2021年07月19日
新人研修プログラムzoom講義『ナラティブ・アプローチ、アクティブコンピテンシーなど』
2021年07月15日
先生方のお仕事。
2021年07月06日
身につく学び。
2021年07月02日
新人教育プログラムzoom講義「バイタルA血圧・呼吸・腹部」
2021年06月26日
2年目療法士向けzoom講義「パーキンソン病 服薬とリハビリテーション ケーススタディ」


2021年06月25日
新人オンライン・ダイアログ

2021年06月21日
"介入"という言葉。医療の分野で使っていいのだろうか。
人材開発室のいとうです。
"介入"という言葉。
私たちはリハビリテーションの現場で何気なく使っていないでしょうか。
この記事はリハビリテーション専門医岡本五十雄先生からの問題提起です。
いま一度、自分たちが使っている言葉を考え直す機会になればと思います。
「医療の分野で使っていいのだろうか」
1,介入
問題・事件‣紛争などに本来の当事者でない者が強引にかかわること(広辞苑)
事件や争いなどに割り込むこと(三章堂 大辞林)
当事者以外の者が入り込むこと。争いやもめごとなどの間に入って干渉すること(goo辞書)
@ 臨床現場で使われる介入
私たちの仕事の分野でこの言葉に違和感を覚えたのは15〜16年前くらいからでした。それが時と共に、頻繁に使われはじめ、使わなくてもいいのに、使っているのに心が痛んでいました。
どんな使われ方をしているかというと、理学療法介入(の結果)、作業療法介入(の結果)、言語療法介入(の結果)、治療介入やリハビリテーション介入など、全国学会でも地方会でも此見よがしに使われているのです。
これらは、介入を入れないで理学療法、作業療法、言語療法、治療やリハビリテーション治療の結果で十分なのに、介入という言葉を入れて、勝手に入り込む療法という意味にしています。医療は患者さんとの協力、協同で行われます。この言葉は使ってはいけない言葉なのです。カンファレンスの時に多くの療法士がこの言葉を使います。私はその都度諭します。
以前に日本リハビリテーション医学会にもこの問題についての意見をあげたことがあります。
A医療・福祉関係では、Interventionの適訳は国語力が問われる
このように介入は医療現場では使うべきでないと考え続けてきましたが、日本福祉大学名誉教授二木立先生の「二木立の医療経済・政策学関連ニュースレター」(通巻184号、17ページ(2019年11月)に『Intervention』を日本語に訳するときに介入という言葉を使うべきでないこと、訳すときの状況に応じた適訳が必要であることが紹介されており、これには大いに感動しました。二木立先生の文章をそのまま紹介します。
○渡部律子(日本女子大学教授)「援助・支援 ソーシャルワーカーとクライエント…が出会い、そこで展開されていく問題解決・軽減のための活動をソーシャルワーク援助と呼ぶ。英語圏では、日本語に訳すと『介入』となる『Intervention』という用語が使用されることもあるが、この日本語は両者の関係が対等ではないという誤解を招くこともあるので本書では使用しない。本書では主に援助を使うが、時に支援という用語も同様の意味で用いる」(『福祉専門職のための統合的・多面的アセスメント−相互作用を深め最適な支援を導くための基礎』ミネルヴァ書房,2019,20頁「用語の定義」)。
二木コメント−私も以前から「介入」という日本語表現が気になり、大学院生や若手研究者が社会福祉・ソーシャルワーク分野の研究計画等で「介入」を使った時には、「支援・援助が適切ではないか?」とコメントしていたので、多いに共感しました。今回Googleで調べたところ、interventionの動詞interveneの本来の意味は「間に入る」「介在する」(inter=間・中+vene=来る)という中立的意味であり、日常用語として干渉、押しつけ等のマイナスイメージがある「介入」は、専門用語としても使うべきではないと改めて思いました。医学論文のinterventionは、なかなか良い訳語が思いつきませんでしたが、本「ニューズレター」183号の英語論文抄訳欄の冒頭で紹介した論文では、試みに「働きかけ」と訳してみました。また、以前から、"treatment intervention" "intervention group"はそれぞれ、「治療介入」ではなく「治療」、「介入群」ではなく「治療群」と訳しています。
