

STとの会話では、ベッドアップはしてもベッド上で大きく姿勢を変えることがなく、口型がだめでも伝の心が使える状態にあったので、意思疎通にさほど困ることはなかったのですが、看護師は更衣や通院前後の移乗など、姿勢が変わり伝の心が使えない状態が多いことがわかりました。

今まで担当してきたALSの利用者さんは、伝の心導入の前段階として、文字盤あるいは透明文字盤の練習をしてきていました。
この利用者さんの場合、介入時にすでに伝の心を使用されていたことで、その過程を飛ばしてしまう形になってしまっていたことに気が付きました。
そして、自分以外とのコミュニケーション場面を想定できていなかった!!と反省しました。

言語療法を、経口摂取とコミュニケーション練習の2本立てに変更。

ご本人には口型で伝えやすくするために、@短く簡潔に、Aゆっくりと、B結論が先、説明は後、を説明し、やりとりのなかでも注意を促しました。

透明文字盤の導入では、3タイプを試しました。
@50音順のB4サイズ
A50音順のA4サイズ
Bフリック式のB4サイズ

Bフリック式は行単位の場所を探すのに非常に時間がかかりました。
50音順の@Aタイプは、STとはどちらも使用できそうでした。
ご家族と使ってみていただいたところ、@B4とAA4を比較し、@B4の大きい方が読み取りしやすかったので、@B4を選択。
通院時の使用も想定していたので、可能であれば小さいサイズがいいと思っていましたが、使用時の確実性を優先しました。

コミュニケーションに使う時間が増えたので、今まで聞いたことがなかった病前のエピソード等を聞き、利用者さんがどんな方なのか、ようやくわかってきたように感じています。

「限られた時間のなかで、何に優先して関わるべきかの判断に迷う」
実際に多くあります。
自分の判断に頼らず、他職種の意見に耳を傾けることの大切さを感じたできごとでした。
多職種で関われるありがたさを実感したできごとでもありました。
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2018年09月28日

もし子どもの頃に戻れるなら

九月場所。
ひとまず、稀勢の里関、10勝おめでとうございます。
優勝争いでの番狂わせを、最後の最後まで期待していましたが叶わず、白鵬関のメンタルの強さにうなりました。
ST水野です。


失語症の利用者さんと作文練習をすることがあります。

用意した単語を1〜3つ決めて作っていただく場合や、文の前半部分を提示してその続きを考えてもらう場合などがあります。

「もし子どもの頃に戻れるなら」から続けて、文を作っていただいたときのこと。

ある失語症の女性は課題を見て、言われました。
「そうやなあ。うちらの子どもの頃は貧しかってなあ。子どもの頃って、そんなに楽しいことってなかったねえ」

それでも話をしているうちに、夏休みには近くの川で友だちと遊んだ、水着がなかったからシミーズで泳いでいた、おやつは山の木の実だったなどのエピソードが出てきて、それを書いてくださいました。


他の失語症男性は課題を見て、考え込んでしまいました。
少し複雑な家庭環境で育ったことを以前にちらっと聞いたことがあったので、「マズイ問題だったかなあ」と不安になりながら、利用者さんが口を開いてくださるのを待ちました。

「じぶんはな、ちいさいとき、おばあちゃんのとこにいて。あのこ、あの、あれ、おとうともいっしょに」
しばらくして利用者さんは話し始めました。

喚語困難が強く、目的のことばが出ないために「あれ」「これ」などの指示代名詞が多くなってしまう方です。
こちらから内容を細かく確認しながら、聞きすすめていきました。

年の離れた兄・姉がいたこと、長期入院していた姉がいたこと、事情があり引っ越しをくり返していたこと、母親が病に倒れたこと、家族がいっしょに暮せなかった事情が少しずつわかってきました。

「あれ、あれにはもどりたくない。こどものころはいや。じぶんは、あの、あのー、はたちくらいがいいなあ」
どうして二十歳なんですか?と気になってたずねました。
「あの、あのころはもうじぶんできめられた。じぶんでおおさかにくるってきめてきてん。はんたいされても」

子どものときは「嫌だ」「本当はこうしたい」と思っても他の選択肢がなかった、二十歳になって、家族の事情に振り回されず、自分の道を決められるようになった、二十歳になってやっと自分の人生が始まったんだと、ねばり強く時間をかけて伝えて下さいました。


