2022年08月11日

久しぶりのレクリエーション@白鳳短大実習生奮闘記

どうも。
泉北のむろのぞのです。

この度、泉北事業所では8/1より白鳳短期大学から実習生が来てくれています。

今回の学生が実施している実習内容は特定の利用者様を担当するといったものではなく、当事業所の運営や多職種連携がどのようになされているのか等、貴校独自のものとなっています。

そのため『今回の実習ではコレを学ぶ!』というわかりやすい課題が見えにくかったため、ちょうどこの時期に相応しい熱中症に関するレクリエーションを実施してもらうことにしました。

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またデイ利用中にレクリエーションを実施することに加えて、お土産用の資料も作成していただきました。

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日に日にレクリエーション内容も進化していき、学生からも「初めはバクバクに緊張してましたが、段々楽しくなってきました」との発言も聞くことができました。

こういった実習の形もアリなのかなと感じる一場面でした。
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2022年07月13日

読書感想ブログその14〜介護に必要な医療と薬の全知識〜

どうも。
泉北のむろのぞのです。

読書感想ブログ、毎月投稿を目標にしていましたが(勝手に自分で決めていただけですが…)久々の投稿になってしまいました。

今後も情報発信、備忘録のためできるだけ細く長く継続していきたいなと思っています。

今回の本はコレ。

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完全図解 介護に必要な医療と薬の全知識



医療の「正しい使い方」がわかる新しい高齢者ケアの教科書のような本でした。

高齢者の方と関わる介護者が抱える悩み・迷い・戸惑いに関して、イラストと図解でとてもわかりやすく解説してくれています。

要介護となった高齢者の心身の特徴、健康を保つためにどう生活をつくるか。

またよくある持病と薬の基礎知識、そして穏やかな最後を迎える方法まで網羅できる内容になっています。

本のタイトルにもなっている通り、介護者に必要な「高齢者医療の知識」が丸ごとわかる本です。

今回は本書のなかにある『薬物療法と減薬』についてピックアップしてみたいと思います。





●薬物有害事象と副作用の違い

薬物有害事象:薬の使用者に発生した好ましくないことの総称
副作用:本来の目的とは異なる望まれない作用

なぜ高齢者になると薬物有害事象が多くなるのか。

@医療の専門分化
高齢になると内科だけでも消化器、循環器、神経…と複数の病院を受診されることは少なくありません。

A患者さんの専門医志向
これは患者さん自身が「大きな病院で診てもらった方が安心」といった気持ちの部分が強いと書かれていました。

Bガイドライン医療
近年は医療訴訟が増えているため、各専門学会が独自に診療ガイドラインを作成するようになっています。
そのため医師は訴訟回避のためガイドラインに沿って薬を処方するなどの対応をとるようになります。
その結果、皮肉にもきちんと病院に通う人ほど薬の量は増えていくという流れになることが少なくありません。

著者の長尾先生のような町医者では7種類以上の薬を処方すると診療報酬が減るペナルティがあるそうですが、大病院ではそれがありません。
そのため長尾先生は以下に挙げる『薬のやめ方7原則』というものを提唱し、できる限り薬の量を減らしていく運動をしておられます。





●6種類以上投与されている後期高齢者はこれ以上増やさない

長尾流『薬のやめ方7原則』

@自分勝手にやめない
A納得するまで医師と相談
B具合が悪ければ申し出る
Cかかりつけ医に一元化
D6種類以上の多剤から脱却
E急激にではなく徐々に減らす
F不都合があれば元に戻す

各項目を見るだけでもある程度意味は理解できるかと思います。

もし詳細を知りたいという方は本書を読んでみてください!





●日本老年医学会が注意喚起している薬

『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015』

上記ガイドラインに記されてある薬は75歳以上を対象に、できれば使用を控えたいものを掲載しています。
理由としてはこれらの薬が後期高齢者の方に副作用を起こしやすいためであると書かれていました。

ここではガイドラインの内容は割愛しますが興味のある方は是非上記サイトをチェックしてもらえたらと思います。





●降圧剤は一生飲み続けなければいけない?

一昔前は血圧は低ければ低いほど良いとされる時代がありました。
確かに合併症や既往症がある方は当面服用を続ける必要があります。

ですがその降圧剤が逆に大きなトラブルを引き起こすケースも決して少なくありません。
著者の長尾先生は以下に挙げる項目に該当する方は降圧剤のやめどきを考えないといけないと話しています。

@90歳以上で収縮期(上の血圧)120未満
A75歳以上で糖尿病あり、収縮期120未満
Bときどき収縮期が100をきるとき
C排尿後や食後に低血糖になり、ふらついて転ぶとき
D抗認知症薬と併用して低血糖でふらつくとき
E浮腫や徐脈などの副作用が目立つとき
F食事量が減り、嚥下困難になったとき





今回は一部の薬物療法と減薬について紹介しました。
本書はこの他にもまだまだたくさんの介護に必要な医療知識が盛り込まれています。
興味がある方は一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2022年06月14日

事例相談会

どうも。
泉北のむろのぞのです。

今年の4月に入職し、泉北事業所へ配属となった溝端PT、二反地PTも早いもので約2カ月が経ちました。

送迎や書類業務、リハビリ業務にも少しずつ慣れてきたこともあり、ここらでちょっとずつ利用者さんのリハビリテーションについてじっくり考えていく時間をとることにしました。

よく"症例発表"という言葉を耳にすると思いますが、今回はあえて事例『相談』会と題して行うことにしました。

また事前準備(資料作成)は特に設けず、相談する利用者さんのカルテ情報のみで進めていくことを意識しました。

なぜいちいち言葉ややり方にこだわったのか。
理由はいくつかありますが一部分として・・・
(※以下はあくまで「私がそう思う」という一意見として捉えていただけるとありがたいです)

●『発表』だと事前資料作成に時間が追われるため、手段(資料作成)が目的化してしまう可能性がある。

●『症例』だと病気や症状(マイナス面)ばかりに意識が向いてしまう傾向にある。

●『相談会』にすること、事前資料を作成しないことで、会に参加することへの心理的ハードルを下げることができる(「わからないことはとりあえず相談会で聞いてみよー」という流れができれば理想的だと考えています)。

●事前資料ではなくカルテ情報から考えていくことで、カルテ内にある各書類(ケアプラン、LIFE、計画書、報告書等)それぞれがもつ意味を理解でき、今後の実務の質を上げることができる。

ザッとこんなところでしょうか。
ただし、必ずしも良い面ばかりではないと思いますので、今後もトライ&エラーを繰り返しながら修正していけたらと思っております。

他事業所で「こんなやり方をしたらうまくいきました!」といったものがあれば是非教えてください!

具体的にはホワイトボード(以下の写真3枚)にICFの項目ごとに参加者全員で話をしながら情報を埋めていき、気になった部分をマーカーで印をしていきました。

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こうやって視える化すると『参加』が制約されていたり、『環境』や『個人因子』を活かした関わりがまだうまく見いだせていないことがわかりました。

また、『心身機能』においては『活動』状況とリンクさせることで新たに評価すべき項目が浮き彫りになっていくことがわかりました。

今回相談してくれた二反地PTからは「頭の中がだいぶ整理できました」という発言がみられました。

しばらくはこうした進め方でどこまで思考の整理ができるかトライしていきたいと思います。

そして次は現在提供しているリハビリプログラム一つ一つの意味(なぜその訓練をしているのか?)について考えていけたらと思います。


長々と書きましたが以上で終わりたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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2022年01月24日

読書感想ブログその13〜ニュータイプの時代〜

どうも。
泉北のむろのぞのです。

今回の本はコレ。

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ニュータイプの時代ー新時代を生き抜く24の思考・行動様式


https://onl.la/B1npLmD

著者の山口周さんは動画などで目にしたことはありましたが本を読んだことはありませんでした。
本中にも書いてありますが、『「正解を出す力」にもはや価値はない』というキラーワードに無意識につい体が反応してしまいました。

この本はこれまで常識とされていた考えの人を「オールドタイプ」と呼び、これからの時代に必要な考えをもつ人を「ニュータイプ」と呼んでいます。
ニュータイプの人間がオールドタイプとどう違うのか、といった細かい部分まで知りたい方はぜひ本書を読まれることをお勧めします。
ここではニュータイプの考えを中心に書いていきたいと思います。

またこの本に書かれてある内容を振り返っていると、先日開催された『アイデア会議』で日野上さんが話されている内容とも共通する部分が多々ありました。


ニューイヤーということで新年最初にふさわしいテーマになる本になればと思い感想を書いてみようと思います。
お時間許す方はどうぞ読んでいってください。



●第2章 ニュータイプの価値創造【問題解決から課題設定へ】
・問題発見
1、問題を解くより「発見」して提案する
問題は少なく、解決能力が過剰な時代
「問題が希少」で「解決能力が過剰」
「問題を見出し、他者に提起する人」




解決するための方法はインターネット(スマホ、PC)を通じてほぼ無限にある時代になりました。
そうなったいま「いかに早く問題を解決するか」といったスピードには価値が無くなってきつつある。
それよりも「どこに問題が落ちているのか」「何を問題と捉えるか」を発見し、考えられるかが求められる能力になってきているのでしょうか。




●第4章 ニュータイプの思考法【論理偏重から論理+直感の最適ミックスへ】
・野生の思考
9、「偶然性」を戦略的に取り入れる
「短期的な非効率」が「中長期的な高効率」につながる
「中長期の生産性向上」と「短期の生産性向上」がトレードオフの関係になっている
イノベーションに求められる「野生の思考」
「何の役に立つのかよくわからないけど、なんかある気がする」というニュータイプの直感(ブリコラージュ)
「後で何かの役に立つかもしれない」という予測の能力がコミュニティの存続に非常に重要な影響を与える
近代思想の産物と典型的に考えられているイノベーションにおいても、ブリコラージュの考え方が有効である




偶然性を戦略的に取り入れることは運営、利益を考える側からするととても勇気のいることだと思います。
経営側の視点に立った場合、スタッフの偶然性(野生の思考)をどれだけ信じられるかが重要になってくる気がします。
また現場スタッフ(私たち)としては「きっとこれは何かの役に立つに違いない!」という強い信念(熱意・心意気?)をどれだけマネジャーに伝えていくことができるかが大切になるのではないかと感じました。




●第6章 ニュータイプのキャリア戦略【予定調和から偶有性へ】

・人生の豊かさは「逃げる」ことの巧拙に左右される
「痛み」はなぜあるのか?
「今、ここに」において自分の身体がどのように反応しているかを敏感に感じとる力の方がはるかに重要

・生存戦略上、「逃走」は最も有効な戦略
危機に直面した生物は「戦う」か「逃げる」かのどちらかを選択
人間は「じっと耐える」「なんとか頑張る」という選択をする
こうした選択を生物がとらないのは、この選択をとった生物は絶滅してしまったということ
つまり個体の生存という観点からは非常に不利な「悪いオプション」だということ

この不安を払拭するために「逃げる」ことを戒める
逃げる人が出てくると他の人の負担が増える
なぜ私たちは「逃げる」ことをネガティブに考えてしまうのか
「逃げない」という社会規範にシステムを効率的に機能させる合理性があったから

・行き先が決まっていなくても「逃げる」ことの大切さ
「どうもやばそうだ」と思ったらさっさと逃げる
重要になってくるのが「危ないと感じるアンテナの感度」「逃げる決断をするための勇気」
「勇気がある」からこそ逃げられる




個人的にこの章の内容が一番刺さりました。
私は何かから逃げたがっているんでしょうか。。。(脱線しそうなので自分の話は置いといて)
この「逃げる」という表現は色んな意味を含むのではないかと思います。

たとえば「これまでずっとこのやり方でやってきたんだから、時間がかかってもこれからもこのやり方でいく!」という考え。

また「自分はこの仕事は苦手だからほかの人に代わってほしい。本当はこの仕事の方が得意だからこの仕事をしたい!でも自分だけわがまま言ってしまったら周りの人に迷惑がかかるから我慢しよう」といった考え。

今回のアイデア会議とリンクする部分でいうと「こんなこと今までやったことないしどうせ無理やろう」「どうせこんな無茶なことを言ってもみんなから笑われるだけやから言わんとこう」といった考えなどでしょうか。

これらの考えに共通するのは「予定調和から逃げようとしない」という部分でしょうか。
その場から動かずじっと綿密に計画を立ててから動くのではなく、とりあえずやってダメだったらその時考える、くらいの身軽さがこれからの人材に求められるのかもしれないなと感じました。

以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2021年12月01日

読書感想ブログその12〜認知症の人のイライラが消える接し方〜

どうも。

泉北のむろのぞのです。


今回の本はこれ。


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認知症の人のイライラが消える接し方


著者は広島県で介護の仕事をされている植賀寿夫さんという方です。

以前までグループホームみのりという施設の施設長をされていましたが、つい最近起業をされたそうです。


施設長をされていた時も現場で介護をしながら、他施設で職員研修や地域の老人会や学校などで認知症の講座を開催するなど、老人介護業界ではかなりやり手の方です。


この本は植さんが認知症の方々に散々振り回され続けても、認知症という病気ではなく、一人の人間として認知症の方と関わり続けてきたからこそ見出してきた知恵の結晶のようなものだと思います。


本にはとても簡単に「こうすればうまくいきました」といったことが書かれてありますが、とてもじゃないけどそう簡単に実行できるものばかりではありません。


植さんがされてきた認知症ケアを実践するにはそれなりの勇気と覚悟がいるような気がします。

そして一人だけではなく、チーム全体で「この方にどうにか穏やかに過ごしてもらいたい」「この方がどう思っているのか、何をしたいと考えているのか知りたい」という思いが共有されていることが大切になると感じました。


そんな植さんの思いが詰まった本書を少しですが紹介させていただければと思います。





●「すれ違い」をなくして人間関係を整える

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・嚙み合わないのは「世界が2つある」から

「世界が2つあると考えよう」

「この人は自分とは異なる事実を見ているんだ」と割り切ってみます

その事実へと寄せていく

その人の世界と事実に僕らがお邪魔させてもらう



認知症の方の世界にこっちが『合わせる』という表現ではなく、お邪魔させてもらう、という言葉を使っていることがとても印象に残りました。
『合わせる』という言葉を使うことで、こちらが相手をコントロールしようとする主従関係が無意識に成立してしまう気がするなと感じました。