さすが二木先生です。ここまでの英語力と国語力なのです。
B 翻訳は国語力
翻訳には国語力が問われるといいます。いくら英語が上手でも、日本語を駆使できる能力を持っていなければ、とんでもない間違いを起こします。英語を本当に理解するためには、日本語力を身につけなければなりません。それは、幼少の頃から必要なことです。いくら幼少期から英語だけを学んでもよい日本語は身につきません。
余談ですが、若いときに、ベトナムの傷痍軍人大臣から頂いたベトナムのリハビリテーションを訳したとき「ベトナムは飛行機による激しい爆撃を受けた」と翻訳しました。先輩に、それは「空爆」だよと指摘され、己の国語力の低さを痛感したことを覚えています。
2,用語の変遷
@めくら将棋→目隠し将棋に
以前には「めくら将棋」と言われました。めくらという表現が差別用語とされてから、目隠し将棋となったのです。目を被うように鉢巻きをして、将棋を指すのです。当然、将棋盤や将棋の駒は全く見えません。駒の位置を言葉で対戦相手に伝えて指すのです。ほとんどのプロの棋士は可能です。しかし、多少弱くなります。よく間違えるのが、歩の数です。そのため、指を折って、歩の数を確認しているといいます。一歩でも間違えると詰ますことができなかったり、また余分に使ったりして、負けとなります。
ついでですが、このように目隠しでも将棋の駒の配置は記憶を頼りにできるのですが、それをゴボウ、ニンジン、大根などの形をした駒をおいて、その駒を前に進めてもすぐ記憶は途切れてしまいます。
なれたものの記憶は難しくても残り、不慣れなものは単純なものでも記憶に残りにくい。不思議ですね。
Aつんぼ桟敷
江戸時代の劇場で、正面2階桟敷の最後方の席。現在の3階および立見席に当たる所で、役者のせりふがよく聞こえない観客席。見巧者が多く集まるので俳優には重視され、「大向う」といわれる。A転じて、いろいろな事情を知らされない状態(広辞苑)。
つんぼという言葉が差別用語となり、耳の日自由な人となりました。
つんぼ桟敷の言い換えや類語には中間はずれ、かやの外、つまはじき、村八分、疎外などがあります。これらの言葉を使っても、言葉の響きはいまいちです。この言葉は、「声の聞こえない桟敷」から「つんぼ桟敷」になったといわれ、これからは「声の聞こえない桟敷」という表現になるのでしょうか。すきっときませんね。だからといってつんぼ座敷が
よいわけではないのですが。
この記事は、リハビリテーション専門医の岡本五十雄先生(北海道のクラーク記念病院)のメールマガジン『リハビリテーション、医のこころ』より、岡本先生から許可を得て原文のまま転載させていただきました。
岡本先生、ご厚意ありがとうございます。
▼岡本先生の関連のブログ記事↓
"介入"という言葉。医療の分野で使っていいのだろうか。
人材開発室のいとうです。
"介入"という言葉。
私たちはリハビリテーションの現場で何気なく使っていないでしょうか。
この記事はリハビリテーション専門医岡本五十雄先生からの問題提起です。
いま一度、自分たちが使っている言葉を考え直す機会になればと思います。
「医療の分野で使っていいのだろうか」
1,介入
問題・事件‣紛争などに本来の当事者でない者が強引にかかわること(広辞苑)
事件や争いなどに割り込むこと(三章堂 大辞林)
当事者以外の者が入り込むこと。争いやもめごとなどの間に入って干渉すること(goo辞書)
@ 臨床現場で使われる介入
私たちの仕事の分野でこの言葉に違和感を覚えたのは15〜16年前くらいからでした。それが時と共に、頻繁に使われはじめ、使わなくてもいいのに、使っているのに心が痛んでいました。
どんな使われ方をしているかというと、理学療法介入(の結果)、作業療法介入(の結果)、言語療法介入(の結果)、治療介入やリハビリテーション介入など、全国学会でも地方会でも此見よがしに使われているのです。