結果としては、ことばがつながり、今まで聞いたことがなかったお話が聞け、利用者さんの人生に触れることができました。
ある意味、よかったと言えばよかったのですが、つらかった思い出までいっしょに引き出してしまい、利用者さんがどんなお気持ちになられただろうかと悩みました。

配慮が足りなかったと思います。

「子どもの頃はみんな楽しかったに違いない。どんな楽しかったエピソードが聞けるだろうか」としか想像できなかった、能天気な子ども時代を過ごした自分の甘さを反省です。
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2018年08月23日

少しの配慮があれば、自分で決められます

利用者さんとお買い物練習に行く、ドラッグストア。
「あい〜とが半額になっている!」
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次に行ったとき。
image.jpeg
「あい〜とコーナー1段になっている!」
お願いです、取り扱いやめないで下さい。
ST水野です。


利用者さん、ご家族のサインが必要な書類があるとき、どうしていますか?

私は失語症の利用者さんであっても、ご本人に説明をして、極力ご本人にサインをしていただくようにしています。

利用者さんはご自分の言語についての説明ですから、関心を寄せて集中して聞いて下さいます。
右手に麻痺があり、左手で書くとしても、氏名は書ける場合が多いです。


昨日も、ある失語症の利用者さんのお宅で、説明とサインをお願いしました。
奥様は慣れた様子で「サイン?しよか?」と声をかけてくださいました。

普段、介護関連の書類は奥様が説明を受けて、代筆でサインをするのが当たり前の様子です。

「まず、お父さんに説明して、サインをいただこうと思います」と私が言うと、「そうやね」と奥様はご本人の隣に腰をかけて、一緒に書類をのぞき込みました。

コミュニケーションの状況と、短期目標の到達度をお話しました。
利用者さんは「うんうん」とうなずきながら聞き、「聴いて理解する力がついてきてますね」と伝えると「いやいやいや」と苦笑いで首を振りました。
新たな短期目標を提案し、合意をいただきました。

練習のなかでも、「よくなっているところ」や「まだまだ難しいところ」の説明はその都度していますが、3ヶ月に1度のこの説明は現状をあらためて見直すいい機会でもありますね。

利用者さんに「このまま言語の練習を続けていきますか?」とたずねると、「そうやな」と答えました。
「断られたらどうしよう」ちょっとドキドキする瞬間です。

「ここにサインしてください」と利用者さんにペンを渡すと、堂々としたサインをしてくださいました。

いつも宿題の最初に日付と氏名を書いている方なので、全く問題ないんですけどね。
隣に奥様にもサインしていただきました。


失語症の練習は色々な方法を組み合わせています。
それぞれの方法でどんな目的があるのか、文字や図を使ってご本人の理解度に合わせた説明をして、できるだけ選んでもらうようにしています。
最近は、こちらが選択肢を示さなくても、自分から指をさして、「こっちをやりたい」と(ことばで言えるわけではないですが)主張されるようになってきました。

選ぶことを続けていくうち、意思の表出が鮮明になってきたように感じています。


失語症の方は理解が難しかったり、ことばが出づらかったりしますので、言語面の少しの配慮が必要です。
でも「想いはあります。自分で決められます」
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2018年08月09日

訪問の仕事の範疇

私のふるさとの市は、40℃を超えた日が4回あったそうです。
ST水野です。

訪問したとき、いつもは座って待っていて下さる利用者さんが立って何か作業をされていました。
「プリンターのインクを代えようと思ったんだけど、やり方がわからなくて。なんせ久しぶりだから」
虫眼鏡でプリンターの説明書を見ながら、30分程、格闘されていたようです。 

利用者さん、体調がすぐれない時期がありました。
その時期は日常生活を送るだけで精一杯、こちらが促しても、何かをしようとすることがありませんでした。
最近体調が安定してきて、パソコンを触るなど自ら動く機会が増えてきています。

プリンターで何を印刷するのかたずねました。
「暑中見舞いをもらっているから、残暑見舞いで返そうと思って。わざわざ手紙でって思うけど、電話で話してもなかなか通じないから」
利用者さんは構音障害があり、声も小さめで、対面していないと確かに聞き取りづらい発話です。

手伝うことを申し出ると「困ってたの。お願い」と言われました。

プリンターの操作を確認し、方法を説明しました。
手先の細かな作業が必要だったため、交換の作業自体は私がしましたが、利用者さんはそばに立って、作業を見守られました。