・対立を防ぐ方法@話の腰を折らない

僕はまず会話の言葉数を減らします

そして「はぁはぁ」「うんうん」「そうそう」とそれだけを使って相槌を打ちます

わからなくても決して聞き返しません


相手が話し終えたら「何か僕にできることありますか?」


「じゃあ何かあったら言ってくださいね」


この第3者は「目の前のお年寄りにとって頼れる人」がいいんです


・対立を防ぐ方法Aお年寄りに同調する

「僕も仕事に行かないといけないんで探しているんですよ。一緒に探しましょう」

「同じ立場の人」を装うこと

それが「同調する」ということ


・対立を防ぐ方法Bその人の「ルール」を探る

ここでいいう「ルール」とはその人の世界観、価値観、考え方、習慣、好みなどをすべてひっくるめたパターンと言い換えてもいいでしょう




「認知症の方の言ってることはわからないから話しを聞いていても仕方がない」
結果的にこういった対応をとることが認知症の方の不安を助長させ、より興奮し、怒りの感情を誘発させることになると感じる。
認知症の方がこうして訴えかけたり、話しかけてこられるときは、頼りにしたい人を探していると思います。
こうした訴えがみられたときは安心できる人を探していることの表れであると認識する必要があると思いました。



●お年寄りに納得してもらえる「約束」のケア

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・納得してもらうために大切な3つのこと

選択できる環境をつくる

本人の意思で選んでもらう

周囲の人が確認して見届ける



認知症の方だからこそ特別な関わりをすることもあるが、認知症の方であろうが当たり前の関わりをする必要があるということを理解しておくことが必要。
そのためには「この人は認知症だから何を言っても意味がない」といった間違った先入観を取り払う必要があると思われます。






●認知症を越えて穏やかな「旅立ち」へ

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「頼れる人」を探している

何か不安がある

だから「病院」と言いながら本当は「人」を求めている



認知症の方は自分の思いを正確に言葉で伝えることが難しい。
だからこそその方の表情や仕草、普段の様子、声の調子、動作等々…
あらゆる非言語の情報を日々観察しておくことが重要なんだと感じました。



以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年11月01日

読書感想ブログその11〜ボクはやっと認知症のことがわかった〜

どうも。

泉北のむろのぞのです。


今月の本はこれ。


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ボクはやっと認知症のことがわかった

〜自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言〜


リハビリ、介護分野にいる方で著者の名前はご存知ない方もいるかもしれませんが、『長谷川式簡易知能評価スケール(通称:長谷川式)』という名前は聞いたことがあるかもしれません。


この方はその評価法を作られた精神科医のお医者さんです。

長谷川先生は本の副題にも書いてありますが、自らも認知症になられ、本書はそんな状態のなかで執筆されたものです。


認知症について長年研究を重ねてこられた専門医が、自ら認知症になったことでわかった認知症の方(当事者)の思いや視点を是非感じ取ってみてほしいと思います。





●認知症とは何か

・認知症の定義

特徴として脳の器質的な障害があり、認知機能が低下していること

「器質的な障害」とは脳の神経細胞と神経細胞同士のつながりが働かなくなってしまうことをさす


意識障害がないことも特徴

話しかけても返事がなかったり、意識が混濁していたりするような場合とは区別されるということ

「せん妄」と呼ばれる意識障害があると、物忘れなど認知症と似た症状を起こすことがある

脱水症や感染症、薬の過剰投与などによっても、意識障害は起こりやすいので注意が必要

付随して起こる怒りや暴言、暴力、疑いなどの感情や行動は「BPSD」(認知症の行動心理症状)と呼ばれる


・暮らしの障害

認知症の本質は「暮らしの障害」「生活障害」

「じつは自分は認知症なんですよ」といえる社会であることが大事

暮らしとは周囲の人との関わりによっておおいに変わってくるもの

生活をともにするときの知識や技術を周囲の人が知っておいてくれたら、認知症の人にとっての生きやすさはかなり違ってくる



いまの風潮は認知症の方(病気)にフォーカスがあたっている気がします。

つまり、病気の進行をどうすれば遅らせられるのか。

どうすれば治ることができるのか、といった“認知症にならないための方法論”が多いように感じます。

もちろん医療の発展のため、より幸福な人生を送るためには治らない病気が治るようになる時代がくることの方が良いのは当然です。

ただ“どうすれば認知症の方とともに生活していくことができるか。そのために周りの人たちはどういった工夫や配慮をしていくか”

をみんなで考えていける社会になった方がより安心した世の中になるんじゃないかと感じました。

「認知症にはなりたくない。でももしなったとしてもこの環境なら大丈夫」。

そう思える社会になればいいなと思います。





●認知症になってわかったこと

・固定したものではない

認知症は「連続している」ということ

認知症になったからといって突然人が変わるわけではない

昨日まで生きてきた続きの自分がそこにいる

認知症は「固定されたものではなく」変動するもの

いったんなってしまったら終わりではない

「何もわからなくなってしまった人間」として、一括りにしないでいただきたい


・置いてけぼりにしないで

話していることは認知症の人にも聞こえている

嫌な思いや感情は深く残る

認知症の人が何も言わないのは必ずしもわかっていないからではない


何かを決めるときに、ボクたち抜きに物事をきめないでほしい


・役割を奪わない

認知症の人をただ「支えられる人」にして、すべての役割を奪わないということも心がけていただきたい

台所仕事が得意なら台所仕事の役割、大工仕事が得意なら大工仕事の役割

その人の得意分野だと頼みやすいし、引き受けてもらいやすいと思います

あとは繰り返しますが褒めることを忘れないでほしい




認知症の方の意思決定を確認する際、本人抜きで話し合いが進んでしまうことは往々にしてあると肌感覚で感じています。

実際時間をかけて関わらせてもらってもなかなか意思確認がとれない場合もあると思います。

ただそこで簡単にあきらめず当事者の方が発する言葉や行動を頼りに、

その方の伝えたい思いは何なのかを想像し、創造することが私たち介護・医療の専門職に求められる部分なのではないかと思います。


認知症が進んでいくとあらゆる日常生活活動が困難になっていきます。

そのためご自宅ではこれまで行っていた様々な役割を喪失してしまいます。

私たちはそんななかでもいまでもできる部分はないかを探し続ける努力が必要だと思っています。

そのためその方の問題行動(BPSDといった認知症の行動心理症状)ばかりに意識が向いていれば良い部分は決して見えてこないと思います。

問題行動のなかから「これだけ動けるってことは体力が相当ある方なのかな」「帰宅願望が強いのはそれだけ家での役割がきちんとあった方なのかな」

といった『マイナスをプラス』に変換する思考が必要です。


偉そうに語っていますが私も認知症ケアを語れるほど立派な人間ではありません。

だからこそこのブログを読んでいただけた皆さんとともに学び、深め合っていきたいと思っています。


以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年10月13日

読書感想ブログその10〜読書は1冊のノートにまとめなさい〜

どうも。
泉北のむろのぞのです。

今月の本はこれ。

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読書は1冊のノートにまとめなさい
100円ノートで確実に頭に落とすインストール・リーディング



●「読みっぱなしは読んでないのと一緒

頭に残らない読書ではダメ


読書ノートは敷居が高め(と感じてしまう…)

読書ノートを作ろうにもそもそも実用的なマニュアルがない

本書は極めてアナログの読書術

知的生産の技術は自分にとって「使いこなせる方法」でなければ続かない




本の冒頭、著者の奥野さんはそう話しています。

私はまだまだうまくできていませんが、本を読み終えたら必ず読書ノートに感想や大切だと感じたポイントを書き残すようにしています。


今年から毎月アップを目標に実施しているこの読書感想ブログもその延長線上の作業です。


なぜそんな面倒くさいことをするのか。


やはり奥野さんがおっしゃっているように私も「読みっぱなしは読んでないのと一緒」と感じてしまっているからだと思います。


リハビリや介護の専門書を読んでいるときも「ふんふん。なるほど」とわかったような『気』になっていることが多く、実際の現場で全く活かせていないことが何度もありました。


読書ノートや読書感想ブログのような取り組みをして以降、読み終えた本にどんなことが書いてあったかが、ササッと読み返すだけですぐに思い出せるようになりました。


また、本で学んだことを少しずつですが実生活(仕事など)に落とし込めるようにもなりました。


本書はまだまだ読書ノート初心者の私でもわかりやすいと感じた一冊となっています。

とてもあっさりした内容なのですぐ読み終えると思います。





●読書ノートは「ひと言」でいい

「自分にとって」重要な内容(本の引用)

そこで発生した「自分の考え」(本の感想)


・なぜ読書ノートでインストールできるのか

作者の文章を写すと自分の考えもよくわきだすような感覚を覚える

要は読書を自分にとっての「重要箇所を抽出する作業」にしてしまう


・ねぎま式読書ノートの作り方

ペンでチェックしておいた箇所のうち、もう一度読んでも「おぉ」と思うところを抜き書きし、コメントをつけておく

→「ねぎま式読書ノート」


引用するときは自分の言葉、著者の言葉の区別は明確にしておく

「ねぎま式読書ノート」は脈略なくポンポン飛ぶ人間の思考に合わせた方法

感想は「すごい!」「えー!」とかでもいい


・抜き書きで進む咀嚼

抜き書きは手間がかかる。ただその効果として記憶への定着を助けてくれる


要約じゃダメ?→要約は難しく、抜き書きよりずっと頭を使うのでやめておいたほうがいい


・象徴的一文を探す

抜き書きする所は「なるほど」ではなく、「言われてみればそうだ」という箇所にすべき

読んでいて「そうそう」「わかるわかる」というのは気持ちいいけど新しい発見にはならない

自分の考えが覆された、認識が揺さぶられた箇所がもっとも抜き書きのしがいのあるところ


・本からオリジナルの思考を得る

いまの自分の言葉を書いておくことが大事

なぜその分を抜き書きしたのか

著者と自分の言葉を並列に並べることでギャップを感じることが大事

考えを再現可能な形にして保存しておく

感想を書くことは本を触媒に自分の考えを作り出すための装置


・読書ノートが自分を作る

重要なのは本自体より「読書体験」




読書ノートは「一言」でいい、という内容には大変救われました。

本書にもあるようにこれまでの私は『要約』をしようとし過ぎていたためになかなか進まない状況が続いていました。

確かに抜き書きはとても手間で時間がかかります。

ただ、面白いと感じた本文をそのまま抜き書きし、そのあとに自分の感想を書くことで頭の中が整理されるので個人的には合っている方法だと感じました。


そして感想を書く際、そのときの感情も合わせて書くことでより記憶の定着にも役立ってくれます。

次の項目では読書ノート作成をより効率的に遂行するためのお助けアイテム的な内容紹介になっています。





●インストール「グッズ」

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1、携帯に便利なテープ糊

コクヨの『ドットライナー』


図や写真などは書き残すよりもコピーして貼り付ける方がはるかに楽!

以前までは○イソ―などの100均のものを使用していましたが、コクヨのテープ糊にしてからとっても貼り付け作業のストレスが減りました


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2、本を開けた状態で固定する道具

プラムネットの『ブッククリップ』


本が閉じないよう手でおさえておくのって意外とシンドイんですよね。。。

これを使いだしてからは片手だけ(こだわる人はこれを二つ使うらしいです)で本が固定できるのでストレス激減しました


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3、手放せなくなる書見台

エレコムの『ブックスタンド』


これは読書ノート作成中や専門書などの大きく分厚い本を読むときにとても重宝するものだと思います。

机の上に本を置き、そのつど本を見開きながらノートやPC作業を行うとわかるのですが、目線(首)をあちこち変えなければいけないため、読書ノート(読書感想ブログ)作業への注意が途切れ途切れになってしまいます。


これを使うようになってから目線(首)を動かす回数がぐんと減り、疲れにくくなりました。





以上です。

この本を通してこれまでよりも読書ノート作成がより簡易的にできるようになった気がします。

そして改めて本一冊読む、と言っても実際はその中の数十ページしか印象に残っていないんだなぁと感じました。

それが良いかどうかはわかりませんが、一つ言えることは『無理して読了を目指さなくてもいい』と思えるようになりました。

世の中には数えきれないほどの本があり、人生で読める本の数なんか数%にも満たないです。

またそこから自分の人生が変わるくらいの良書に出会える確率なんて考えたら一冊一冊丁寧に読む続けることにこだわるのは少しもったいない気がします。

そういったこともあり、この本は私の読書に対する気持ちをとても軽くさせてくれた本でした。


最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年09月01日

読書感想ブログその9〜学校に作業療法を〜

どうも。

泉北 兼 心意気実践チームのむろのぞのです。


今月の本はこちら。


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学校に作業療法を

「届けたい教育」でつなぐ学校・家庭・地域




この本には『作業療法士・先生・保護者とチームで「子どもに届けたい教育」を話し合い、協働することで、子どもたちが元気になり、教室、学校が変わる。


先生が自信をもって教育ができれば、障害の有無にかかわらず、子どもたちは必ず元気に育つ。』


と書かれてあります。


著者は仲間知穂さんという作業療法士の方です。


仲間さんは回復期病院に6年間勤務後、作業療法士の養成学校で7年間講師を務め、2009年よりボランティアで学校での作業療法を開始されました。


2016年作業療法士による学校訪問専門の事業所「こども相談支援センターゆいまわる」を設立し、現在は当事業所の代表を務めておられます。


私は数年前までは小児、発達分野には全くといっていいほど興味がありませんでした。

自身に子どもがいなかった、ということも関係していたかもしれません。


ですが子をもつ親という立場となり、日々保育園の先生らと子どものことについて色々と話したりする機会をもつようになったことで、一気に小児、発達分野に興味を持ち始めることになりました。


この本を読んで以降、保育園を「ただ子どもを預かってもらっている場所」という認識ではなく、

「どうやったら先生たちの届けたい保育、教育が子どもに伝えられることができるのか。

そのために自分(保護者)はどういった意識をもち、行動をとればいいのか」という考えに変わりました。

今回は専門書のため、少し内容の濃いものになるかもしれませんが、できるだけスッキリまとめて文章化できるようにしたいと思います。

お時間ある方は是非読んでみてください。





●はじめに
「先生が自信をもって教育ができれば、障害の有無にかかわらず、すべての子どもたちは必ず元気に育つ」

「届けたい教育」に焦点をあてる学校の取り組み

専門家を脱いだら何が残るのか



はじめに、で書かれてあるこの文面にいきなり先制パンチをもらったような気がしました。

専門家として果たすべき役割ももちろんあると思いますが、それ以上に人として、対象の方に「どうなってほしいと思っているのか」「どれだけ相手の可能性を信じ続けることができるか」が根底にないと私達の資格は単なる飾りに過ぎないのではないかと感じました。



●part3 「届けたい教育」の視点
テーマ1 問題解決志向の課題
2)問題を解決しても変わらない生活

「私には二人の息子がいる。高校生と中学生だから二人ともご飯をよく食べるのよ。あなたは『体を無理に動かさないで』と言ったわね。じゃあ誰が夕食を作るの?ヘルパーがいないと動けなかったら、私は自由に夕食を作れないでしょ」