これらは、介入を入れないで理学療法、作業療法、言語療法、治療やリハビリテーション治療の結果で十分なのに、介入という言葉を入れて、勝手に入り込む療法という意味にしています。医療は患者さんとの協力、協同で行われます。この言葉は使ってはいけない言葉なのです。カンファレンスの時に多くの療法士がこの言葉を使います。私はその都度諭します。
以前に日本リハビリテーション医学会にもこの問題についての意見をあげたことがあります。
A医療・福祉関係では、Interventionの適訳は国語力が問われる
このように介入は医療現場では使うべきでないと考え続けてきましたが、日本福祉大学名誉教授二木立先生の「二木立の医療経済・政策学関連ニュースレター」(通巻184号、17ページ(2019年11月)に『Intervention』を日本語に訳するときに介入という言葉を使うべきでないこと、訳すときの状況に応じた適訳が必要であることが紹介されており、これには大いに感動しました。二木立先生の文章をそのまま紹介します。
○渡部律子(日本女子大学教授)「援助・支援 ソーシャルワーカーとクライエント…が出会い、そこで展開されていく問題解決・軽減のための活動をソーシャルワーク援助と呼ぶ。英語圏では、日本語に訳すと『介入』となる『Intervention』という用語が使用されることもあるが、この日本語は両者の関係が対等ではないという誤解を招くこともあるので本書では使用しない。本書では主に援助を使うが、時に支援という用語も同様の意味で用いる」(『福祉専門職のための統合的・多面的アセスメント−相互作用を深め最適な支援を導くための基礎』ミネルヴァ書房,2019,20頁「用語の定義」)。
二木コメント−私も以前から「介入」という日本語表現が気になり、大学院生や若手研究者が社会福祉・ソーシャルワーク分野の研究計画等で「介入」を使った時には、「支援・援助が適切ではないか?」とコメントしていたので、多いに共感しました。今回Googleで調べたところ、interventionの動詞interveneの本来の意味は「間に入る」「介在する」(inter=間・中+vene=来る)という中立的意味であり、日常用語として干渉、押しつけ等のマイナスイメージがある「介入」は、専門用語としても使うべきではないと改めて思いました。医学論文のinterventionは、なかなか良い訳語が思いつきませんでしたが、本「ニューズレター」183号の英語論文抄訳欄の冒頭で紹介した論文では、試みに「働きかけ」と訳してみました。また、以前から、"treatment intervention" "intervention group"はそれぞれ、「治療介入」ではなく「治療」、「介入群」ではなく「治療群」と訳しています。
さすが二木先生です。ここまでの英語力と国語力なのです。
B 翻訳は国語力
翻訳には国語力が問われるといいます。いくら英語が上手でも、日本語を駆使できる能力を持っていなければ、とんでもない間違いを起こします。英語を本当に理解するためには、日本語力を身につけなければなりません。それは、幼少の頃から必要なことです。いくら幼少期から英語だけを学んでもよい日本語は身につきません。
余談ですが、若いときに、ベトナムの傷痍軍人大臣から頂いたベトナムのリハビリテーションを訳したとき「ベトナムは飛行機による激しい爆撃を受けた」と翻訳しました。先輩に、それは「空爆」だよと指摘され、己の国語力の低さを痛感したことを覚えています。
2,用語の変遷
@めくら将棋→目隠し将棋に
以前には「めくら将棋」と言われました。めくらという表現が差別用語とされてから、目隠し将棋となったのです。目を被うように鉢巻きをして、将棋を指すのです。当然、将棋盤や将棋の駒は全く見えません。駒の位置を言葉で対戦相手に伝えて指すのです。ほとんどのプロの棋士は可能です。しかし、多少弱くなります。よく間違えるのが、歩の数です。そのため、指を折って、歩の数を確認しているといいます。一歩でも間違えると詰ますことができなかったり、また余分に使ったりして、負けとなります。
ついでですが、このように目隠しでも将棋の駒の配置は記憶を頼りにできるのですが、それをゴボウ、ニンジン、大根などの形をした駒をおいて、その駒を前に進めてもすぐ記憶は途切れてしまいます。
