涼しくなってきました。
自然が多いわが家の周辺では、今の時期が最も蚊が多いように感じます。
暑い盛りは思ったように動けなかった蚊ものびのびと動き出したんですかね。
ST水野です。
利用者さんとの信頼関係を作っていく過程を最近また考えています。
ふと思い出したことがあります。
学生さんや経験の浅いSTに共通していえる傾向についてです。
練習内容は時間をかけて考えるのに、練習方法はあまり意識できていない場合が多いこと。
言い換えると、「何をやるか」にばかり注意が向いて、「どうやるか」を配慮していないということ。
例えば、
新人STが「ブローカ失語症の利用者さんに名詞絵カードで呼称練習」を考えたとします。
「どんな風にやるつもりですか?」と聞くと、だいたいは「すぐに呼称は難しいと思うので、復唱をしてから呼称をします」などと返ってきます。
私の聞き方がよくないですね、知りたいのはそこではありません。
「どのように練習を進めますか?」と聞いた方がわかりやすいかもしれません。
まず考えてほしいのは
・復唱がうまくできなかったらどうしますか?
・何回やりますか?できるまでやりますか?
・正確にできない場合、どこまでできたらよしとしますか?
さらに進んで
・ご本人が自分でうまくできていないとわかっていたら?
・何回も自己修正されたら?
・STがここまでできたらよいと想定するレベルと完璧を求める利用者さんの認識が違っていたら?
そして
・うまくできなかった場合にどのようなフォローのことばをかけますか?
これらはすごく大事なポイントです。
実は、練習内容より、大事かもしれません。
本来なら、利用者さんの反応を感じながら、やっていくのがいちばんよい。
でも、経験が浅い場合は十分に意識をして、ある程度、予想を立てて事前に準備しておいた方がうまくいく場合が多いと思います。
以前、同僚に引継ぎをした利用者さんについての相談を受けました。
同僚が主に伝えたのは、練習は今こんなことをやっていますという点。(=練習内容)
同僚と利用者さんのご家族とのやりとりを伝え聞きました。
利用者さんのご家族が言われていることを要約すると「僕は素人なので練習で何をやるかはおまかせします」でも「お母さんを甘やかさないで」「きびしくやるべきところはきびしくして」という点。
ご家族が、担当者が代わって気になっているのは「何をやるか(練習内容)」ではなく「どんな方法でやるか(練習方法)」なのだろなと感じ、同僚に助言しました。
練習内容は、利用者さんや利用者さんのご家族が求めるところと大きくずれている場合はすり合わせが必要ですがその場合を除き、専門家におまかせ下さいねというスタンスでいいのはないでしょうか。
「どうやるか」は「何をやるか」以上に、利用者さんとのいい関係を築いていくうえで、最大限の配慮をすべき点だと思っています。
100点とれる課題ばかりをやっても効果は上がりません。
利用者さんの自信を失わせず、プライドを極力傷つけず、できない課題をどのようにやっていただくか、STの腕の見せ所ではないかと思います。
posted by Active at 15:04|
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