自分がその人の生活や人柄や役割などに目も向けず、身体の問題を治すことだけに専念していたことに気づいた

私が出会う子供達の多くが、終わる事のない問題解決へのアプローチの中で、変わらない生活に苦しんでいます。苦しむのは本人だけでなく、全力で頑張り続けている先生も保護者も同じなのです。



これは著者の仲間さんが病院勤務時代、入院から外来まで関わった患者さんから言われた言葉だそうです。

できないことをできるようにする。危険なことはしないよう助言する。

こういった関わりはリハ職、特に病院に勤務しておられる方であれば決して少なくないと思います。

しかし私たちが対象としておられる方々は残念ながら現在の医療では完治できないご病気、後遺症をお持ちの方もおられます。

こうした関わりを漫然と続けることがどれほど対象者、そのご家族を苦しめることになるのかを、決して忘れることなく私たちは胸に刻んでおく必要があると感じました。



テーマ2 「届けたい教育」に焦点をあてる
2)問題の形は同じでも「届けたい教育」は違う
・「問題行動」の形態は同じでもその先にある届けたい教育はそれぞれ違う
・先生がその子に届けたいことだけでなく、親が学校で出来るようになってほしいと願うことや、その子自身がやりたいこと、できるようになりたいことも含まれる
・その子の将来に向けて、いまかなえたい大切な活動がすべて含まれる
・「問題行動」の解決にすぐには動かず、先生、親、本人の大切な「届けたい教育」を明確にし、目標としてチームで共有してから具体的な評価や情報提供に動きます




3)なぜ「届けたい教育」に焦点を当てることが重要なのか
@チームエンパワメントを引き出す
・明確にされた「問題」の原因はすぐに解決すべきこととして、先生や親の自由な選択を奪うかもしれません

・先生がしたいことであり、本人と親がその生活で望むこと、その「届けたい教育」をかなえるための取り組みはチームに参加する全ての人の自由な選択でもある

・先生が「届けたい教育」をかなえる選択の幅を広げていくことを助けること

・先生が子供たちの問題を感じる行動を、障害や特性などの病理的観点から理解しようとする事の代わりに、生活の困難を乗り越えて、彼らの願望をどうかなえていこうかと、考えていくことに集中できることを大切にしていきます

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図左)特性への対応に焦点を当てた巡回相談
図右)届けたい教育に焦点を当てた巡回相談




中心となるべきは我々療法士ではなく、子どもであること。

専門知識や技術を持っていることで、どうしてもすぐに課題や問題が見えてしまうのが専門職というもの。

しかしそこで専門職である我々が話し出してしまっては素人である先生や保護者の方は何も言えなくなると思います。

評価や情報が先ではなく、まずその子に対して親御さん、先生がどういった教育を届けたいと思っているのか。

そしてその子が何をやりたい、できるようになりたいと思っているのか。

そこがチームで共有されてはじめて私たちの専門性が必要とされるんだなと感じました。




●part4 協働関係を築く目標設定
テーマ1 みんなで決める目標
2)目標設定の不安
・暗黙の了解として存在する「支援」という言葉を、私たちは問い直す必要がある。
「支援」という言葉が存在すると、支援する側と支援される側の関係性が生まれます。

・問題に直面する側の人の生活の保障が多い

テーマ2 視点を「届けたい教育」に変えていくための面接
1)目標設定の目的を共有する
不安に感じたり、問題を感じたりするのは、皆さんが本当はこうなってほしいと強く願うことがあるから。
それが出来ない状況に問題や不安として感じている。できるようになってほしいと思っていることを目標にしていく

6)目標がかなった先の期待する生活を共有する(長期目標)
視点が問題行動の解決だけに向いている時は、将来を期待するという視点をもちづらく、長期目標の立案も視点を変えていく過程が必要になります。


この本を読むまでは、私も当たり前のように「支援」という言葉を使っていたと思います。

こうした言葉一つひとつを大切に扱うか否かで、気がつかないうちに対象者の方との主従関係ができあがっていってしまうのではないかと思うと恐怖を感じました。

 目標設定について、私たち療法士はどうしても「できないことをできるようにする」という視点が強くなりがちです。

確かにそういった視点は大切ですが、やはり子どもの将来をどれだけ明るいものになるよう期待することができるか、

というプラスの視点を持つ方がチーム(ここでは先生や親御さん)で目標を共有していくことがより現実的になるのではないかと感じました。




●part5 チームでかなえるための情報共有
1)活動単位ではなく工程(行為)単位で見るー作業遂行を評価する
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表1 課題と工程と目的志向的行為

4)学校と連携する取り組み
〔@ 先生の期待するクラス作りを知る〕
〔A 担任の先生の教育の実現に向けてクラス全体を評価する〕
善悪の判断をせずに1つの現象として見ていきます。
行動から子供たちの状況を把握していく
〔B 先生と協働的に取り組むクラスづくり〕
「できないから配慮する」のではなく、「期待すること、できるようになってほしいことを実現するために教育の届け方を先生が自由に作り出す」という考え方にもとづいています。



1つの課題を各工程に分けて考え、その子が何ができて、何が苦手なのかを知る。

作業療法ではこれを作業遂行評価と呼びます。

この作業遂行評価をもとに苦手な部分をただ介助するのではなく、どう工夫すればできるようになるのかを考えることが大切であると感じました。

また、できるようになるためにはその子(人)だけにフォーカスをあてるのではなく、その子がいるクラス全体(環境)やその子が期待されている活動(作業)と、

それぞれが組み合わさることでどのような相互作用が働くかを考えていくことが作業療法士には求められていると痛感しました。



6)「卒業」がもたらすエンパワメント
@ゆいまわるの「卒業」とは
「完全に成長した卒業」ではありません。「この生活(環境)で育てていける(成長が期待できる)=卒業」なのです。




ゆいまわるさんが目指すものは作業療法士がいつまでも関わり続けることではなく、


先生や親御さんたちで届けたい教育やその子が期待される活動に参加できるようになることである、と話しておられました。


この卒業という視点は私がいる高齢地域分野にも十分繋がる話であると感じます。


私たちが常に関わり続けなければ、その方がしたい作業、することが期待されている作業に取り組むことができない。


おそらくそれでは依存体質を生み出すことになるのではないかと感じます。


作業療法士は自分自身もその方にとっての環境因子であるとメタに捉え、常に自分の関わり方一つ一つを意識していく必要があると感じました。


以上です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2021年08月02日

読書感想ブログその8〜しょぼい起業で生きていく〜

どうも。
泉北 兼 心意気実践チームのむろのぞのです。

今月の本はこれ。

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しょぼい起業で生きていく


この本の説明の一部にはこのようなことが書かれてあります。


現金だけが儲けではない…

「計画」も「お金」も、「経験」も不要。

多少のコツさえつかめば、わりとふつうにできる、逃げても生きてくための、生存戦略

私は30代前半頃あたりから「逃げる」ことの大切さを実感するようになりました。

20代の頃はとても「逃げる」なんて行動は取れなかったし、恥ずかしいとさえ思っていました。

なぜそこまで変わったのか。
たぶんそれは「勝つ」ことよりも「負けない(生き残る)」人生を送ることの方が自分にとってより幸福感を得られると感じるようになったからだと思います。

なのでいまは自分が弱い部分はさっさと素直に受け入れて、素直に人に頼る(甘える)。

でも「このフィールドでは負けない(生き残ることができる)」という軸はきちんと持つようにする。

そう考えて行動するようになったことでストレスを感じることが驚くほど減ったように思います。

この本はいかにノンストレスな生き方をしていくかが書かれています。

さらにその生き方は自分自身だけでなく、他者に対してもノンストレスな生き方を勧める(誘導する)ことこそが大切である、と著者のえらいてんちょう(えらてん)さんは述べています。

私はこの本を読んで完全に作業療法だ、と感じました。

と同時に自分が泉北事業所に入職した頃に色々な取り組みをしていたことを思い出しました。

今回は蒸し暑い夏にはぴったりなあっさり読書感想ブログだと思います(あくまで個人の感想です)。

お時間ある方は是非読んでいただけると嬉しいです。





●はじめに

従来の「起業」というイメージとはまったく別の「多額の開業資金」も「特殊な技能」も「綿密な事業計画」もいらない「しょぼい起業」という新しい考え方とその方法





1、「しょぼい起業」をはじめてみよう

・生活の資本化(=コストの資本化)
毎日の通勤、通学(移動)が「輸送」に変わる


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・生きてるだけで絶対にかかるコストが利益になる
もともと自分が食べる食事を多く作る(例:1人分→10人分)
余った分(9人分)を売る
自分の生活をすべて自分の労働で満たし、余ったぶんは売って資本化する(自分のためにしている家事を労働化させる)

・「しょぼい起業」は不況に強く、つぶれにくい
生活のなかでやれること、日常やっていることを事業化する

・持っている資産を使って稼ぐ
ガレージで停まっているだけの車がお金を生み出す



この生活の資本化(=コストの資本化)という言葉を聞いたとき、真っ先に思い浮かんだのは仕事で定期的に行っている居宅事業所等への営業訪問でした。

私の事業所は堺市にありますが、私の家の近く(事業所から20〜30分離れた場所)にも意外とお世話になっている居宅があります。

そういった場所へはなかなか仕事中に伺うのは時間がかかるため、後回しになりがちです。

でもそれを家に帰るついでに訪問する、という発想をもつことで、生活を資本にすることができていました。

当時は特に何も考えずに動いていましたが、この本を読んで点と点が繋がったような気がしました。





2、「協力者」を集めよう
・協力してくれる人が自然と集まる「正しいやりがい搾取」

第一段階→こちら側が何も頼んでいないのに、人が自由意志で何かをしてくれる

第二段階→確かに人に頼んだが、その人はそれをやることが好き(やってあげたい)なので、無料(あるいは格安)で動いてくれる

・「友好関係」が、お金以外の対価を生む
友好関係にある人を増やすためにどうするか
まず店を空けておく
居心地の良い空間を作る
居心地の良い場所にする
挨拶まわりをする
近隣の人の仕事を手伝う

「貸し借り」「信用」→「生活資産の労働力化」

「生活や資産を信用化する」→それを労働力化する→資本になる

第3段階
「相手が別にやりたくないことを(お金も払わずにあるいは格安で)やらせる」×

Twitterで普段イラストを描いている人に無料で絵を描いてもらうことを依頼する(「無料で書きます」なんて一言も言ってないのに)
ただで描く義理がない。
だからやりたくない。
やりたくないことはただのストレス!!

・「ノンストレス」な世界を作れば人は動く
生活・資産の労働力化、正しいやりがい搾取
「ストレス」「ノンストレス」の関係に近い
『ライフワークバランス』とは少し違う

しょぼい起業家の立ち回り→ノンストレスでやってもらえる世界を構築していくこと

気持ちが良い(=ノンストレスな)環境でないと人は働かない時代になった

"やりがい"とは・・・
やるだけの価値(を感じて生まれる心の張り合い)

『ワークライフバランス』ではなく『ストレス、ノンストレスバランス』の時代に入ろうとしている



私がこの本を読んで作業療法だ、と感じたのはこの章です。

この「正しいやりがい搾取」こそ作業療法ではないかと感じました。

私たちの仕事は大きな枠組みでみればサービス業です。

ただし、ファミリーレストランのように上げ膳据え膳を行ったり、ホテルのようなホスピタリティを行うわけでもありません。

私たちが提供するサービスは利用者さんが持っている力を最大限に引き出せる環境を準備したり、身体機能を整えたり、利用者さんにとって大切な作業を利用者さん自身が再び行えるようになるのを支援することです。

したがって喫茶の準備をしていただくこと、食器洗いを行っていただくこと、掃除や洗濯をしていただくこと、等々これら全てがサービスになり得ます。

ただし本書にもあったように、「相手が別にやりたくないことをやらせる」という作業を提供した場合はただのやりがい搾取(私たちの自己満足)でしかなく、利用者さんにとって意味のある作業を十分に評価できていないことになります。

この本を読んで、えらてんさんはきっと良い作業療法士にもなるんじゃないかなと感じました。





3、しょぼい店舗を流行らせよう
・広告宣伝費なんて一切必要ない
お金をかけずに起業し、利益を出すか
→すぐにあるものを資本化し、労働力に変え、利益に替えていくか
→今までお客さんでなかった人をどうやってお客さんにしていくか

・「無料の品」で店の前まで来てもらう
「ゴミではないが値段をつけても誰も買わない」ものを無料で人にあげる



この章を読んで思い出したのは泉北で定期開催していたリハパブ(運営推進会議)でした。

ここでは「流行らせる」という言葉を「泉北事業所を知ってもらう」という言葉に変換します。

初めて私が本格的に運営推進会議に参加したとき、手作りのチラシを作り、ひたすら近所にポスティングして回りました。

ポスティングを通して初めて認知していただいた方、存在は知っていたが何をしている所かご存知なかった方。

当日も手作りの飾り付けをしたり、スタッフそれぞれの強みを活かした取り組みをしたり、とまさにお金をかけない宣伝を行なっていました。

この行動をしたことで実際にご利用へと繋がり、いまでもお元気に通所されている利用者さんがおられます。

リハパブを重ねていくことで強みを活かした取り組みはスタッフだけでなく、利用者さんの強みも活かす取り組みへと発展していきました。

民間のフィットネスジムに通っている利用者さんに体操講師を依頼したり。

植物(土いじり)が好きな利用者さんに当日来られるお客さんへのお土産としてミニ寄せ植えを作っていただいたり。

書道の先生をされていた利用者さんにプチ個展を開くことを提案したり。

まだまだ元気だが自宅での役割が少なくなってきている利用者さんにお客さんへのコーヒーのおもてなし(ウェイトレス)や食器洗いをお願いしたり。

手先が器用でどんな備品も手作りで作成できる凄腕を持った利用者さんにお客さんへのプレゼントを作ってもらったり。

さらに進化(深化)したリハパブに来てくださった方(ケアマネジャーさん)からもお褒めの言葉をいただき、数日後にそのケアマネジャーさんからご依頼をいただくことができました。

この本を読んだとき、自分が今まで泉北事業所で取り組んできたことが、まるで一冊の本になったかのような錯覚を覚えるくらい、実体験と本書の内容がリンクしていました。

なかなか私と全く同じ経験をした人もいないと思いますが、この本が単なる起業したい人向けのものではなく、会社勤めの人間でも起業したような感覚で仕事をすることができることを知ってもらえたらなと思います。





以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうごさいました。
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2021年07月01日

読書感想ブログその7〜「繊細さん」の本〜

どうも。
泉北 兼 心意気実践チームのむろのぞのです。

今月の本はこれ

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「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本





●はじめに

皆さんはHSPと呼ばれる人がいることはご存じでしょうか?