なれたものの記憶は難しくても残り、不慣れなものは単純なものでも記憶に残りにくい。不思議ですね。
Aつんぼ桟敷
江戸時代の劇場で、正面2階桟敷の最後方の席。現在の3階および立見席に当たる所で、役者のせりふがよく聞こえない観客席。見巧者が多く集まるので俳優には重視され、「大向う」といわれる。A転じて、いろいろな事情を知らされない状態(広辞苑)。
つんぼという言葉が差別用語となり、耳の日自由な人となりました。
つんぼ桟敷の言い換えや類語には中間はずれ、かやの外、つまはじき、村八分、疎外などがあります。これらの言葉を使っても、言葉の響きはいまいちです。この言葉は、「声の聞こえない桟敷」から「つんぼ桟敷」になったといわれ、これからは「声の聞こえない桟敷」という表現になるのでしょうか。すきっときませんね。だからといってつんぼ座敷が
よいわけではないのですが。
この記事は、リハビリテーション専門医の岡本五十雄先生(北海道のクラーク記念病院)のメールマガジン『リハビリテーション、医のこころ』より、岡本先生から許可を得て原文のまま転載させていただきました。
岡本先生、ご厚意ありがとうございます。
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2021年06月19日
新人教育プログラムzoom講義「エンパワメントアプローチ、ストレングスモデル」



2021年06月09日
2年目療法士オンライン・ダイアログ。
2021年05月29日
2年目療法士向け研修プログラムzoom講義「はじめて訪問に行くセラピストに向けて その2」
2021年05月22日
新人研修プログラムzoom講義「ポジティブ・アプローチなど」




2021年05月20日
キャリア・インタビュー「利用者さまの頑張りにいつも力をもらっています」PT福西弘樹さん(今里)
1.今の仕事に至ったきっかけ、経緯、転職のこと、転機のこと、キャリアを振り返ると…
理学療法士になろうと思ったきっかけは、祖母の在宅介護の経験が大きいと思っています。十数年前に祖母がクモ膜下出血で倒れました。その頃に病院や施設を転々としました。結局、母が8年近く在宅介護する形で祖母がわたしたちの自宅に同居することになりました。自宅にベッドが搬入され、デイサービスや訪問看護(NSやPT)のサービスを受けました。その時に訪問看護師さんやベテラン理学療法士さんから色々とお話しを聞くことができました。
自らすすんで見学したところ、胃瘻造設や褥瘡がかなりひどい状態でしたがポジショニング、塗り薬などで対処したことで改善したことにとても驚きました。悪い状態の褥瘡の生々しい様子をみて「生きているのにこんなに骨が見えるのか」、状態が回復した様子もみて「こんなに良くなるのか」と、衝撃を受けたのを今でもはっきりと覚えています。
母と同じような年齢のベテランPTの関わりに特に感銘を受けました。それは祖母が故郷長野への帰省を希望した際に、リスク面に関する親身なサポートでした。
「自分もやってみたい」
と、理学療法士になることを志したきっかけだったと思い起こします。
その後ヘルパー2級を取得した母は、祖母の意識がないまま、顔色とかをみながらベッドサイドで座る練習をしていました。病院に1年程度入院したあと、アクティブに入社して4年目の時に87歳で一昨年亡くなりました。
大阪府内の中学校を卒業後に進学した5年制の大阪府立高専では、環境化学を専攻し、有機化学、生物化学などを学びました。同級生の仲間は製薬会社、製菓会社への就職が多いなか、理学療法士というのは異色で大きな方向転換でした。そんな方向転換も両親からは「あんた向いてるんちゃう」と後押しがありました。そして漠然と訪問理学療法士になりたいと思いながら、大阪医専に入学しました。学校ではいずれ訪問理学療法士になるなら病院で経験積んだ方が良いと先生からの意見を聞いていたので、数年は病院に勤めて訪問リハビリの事業所へ転職…と漠然と考えていました。しかし、3年時の就職説明会で阪東社長から「辞めるつもりで病院に行くより、1年目からうちの方がいいんじゃないですか?」と説明を受けたのがきっかけで弊社での新卒入社を考えるようになりました。