「ありがとう。助かった」利用者さんは深々と頭を下げられました。

いえいえ、お手伝いができて、うれしいです。
自ら行動を起こしてくださって、うれしいです。


STの免許がないとできない仕事なんて、訪問の仕事のごく一部でしかありません。
利用者さんがやりたいことの助けになるなら、どんなことでもお手伝いしたい。
それが訪問の仕事だと思います。
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2018年06月22日

うまく言えないだけ、自分で決められる

IMG_6115 (2).JPG


台北の朝は太極拳で始まります。

ST水野です。



ある難病の若い利用者さん。

移動支援サービスを利用されています。

移動支援サービスとは、いわゆるガイドヘルパーさんが外出を支援してくれるサービスです。


ガイドヘルパーさんと出かけると、いつも気になることがあると話して下さいました。


窓口などで手続きや問い合わせをするときのこと。

「わたしが聞いているのに、相手(窓口の人)はガイドさんを見て、ガイドさんに返事する。いつもなんで?と思う」


利用者さんは運動に問題はあります。

移動支援を受けているのは、安全に一人で歩くことができず、介助が必要だからです。


ことばについていえば、構音障害のため発音がはっきりしません。

静かな環境で慣れた相手となら、意思疎通に問題はありません。

相手とは初対面、しかも周りがにぎやかな環境となると、伝わらない場合が多くなるでしょう。


ただ言語機能、知的機能に問題はありません。

医療や介護に関わるあらゆる手続きを自分でされています。


「わたしのことばがわかりづらいから、何もわからない人だと思われるんかな?」

でも、○○さんが直接聞いているんですよね?

「うん。絶対、自分で聞くようにしてる」



別のある失語症の利用者さん。

要介護度の変更に伴い、サービスを変更することになったと担当ケアマネージャーから当事業所に連絡がありました。


訪問日、利用者さんに確認すると「そんなこと聞いてない!」と怒った顔で言われました。

その場で、利用者さんからケアマネージャーに連絡をして頂きました。

運よく、電話がつながりました。


「なんで、わたしに言えへんの。息子と話したって言うけど、わたしは聞いてない」

想いを伝えました。


利用者さんはケアマネージャーの説明で納得された様子でした。


電話を切って、言われました。

「わたしが受ける人やのに、わたしに言えへんなんて、馬鹿にされてる気がするわ」


こんな風に伝えられる方です。

それでも、ご本人の希望が直接、聞かれることはなかったのです。



意思疎通が難しい方とのやりとりは敬遠される傾向にあります。

単にやりとりが難しいからなのか、ことばが不自由=判断力がないと誤解されてしまうからなのか、あるいはその両方なのかもしれません。



1人目の構音障害の利用者さんへの助言。

「窓口で『わたしに話して下さい』と言うようにしたらどうですか?

ガイドさんにも『代わりに答えないで』と言っておいた方がいいですよ」

利用者さん「やってみる!」


2人目の失語症の利用者さんのケアマネージャーには再度、利用者さんとのコミュニケーション方法を伝えました。



誤解が起きる一番の原因は、構音障害や失語症など言語障害の理解が十分でないことだと思います。

「言語障害でうまく言えないだけ。想いはあります。自分で決められます」

もっともっと啓発していかなければと感じたお話でした。

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2018年06月07日

「伝わりやすさ」と「しゃべりやすさ」

台湾に行ってきました。
嚥下しやすい、とろっとしたお粥。
だしがしっかりきいていて、おいしかったです。
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ST水野です。


訪問を開始し数カ月になる、とある難病の利用者さん。
失調性構音障害があります。

利用者さんの話し方の特徴は、声の大きさは十分ですが、大きさが変動し、声がゆれることがあります。

また伸ばす音と短い音を出しわけることが難しいことがあります。
「きてくれた(来てくれた)?」→「きーてくれた(聞いてくれた)?」

発音するときに、音が不規則に歪んだり、他の音に置き換わったりすることもあります。
いつも決まった誤り方をしないのが特徴的です。


「伝わりやすさ」は環境の影響を受けます。
利用者さんと近い距離で対面していれば、話される内容は聞き取れます。
ただ、最近、お宅の周りで工事をしているので、部屋の中まで工事の騒音が聞こえてくると、聞き返しが必要な場合がまれにあります。

ことばについてご本人に聞くと「のろいからなあ」と言われていました。
確かに、発話速度はゆっくりで、自然な速度とは言えません。

利用者さんには、「もっと早く話したい、もどかしい」思いがあるようですが、早く話せば伝わりにくい。
速度はこのままで、伝わりやすい話し方の工夫をしていった方がいいのではと提案すると、受け入れて下さいました。