HSP(Highly Sensitive Person)は最近の日本では「敏感すぎる人」などと訳されており、本書はHSP者のカウンセラーでもある武田友紀さんが書かれたものとなっています。

本書のタイトルにもある「繊細さん」とは武田さんがこれまでカウンセリングで出会った様々なHSPの方に親しみを込めて作った言葉だそうです。

これは繊細でストレスを感じやすい人が繊細な感性を大切にしたままラクに生きる方法を書いた本となっています。

自分がこの本を読んだとき、あまりにもあてはまることが多く、「自分ってこんなに繊細だったんだ…」と驚きました。

また本書に書かれてある内容を実践することで、とても楽になった部分がいくつかありました。

このブログを読んで少しでも「気がつき過ぎて疲れる」という人が減ればうれしく思います。





●第1章 繊細さんがラクになれる基本

・こんなあなたは「繊細さん」
「職場で“機嫌”の悪い人がいると気になる」

「小さなミスに気づいて仕事に時間がかかる」

まわりの人が気づかないような小さな変化を感じとっている


・繊細さんは脳の神経システムが刺激に反応しやすい
「気にしない」という言葉ではなく、気づいたことにどう対処したらいいのか、という具体的な対処法


・繊細さんの心の仕組み
痛みやストレスが多い状況ではまわりに「いいもの」があっても感じにくい。

自分の本音をどれだけ大切にできるかが勝負どころ

本書には『繊細さん診断テスト』というものがあり、23個の質問のうち12個以上あてはまるとHSPである可能性が非常に高いそうです。

気になる方は本書を手に取ってみてください。

※ちなみに私は18個あてはまりました



●「人といると疲れる」のはなぜ?
1日ずっとオフィスにこもりっぱなしだと疲れてしまう

・私って細かすぎるの?
「仕事で効率やスピードを求められるとどうしてもできない」

「なんであんなに皆が雑に仕事ができるのかがわからない」


・繊細さんと完璧主義者は違う
「気がついたら対応しているだけ」
「リスクを防ごうとしているだけ」


●他人の機嫌に左右されてしまう
繊細さんが相手の感情に気づくのは自然なこと

誰かの気持ちに気づかないこと ー 気づかないフリをするのではなくて、そもそも気づかずにいること ー が繊細さんにはできない


・他人を優先してしまうのはどうして?
「こんなにわがままでいいのかな」と思うぐらい積極的に自分を優先していく



●繊細さんは自分のままで元気に生きていける
「気づいたことに半自動的に対応し振り回されている」

繊細さんが元気に生きるためにはこの自動応答を切ることが必要

気づいたときにわずかでも踏みとどまって「私はどうしたいんだっけ?」と自分に問いかけ、対応するかどうか。

また対応するならその方法を自分で「選ぶ」ことが必要



私も周りの人たちの感情や環境の変化などを無意識的に感知してしまうため、何もしてないのに疲れてしまうことがあります。

本書にある『自動応答を切る』という発想を持てたことで、疲れは大きく減ったように思います。

常に自動的に行動していたため慣れるまでに時間はかかりますが、一つ一つの言動をきちんと自分で『選ぶ』ようにした方が私は楽だと感じました。





●第2章 毎日のストレスを防ぐカンタンなワザ

・「刺激」から自分を守る工夫
・コツ2 五感のうち鋭いものから取り組むと効果的
五感のうちどの感覚が鋭いかは人によって違う


・五感別!刺激の予防方法
聴覚ノイズキャンセリングイヤホンをする。耳栓をする





●第3章 人間関係をラクにする技術

・自分を出せば出すほど自分に合う人が集まってラクになる

「表に出している自分」に合う人が集まってくる

「本当の自分」を抑えて殻をかぶっているとその「殻」に合う人が集まってきてしまう

自分を出さないようにして「殻」をかぶっていると、その「殻」に合う人が集まってきてしまう


・人間関係の「入れ替わり」
素の自分を出せば出すほど自分に合う人が集まってラクになる

本当はあなたに合わない人たちが去るだけ



●相手と境界線を引いて自分のペースを守る
「人といると疲れます。特にガツガツしたタイプの人と話すとエネルギーを浴びてしまう、というか消耗してしまう」

・イメージを使って境界線を引く

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テレビ画面の向こうの人が話している、とイメージする

相手の話を聞いていて疲れを感じたら、その人はテレビ画面の向こうの人だとイメージ

相手の感情が強いときは自分と相手のあいだにあの分厚くて透明なアクリル板をおろす

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・モノを置いて相手との境界線にする
立ち話では胸の前に資料を抱えておく。

いつもより半歩下がって話す

相手とのあいだにモノを置くこと

距離を空けることを意識



●「相手を助けているのに報われない」と思ったら
・繊細さんは手を貸すタイミングが早い
相手自身が「このままじゃ危ない」と自覚するよりもずっと早く相手の危機に気づく

ほとほと嫌になる経験をして初めて「このやり方じゃダメだ!どうにかしなければ!」と思える

・半自動的に相手を助けていませんか?
明確には頼まれていないケースが多い
「頼まれていないのに助けている」ことに気づいていない


・あなたが動くのは相手にはっきり言葉で頼まれてから
手出しも助言もせずに見守る

相手の様子を心に留めたまま手出しせず「こうしたら?」などのアドバイスもせず、自分は自分のことをしながら同じ空間にいる



私は自分が「報われない」と感じることはあまりないですが、勝手に手を貸すことがとても多いなと気づきました。

「報われない」と感じてしまうのは「あなたのために助けてあげているのに!」という感情があるからだと思います。

相手からすれば「誰も頼んでないよ」って話ですよね。

繊細さんはここをよく理解した上でグッとこらえることが大切になりますね。





●第4章 肩の力を抜いてのびのび働く技術

・マルチタスクを乗り切るシンプル習慣
「一つひとつやっていこう!」で自分の得意技に持ち込む

合言葉は「一つひとつやっていこう」目の前の仕事とは関係ない考えを頭から追い払う効果がある


・優先順位をつけるより重要なものをひとつだけ選ぶ
優先順位をつけるのが苦手な人は無理にしないほうがいい

重要なものを一つだけ選ぶこと

絶対に今日やらなければいけない大切な仕事を一つだけ選ぶ。そしてやる

それでも終わらない場合→自分ができる仕事量を越えている



私は仕事に取り組む際、基本的にはToDoリストを作成して仕事の優先順位をつけたりします。

ただ、一度にたくさんの業務が舞い込んでくると一瞬にしてパニックに陥ります。。。

そんなときは本書にあるように「一つひとつやっていこう」の合言葉を心の中で唱えるようにしています。

当たり前ですが一つひとつのタスクが完了していくと自然と落ち着いてくるので、これは本当におススメです!



●「繊細さんは仕事が遅い」は本当?
@部署の雰囲気を感じて自分まで急かしすぎている
Aリスクへの対処に時間が必要

・最大の悩みー「いつも私だけ忙しい」から脱出するには
気づいたことに半自動的に対応するのではなく、対応すべきものを放っておくものを自分で選ぶ必要がある


・「気づく」と「対応する」を分ける
1、気づくのはOK。「気づく」「気づかない」は自分の意志でコントロールできるものではない

2、対応するかどうかは自分で選ぶ。芋づる式にやった方がいいことがでてきたらいったん手を止める

ときには「気づいても対応しない」という選択も必要。「致命傷でなければ対応せずに放っておく」


・「気づかないあの人」の真似をしてみよう
やるべき仕事をキャッチしては率先して動いていたため、同僚の出番がなかった

率先して動くのをやめたら同僚が動き出す場面が多々みられた。

→自分が気づき過ぎているだけ。ときにはスルーする力も必要


・電話をとる、とらない?「葛藤疲れ」をなくすマイルール
電話をとるのは3回に1回だけと決める。

ルールに基づき判断する
ルールによって際限ないシミュレーションを止める


・「いいと思えること」を仕事にする
「感じる」が強く、良心的。心の中の小さな違和感を「まぁいいか」と流したり、なぁなぁにしたりすることができない


・不機嫌な人への対処法ー他人の感情は放っておく
対応すればするほど相手は繊細さんに寄りかかる

相手に配慮するという繊細さんの長所が不機嫌な相手に対しては裏目に出てしまう
自分をケアする行動をとる


・「がんばっても自信を持てない」ときのチェックポイント
「苦手を克服するがんばり」と「得意を活かすがんばり」

期間やレベルを区切ってがんばるのなら川上りもOK


・苦手を克服するよりも得意を活かそう
苦手の克服に注力していないか振り返ってみる


ここの内容はほぼ全て自分のことを言ってるんじゃないかと思うほど当てはまることが多かったです。

私はついこないだまで気づいたことを半自動的に対応していたため、勝手に自分ひとりで忙しくなることが多々ありました。

また信じられないかもしれませんが、電話が鳴るたびに「とる、とらない」という判断をしていたため、まさに「葛藤疲れ」が起こっていました。

ここに書いてある「気づく」と「対応する」を分けて考えられるようになると葛藤疲れが徐々に減っていきました。

また自分をケアする行動を積極的にとるようになったことで、基本的に落ち着いた精神状態で過ごすことが増え、スタッフの方からの話などもリラックスして聞けるようになってきたと思います。





●第5章 繊細さんが自分を活かす技術

・繊細さんに共通する「5つの力」

人間関係:相手の話を深く受け止めながら聞ける。相手の話やニーズを感じ取り細やかにケアする

仕事:他の人が気づかない小さな改善点に気づく。リスクを察知する

趣味など:小さな仕掛けやこだわりに気づいて楽しめる。日常の小さな嬉しさをキャッチする

考える力:深く考察する。当たり前になっていることに疑問を抱き、改善する。興味をもつと、とことんハマる

良心の力:自分の納得と相手に誠実であること、このふたつが両立したとき、繊細さんは仕事に大きな力を発揮

直観の力:仕事の問題点を見抜く。物事の本質にたどりつく

・繊細さんパワーで自分の強みを加速する
のんびりお茶を飲んだり空を眺めたり、心と体がのびのびすると繊細な力を発揮しやすくなる


・自分の本音を大切にするとどんどん元気になる
自分の「こうしたい」という思いを感じとり、一つひとつ叶えようと行動することで「私はこれが好き」「こうしたい」と自分の軸が太くなっていく


・自分の本音を知る3つの方法
・本音を知る方法1:言葉を手掛かりに読み解く
「こうしたい」なのか「こうしなきゃ」なのか
「こうしたい」本音の可能性大
「こうしなきゃ」→世間の声。本当はそうしたくない


・本音を知る方法2:繊細な感覚を感じ取る
窮屈な感じがする。暗い気持ちになる。義務感がある。


・本音を知る方法3:毎日の小さな「こうしたい」から叶えていく
毎日の小さな本音を叶えることで心が充電される



繊細さん(カウンセリングを受けたことはないのでHSPかどうかはわかりませんが…)である自分が心楽しく穏やかに生きるには、繊細さんに共通する力(強み)を理解することが大切だと感じます。

その上で世間の声ではなく自分の声(本音)を大切にしていく。

自分が本音で思っていること(声)に耳を傾けない時間が長くなると、自分は何が一番したいのか本当にわからなくなると感じています。

こうやって自分が読んだ本の感想を会社のブログにあげる、という作業は自分の「こうしたい」という思いを感じ取った行動の一つです。

※こんな個人的な取り組みを許容してくれているのは本当にありがたいと感じます


以上です。
自分みたいな見た目には全然わからない「繊細さん」はたくさんいると思います。

そんな方はぜひ本書を手に取ってみてほしいなと思います。

たった一回きりの人生なので楽しく生きないと損ですしね!

とりあえず私はこれまでもこれからも自分の本音を大切にしていきたいと思います。

こんな私的たっぷりのブログを最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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2021年06月01日

読書感想ブログその6〜臨床実習ガイドブック〜

どうも。
泉北 兼 心意気実践チームのむろのぞのです。

今月の本はこれ

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作業療法士・理学療法士臨床実習ガイドブック




●はじめに

「教育」であるはずの臨床実習が希望を奪うようなものでいいのか。

学生たちが抱くこういった不安や疑問は解決することが求められる課題である。

ときにこれら不安、疑問を原動力に奮起する学生もいます。

ただ、すべての不安、疑問が肯定的に作用するわけではない

不安、疑問にからめとられて臨床実習に全力で取り組めなくなることもある。

場合によってはOT、PTの道を断念する者もいる。

どうして学生の不安や疑問は尽きなくてこんなにも大変なのか。
考えられる理由として学生の立場からすると、どのような困難に直面するのかがよくわからないことが挙げられる。

また臨床実習について熟知している人がなかなか身近にいない、という点も考えられる。

私たち作業・理学療法士は臨床家としてトレーニングは受けているものの、教育者として求められる知識や技術についてはほとんど教育されていないため、学生が抱く不安、疑問に対してどう教育的に応えるべきか、十分に理解していないのが現状である。

本書に書かれてある様々な不安や疑問は実習指導者の耳にはなかなか届くことのない学生の声である



冒頭に書かれてあるこれらの内容から、
この本はスーパーバイザーが読むべき本であると確信しました。

スーパーバイザーは実習生の声なき声に耳を傾けることが大切です。

ただしその全てを聞き取ることが難しいのが現状です。

本書はその聞き漏らしてしまいそうな学生らの声を拾い上げるための一助となるものであると感じました。

これまた長い長いブログですが、関心のある方はご一読ください。





●臨床実習中ー第2節ー臨床実習の実際

・掃除や片付けって学生がやるもの?
【利点】:器具が確認できる。どこに何があるか把握できる。電源を入れたり簡単な操作ができると便利。

これに対してもし疑問があったとしてもまず学生側からは言わないでしょうね…。
だからこそ指導者側は「何で掃除や片付けをした方がいいと思う?」
といったことを聞き、助言してあげることが大切なのかもしれません。





●臨床実習中ー第3節ー利用者(患者)さんとの関わり方

利用者さんとの治療的信頼関係を築くためのコツや留意点は?
1、感謝と誠意@相手の目をしっかり見るA言葉は明確にB相手の話にうなずき共感的にC相手の状況を察するD笑顔を忘れない
2、情報と距離:学生がより同調できるようにアンテナを高くする(共感性をあげる)、物理的距離の考慮
3、自己点検:自分自身(学生)の状態がどのようなものか把握する

インフォームドコンセントの留意点
・告知内容
@今から行う医療行為の名称
A内容
B期待されている効果
Cリスク

リハビリテーションにおいては:
@どのような障害であるか
Aそれに対するリハビリテーション治療(利点、欠点)はどのようなものか
B治療しない場合どのような経過をたどるか

・告知内容の詳細
リハビリテーションを成立させている主たる要因に、利用者さん自らの能動的な運動や作業が含まれているか

・信頼関係を築く
利用者さん自身の能動的なかかわりが必要

・選択権は利用者さんにある
できるだけ専門用語は使わない。利用者さん自身に治療を選択させる

・選択肢を吟味する時間を与える
利用者さんが考える余裕を持てるようにする



僕が学生時代のころ、「とにかく真面目に一生懸命頑張れば大丈夫!」と教員の方に言われたことがあります。

…。

そうなんです。
抽象的過ぎて具体的に何をしたらいいか全くわからなかったんです。

この通りにすれば必ず信頼関係が築ける訳ではありませんが、多少は具体的な行動に移すことはできますね。





●臨床実習中ー第4節ースーパーバイザーとの関わり方

先生によって言うことがまったく違う。
ときに対立するし、どう対応したらいい…?