「辞めるつもりで働くのも何か申し訳ない…」
「元々あこがれていた地域の分野で…」
そんなことを考えたあげく…思い切って弊社で訪問リハの世界に飛び込んでみました。同級生32名の就職先はほとんどみな病院でした。
2.今の仕事、働き方
土曜は1日デイサービスで、他は週22〜23件(一日6件ほど)の訪問を回らせて頂いています。東成区、鶴見区、東大阪市の周辺。空き枠のある時間は書類作成(報告書、計画書、記録書)、疾患や障害に関する情報収集、自主トレメニュー作成などに取り組んでいます。時折、短期実習の学生さんが来ていたら訪問に同行してもらっています。火曜日、日曜日お休みの週休2日です。
最近は得意分野とおもわれているためなのか?!パソコンやネット環境の仕事を依頼されることが多くなっています。ほんとはパソコン関係のことは全く得意ではありません(汗)。自分でネットを調べながら使い方を漁っているような状態なんです。パソコンのネット上、オンライン上、クラウドの共有フォルダ制作や評価表を書きやすくスタッフ間で共有しやすいようにするなど、情報管理担当みたいな役回りにいつの間にかなってしまっています(笑)
3.仕事での苦労、醍醐味
もともと口下手で、考えていることや感情を上手に表出することが得意ではありません。利用者さまに提案した内容が正しく伝わって実施して頂けた時は特にうれしいですね。訪問利用者さまで自主トレ練習をうまくやってくれる方がいて、意欲的で意識が高い人であれば、「こんなん試してみたらどうですか?」と提案できます。でも、なかなか提案に乗ってくれない人だと、成功体験がうまく積み重ならないという悩ましい経験も多くあるように思います。
4.仕事の魅力、やりがい
自分の中では病院だと患者さんとの関係性が出来る頃に退院や転院することが多いように思いますが、在宅サービスは長い期間のお付き合いを出来ることが大きな魅力だと思っています。
こんな嬉しいこともありました。デイサービスの担当利用者さまで、わたしが3年目になると同時に訪問リハ業務枠を増やすためにデイ担当を変更させていただく旨を説明したところ、その利用者さまから“デイサービス利用を止めて訪問に切り替えて訪問リハに来てほしい”と言っていただいたことです。2年目を迎えた時も“デイの日程変更、調整してリハしてほしい”と利用者さまから言っていただけたのは嬉しかったです。その方は女性の利用者さまで、デイから訪問リハに切り替えてサービスを継続中です。特に何をしている訳でもなく…話しを聴いて、愚痴や深い話しまでお聞かせくださって…もう5年目になります。自分になかなか彼女ができないことをよく話しのネタにしていたのもあって、いろいろと恋愛指南までしていただいていました(苦笑)
5.仕事をしていくうえで大切にしていること、心がけていること、座右の銘やモットーなど
仕事をしていくうえでは当たり前なことだと思いますが言葉遣い(変に丁寧過ぎず、崩れ過ぎず)には気を付けるようにしています。相談されたことにはできるだけ答えようと。あとは無理なことは無理と言えるようにしています。座右の銘は特にありません。
6. わたしの事業所自慢
3年目が終わって1〜3年目の新人育成期間が終わっても先輩からアドバイスや助言、指導をしてもらえて、アットホームで和やかな雰囲気で他職種とも連携しやすいです。
新卒で入職して、デイサービスと訪問の両方をみることができ、維持期・生活期を経験できていることは良かったです。連携先の山崎診療所の外来リハの出向経験がとてもよかったと思っています。肩、膝、股関節疾患を経験できました。手術前後の患者さま、その後の回復期の方、その全過程を経験できたことは、生活期でも生活場面でもどんな予防ができるのかや悪くなっていくことを予防することにも視野を向けられるようになりました。
担当バイザーは1年目がPT政岡さん、2年目がPT畔川さん、3年目がPT井上さんでした。バイザーのみなさんの指導で、評価の方法、利用者さまとの関係のつくり方、基礎知識の大切さに気づくことができました。“もっと考えてやらな”と自分でも勉強するようになりました。バイザーのみなさんから「自分で考えて、前任者の引き継ぎのリハ内容だけではなく新しいコトにも、自分の色も出して」と指導を受けて、“やらなあかんな”と大きな後押しとなりました。ありがとうございます。