声を安定させる(声の大きさやゆれを防ぐ)練習。
舌先の細かな動き、舌のゆっくりとした動きの(うまく発音する)練習。
文節ごとで区切る話し方の工夫の練習。
お話の実践練習。

話す能力そのものを改善させる練習と、それを補うための代償的な練習を組み合わせました。
ここに嚥下練習(食事の評価や指導・内服方法の確認等)も加わります。


「最近な、ちょっとしゃべりやすくなったって思ってんねん」利用者さんが言われました。

少しずつ声量コントロールはうまくなってきています。
姿勢が安定すると、舌の使い方がよくなることもわかってきました。
が、STとしては、構音障害の重症度を表す、発話明瞭度・自然度の評価が上がるほどの明らかな変化は感じていません。


利用者さんのことばで気づいたこと。
「伝わりやすさ」に大きな変化はなくても「しゃべりやすさ」は変化することがあるということ。

「伝わりやすさ」は客観的評価、「しゃべりやすさ」は主観的評価と言い換えることができます。

以前は「しゃべりやすさ」は「伝わりやすさに合わせ自動的に上がってくる」イメージでした。
実際の利用者さんでは、STの「客観的評価」がよくなっていても、本人の「主観的評価」が上がらない方がむしろ多い。

「伝わりやすさ」と「しゃべりやすさ」は個々に変化する、別のものですね。
双方を常に意識しておかないといけないなと思いました。

「どのようにしゃべりやすくなりましたか?」とたずねると「そこまではわからへん」と利用者さん。
主観的な評価の変化を今後も聞き取っていきたいと思います。
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2018年04月26日

感覚性失語症者への満点対応

もう1ヶ月ほど前になってしまいましたが
大相撲大阪場所千秋楽。
横綱鶴竜の表彰式を見てきました。

君が代や表彰状授与の曲。
客席の一角から
自衛隊の楽団の生演奏って
知っていましたか?
image.jpeg
ST水野です。


http://active-nopsj.sblo.jp/article/166818143.html
2015年10月31日に
「大きな1ステップ 感覚性失語症者の気づき」
で書いた方です。

感覚性失語症の方にとって、
病識をもつ
=「自分のことばがおかしいと気づく」
大きな意味があります。

その気づきがあるからこそ
自分のことばの誤りを認識し
修正を試みるようになるからです。

ただ、周りの人は
「あなたが言っていることはわからない」と
直接指摘はしづらいです。

という内容でした。


先日、奥様が言われました。
「近頃、お父さんは
自分がうまく言えていないことを
きちんとわかっているね」

「ごめん、わからへん」と
奥様が利用者さん本人に伝えると
ご本人は明るく笑って、言い直したり、
「そうか」と受け入れたりする。
数年前は、不機嫌になったり、
すねたりすることもあったそうです。

発話が聞き取れないとき、奥様は
「こういう話をしているんやろ?
でもな、お父さんが言うてることは
そう聞こえへんで」
と時々返すようにしているそうです。

100点満点の返し方です!
「言いたい事はわかるよ。
でも、話はまだうまくできていないよ」
といったん受け止めて、自覚をうながす。
これ以上の方法はないように思います。


以前は、利用者さんが
ご自分から長く話されると、
全く聞き取れない場合が多くありました。
最近は長い発話に
単語から句レベルで聞き取れる部分が
複数混じるようになってきました。

私が感じていることを奥様に伝えると
「私もそう思っててん!」と、
奥様も変化に気付いていました。


奥様の対応方法が勉強になります。
ご本人の発話が
一部しか聞き取れない場合。

「それは誰の話?」
「男?女?」
「○○さん?」
「○○さんがどうしたん?」

「デイサービスの話やろ?
明日は水曜日やから、レクは○○やな。
そのこと?」

「はいーいいえ」で答えられる質問で
ご本人の反応を見つつ
場面からの推測を入れて
非常に上手にご本人の言いたいことを
絞り込んでいかれます。

奥様のコミュニケーション能力が
ものすごく高いのです!