結論
→学生自らが積極的に対立のなかに入らない(関わらない)

なぜなら正しさに絶対はないから!

・長時間続くフィードバック
日本OT協会の「OT教育の最低基準」のなかには実習指導の時間は勤務時間に含まれていないと明記されてあるそうです。

フィードバックが長時間になる要因として・・・

@利用者さんの数が多すぎる
Aスーパーバイザーの指導が熱心すぎる
B学生の力不足

改善されなければ担任の先生に相談

・スーパーバイザーに相談したくても忙しそうで質問できない
デイリーノートを活用!
→質問したいことを記載する

質問は保障を得る手段。
スーパーバイザーから「保証」をもらえれば安心して実習できる

・フィードバックがあいまい
指導された内容は面倒でもデイリーノートに記録しておく

デイリーノートの活用
スーパーバイザーのやり取りを記録しておく(できれば詳細に)

@スーパーバイザーは指導した内容を再確認できる
A誤った認識になっていたら軌道修正できる
B学生がどれくらい理解できているか把握できる



スーパーバイザーの指導が熱心過ぎる、という部分は本当に気をつけないといけないですね…。

これに関しては学生の立場からは絶対言えないでしょうし、周りのスタッフからもなかなか声をかけてもらえない部分だと思います。

「フィードバックの時間は〇時まで!」と決めておくことも重要だと感じます。

また実習では言語でのコミュニケーションが非常に難しくなるため、デイリーノートを交換日記的な位置づけで活用することはとても大切ですね。





●臨床実習中ー第5節ーレポートの書き方

レポートにはどんなことを書けばいいのか?
よくある勘違い
経験したすべての事実をレポートに書かないといけないと思っている学生はいる

・考察が書けない
関心のあることから考えていく
→道筋はしっかりしていなくてOK。
まずは時系列に記述していく

考察を深めるときは文献を活用
→ただし文献を優先すると症例に対する考察ではなくなってしまう

・日々の利用者さんの記録を書くポイント
客観的事実→『現象』
主観的事実→『説明』

・レポートにたいするコメントへの対応
スーパーバイザーのクリニカルリーズニングを学ぶ
クリニカルリーズニングの理由を考える

※クリニカルリーズニングに関して気になった方は以前紹介したブログ(リーズニングとは)を参照ください




●臨床実習中ー第6節ーハラスメントへの対応
パワーハラスメント@:人格攻撃型
スーパーバイザーのへの相談は厳禁!
→養成校の先生or実習施設の責任者

さらなる激励が必要だと判断し、結果的にパワハラが悪化

ハラスメントに関しては他のどの項目よりも実習指導者側強い意識気づきをもつことが必要です。





ここまで実習に関する様々な疑問や課題を紹介させていただきました。
ここからは偉大な教育哲学者たちの話をもとに、臨床実習をより有意義にするうえで役立つ視点を紹介したいと思います。

学生に向けて書いてある内容ではありますが、個人的には実習指導者も十分読む価値のある内容であると感じています。





●コラム1 教育とは何か(総論)


“人間は自由を目がける存在である”(近代哲学者ヘーゲル)

教育の本質は「自由の実質化」
自由になるための営み

欲望をもっている時点で絶対的に自由であるというわけにはいかない
欲望が叶えられない「不自由」を感じている
→必ず何らかの形で「制限」された存在である
右矢印1この制限から「自由」になりたい

自由とは:環境的にも欲望的にも私たちは制限されているけど、それでもこの制限から解放された、または解放されうるときに実感する感度

幸福:何をもって「幸福」とするかは人によって違う→ある「欲望」が達成されたときに感じるもの

教育「自由」を実現させてくれるもの。今の「労働」「努力」によってゆくゆくは「自由」になるんだ、とちゃんと自覚させてくれるもの





●コラム3 ルソー:幸せになるために

“欲望を抑制せよ”(ルソー)

「自由」だからこそ欲望が膨らむ
大きな欲望はなかなか叶わない。だから苦しく思う
→何でも自分で決めなければならない

教育は欲望と能力のギャップを埋めるための役割を担う





●コラム6 デューイ:なすことによって学ぶ

デューイ:『経験主義』
人間は“経験によって学ぶ存在である”

“人類が築き上げてきた膨大な「知識」はすべて人類の「経験」を通して得られたもの”
いろんな学びがその子(人)の生活にとってどんな経験につながるのか、まずそこを伝えられる必要あり

人間の学習はいつでも生活経験に密着している
でも今日の学校での学びはどうか?
→決められた教科、内容を学び、それが生活経験にどう関わるのかわからないまま過ぎていく

最初にあるのは一人ひとりの子供たちの生活経験
生活経験に必要な知識なら子供たちは主体的に学んでいく
右矢印1『なすことによって学ぶ』

“なすことによって学ぶ”の過程
(1)ある困惑や混乱といった問題状況が訪れる
(2)その問題状況がいったいどういうものか見極める
(3)問題状況の要因などについての分析やさまざまな情報を入手する
(4)問題解決のための仮説を立てる
(5)仮説を実行し、問題を解決する

教育者は(1)(2)をいかに問題提起させられるかがカギになる
(1)(2)を問題と捉えられるかどうかで(3)(4)(5)は決まっていく
そのため(1)(2)がスルーされてしまうと何の行動もとれなくなる


問題解決の方法に自覚的であることが「なすことによって学ぶ」際に大切なこと





以上です。
今回もなかなかのボリュームと濃い内容となりました。

(たぶんここまで読んだ人は相当マニアックな方だと思います…)

学生にとって「実習はある程度厳しいものでないといけない」という意見も間違っていないと思います。
ただ、それが学生の学ぶ意欲や希望を失ってでも実践すべきことかどうか、と問われれば多くの疑問点が残ると感じています。

泉北事業所では今月より実習生が来てくれることになっています。

この本を通して学んだことを実践し、学生さんの希望を奪わないための学びを提供していきたいと思います。

最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
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2021年05月03日

読書感想ブログその5〜作業療法の話をしよう〜

どうも。
泉北 兼 心意気実践チームのむろのぞのです。

5月の本はコレ

作業療法の話.jpg

作業療法の話をしよう
作業の力に気づくための歴史・理論・実践





●はじめに

作業療法は人がよりよく生きるための哲学と具体的な実験が融合する分野です。

また作業療法士(以下、OT)は作業療法の話をすることが大好きです。

しかし「作業療法はわかりにくい」「説明してもわかってもらえない」と言われてきました。

本書は前回紹介した『「作業」って何だろう』の著者であり、作業療法士である吉川ひろみ先生となっています。

吉川先生は「人は話すことによって自分の知識を確かめ、新しいことに気づく」と言われています。

僕も吉川先生にならい、作業療法のことをまだまだ知らない皆さんに少しでも伝えていく、という作業を実践していきたいと思っています。

その作業を通して自分の知識を確かめ、新しい発見に気づいていけたらと思っています。

本書は作業療法の歴史に始まり、実践、理論と幅広い視点で解説されています。

以前に作業療法の理論についてのブログを書いたので、今回は作業療法の歴史について紹介したいと思います。

学校の授業みたいで退屈に感じてしまう方もおられるかもしれませんが、良ければご一読ください。



●作業療法のはじまりから今日まで

1、むかし-活動を使った治療

哲学の父といわれたヒポクラテスは「病気を癒すものは自然である。つまり人間に備わっている活動するという性質が治療になる」という考えをもっていました。

また薬、食事、外科治療、温熱など現代医療につながる様々な治療法を列挙しており、そのなかに『仕事』『散歩』があったと言われています。

ギリシャの医学者ガレノスは健康の維持に役立つ作業として舞踏乗馬水泳狩猟農作業などを挙げ、精神病にはレクリエーション作業を処方しました。

心身機能障害があっても何もできないと思われていた人が、自分にぴったりの作業に出会って、社会で活躍することがある。

歴史のなかで世界中のあちこちでこうした事実が確認され続けてきました。



2、ルーツ-道徳療法・アーツアンドクラフツ運動・社会背景

・道徳療法

18世紀フランスの医師フィリップ・ピネルは当時の精神科での治療法に疑問を持っていました。

患者は精神病だ、というレッテルを貼られ、閉じこめられたり血を抜かれたりする治療が現実に起こっていたそうです。

その一方で患者に対して思いやりのある態度で接している看護師が付き添っている患者たちの状態が良くなっていることを観察していました。

そこでピネルは患者を尊厳ある存在として認め、道徳的に対応していくことで患者の状態が良くなっていくのを知りました。

道徳療法は人としての生き方を推奨され、18〜20世紀初頭にかけて日本を含む世界へと広まっていくことになります。


・アーツアンドクラフツ運動

作業療法のもう一つのルーツは19世紀のイギリスで始まったアーツアンドクラフツ運動と言われており、特に有名な人物としてウィリアム・モリスがいます。

産業革命後、人々は工場で大量生産された日用品を使って生活するようになりました。

それまでは自分の生活で使う物は自分で手作りしていました。

つまりそれは世界に一つしかない貴重品だったのです。

これに気づいた人々が手作りの良さを認め、アーツアンドクラフツ運動を起こしました。

この運動を通して人が想いを込めて作った作品を使う日常を豊かだと感じる人々が増えてきます。

道徳療法とアーツアンドクラフツ運動の精神は作業療法を誕生させましたが、順調に発展はしませんでした。

その要因に19〜20世紀初頭にかけて起こった経済不況があります。

これにより世界経済は大きく変化しました。

欧米では移民が増えたことで経済格差を生みます。

新展地不適応となった人々などで精神科病院では患者数が急増し、人もお金も不足していきました。

結果、道徳療法も実践する余裕がなくなってしまうことになります。



・社会背景

社会福祉の基礎になったと同時に、作業療法を支えるきっかけとなった社会運動、それがセツルメント運動精神衛生運動があります。

精神衛生運動により、予防を含めて精神病を考えるようになりました。

また貧富の格差を問題視する富裕層の人々によるセツルメント運動も広がりました。

こうした社会背景の中で、人々や社会をより良い状態にするために作業が使われるようになっていきます。



3、需要-誕生と戦争中の再建病院での活躍

・アメリカ作業療法協会の誕生

1923年にアメリカ作業療法士協会が発足され、作業療法をより発展させていこうと言う動きが見られました。

精神科医のウィリアム・R・ダントンと建築家のジョージ・E・バートンが中心となり、作業療法士協会設立メンバーを考えました。

そこでソーシャルワーカー、看護師、高校教師が選ばれ、さらに建築家が加わったことで、作業療法は学際的、国際的なものになっていきました。



・再建助手

アメリカに作業療法士協会が誕生した1ヵ月後、アメリカは第一次世界大戦に参戦しました。

アメリカの医師たちは理学療法士(以下、PT)やOTの業務を行う再建助手を戦地へ派遣しました。

戦争によって目の前で人が死ぬのを見た兵士の中にはショックによる精神症状を示すものも現れ、そのために作業療法が求められました。

戦地で手工芸を行うことで兵士たちが回復していく姿を見て作業療法の価値を認められるようになります。

アメリカ政府は負傷兵たちの生活を保障するために職業リハビリテーション法などの法律を作ります。

こうした法律はOTに活躍の機会を提供することにもなりました。

しかしOTは軍での地位は与えられず、作業療法を本当に必要な医学的治療と認める医師が増えることはありませんでした



4、拡大-リハビリテーションとともに普及
・リハビリテーション

軍の指導者たちは作業療法を「患者を元気づけるボランティアのような存在」としか見ていませんでした。

その結果、PTと同様に身体の耐久性、関節可動域や筋力、自助具について関わることがOTの業務になっていきました。

第二次世界大戦が終結した後は傷病兵のリハビリテーションが世界各国に広がっていくことになります。



・作業療法士協会

(1)世界作業療法士協会(以下、WFOT)
1917年にアメリカ作業療法士協会(以下、AOTA)が生まれた後、世界各国に作業療法士協会が設立されていきました。

1952年には10カ国が参加して会議が開かれ、世界作業療法士連盟が設立しました。

WFOTは1959年に正式に非政府組織となり、OTになるための教育基準も定めていきました。



(2)日本作業療法士協会(以下、JAOT)
1965年にJAOTが誕生し、1972年にはWFOTに正式加盟することになります。



5、見直し-作業療法の本質
・作業療法の定義

1960年のAOTAの定義には作業療法は「患者の主治医により処方され、作業療法士により実施される」とあります。

その3年後、スパックマンは心理社会的適応を促す「通常の活動」を使うことが作業療法の独自性だと述べ、医師の指示と言う要件を外しました。

1993年の定義では1980年に世界保健機関(以下、WHO)が発表した国際障害分類(以下、ICIDH)の用語が含まれました。

そして2000年以降の定義には「作業を使った」「作業を通して」と言う言葉が登場し、いよいよ「作業」によって作業療法を説明する時代に入ることになります。


・作業療法の核

作業療法は誕生当初から「わかる人にはわかるが、わからない人にはわからない」性質を持っており、みんなが「これが作業療法だ」と言う説明を求め始めました。

1997年にカナダ作業療法士協会は作業が作業療法の中核であると明言し、その後世界中で「occupation=作業」と言う言葉で作業療法を説明する機運が盛り上がっていきます。