5年目としては、まだまだ求められているところまでは到達できていないと思っています。評価方法などの基本を見直しています。
また、訪問療法士の業務に興味を持っている人には弊社での仕事をおススメできると思っています。
7.わたしの療法士像
わたしが周りから言われるのは「大人しい」や「静か」が多いです。自分でもそれは良くも悪くもあるという捉え方をしています。心不全の方からは「穏やかな雰囲気がありがたいわ」と言ってくれます。でも反対に別の方からは「打っても響かない」と言われることも…
自分自身が目標としている療法士像は、機転が利いて先の展開を予測してリハビリテーションを提供できる療法士です。どの先輩のみなさんも先の展開を考えてながらできているなと感じます。自分は疾患や障害の特性の理解がまだまだ足りないなと思います。
8.これから仕事でチャレンジしたいこと
訪問が長期化している方が多くなっているので、目標達成して訪問終了までもっていけるようにしたいです。4〜5年継続中の利用者さまになると、“なあなあ”の雰囲気や惰性の空気というか…そういうところがどうしてもあります。そのため、こちらから目標やリハ内容を変えようとしても、利用者さまから「今までのとおりでいいやん」と、あえなく断られることもあります。悪くなっていない、維持できるているのかを確認しながら、新しいことにも一緒に取り組んでいければと思っています。
9.わたしのアクティブ自慢
アクティブ自慢は利用者さまに元気で意欲的な方が多いと思います。私が元気を分けて貰える事が多々あります。利用者さまの頑張りを見ると、「ぼくも頑張らなあかんな」と思わされます。
訪問リハ利用者さまで小脳梗塞の方でかなりふらつきがあるものの、屋外での歩行器自立歩行を意欲的に目指しておられる利用者には、いつも力をもらっているように思います。
10.いちばん落ち着ける場所
自宅の布団の中です。今日もやっと終わったという感じになれるのが好きです。
11.これがなければ生きていけない
美味しいご飯です。最近は休みの日に自分でも作っています。
12.夏休みの宿題のやり方(前半詰め込み型、後半追い込み無計画型、まんべんなく計画型)
自由課題以外は前半で終わらせていましたが、自由課題は決めきれずにいつも後半になっていました。テーマを何にしようかな…と悩んでできない。一旦離れて、遊ぶ。やるべきことをしてから、期限が迫り始めてからもう一度取り組むという感じです。
13.ご自身のことで、ここ最近で起こった大きなことは?
2020年11月に入籍しました。
『新婚さんインタビュー』
“仕事のことは妻に話す派?話さない派?”
☞深くは話さない(利用者様や取り組んでいることは話さない、聴かれないから話さない)
“妻はどんな存在ですか?”
☞少し天然で明るくて元気をもらえる存在、頑張り屋さんのところを見るとチカラもらえる
“お互いにどんなところに魅力を感じたのでしょうか?特に自分のことは?”
☞裏表がないところに惹かれました。
☞「隠していることがあるでしょう?」と妻によく言われます。反対に「あるって言うんやったら暴き出して」とお願いしているところです。いつもさらけ出してつもりだけど…言葉がまだまだが足りないのでしょうか(苦笑)。
ちなみに2人とも4人姉妹・兄弟で、妻は3番目、わたしは2番目です。
14.家庭と仕事の両立の秘訣は?
昨年11月からの2人での生活なのでこれからどうなるかまだ分かりませんが、出来る限り家事や子育てに参加して愛媛県出身の妻の負担を減らせるように心がけています。今も洗濯、平日の休みの日はご飯づくりに励んでいます。最近では、小松菜のジェノベーゼパスタは絶品でした。妻は好きなパスタを作ると特に喜んでくれるので作りがいがありますね(笑)。あとはマグロのアラで、皮を湯引きに、ユッケ丼、肉団子なども作ってみました。あまり食べたことのないメニューを作って2人で食べています。
15.コロナ禍、ステイホームでおすすめのモノやコトは?