練習はというと、変わらず、
聴く⇔話すを続けています。

「待ってたわ」
「はよやろか」
「帰ってきたな」
状況に合った明瞭な発語が増えてきています。
はっきりしすぎて、
ドキッとすることがありますよねと
奥様と笑っています。

奥様は「先生のおかげでよくなった」
と言って下さいますが
そうではありません。
奥様の対応が利用者さんを変えたんですよ、
そう強くお伝えしています。
タグ:感覚性失語
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2018年03月22日

おうち女子会

大相撲春場所も終盤に入りました。
横綱鶴竜が安定していますね。
千秋楽の観戦まで、
優勝が決まらないでほしいのですが、
残り4日間どうなるでしょうか。
ST水野です。


担当している、ある難病の女性利用者さん。

病気の進行にともない、
外出の機会がめっきり減りました。
今はデイサービスと通院以外の外出は
ほぼされていません。

以前にお勤めされていた会社の同僚とは、
ときどきメールされているご様子。
その元同僚にランチに誘われましたが、
利用者さんは外出に不安があって、
断ってしまったそうです。

すると、
同僚の方が「来られないなら行くよ」
と言ってくれた。
他のお仲間も誘い、お宅へ来て下さった。

利用者さんのご家族も含めて、
にぎやかに過ごされたようです。

「4人も来てくれてね」
「お昼から夕方までにぎやかで、
 笑いっぱなしだった」

様子をうかがった私が
「おうち女子会ですね」と言うと
「女子会か、いいね!」と笑っておられました。

利用者さんは「外出したい」より
「同僚に会いたい」気持ちの方が
大きかったのだと思います。

「外出したい」の先に、
「したいこと」があったり、
「会いたい人」がいたりするのなら、
外出せずともその思いを叶えるのも方法ですね。

活動参加は
「物理的な外出を前提としなくてよい」。
視点を変える機会をいただきました。


考えてみると、
今はどこにいてもインターネットを介し、
世界とつながれる時代です。

目しか動かせないような重度の方でも、
視線でパソコン等の機器操作し、
他者と関わることができます。

そういった環境を
利用者さんに提案・調整することも、
活動参加を支援するセラピストの
役割の一つだと思います。 
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2018年02月08日

栄養と嚥下のトピックス

3月の大相撲大阪場所
千秋楽のチケットがとれました。
別日に当日券も狙おうかと
思っています。
早朝から並ぶらしいですけどね。
ST水野です。


各職種が持ち回りで担当する
松原事業所の勉強会。
毎年、この時期にSTの順番が
回ってきます。

今年は、1回は「嚥下食の試食」と
山川STが早くから決めていました。
レシピを見ながら
「鮭って、どんな鮭でもいいですか?」
「ここで言うだしって、
 何のことですかね?」

…うん、一緒にスーパー行こうか。

近所のスーパーで色々確認しました。

昨年末に
オーディナリーのキッチンをお借りし
嚥下食を作る練習をしました。

何でもそうですが
見るとやるとでは大違い。
いろいろ勉強になりました。

「STにはある程度の
料理の知識と経験が必要です!」
これ、毎年言っている気がします。


勉強会のもう1回の内容は
「栄養と嚥下のトピックス」
としました。

ある一定の年齢を超えると
メタボより低栄養が問題になる。

炭水化物が中心で
たんぱく質が不足しがちな
高齢者の栄養状態の傾向。

25〜30gという1食に必要な
たんぱく質を摂るためには
何の素材が何g必要か。
(ちなみに納豆なら4パック
 鶏のささみなら4本程度です)
 
なぜ、高齢者が食べられないか。
食べにくくなる・消化が悪くなる等の
直接的な理由と
食事作りが下手になるという
間接的な理由がある。
たくさん買えない。
遠くまで買いに行けない。
調理が単調になりがち。
片づけが面倒。
間接的な理由を解決できる方法を
提案する必要があること。

効率よく栄養を摂取するために
エンシュアリキッド等の
栄養補助食品を追加する方法。
日清MCTオイル等の
栄養調整食を加える方法がある。
MCTオイルやパウダーは
食べる量を増やさず、
食形態を損なわない利点があること。

宅配弁当(配食サービス)の市場が拡大。
弁当は含まれる水分が少ないので
食事にコップ1杯の水分を足す必要がある。

弁当に限らず、常温の食べ物は
嚥下反射が起こりにくいので
温めた方がおいしいものは温める
冷やした方がおいしいものは冷やす。
難しい場合には、
温めるべきものにはカプサイシン。
冷やすべきものにはミント。
風味を加えると
温度受容体が活性化する。

京都の酒蔵が
嚥下酒の試作品を完成させたこと。
図1.png
画像は産経新聞の記事より
お借りしました。

そのようなお話をしました。

「嚥下食の宅配弁当を常温で食べる」
「カプサイシン・ミントを加える」
今度、STの勉強会で試してみたいですね。
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