2018年JAOTも定義を改定し、作業と言う形を使うようになりました。


6、理論の出現
・作業行動

1960年アメリカのOT、マリー・ライリー子供の遊び退職者の趣味までを含み作業行動として考えることを提唱しました。

作業行動は一人一人がどんな遊びを好み、何が得意で、何をして人生を送ってきたか、に焦点を当てて物事を考えることを奨励します。

作業行動を学んだOTたちは作業歴興味チェックリスト等の評価法や人間作業モデルを考察しました。



7、基盤づくり-理論とエビデンス
・作業療法全体を説明する理論

1980年代に入り、作業療法の原理を語り、作業療法実践を説明する理論が誕生し始めました。

1980年から2000年は作業療法の概念的ルネサンスと呼ばれており、作業療法の本質をOT自身が明らかにしようと言う努力が始まります。

作業療法は何に関わり、何を行い、どのような成果を出すかを説明する理論が生まれ、

研究により作業療法の効果を証明するエビデンスが明らかになり、

さらに理論が洗練されていく時代に入ります。



・作業療法のエビデンス

1990年代からエビデンスに基づいた医療(以下、EBM)が注目され始めた。

EBMとは実際に効果があったと臨床研究によって証明された治療法を奨励するものとされています

作業療法の効果は作業で示すべきだという考えが生まれ、作業療法のエビデンスを示す評価法が開発されていきます。

アメリカのOTアン・フィッシャー評価も介入も成果も作業で示すことを提案した。

作業療法では治療法は「作業」、成果は「健康」とします

そのためには「健康」とは何を指すかが重要です。

WHOが1986年に発表したオタワ憲章では

「仕事、生活、余暇のパターンを変更することは健康に重要な衝撃を与える。
仕事や余暇は人々にとって健康の源である。
社会が仕事を組織する方法が健康な社会を創造する」

と述べています。

健康の定義→1946年に発表した(WHO)では「単に疾患がない、虚弱でないと言うことではなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態」

であるとされています。



8、これから-ビジョンと発展
WFOTは作業療法とは何かを説明する声明書を発表し、AOTAは統一用語を作ったり、枠組みを明示したりして、作業療法の社会的認知度を高めています。



・求められる資質

世界作業療法士協会の倫理網領には作業療法の資質として以下の4点が挙げられています。

インテグリティ:一本筋が通った芯のある人格者であること

信頼性:嘘、偽り、ごまかしがないので信用できるという性質

オープンな心:偏見や思い込みに支配されず誰に対しても広い心で関わりを持つ親しみやすい態度

忠誠心:周囲の人々や社会からの正当な期待に応えようとする真面目さ



・作業の視点

(1)作業科学
※ここは以前紹介した「作業」って何だろうの読書感想ブログを参照ください。


(2)作業中心の実践
クライエントにとって意味のある作業を重視した作業療法作業を基盤とした実践(OBP)、作業に焦点を当てた実践(OFP)、これらを総称して作業中心の実践と呼んでいます。

OBP→クライエントが実際に作業を行う
OFP→クライアントの作業から目をそらさずに作業療法を行う

これからの作業療法は作業中心の実践の価値を世の中に示していくことが求められます。

(3)作業リテラシー
作業にまつわる現象を作業の言葉で説明する力のことを指します。

作業リテラシーを習得することで、より洗練された作業療法を行うことができるとされています。



・将来ビジョン

作業を治療に使うと言うアイデアは古くからあり、時代の波に流されながらも、消えずに残り続けました。

作業療法は多様で柔軟に変化するため、専門職として分かりにくいと言われてきました。

しかし多様化、複雑化する現代社会において、作業と言う核を持つ作業療法は発展し続けています。

作業の効果を最大化する知識や技能を持つ作業療法士を未来は必要としています。



以上です。
なかなかのボリュームになってしまいました。。。

今回紹介させていただいた内容は本書のほんの一部です。

もし作業療法の歴史・理論・実践に興味関心のある方がおられたら是非本書を手に取っていただけると嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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2021年04月19日

読書感想ブログその4〜幸福の資本論〜

どうも。
泉北 兼 心意気実践チームのむろのぞのです。

今月の本はコレ。

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幸福の資本論
あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」



橘玲さんの本は何冊か読んでおり、
そのなかでも本書は特に好きな一冊です。

『幸福』という漠然としたものを、
人が生きる上で必要な3つの資本で解説していく、というとてもわかりやすい本になっています。

この本を読んでからは『幸福』というものをより具体的に生々しく考えられるようになりました。

さて、3つの資本と8つの人生パターンとは一体なんぞや?

少し長いですが、興味のある方は是非読んでみてください。



●プロローグ

ひとは幸福になるために生きているけど、幸福になるようにデザインされているわけではない。

ゆたかな日本に住む若者はいまや選択肢が多すぎることに困惑している。

そもそも「幸福」とは何か?
本書では幸福の条件を「設計できるもの」「設計できないもの(運命)」に分けています。


また本書では幸福を『家』で例えます。

住みたいと思う家は人それぞれ異なる。
どれが良い悪いではなくどれも良い家です。

しかし…どの家にも必ず共通すること

それは

良い家はしっかりとした土台の上に正しい設計で建てられている。



●幸福の3つのインフラ

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冒頭で説明した3つの資本がこれです。

@自由:金融資産
A自己実現:人的資本
B共同体=絆:社会資本

各資本の詳細はこのあと説明していきます。

どのような家を建てるか(幸福を実現するか)は人それぞれの価値観で変わってくる。

自分が建てたい(増やしたい)家(資本)を建てれば(増やせば)OK!



●人的資本と社会資本

投資家:
自らの金融資本を金融市場に投資(リスクを取る)→富(リターン)を獲得する

※もちろん損もする

労働者:
自らの労働力(人的資本)を労働市場(会社)に投資→給与や報酬(富)を得る

社会資本:
周りの人たちとの関係性から「富」を得る

人的資本と金融資本との類似性は強いが、人的資本の活用(仕事)から得られるものすべてを富(金銭)に還元できない

なぜ…?

現代社会は仕事を通じた『自己実現』こそが幸福の条件になっているから

金融資産同様「人的資本」「社会資本」も"投資"して「富」すなわち"資産"を手に入れることが幸福になる条件



●人生8つのパターン

本書では人生を大きく8パターンに分けて説明しています。

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超充
→3つの資本全てを持っている人

リア充
旦那(パパと呼ばれるような人たち?)
金持ち
→3つの資本のうち2つを持っている人

退職者
ソロ充(独身ライフを満喫している人)
プア充(生活圏が地元の友達らとのコミュニティ)
 3つの資本のうち一つしか持っていない人

いま持っている資本(産)が無くなったらどうする…?

貧困
→3つ全ての資本を持っていない人

資本(産)を全く持っていない人が生きていく上でのリスクは非常に高い



●幸福の製造装置

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私たちはみな「幸福の製造装置」を持っており、そこになんらかの刺激(インプット)を入れると、あるメカニズムによって「幸福」に変換(アウトプット)されます。

本書ではそのインプットを3つの資本でまとめています。

この製造装置に何をどの割合で入れれば幸福になるのかはわかりません(ブラックボックス)。

ただしひとつだけ言えることは、

インプットするもの(資本)がなければアウトプットするもの(幸福)もない、ということです。

これを踏まえて3つの資本をどのように資産配分していくことが大切かをより深掘りしていきたいと思います。



●誰でも億万長者になれる残酷な時代

「収入の10〜15%を貯蓄に回す倹約を続けていれば誰でも億万長者になれる」

※平均年収の倍の収入が必要だが夫婦共働きをすることで解決できる
億万長者は努力でなれる…ということは貧乏は社会制度等のせいではなく"自己責任"になってしまう…



●お金が増えても幸福になれない?

ビールは1杯目が美味しい。
だけど2〜3杯目になると美味しさが下がっていく。

これを限界効用という。

日本では年収800万を超えると幸福度はほとんど上昇しなくなる。

また金融資産は1億を超えると幸福度はほとんど上昇しない。

お金は幸福度を低下させることがあるが、
お金が「ある」「ない」が問題ではなく、

『お金のことを考え過ぎること』が幸福度を低下させてしまう。



●人的資本は「富の源泉」

金持ちになる3つの方法(これしかない)
@収入を増やす
A支出を減らす
B資産を上手に運用する



●ノーベル賞学者の人的資本理論

ひとはそれぞれ「人的資本(ヒューマンキャピタル)」を持っており、それを労働市場に投資して日々の糧となる収益(給料)を得ている

これは「労働」の意味を大きく書き換えたイノベーション。



●20代で5500万円の人的資本

一般的なサラリーマンが生涯稼ぐことのできるお金を計算すると5500万円になる

現時点で若者がこのお金(金融資産)を持っているわけではないが一つ言えることは

『もっとも重要な「富の源泉」は人的資本』である。



●自己実現という「聖杯」

金融取引のルール
@利益は大きければ大きいほどいい
A同じ利益ならリスクの小さい方がいい

人的資本の投資に関するルール→
@収入は多ければ多いほどいい
A同じ収入なら安定していた方がいい
B同じ収入なら(あるいは少なくても)自己実現できる仕事がいい

人的資本には金融取引にはない特徴がある。



●かけがえのない自分になること

私たちは働くことに2つの目標を無意識的に設定している。
@人的資本からより多くの富を手に入れる
A人的資本を使って自己実現する



●オンリーワンでナンバーワンの戦略

スペシャリストになるには
好きなことに人的資本の全てを投入する

好きなことが「得意なこと」になり、それ以外のことは「やってもできない」



●弱者の3つの戦略

@小さな土俵で勝負する:
強者が侵入できない「小ささ」を利用し、大企業にはアクセスできないニッチを見つける

A複雑さを味方につける:
ルールがシンプルなゲームは強者に有利になる

B変化を好む:
変化の激しい環境ほど弱者にはチャンスがある



●「老後問題」とは老後が長すぎること

老後
人的資本をすべて失った状態

老後の経済的不安を解消する方法
老後を短くする(働き続ける)こと

生涯現役でいるためには嫌いな仕事、不得意な仕事なんか絶対続けられない

つまり、

「好きを仕事にする」以外に生き延びることができない!



●友だちとはなんだろう?

「幸福」は社会資本からしか生まれない

巨万の富を得てもそれを誰も知らなければ紙幣はただの紙切れ



●3つの世界

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@「愛情空間」
A「友情空間」
B「貨幣空間」

@(家族、恋人)+A(友だち)=C「政治空間」(会社の先輩、同僚、SNS上のつながり)

B(他人によって構成され貨幣でつながっている空間)

C(イジメ、パワハラ、過労自殺など敵味方が入り乱れている空間)



●煩悩から自由になった「ソロ充」

人生の問題のほとんどは近しい人とのこじれた関係から生じる

対処法
1、ベタな仲間や家族、親族の共同体のなかで生きる
2、一切の人間関係を断ち切る(ソロ充)→すべての社会資本を政治空間から貨幣空間に置き換える



●「幸福な人生」の最適ポートフォリオ

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・弱いつながりで得られるもの
1、社会資本を分散投資するので、リスクに対する耐性が強くなる

2、お互いの価値観が似ているという「認知的共感」によって境界の曖昧な集団を構成するため、異質な存在に対しても寛容でいられる

→信用を「貨幣」に置き換えて「知り合いの輪」を広げていくことができる

・強いつながりで留意すべき問題
1、地元や会社に社会資本を一極集中している

2、メンバーの情緒的共感が幸福感を生む一方で、その一体感が外集団の排除や差別からもたらされること

・組織(強いつながり)を捨てることの
デメリット→生活が不安定になる
メリット→人間関係が選択できる

「強いつながり」を恋人や家族に最小(ミニマル)化して、友情を含めそれ以外の関係はすべて貨幣空間に置き換える



以上です。
前半にでてきた8つの人生パターンで解説していたように、

3つの資本のうち1つしか持っていない(その1つが無くなったら…)、3つ全て持っていない

といった生き方はとても大変になることが想像されます。

かといって3つ全て手に入れることはほぼ無理ゲーです。

と、なると僕のような凡人でも健やかに生きるには3つの資本のバランスを常に保ち、

どれかが欠けても他の2つで補えるようなリスク管理をしていくことが幸福になる道なのかな、と感じました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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2021年03月22日

読書感想ブログその3〜2才児イヤイヤ期の育て方〜

どうも。
泉北 兼 心意気実践チームの室之園です。

3月の本はコレ

イヤイヤ期.jpg

「魔の2才児」と楽しくバトル!
新編 2才児イヤイヤ期の育て方



ん?

介護やリハビリと2才児のイヤイヤ期がどう関係するんだ?

と思った方もおられると思います。

まぁ半分は自分事で半分は人材教育に通ずるものがあるなぁと勝手に感じたので読書感想ブログで挙げようと思いました。

いま現在イヤイヤ期のお子さんを育てておられる方は自分のお子さんを、
新人教育や育成を担当されておられる方はその部下を、

それぞれイメージしてもらえると嬉しいなと思います。

※くれぐれも部下を子ども扱いする、という意味ではないのでご注意を!



●はじめに

赤ちゃん時代を抜けて自我が芽生え始めた2才児はとても手強い存在。

その成長をしっかり見守り愛情深く受け止めるための知恵が詰まった本である、と著者は冒頭で述べています。

心があまりにも急激な発達をしているために、
自分でもどうしたらいいかわからなくなって
混乱したり、もがいたりしている

そんな時期を「魔の2歳児」や「イヤイヤ期」と呼んだりしています。

「あの頃はあんなにかわいかったのに…」と
親まで「子育てイヤイヤ期」になっているのではないでしょうか?