料理で変わったもの、食べたことのない初めてのメニュー、テレビで見たメニューを作ってみるようにしています。あとは食材のコストを抑えて購入することにも注力しています。大切なことですから。
加えて、より楽しく調理するためのおススメの調理器具は、ハンドブレンダ―/ハンドミキサーです!少し手間のかかるみじん切りやすりつぶし、泡立てなどが料理していて大変に感じる作業が手軽にできたからです。料理が少し億劫に思っている方でも、ハンドブレンダ―/ハンドミキサーのような道具があれば、料理に取っつきやすくなるかもしれません。
福西 弘樹 さん 略歴など
2016年3月に大阪医専を卒業。同年4月に弊社入社、今里事業所に配属され現在に至る。
29歳。生活期・訪問理学療法士として6年目を迎え、昨年11月に結婚し公私ともに充実の福西さん。持ち前の穏やかさとやさしさで訪問リハ利用者さまからの信頼も厚く、関係性も深い。職場の上司や仲間から請われ、PC、ネット関連業務をこなすうちに今里事業所IT情報管理担当(自称)の一面も。
自慢のハンドブレンダ―/ハンドミキサーとクッキングする福西さん。
編集担当者からのフォト依頼は、MOCO'Sキッチン風にということで…
■キャリアインタビューを終えての感想(福西さんより)■
自分のことを考えるいいきっかけになりました。こんなんでいいのかな…と思いながらですが。
インタビューを受けていて自分の出来ていないことや伸ばした方が良いことを発見することができたと思います。
また、今後の物事の考え方について、色々とアドバイスを頂けました。特にナラティブムービーなどの関わり方はご家族との深い関わり方もできると感じました。
■キャリアインタビュー記事編集担当より■
オンラインでの就職説明会と職場見学会で、たまたま立ち寄った今里事業所で、数年ぶりに会った福西さんは別人のような雰囲気を醸し出していました。このときで5年目になっていた福西さん。どこかしっかりとして落ち着いたような…1年目時のおっとりかつフワフワとした印象とはまるで違うように感じました。どっしりと安定した印象です。“何があったのか?!”とついつい気になってしまい責任者の方に聴くと、近くに結婚するとのことで少し合点がきました。新卒採用で入社した生え抜き社員でもある福西さんから、PTキャリア1年目のときからのことをもう少し詳しくお話しを聴いてみたくなり、その場でキャリアインタビューへのご協力をお願いさせていただきました。
上記1.の今の仕事に至るまでのなかでも記していますが、福西さんは中高生時代から自宅での祖母の在宅介護に自ら進んで参画したそうです。そのなかでのエピソードもたくさんお聴きしました。そして、5年制高専から理学療法士へと舵をきる大きな決断を、後押ししたであろうお母さんが発した「あんた向いてるんちゃう」という言葉。インタビュー前、福西さんの穏やかな物腰ややさしい空気はどこからくるものなのかな…と、ぼんやりと思っていました。お腹を痛めて産んだ時から福西さんを最も身近に見てきたお母さんだからこその言葉を聴いて、そういうことなのかぁとつながったような思いがしました。
穏やかな物腰ややさしさを持っている福西さんですが、利用者さまとのコミュニケーションに関しては、ジレンマも多いようです。
利用者さまと接する場面を思い起こすと…
「思っていることの半分も言えていないように思います」
「事実として伝わっていないこともあるから、そう思います」
「どうやったら伝わりやすいのか?と考えながら接するようにしているが…」
「その人ならどういう風に捉えるのか?」
「言い方を変えたりしている。強めに言ったり、脅すように言ったり、優しく言ったり…」
「でも自分の心のシャッターが閉じているときもあるように思います…」
心意気実践チームの心意気サポート事例や利用者さまの日頃の頑張りを動画にし、利用者さまとご家族にプレゼントする“ナラティブムービー”等の、利用者さまの方へより一歩踏み込んだ取り組みについての話しを聴くと…
「一人一人深く関わっているつもりやったけど、まだまだもっと深く関われたかも…」
「その人のことをもっと知ること。が足りていなかったのでは…」
「今までの関わりはまだまだ表面的なものだったのかな?」
「評価もその人に合わせたものでなかった。家事も含めて、他になかったかな…」
と、振り返りながら福西さんから、これからもたくさんトライアル&エラーをしていってくれそうな前向きな言葉が聴かれました。