これから自立しようとする子どもの内面を理解し
子どもを忍耐強く見守れるよう
親も、子どもとともに育っていきましょう、

という言葉は子育てに限らず人材育成にもぴったりと当てはまる気がします。

そうなんです。
親(指導者)が子(部下)に対してすべきことは『忍耐強く見守る』

ということをこの本で再確認しました。



●2才児の心の発達
・「イヤ」「自分で!」は自我の芽生え

何でもかんでも「イヤ」と言うわけでなく、
「はい」と言って素直に頼んだことをしてくれることもある。

自分自身の要求が制限されたり、禁止されたりするとき、
子どもは「はい」と「いいえ」のラインを見極めるそうです。



●2才児の感情表現
・喜怒哀楽の表現がとても豊かになる

2才児の色々な「問題」とされる行動はみな、
情緒の分化が進んだことのあらわれ。

感情が豊かに表現できればできるほど、
2才児としての発達が順調であると考えられます。



●気になる2才児魔の行動
なんでも「イヤ!」
・反抗は成長のあかし

「いや!」と言えるようになることは、
自分の考えを主張できてきた証拠
それが大人には反抗に見えてしまう、と著者は話しています。



●家族のつながり
嬉しいことも悲しいことも何もかも一緒になって共感してくれるのが家族。
自分の存在をしっかり受け止めてくれる家族の一人一人に、
子どもは安らかな心を寄せます。

お母さんの役割
・母性愛神話にとらわれないこと

「自分を犠牲にして子に尽くす、すばらしい母」
になろうとしても、子どもにはありがた迷惑であるということになりかねない。

互いに影響を与えたり、与えられたりしながら、心を通い合わせていくことに重きをおくほうが、
母親の役割としてはずっと大切なことのように思われる。



●子どもとの暮らしを楽しみましょう
・親と子の個性がぶつかることもある

子どもに「当たり(聞き分けの良い子)、はずれ(親の言うことを全く聞かない子)」があるように、

子どもにとっても親の「当たり(自分の言動を全て受け入れてくれる親)、はずれ(あれしろこれしろ、と文句ばかり言う親)」があるかもしれません。



・息抜きして心に余裕をもつ

子どもの個性は認められなければいけないですが、
それと同時に親もすこやかに生活する権利がある

心に余裕がなくなってしまうと、

「私がこんなに一生懸命頑張っているのに…」
子どもや家族に当たり散らす、という最悪のパターンに陥ってしまう

育児は勉強と違い、まじめに頑張り抜けば必ず成果が現れる、
というものではないかもしれません。



・「いま」をしっかりと楽しく

「過去」に目がいく親は、問題行動が生じると、
必ず子どもが小さかったときの育児のやり方にその原因を探ろうとする傾向にあると言います。

しかし冷静に考えれば過去に生じたことならどんなことでも「原因」にすることができます

「添い寝をしなかった」ことも「添い寝ばかりしていた」ことも、どちらも「いま」の睡眠の問題と関係づけることは可能です。

子ども自身は「いま」を生きています。
だから親もしっかりと子どもの「いま」を見つめ、
「いま」が豊かになるよう援助することが大切だと著者は述べています。



以上です。
冒頭でも触れましたが今回2才児の成長について考えることで、
新人教育や人材育成と共通する事柄がとても多いように感じました。


育児にしろ、人材教育にしろ、
大人は色々なことに手を出したくなることが多いです。


それは「もっと成長してほしい」「色んな経験をしてほしい」など、
相手のことを思っての行動であることが大半だと思います。


しかし、その大人の言動が結果的に子どもの成長や自尊心を止めるキッカケになる可能性も大いに秘めていることを大人である自分は自覚しておかないといけないと感じました。

あまりにも口出しされると子どもは指示がないと動かない(自発的に行動することを注意され続けた結果)ようになります。


怒られることが多いと子どもは怒られないような行動をとるようになります。


子どもの頃に親に認められない経験が続くと、大人になってから他者から認められたい行動(SNSで他者から評価されたがる等)をとるようになります。


必ずしも上記のような関連性がある訳ではありませんが、少なくともこれらの行動をとる可能性を高める、という認識でいていただけるとありがたいです。


わが子、わが後輩を師と仰ぎ、
彼ら、彼女らから多くのことを学ばせてもらう、
という姿勢でこれからも関わっていきたいと思いました。


最後まで読んでいただきありがとうございました。
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2021年02月28日

読書感想ブログその2〜作業療法理論の教科書〜

どうも。
泉北 兼 心意気実践チームの室之園です。

今年から始めた読書感想ブログ。

ギリギリですがなんとか更新できました。

今月の本はこちら


作業療法理論の教科書.jpg


5W1Hでわかりやすく学べる 作業療法理論の教科書

です。

この本は信念対立解明アプローチ、OBP2.0理論など様々な理論研究をされており、近年ではユーチューバーとしても活躍されている京極真先生も自身の動画で紹介しています。

新刊紹介動画


増刷決定の動画


ぼくのブログを読むのが手間な方は是非こちらの動画を参考にしてみてください。



●この本の特徴

これは作業療法理論を現場で活用するための入り口となるもので、とてもわかりやすく説明してくれています。

※ぼくのような、理論から逃げ回っていた人間からするととてもありがたい本です。



●なぜ理論が必要か

この本で理論は、作業療法の実践における特定の問題を過去の情報に照らし合わせて理解し、言語化し、介入方法の検討を手助けするもの

とあります。
また、

過去に観察され、蓄積された情報が凝縮化されたマニュアルのようなもの

とあり、

実践を分析し、過去の知見を参照することによって、良い実践へと導くために必要

と述べています。



●理論の意義

理論の意義について本書では3つの視点で述べています。


・理論を使用する一般的な意義

1、結果を予測することができる
2、ある「事実」を説明・解釈する手がかりを得ることができる
3、ある現象を「整理」することができる
4、仮説を生み出す「母体」になることができる


作業療法の独自理論を確立することによる専門職にとっての意義

1、作業療法独自の知識体系を確立し、作業療法のアプローチの独自性を示す
2、作業療法の守備範囲を明確にする
3、実践に妥当性を与え、その手引きとなる
4、診療報酬を正当化する


作業療法における理論の意義

1、作業療法を臨床で思考するために重要で臨床実践を明確化できる
2、人の生活や作業を評価・介入する専門職にとって有用である
3、作業療法の臨床実践の根拠であり説明のツールである
4、作業療法の学問的知識であり、作業療法の科学、哲学である


このまとめからも理論は学問と臨床実践を結ぶ重要なツールであるといえますね。



●理論を用いる際の注意点

理論を学ぶこと、理解すること、実践に活かすことは非常に重要ですが、理論を用いる際に注意しておかなければいけないこととして、以下の3点が挙げられています。


・理論は時代背景や科学や医療の発展とともに変遷する

・理論は研究により効果が認められるようなエビデンスをもつものもあるが、その範囲が限られていたり、不十分な理論もある

・理論がすべて正しいとは限らない


これらの点を念頭においた上で理論をうまく実践に活かしていくことが大切になっていきます。


●理論の分類

理論には目的、扱う対象や範囲、実践との関係により分類することができます。
分類方法を知ることで理論を整理し、正しく用いることが可能になります。

理論を扱う概念の範囲によって

・超メタ理論
・メタ理論
・大範囲理論
・中範囲理論
・小範囲理論

と、大きく5つに分けられることができ、理論を分類して理解することは理論を実践で活用する際の知識の整理のために有用になります。



●作業療法理論と臨床実践

理論書を学ぶことを決意したとき、最後に問題と超えるべき課題が立ち現れます。

その問題となるのが
『理論書の難解さ』『理論を臨床現場で活かす読み解きの難しさ』であり、

超えるべき課題が
@一人で抱え、一人で解決しようとする心理的エラー
A多くの情報処理
B難解な理論書の理解と読み解き

になります。

理論を学ぶのはやっぱり難しい…。
自分には無理だ…。

そう感じてしまう人は少なくないと思います。
まさに自分がそうでした。

でもこの本は理論を学んだ上で実践するのと、そうでないのとでは臨床過程や結果が大きく変わってくる、ことを解説してくれています。



●臨床での理論使用の効果

以下に挙げる理論使用の有効性を検討した上で、わたしたち専門職は理論を使用するべきかどうか判断します。

失敗回避:過去の過ちを繰り返さない最良の手立て

専門性の確立:現象を言語化する力を養い、議論の進行をスムースにする

方向づけ:自分に足りない視点や行動を提示し、OTの視点で介入ポイントを示す

持続的効果:理論の力で多面的に見る視点+包括的に人を捉える=持続的効果(即時効果に留まらない)


理論が素晴らしいことはわかるけど、やっぱり自分なりに学んで考えたことを実践してみたい!

そう思う気持ちはとても大切ですし、わかります。

ただ、私たちの仕事の大半は診療報酬の上で成り立っています。

言い換えれば対象者さん以外にも皆さんからの税金によってお金を頂いています。

そして何より私たちの関わりは、
病気に罹り、障害を持たれた対象者さんの人生を大袈裟ではなく良くも悪くも変えてしまいます。

そう考えると、ただただ自分のやりたいことをやりたい、という考えに少しブレーキをかけないといけないのではないか…

ぼくは理論の重要性を考えるようになってから、
こんな考え方に変わっていきました。



●理論に関するQ&A

最後に本書では理論に関する素朴な質疑応答のページがあります。

強く共感した内容を2点紹介したいと思います。


Q1、信じる理論の違いによって、なぜ対立は生まれるのか?

A1、理論を信じるからこそ対立は生まれる。理論を「共通目標を達成するために使うツールであり、複数の理論を補完し合いながら活用していけばいい」と気づくこと。理論は信じるものではなく、目標を達成するために使うもの


Q2、理論はどこまで学習すればいいのか?

A2、まずは広く浅く学習することが重要。実践で適応しながら学習を深める(強化)。最終的に広く深く学ぶことがベスト。
実践で使えそうならまず使う!理論は実践で使わないと身につかない



以上です。

上記内容以外にも本書では21の理論を、

なぜ?何で?誰が?どこで?いつ?どのように?

用いるのかを解説してくれています。

各理論の感想まで書くと、ますます乱文に拍車がかかってしまうのでこのへんにしたいと思います。

もし作業療法理論に興味関心のある方がいたら、各々がいま実践している理論について話し合う(もちろん相手の理論の批判はナシ!!)なんて取り組みがあっても面白いなと思いました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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2021年01月31日

読書感想ブログその1〜「作業」って何だろう〜

どうも。
泉北の室之園です。

久しぶりの投稿になりました。
今年から毎月1冊、読んだ本の感想をブログでまとめてみようと決めました。

もしかしたら今月で終了するかもしれませんが…

とりあえず「アウトプットする」という目標がないとなかなか読書が習慣化されないので、勝手にやっちゃおうと思います。

今月の本はコレ

作業って何だろう.jpg

「作業」って何だろう
作業科学入門



吉川ひろみ先生という、
作業療法士の方なら知らない人はいない、
とても有名な作業療法士の方が執筆された本です。

世間でも「理学療法士さんは知ってるけど、作業療法士さんは何をしてくれる人なの?」
と言われることがよくあります。

作業療法士のなかでも作業療法とは何かを説明できる人はそう多くない、と吉川先生は話しています。





●作業の定義

当たり前ですが、作業とは人が何かを行うことです。
世間で用いる作業と、作業療法士のなかで用いる作業には少し違いがあります。

作業療法士が定義する作業はいくつかありますが、そのなかで共通するのは

人間が自身の人生にとって意味や目的をもって行う行動や特徴、パターン

があります。

そしてその作業を通して社会参加を実現する方法(治療のために作業を使う)として作業療法があります。

作業科学とはその「作業」そのものについてもっと深く考えていこう、というものであり、
本書は作業科学を理解するための入門書のようなものです。





●作業をすることは良いことばかり?

作業療法というだけであって、作業は人間にとって良いことだと思われがちです。

でも人を健康にする作業(音楽鑑賞、スポーツ、旅行、友人と遊ぶ、美味しいものを食べる等)もあれば不健康にする作業も当然ながら存在します。

働き過ぎること(ワーカホリック)、アルコール依存症、薬物依存、喫煙、食べ過ぎること等の作業は人を不健康にする作業です。

作業は人を健康にもするし、場合によっては不健康にもなります。

またその作業を行う上で『人』『環境』もとても重要になってきます。





●健康の定義

一般的に健康とは病気ではないこと、をイメージしますが、必ずしもそうとは言えません。

健康と身体的、精神的、社会的によい状態であること、とあります。

これはWHOが定めたオタワ憲章のなかで詳述されています。





●作業科学に必要な視点

同じ作業遂行は2つと存在することはありません。

ゴハンを食べる、という作業も"誰と食べるのか"、"どこで食べるのか"で全く変わってきます。

また同じゴハンをAさんと、Bという場所で食べたとしても、昨日食べたのか、明日食べるのかでは全く別の作業になります。

このように"ゴハン"、"Aさん(人)"、"C(環境)"といった要素に分けるのではなく、融合し合った全体となっていく状態(トランザクション)がある、という視点をもつことが大切になります。





●作業的存在

作業をすることによって、人は自分自身がどのような存在かが決まってきます。

また、どんな生涯を送るか、どの集団に属するかも決まっていきます。

それをオーストラリアの作業療法士、アン・ウィルコック先生が「d+b3=sh」と表現しています。





● d+b3=sh

これはdoing(作業)+being(存在)、becoming(将来の自分)、belonging(所属)=survival(生存)、health(健康)の略称です。

アン・ウィルコック先生は行うこと(doing)、自分があること(being)、将来の自分になっていくこと(becoming)、そしてもうひとつ所属すること(belonging)が生存(survival)と健康(health)を可能にすると考え、さらにこれが健康を増進し、病気や障害を予防すると考えました。

またこのような状態を支えるものの一つに作業的公正が必要だと述べています。





●作業的公正

人が何かを行うことを出発点として生きていくためには、自分にとって意味のある作業に公平に参加する機会が必要です。

そしてこの公平が保てていない状態、意味のある作業が行えていない状態を作業的不公平(作業機能障害)と呼んだりします。

これを先述したアン・ウィルコック先生と、カナダの作業療法士、エリザベス・タウンゼント先生が世界数カ所にわたってワークショプを行い、提唱しています。




●作業的不公正

アン・ウィルコック先生とエリザベス・タウンゼント先生は作業的不公正を@作業疎外A作業剥奪B作業周縁化C作業不均衡という4種類で考えられると指摘しています。

@作業疎外
朝起きて、仕事に行って、帰って、寝る、といった毎日の単調な生活のなかで、作業を通して生きている実感を持てない、成長することもできない人によくみられます。

A作業剥奪
外的な力で作業が長期間にわたって奪われている状態。災害で家を失い、避難所で暮らしている人たちはこの作業剥奪を経験します。

作業を奪われ続けると、身体は弱くなり、気力も失せ、社会とのつながりもなくなっていきます。

作業剥奪は健康状態の悪化につながります。

B作業周縁化
隅に追いやられている状態。
何か作業は行なっているが、それが周辺的な些細な価値しかない場合を作業周縁化と呼びます。

自分の能力を発揮できない些細な仕事ばかりをしなければいけない場合もこれにあたります。

C作業不均衡
不均衡とはバランスが損なわれている状態を指します。

ワークライフバランスや働き方改革、サービス残業廃止などが必要だと言われるのは働き過ぎを問題視しているからです。

ただしこのバランスがとれているかどうかを判断することは難しく、自分が楽しいと感じる仕事ができている人は、必ずしも自分が働き過ぎているとは感じないこともあります。





●作業科学と作業療法

作業をしているうちに、病気が治ったり、心身機能障害が軽くなったりすることから、作業療法が注目されました。

作業には力がある、作業の力をみんなが知り、自分の人生に活かしていってほしい、という願いは各地、各分野に発展していきました。

アメリカの作業療法協会初代会長であり、建築家であるジョージ・エドワード・バートン先生は作業の力が高まるには次の6つの条件があると話しています。

@選択、リスク、責任
自分で選び、リスクを引き受け、結果の責任をとるときに、作業の影響力が高まります。

Aクライエントの参加
クライエントの参加があってこそ、作業の力が現れます。

B可能性の見通し
作業は簡単過ぎても難し過ぎてもいけません。
できるという可能性の見通しがあるとき、その作業を頑張り続けることができます。

C変化
前例重視の組織や事なかれ主義の集団においては作業の力は小さくなります。

作業を通して、人も、環境も変わり、理想に向かって社会変革を起こしていくことを望む状況が作業の力生まれることを奨励します。

D公正
不当な差別や人権侵害がある社会では意味のある作業を行うことを抑圧されてしまいます。

誰もが自分にとっても社会にとっても意味のある作業を見つけるための公正な機会が必要です。

またそのための支援を公正に受けることも必要です。

E力の共有
多くの作業は一人ではできません。
誰かとともに行うことで作業の力は強まります。

したがって作業療法士とクライエントとの正しい関係は協働関係である、ということになります。





●作業療法における作業科学の応用

作業科学を正式な学問として誕生させた南カルフォルニア大学の研究者たちは、作業科学を応用した作業療法を報告しました。

同大学のフローレンス・クラーク先生は作業ストーリーテリング作業ストーリーメイキングを個人の作業研究で行いました。

作業ストーリーテリングではクライエントが自分の作業について自発的に自然に話すことができるよう心がけます。

作業ストーリーメイキングは作業ストーリーテリングでわかったストーリーを将来へ向けて新たに作っていくことです。

また作業療法士はその作業がクライエントの将来にとってどんな意味があるかを語ったり、進歩していることをフィードバックしたりします。

作業療法士はクライエントが自分の将来の作業についてあれこれ考えるときに、問題を整理していくようなコーチ的な役割が求められます。





以上です。
まとめたつもりがこんなに長くなってしまいました。。。

まだ伝えきれていない所ばかりですが、もし作業科学に興味のある方がいたら、一緒に学んでいけると嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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2020年07月27日

介護保険についてみんなで勉強してみました

どうも。
泉北 兼 心意気実践チームのむろのぞのです。

以前の伊藤さんのブログで紹介してくれていた内容と重複しますが、

先日1〜2年目の療法士の方々を対象に、介護保険制度学習会を行いました。

伊藤さんのブログに追記するとかなり長くなってしまうかもしれなかったので、改めて投稿させていただきます。




今回は当デイで算定している『個別機能訓練加算U(以下、加算U)』と『生活機能向上連携加算』を中心に話をしました。

そのなかでも本ブログでは加算Uについて重点に記載したいと思います。




※『生活機能向上連携加算』についてはこちらの資料を参考にしているので気になる方は確認してみてください
平成30年度の介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について(P.66〜)




加算Uについては佐賀県の杵藤地区から公開されている資料(めっちゃわかりやすかったです)

をもとに話していきました。


加算Uの重要なポイント(僕が大事だなと感じた点も含みます)を以下に列挙します。



●利用者さんの『生活機能(ADL、IADLなど)の維持・向上を目的とする』こと

●3月に1回以上居宅を訪問した上で、利用者・家族さんに対して訓練計画の見直しを図ること

●類似の目標を持ち、同様の訓練内容が設定された5人程度以下の小集団(個別対応含む)に対して機能訓練指導員が直接行うこと

●必要に応じて事業所内外の設備等を用いた実践的かつ反復的な訓練をすること

●訓練を効果的に実施し、計画的・持続的に行う必要があることから概ね1回/週以上実施すること



等があります。


僕がそうだったんですが、新人の頃のリハビリ目標はどうしても心身機能に偏ってしまう傾向にあります。

本加算でも心身機能に着目することがダメだとは言っていません。

ただそれだけでは加算要件に満たないということです。

心身機能の維持、改善がその方の活動や参加にどう関わってくるのか。

そういった2〜3歩先を想定した計画、実践が大切になります。

そう考えると活動・参加に向けたリハビリテーションの実践は弊社の最大の強みであると言えるんじゃないかなと感じています。

若手療法士の皆さんはデイサービスでリハビリを実践する機会が多いので、

是非とも新人教育期間の3年間でこれらの視点や行動を体得してほしいなと思っています。




以上が報告となります。

また機会やニーズがあればもう少し時間をかけて、グループ演習などのワークショップも実施してみたいなと思っています。

今回このような機会をくださった松原のPT藤島さんをはじめとした新卒療法士の皆さん。
本当にありがとうございました。
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2020年05月25日

ひやりハット報告書について考える

どうも。
泉北のむろのぞのです。

突然ですが『アクティブシート』というものをご存知でしょうか?

IMG_5892.jpg

コレがアクティブシートです。

私がこのシートを知ったのはまだ1〜3年目の頃だったと思います。


シートにも記載していますが、

これの目的は利用者・家族さんへのサービス改善、向上。

事業所内、他事業所、関係機関との連携強化。

地域状況の変化による新たなサービス開発

などがありました。

当時の私はなかなかこれをうまく活用できずにいました。



長い歳月が経ったある日。

当事業所責任者の北山さんとこのシートに関する話題で盛り上がりました。

当時のアクティブの歴史を語ってもらうなかで、

いまこそこれを活用できるんじゃないかなと感じました。



その理由となったのは『ひやりハット報告書』というレポートの存在でした。

仕事上のミスや失敗は誰しもあることだと思います。

しかし私たち医療・福祉従事者はそれをある形で残しておかなければいけません。

それがひやりハット報告書です。


慣れない環境下で業務やリハビリテーションを提供する新卒療法士の皆さんにとっては

ミスすることは当たり前ではないかと感じます。

当たり前だからといってそのミスを無いものにはできません。



しかしこの報告書作成というのはなかなか骨が折れる作業です。

なぜならこの報告書にはネガティブフィードバックの要素が強いと感じるからです。

そして報告者(作成者)は『ミスをした張本人』のような印象を受けざるを得ない印象があります。

こうした負の振り返りを度々繰り返すことで、自尊心や自己肯定感が低下してしまう可能性もあります。



どうにかこの課題をプラスに捉えられる方法はないかと考えました。

そこでこれまで人が起こしていたとされるエラー(ヒューマンエラー)を、

『システムが機能していなかったことで起こったエラー(システムエラー)』

として捉えるようにしてみました。



システムエラーとして捉えることで、

問題を客観的に考えることができ、

どうすればうまく機能するシステムに変換できるだろうか、

といったプラスの思考に変えていけるのではないかと考えています。



その一助となるのがアクティブシートではないかと考えました。

このシートをいまの若手スタッフの皆さんに活用してもらうには、

令和バージョンにアップデートした方がいいと考えました。



それがコレです

IMG_5894.jpg

その名も『あつまれアクティブの森』。

通称『アク森』です。



アクティブという一つの島に様々な課題や情報という名のアイテムを集めていき、

アクティブ島の発展と開発を目指していく。

そんなレポートになればいいと思っています。



ん?なんかどこかで聞いたコンセプトとネーミングのような…。

まぁ気のせいでしょう。



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2020年05月22日

リーズニングとは何か

どうも。
泉北のむろのぞのです。

前回、EBM/EBPに関する記事を投稿しました。


そのなかで少しふれた『リーズニング』について、

今回考えてみたいと思います。

参考にしたのはコレです


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『note』という、文章や動画など様々なコンテンツを投稿できるプラットフォームです。

そこでいくつもの記事を投稿されている作業療法士の寺岡睦先生の記事です。





寺岡先生は身体障害領域の臨床経験をもち、現在は吉備国際大学で講師を務めておられる方です。

noteのような誰でも気軽に投稿できるものだけでなく、

作業療法に関する様々な研究論文も執筆されており、

記載内容の信頼性も高いかと思います。


ここでは簡単な説明しかできないと思いますので、詳しい内容は寺岡先生のnoteを参照ください。





●リーズニングとは何か

リーズニングとは「思考の道筋」といわれています。

思考の道筋は療法士がクライエントへの介入を計画し、方向づけ、実行し、

結果を内省する過程を意味します。

またリーズニングは様々な呼称があり、

クリニカルリーズニング

専門職リーズニング

治療的リーズニング

作業的リーズニング

といったものがありますが、基本的には意味はどれも同じだといわれています。

ここでは一般的によく使われているクリニカルリーズニングで説明していきたいと思います。





●クリニカルリーズニングの種類の例

リーズニングには5種類あるといわれており、

@科学的リーズニング

A物語的リーズニング

B相互交流的リーズニング

C実際的リーズニング

D倫理的リーズニング

があります。





@科学的リーズニング
これは前回ブログに投稿したEBM/EBPの内容を確認してもらえたらわかるかと思います。






A物語的リーズニング
対象者の語りから置かれている状況を理解するときに使用します。

その方がこれまでどんな生活を送ってきたのか。

これから何をしたいと思っているのか。

どんな行為に意味を感じているのか。

などを構成的、あるいは非構成的評価によって確認していきます。





B相互交流的リーズニング
療法士が一方的にプログラムを立案していくのではなく、

対象者と共に考えるなかで最善のプログラムを考えていきます。

いわゆる協業というやつでしょうか。





C実際的リーズニング
現実的制約を踏まえた上で臨機応変に判断するときに使用します。

たとえば脳卒中片麻痺の方に対する歩行機能の改善を目的に、

ロボットスーツ(HALなど)を用いることは有名です。

しかしこのアプローチは誰でもどこでもできるものではありません。

今ある物理的、人的環境のなかで提供できる、

最善のリハビリテーションを考えていく必要があります。





D倫理的リーズニング
医療専門職という認識をもち、

実践中に行ってよいことなのか、

それとも悪いことなのかを判断する際に活用します。

対象者の方が望むものが、

家族、社会的に望ましくない内容であった場合、

療法士はどう判断するのか、

こういったことも倫理的リーズニングに含まれます。



以上がクリニカルリーズニングの大まかな概要です。

療法士はこれら5つのリーズニングを常に繰り返し、

状況に応じて順不同的に考えていく必要があると述べています。



またこれらは療法士と対象者が変わるとまた新たなリーズニングが始まり、

その視点や深化は経験とともに変化していくとも述べています。



いま新卒療法士の皆さんは

デイでの個別リハビリの引き継ぎをしてもらっている最中だと思います。

利用者さんお一人お一人のことを全て完璧に理解し、

リハビリプログラムを立案していくことなどは

なかなかできるものではありません。

(私なんか毎日テンパってました…)

毎日の忙しさのなかに少しでも考える時間を見つけ、

これら思考の道筋をうまく活用していけたらと思います。

偉そうなことを言ってる私もまだまだ全然できていないので、

一緒に勉強させてください。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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2020年05月21日

エビデンスって必要??

どうも。
泉北のむろのぞのです。



EBM/EBPという言葉は医療関係者の方は既に周知していると思います。

今回はこのエビデンスって必要なのかどうか、

というテーマについて考えてみます。



結論からいうと私はエビデンスは必要だと思っています。

しかし、そう言いきるには少し説明をしないといけないと感じています。



Evidence Based Medicine/Evidence Based Practice

日本語では「根拠に基づいた医療/根拠に基づいた練習」と

いった訳され方をしていると思います。


しかし、この「根拠」という日本語訳が少しEBM/EBPを誤って理解してしまうことが多いそうです。

偉そうに書いていますが私も以前まではEBM/EBPという言葉に対してアレルギー反応を示していました。




ですがそれをとてもわかりやすく説明してくれる方がいました。

その人は作業療法士の竹林崇先生という方です。

竹林先生といえば脳卒中リハビリテーションにおけるCI療法でとても有名な方です。


そんな竹林先生ですが、セミナーや著書執筆活動以外にも、

SNS(Twitter、YouTube、noteなど)を通して様々な形で最新の情報をわかりやすく発信してくれています。


今回はそのSNSのなかからYouTubeにアップされた内容を紹介したいと思います。






詳細は↑のYouTubeを視聴していただければ問題ないのですが、少しだけ自分なりに説明したいと思います。

日本語はEvidence=「根拠」といわれることが多いですが、先生は「証拠」「実証」という

言葉を使用する方が理解しやすいのではないかと説明しています。



またEBMと聞くと、

「エビデンスのあることしかやっちゃダメなんでしょ?目の前の利用者さんに何でもかんでもエビデンスをあてはめようとする考えってどうなの??」


という批判も少なからずありそうな気がします。

自分もそんな考えを持っていました。


でもEBMはそんな偏った考えではなく、眼前の利用者さんにとって究極のオーダーメードである、

と先生は話しています。




それを実践していくためには5つのステップが大切だといわれています。

この内容に関しても違う動画で丁寧に説明してくださっています






Step1:眼前の対象者についての問題の定式化

Step2:定式化した問題を解決する情報の検索

Step3:検索して得られた情報の批判的吟味

Step4:批判的吟味の患者への適応

Step5:1〜4の再評価



さらにその5つのステップをPICOという4つの視点を使って考えていくと理解しやすいといわれています。


Patients:どんな患者(対象者/利用者)さんで

Intervention:どんな介入があるのか

Comparison:他の介入と比較して

Outcom:介入の結果どうなるのか




Step1:眼前の対象者についての問題の定式化

目の前の対象者さんは一体どういった方なのか?

ここにはどういった疾患をお持ちで、どのような人物の方なのか、といった内容が含まれます。




Step2:定式化した問題を解決する情報の検索

Step1から、その疾患や性別、年齢などに当てはまるとされる有益な情報を検索する

恐らくEBMのイメージはここが特に強いのではないかと感じます。




Step3:検索して得られた情報の批判的吟味

検索して得た情報が果たして本当に目の前の対象者さんのリハビリテーションに適応できるものなのか。

この点がとても大切で一つ間違ってしまうと、

目の前の方を無視してエビデンスのみを優先させてしまう危険性があると、

感じています。




Step4:批判的吟味の患者への適応

たとえ高いエビデンスがあるといわれている内容であったとしても、

対象者さんがその治療方法を本当に望んでいるのか?

リハビリテーションは療法士のためにあるものではなく、

それを受ける対象者さんのためのものです。

なので対象者さんが望んでいなければ、

高いエビデンスであっても使用するべきではないと考えます。




Step5:1〜4の再評価

以上のことを繰り返し評価しながら、

必要に応じて新たなプログラムを立案していくことが必要だと話しています。




ここでは本当に簡単な説明しかできていません。

なのできちんと理解するためには、

やはり一次情報(原著論文)から情報収集していくことが大切だと思われます。




EBM/EBPの理解にはこの他にもクリニカルリーズニングや、

OTでは近年『作業療法リーズニング』といった考え方も大変重要になっています。

今回はリーズニングに関しては割愛させていただきます。



以上、今回はEBM/EBPについて書いてみました。

自分がOT1年目の頃にこれらの情報を得ていたら、

ちょっと未来は変わっていたのかなぁと思わなくない気がします。


でも今からでも遅くないと思っていますし、

昔も今も変わらず、目の前の対象者さんのために、

とにかく必死のパッチで動いて考えて動いていきたいと思います。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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