上記9.で目標やリハ内容を変えようとして「今までのとおりでいいやん」と利用者さまから変化を断られることが多いとのことでした。急な変化については苦手な人が多いと思います。それは恐らく高齢者や障がいのある方々だとなおさらのことでしょう。それも踏まえると、“始め方は終わり方”、“はじめが肝心”ということではないでしょうか。どのような形で訪問リハを開始するか、開始の段階から終了や卒業のイメージをどれだけ利用者さまと共有できるか…途中の経過でも試行錯誤や意思決定の行ったり来たりに一緒にチャレンジできているか、またそれを適時振り返ることができているかというところも肝要でしょう。訪問リハ終了や卒業後のサービス移行先となりうるデイケアやデイサービス、訪問介護の見守り的援助(共に行う家事等)との生活機能向上連携をイメージした関わりを日頃から展開することが求められています。それにもう一つ、利用者さまやご家族にとって、そもそも訪問リハを終了すること自体が絶対善となるのか…という点についても、様々な状況把握にも努めながら考えておきたいところです。
福西さんの将来の目標となっていた祖母の訪問PTさんの関わりは、祖母とお母さんのナラティブを大切にしたものだったのではと感じました。これは福西さん自身が、訪問リハの現場で実践したいことでもあるのではと思いました。そして、福西さんもできること、もうすでに実践していることもあるのではないか。と、ふと思いました。福西さんはいまだに、その訪問PTさんとの再会は果たせず、福西さんが訪問PTとして働いていることもお伝えしていないそうです。いつかお会いできたときにどんな再会になってどんな話しができたのか、ぜひ聴かせてほしいですね。
富山県砺波市のものがたり診療所所長の佐藤伸彦医師は、“やさしさのしかけ”について、著書「ナラティブホームの物語 〜終末期医療をささえる地域包括ケアのしかけ〜」(医学書院、p19~23)に下記のとおり記している。
“やさしさは本能ではない”
“高齢者医療の現場では、介護スタッフに必要以上のやさしさを強要する場面が往々にしてある”
“やさしさを維持するための努力も並大抵ではない”
“やさしさの閾値は個々人で違う。中身も違うし環境に左右され、移ろいやすいもの”
“やさしさの閾値を下げるにはしかけが必要”
とし、認知症高齢者の一言一句を記録した『ナラティブ名言集』や写真を撮り続ける『ナラティブアルバム』の“やさしさのしかけ”で、その人の人間性や生き様が理解できたような感覚に直面する。それをきっかけに従来に増してやさしく接することができるかもしれない。家族との交流も生まれ、その人への共感も覚えることもあるだろう。(中略)理解するのではなく納得する、説明するのではなく感じる。そんな“しかけ”が必要ではないだろうか。
“やさしさは本能ではない”、“やさしさのしかけ”というところを読んでハッとさせられました。本能的なもののように思えてしまう福西さんの穏やかさややさしさとその空気は、当たり前のように元々あるものではなく、そのやさしさを保つにも何かしらの“しかけ”が必要ということ。
これは他の全ての職員にも当てはめて各自考えていく必要があることではないかと思いました。そこで弊社のなかに“やさしさのしかけ”はあるか?!と、今の社内資源に目を向けると、アクティブクラブをはじめとする各イベントやアクティブ学会、公式ブログ、社内メルマガ、公式YouTubeチャンネル、ナラティブムービーなどはその役割を果たせそうです。
各個人でも毎日のカルテ記載も工夫を凝らせば『ナラティブ名言集』にもなりえるでしょう。日頃の関わりの合間に許可をいただき写真を撮らせてもらうことや昔の写真を見せていただいたりするのもいいでしょう。大切なのはそれをマメに続けること。そしてどこかのタイミングでそれらを発信することです。それらがわたしたちの仕事や生活のなかでのやさしさを保つ方法になるかもしれません。
おそらくは生まれもったものとお母さんとの祖母の在宅介護などで培ってこられた穏やかさとやさしさ、落ち着いた対応に、時には利用者様をグイグイと引っ張っていくような推進力が、福西さんに加われば…訪問PTとしては“鬼に金棒”といったところでしょうか。
そうでなくても福西さんは今日もいつもと変わらない穏やかな物腰ややさしさとその空気で、きっと利用者さまを癒してくれるでしょう。
今回のキャリアインタビューは、2021年3月29日から5月10日までほぼ毎週月曜日朝9時〜9時40分の空き枠の時間をいただきました。計6回にも及ぶオンラインでのインタビューに快く応じて下さった福西さん、今里事業所のみなさんありがとうございます。
キャリアインタビュー記事編集担当
人材開発室・心意気実践チーム・発掘あるある広報室 伊藤健次郎
2021年05月19日
オンライン・アクティブ学会2020「KPTシートを用いた振り返り」

2021年05月15日
新人教育プログラムzoom講義「適切なセスメント・ モニタリングのための面談技法」
2021年05月11日
2年目療法士オンライン・ダイアログ。
2021年05月01日
2年目療法士スタッフ向けオンライン研修「初めて訪問に行くセラピストに向けて(社会 人として、医療者として注意しなければなら ないこと)その1」




2021年04月23日
新人教育プログラム オンライン講義「デイサービスに関する法制度の理解その2 (個別機能訓練加算、実際のリハについて)」

新人オンライン・ダイアログ



